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液晶と有機ELを比較、ディスプレイはどうなるのか

待望のiPhone8に関して、少しずつベールが剥がされてきました。それにしても、予測されている値段は最低価格のモデルで1,200ドル(約135,000円)! 10周年の輝かしい記念は分かります。ベゼルレスデザインを用いた斬新な仕様にも興味津々です。とはいえ、この値段ならノートPCが余裕で購入できるのではないでしょうか。

セレブ仕様の高級スマートフォンになりそうですが、さすがのAppleファンも尻込みしてしまいそうな印象です。画面の面積が広いため、ぜったいに落とせませんね。もしも落としてしまったら、ショックで一日寝込んでしまいそうです。

そこで気になるのが「なぜ、こんなに高価なのか?」ということです。大きな理由のひとつは、画面に「有機EL」の素材を用いていることがあります。有機ELは、最近注目を集めている、液晶に変わる次世代のディスプレイです。

有機ELは「ホタルの光」、液晶との違い

あらためて有機ELとは何かを簡単に説明していきましょう。

有機ELと呼ばれている技術は、正確には「有機エレクトロ・ルミネッセンス(Organic Electro-Luminescence)」といい、有機化合物の中に電圧をかけることで発光させる仕組みです。この現象を用いた発光ダイオードが一般的に世界ではOLEDと呼ばれ、日本ではスマートフォンやテレビ、照明などに使われるとき有機ELと称されています。

液晶との違いは、液晶は電気によって偏光板やカラーフィルターで光を遮ったり、透過させて明るくさせたりすることで映像を再現すること。一方、有機ELは有機化合物自体がR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)で発光します。RGBのカラーフィルターを白色発光で照らすタイプもあります。

実は、有機ELは夏の風物詩である「ホタルの光」と似たような仕組みで発光しています。ホタルはルシフェリンという有機物質が分解されたときに発光しますが、有機という名称からも分かるように、自然界の現象からもヒントを得ています。

簡単に言ってしまえば、光を遮ったり明るくしたりして表現する「液晶」、みずから発光する「有機EL」という発光の仕組みが大きな違いです。

見える画面が同じであっても、光を遮って見せているか、画面自体を光らせて見せているかによって、はるかに明るさや美しさが異なります。つまり「自発光」であることが有機ELの特長です。

そもそも技術的に考案されたのは1987年。Eastman Kodak社のC.W.Tang氏たちによる発見が発端でした。しかし、いま急速に注目を集めているのは、4Kや8Kなど高精細な画像画と大画面のテレビによる鑑賞が求められるようになったことが背景にあります。

有機ELは高輝度、高コントラストといった画面の美しさはもちろん、発色の変化に高速で応答できることが、当初からメリットとして上げられてきました。液晶やプラズマは発光するため真っ黒を表現できませんが、有機ELは黒を黒として表現可能です。

バックライトを使わないため、ディスプレイに使うフィルムが薄くなり、結果として薄型化と省電力化も可能になります。

有機ELはVRのゴーグルにも

世界で始めて有機ELを使った商品は、1977年、日本のパイオニアによるカーステレオでした。その後、さまざまな端末に使われています。

テレビのほかには、「ここまできたか! VRを体験しに歌舞伎町まで行った話@VRZONESHINJUKU」の記事でVRが取り上げられましたが、VRのゴーグルとしてソニー「PlayStation VR」CUHJ-16000にも使われています。5.7インチ、1,980×1,080画素の有機ELが採用されました。

なぜ、VRゴーグルに有機ELが使われるかというと、ヴァーチャルな世界を移動することで頭を左右に激しく動かすことの多いVRでは、表示の遅延が生じると「VR酔い」を起こしてしまうからです。液晶より残像が少ない有機ELが有利になります。

AR(拡張現実)端末としても、エプソンの「MOVERIO」BT-300は、エプソン独自の0.43型有機ELパネルによって、美しい画像を再現しました。高輝度と色彩表現の幅が広がったことにより、映像がナチュラルになりました。

【まとめ】

液晶 vs 有機EL

液晶 有機EL
光を遮断して表現 自発光による表現
長年の実績がある、製品が豊富 高画質、筐体を薄くできる
手頃な価格、安定した受給が可能 液晶に比べると高価、量産が困難

将来性の面では、スマートフォンだけでなくVRも含めて、有機EL需要の高まりは注目を集めています。しかし、反応速度の面では液晶の分野でも日々改良が続けられています。シャープのように、有機ELに対して取り組みながらも、液晶が本命であることを公言している企業もあります。

決め手となるのは、iPhone8のベゼルレスデザインの有機ELでしょうか。発売時期が確定しませんが、はやく確かめたいものです。

 

 

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