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iBeaconが変えるO2Oマーケティング

iBeacon(アイビーコン)は、マーケティングの活用が期待されるアップル社のテクノロジです。

携帯電話は登場した黎明期から「いつでも、どこでも」持ち歩くことのできる端末として、リアルタイムによる広告や情報提供に活用されてきました。いつ、どこで、どのような情報を見て製品を購入したか、ログを分析できることもメリットです。さまざまなモバイルマーケティングが考案されました。

たとえば、会員登録をすると限定のクーポンを発行して、店頭で液晶画面のクーポンを見せると割引が受けられるようなサービスです。雨の日だけの割引や、昼間や夜など時間を絞り込んでクーポンを発行する手法がありました。購買行動の履歴を分析して、リピーターを促進させる施策を立案することもできます。

このようなモバイルマーケティングの可能性をさらに広げる技術のひとつがiBeaconです。

iBeaconは、屋内でスマートフォンの位置を測定して、設置された発信機との通信を行う技術ならびに通信プロトコルの名称です。iOS7から搭載され、アップル社が商標登録しています。

iBeaconができること、マーケティングの可能性について解説します。

 

iBeaconで何ができるのか?

 

そもそも「ビーコン(Beacon)」には、「のろし」の意味があります。また、映画などで、潜水艦がピコンピコンというビーコンを発信して、戻ってくる音で敵艦の位置をソナーで探知する場面を観たことがあるかもしれません。iBeaconも信号を発信します。その信号をiPhoneが受け取り、ユーザーに情報を与えます。

iBeaconを使うと、店舗に近づいたときにアプリの起動を促したり、アプリを起動していれば、おすすめの商品の情報をプッシュ配信したり、店舗の現場で販売促進のコミュニケーションができます。また、アプリを起動した消費者が店内をどのように歩いて買い物をしたか、購買行動をトレース(追跡)可能です。

これまで店内ではPOP広告(Point Of Purchase advertising)を用いて、来店者の購買を促していました。店頭でよく見かける「金曜日まで特売!198円(税別)」「店長のおすすめ」のような手書き文字で書かれた札です。

しかし、POPは気付かなければ見過ごされてしまう可能性がありました。また、一般消費者を対象としたスーパーであれば問題ありませんが、アパレルショップで会員限定の割引を設定しているような場合、目に触れるような設置ができません。

このようなときiBeaconが便利です。個別に情報を発信して注意を喚起できます。購買行動の履歴から傾向を探り、好みに近い商品をレコメンデーション(推薦)することも可能になります。

iBeaconは、技術としてBluetooth Low Energy (BLE)を利用しています。抵コストを目的に省電力化されたBluetoothです。

ただしBluetoothを利用しているため、端末のBluetoothをオンにしておく必要があります。さらに消費者があらかじめ店舗のアプリをダウンロードして、起動しておくことが前提です。アプリを起動させるためのビーコンの発信は可能ですが、アプリがないと情報を提供できません。

 

O2Oマーケティングの可能性

 

これまでインターネット上の広告は、インターネットの中で完結するものでした。クッキーを使って、ブラウザの履歴や投稿などをトラッキングして、興味や関心の高い広告を表示させていました。

たとえば、スポーツウェアが欲しくて検索したところ、Webサイトに表示される広告がスポーツウェアばかりになってうんざりした経験のある方も多いでしょう。問題は購入した後にも購入した商品が広告に表示されることです。人工知能を導入すれば、うっとうしい広告もスマートになるかもしれません。

インターネット広告の最大の欠点は、商品理解の促進やブランディングに効果があったとしても、ECサイトを除いてリアルな店舗の購買行動(Action)に直接つながらないことです。AIDMAの法則は古典的な購買行動の理論ですが、最終的に背中を押してActionさせるためには機能しません。

そこで、ネット(オンライン)とリアル店舗(オフライン)を連動させる「O2O (Online to Offline)」という考え方が2010頃から注目されるようになりました。マーケティング分野に特化したIoTと理解すると分かりやすいでしょう。

スティーヴン・スピルバーグ監督、トム・クルーズ主演の『マイノリティ・レポート』という映画では、街を歩くと壁のデジタルサイネージが個々の通行人に語りかけます。おそらくビーコンによるマーケティングが進化すると、あの映画のような広告も実現可能かもしれません。

 

マスメディアの規模は縮小し、広告はオンラインでパーソナライズドされる傾向にあります。店頭でiBeaconを活用して消費者にクーポンを発行して購買を動機付け、Apple Payで決済することが、アップル社の描く消費行動の未来かもしれません。

ただ、『マイノリティ・レポート』のような、街に騒々しい広告があふれる未来は勘弁してほしいものですね。

 

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