Deep Blue

AI用語集

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Deep Blue

人工知能の草分け的なIBMのスーパーコンピュータ。チェスの対戦で人類史上初めて現役世界チャンピオンの人間に勝った。
開発着手は1989年。22歳で世界チャンピオンになり12年間その座を守ったガルリ・カスパロフと2回対戦。第1回目(1996年2月)は、3勝1敗2引き分けでカスパロフが勝利。第2回目(1997年3月)は、6戦中2勝1敗3引き分けでディープ・ブルーが勝利をおさめた。

システム構成とプログラム

ハードウェアはIBMのワークステーションRS/6000 SPを基盤に開発。チェスの盤面で有効な指し手を計算する、512個のVLSIプロセッサを搭載。OSはIBM独自のAIX、プログラム言語は計算速度を優先してC言語を採用。IBMの基礎研究所「ワトソンリサーチ」の6名で開発。チームにはチェスの元アメリカチャンピオンのジョエル・ベンジャミンがいた。
過去100年の序盤戦をデータベース化して、評価関数により有効な手を算出した。評価関数の評価レジスタは54パラメータ、評価テーブルは8,096パラメータ。一部手動で操作した。

開発で得られた問題処理能力、計算能力、データマイニングなどの技術は、IBMの製品やサービスに活用されている。2007年5月にIBMが発表した「Blue Gene」は、Deep Blueの子孫と呼ばれる。

対戦状況

第1回目の対戦は、アメリカ合衆国ペンシルバニア州フィラデルフィアで実施。カスパロフが勝利した。第2回目の対戦は、ニューヨーク州ニューヨークで実施。Deep Blueは第1局の44ムーブ目に、ある駒を犠牲にする手を打った。この素晴らしい一手が知性を感じさせるものであったので、カスパロフは「人間が介入したのではないか?」と動揺した。守りを固めながら、その後の反対の動きをを悟られないような巧妙な手だったからだ。
しかし、後にエンジニアのひとりは、この一手がプログラムのバグであったことを明らかにしている。バグによってランダムに打った一手が人間のように洗練されていたため、カスパロスを混乱させた。その後、序盤にコンピュータが打つであろう定跡データベースを崩す戦略をとるなど攻防を試みたが、最終的にDeep Blueの勝利に終わった。

マスコミはこの結果を、人間の知性がマシンに負けたとして大きく取り上げた。しかし、知性というよりも膨大な計算量を迅速に処理するハードウェアとプログラムでしかなかった。

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