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Amazon Echoのスキルでアプリ開発

Amazon Echoには、音声対話型AIの Alexaが搭載されています。Alexaはクラウドベースで稼働し、ユーザーの発話した質問はクラウド(AWS)上でテキストに変換して処理を行います。その後、対話の回答をEchoのデバイスに送信します。

 

つまり、Echoの頭脳は端末上ではなく、クラウドにあります。当然ですが、あの円筒形のデバイスにすべての人工頭脳が詰め込まれているわけではありません。クラウドと連携しているからこそ、IoTとして人間と無限の対話が開かれています。

ところで、Alexaに入力された音声をテキストに変換して処理するプログラムは「Skill(以下、スキル)」と呼ばれています。AWS Lambdaに実装され、AWS LambdaはPythonをはじめ、Node.js、Java、C#などの言語をサポートしています。

したがって、開発者はAlexa用のコードを記述してスキルを開発、Alexaに独自の対話を行わせることが可能になります。つまり「Echo用のアプリ開発」ができます。

Alexaのアプリ開発は、個人として楽しむだけでなく、ビジネスの可能性があります。開発に携わる企業やプログラマーとしては興味深い分野ではないでしょうか。

2017年9月の段階で、Alexaのスキルは20,000を超えました。多くの利用者や開発者が関わることによって、さまざまなことに利用されはじめています。

日本上陸が目前と考えられているAmazon Echo。その可能性を拡げるスキルについて、概要を解説します。

 

Alexaのスキル基礎知識

 

Amazonではスキルの開発のためにSDKを公開しています。ユーザーや開発者は、Alexaに送られた音声をテキストに変換する処理と、処理した結果を端末に送信する仕組みの開発のために、このSDKを無償で利用できます。

ユーザーや開発者が作成したスキルは、個人利用は自由ですが、一般公開にはAmazonの審査が必要になります。審査が必要なことも、iOSやAndroidのアプリ開発と同様です。

構造からみると、Alexaには2つのフレームワークがあります。Alexa Voice Service(以下、AVS)とAlexa Skill Kit(以下、ASK)です。説明しましょう。

 

Alexa Voice Service(AVS)

 

AVSは、音声認識(ASR)や自然言語処理(NLU)に関するSDKです。これはEchoのデバイス側の制御プログラムになります。サードパーティーでAlexaを使った端末を開発する場合には、AVSで音声認識と自然言語処理を行うプログラムを準備する必要があります。

Echoを持っていなくてもAVSでAlexaを試すことが可能です。WindowsやMacOS、Linuxなど多様なパソコンのOSに対応しています。Raspberry PiにAVSを搭載して、自作Echoを試した人もいるそうです。

 

以下のGithubで、Amazonからサンプルが提供されています。

 

GitHub,Inc

 

Alexa Skill Kit(ASK)

 

ASKは、実際にAlexaのスキルをプログラムするSDKです。AWS Lambda上でプログラムを組むために提供され、さまざまなAPIがパッケージングされています。簡単に言ってしまえば「スキルはASKで作る」といえます。

ASKには、主に「Custom Skills」「Smart Home Skills」「Flash Briefing Skills」の3種類があります。

このうちCustom Skillsが、Alexaのアプリ開発を行うスキルタイプと呼ばれるものです。スケジュールアプリと連動して予定を入れたり、Webカメラを起動させたり、スクラッチでEchoのアプリを開発できます。

Smart Home Skillsはその名の通り、スマートホームに特化したスキル。タイマーのセット、照明のオン/オフや、エアコンの温度調節など、IoT家電を制御できます。スマートホームはまだ発展途上とはいえ、今後は急速に実用化が進みそうです。

Flash Briefing Skillsは、ニュース配信のためのスキルになります。HTTPS 、RSS、JSONからテキストや音声などのコンテンツを収集してユーザーに配信します。

 

Amazonが注力するスキル開発

 

2017年1月にアメリカのラスベガスで開催された「CES(Consumer Electronics Show)」では、700ものAlexaに対応した端末が発表されました。冷蔵庫、洗濯機、テレビといった家電から、キッズ向け商品、自動車まで幅広く、あらゆるものにAlexaが搭載されそうな勢いでした。

さらに9月1日から6日までドイツのベルリンで行われた「IFA 2017」では、サードパーティーによるAlexa対応スマートスピーカーやスマートフォンも数多く公開されました。Lenovo Tab 4 with Home Assistantのように、タブレットとスマートスピーカーをセットにした製品も発表されています。Googleもスマートスピーカーの分野で勢力を拡大しているとはいえ、現状ではAmazonがリードしています。

 

このように各社の競争が激化する中で、Amazonはスキルの開発者に報酬プログラムを実施しています。既にゲームに関するスキルには報酬が支払われました。スマートスピーカーはAmazonが切り拓いた領域とはいえ、Googleやサードパーティーによる製品が増えた現在、開発者を囲い込むことが重要になりつつあるようです。

海外のスマートスピーカー市場は既に確立して成長する過程にありますが、日本ではこれからの展開になります。Alexaのスキルについてプログラムのポイントなどを学んで、日本ではどのようなビジネスチャンスがあり得るか、探っておくとよさそうです。

 

 

 

 

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