第5回 RFPで具体的に提案してほしい項目の伝え方ポイント

アプリ・WEBなどのライトな開発の場合の
RFPの書き方

ポイントを理解したら、
手を動かしてRFPを実際に作ってみよう!

第5回 RFPで具体的に提案してほしい項目の伝え方ポイント

第5回 RFPで具体的に提案してほしい項目の伝え方ポイント

第4回、第5回、第6回では、前回解説した「プロジェクトの全体像」「具体的に提案してほしい項目」「RFPで提出を依頼するドキュメントの一覧」について、そのポイントを見ていきます。今回は、このプロジェクトで何を達成したいのかを効果的に伝える方法を解説します。

「具体的に提案してほしい項目」で伝える項目

①プロジェクトの中で依頼したい範囲と入れてほしい機能の要件
②プロジェクトのMAX予算と段階的な予算
③プロジェクトでの開発の手法の提案
④プロジェクトのチーム体制と役割分担の提案

◇プロジェクトを「人的・組織的制約」「時間的制約」「予算的制約」で具体化する

前回プロジェクトの全体像を「人的・組織的制約」(ヒトのマネジメント)「時間的制約」(モノができあがるまでの時間)「予算的制約」(カネの割り振り)で、明確化しました。
今回は「具体的に提案してほしい項目」について、同じく「人的・組織的制約」「時間的制約」「予算的制約」を使って明確化していきます。

「人的・組織的制約」「時間的制約」「予算的制約」

①プロジェクトの背景を「人的・組織的制約」「時間的制約」「予算的制約」で明確化

まず、思いつく限りの機能について、ライバルのサイトなどを参照したり、部内でアイディアラッシュ(ブレインストーミングでとにかく思いつく限りのものを出してみる)を行い、やりたいことを列挙します。

【問い合わせ増加に向けた具体的企画案や実現方法】

■現状のホームページの弱点の指摘
■最近のデザインの特色と費用感(ヒーローヘッダーや縦長スクロールなど)
■プログラミング部分はどんな言語を使って実現するのか
■現状稼働しているブログ等コンテンツの移行作業はどうするのか
■動画は必要か
■Google Analyticsなどでは何をKPIとすべきか、だれが担当するのか
■自社内にあるWEBサーバの管理はこのままでよいのか
■自社内にあるメールサーバの管理はこのままでよいのか
■お問合わせの顧客データを既存のCRMと連動させられないか
■CMSベースでコンテンツマーケティングを実施することと社員への研修について

例えば、以上のことなどです。

これを、「人的・組織的制約」「時間的制約」「予算的制約」が気になる部分に分類します。
(必ずしも全部分類する必要はありません、また分類できない場合には、開発会社に分類を依頼して要点を整理してもらうことも可能です)

「人的・組織的制約」:
■CMSベースでコンテンツマーケティングを実施することと社員への研修について
現状稼働しているブログ等コンテンツの移行作業はどうするのか
■Google Analyticsなどでは何をKPIとすべきか、だれが担当するのか
■自社内にあるWEBサーバの管理はこのままでよいのか
■自社内にあるメールサーバの管理はこのままでよいのか

「時間的制約」:
■現状のホームページの弱点の指摘(最初にどんな改善ができるか、いつまでにどんな改善ができるか)
■お問合わせの顧客データを既存のCRMと連動させられないか(いきなりはむりでも将来的に可能か)

「予算的制約」:
■最近のデザインの特色と費用感(ヒーローヘッダーや縦長スクロールなど)
■予算は限られているが、動画は必要か検討

アイディアラッシュでいろいろと案を出してみることは、必ず行ってください。営業部門は問い合わせ項目部分にこだわりがあったり、マーケティング部門はデータをきちんと検索できる状態で取得できるかに興味があったりと、視点が違うので、それらの意見を広く集めましょう。

②プロジェクトのMAX予算と段階的な予算を「人的・組織的制約」「時間的制約」「予算的制約」で明確化

「初期リニューアル費用300万円、年間リニューアル予算○万円、広告予算○万円」

「人的・組織的制約」:担当者1名を専任化する予定だが、他にアルバイトなどを雇う必要があるか?コンテンツマーケティングなどの外注化予算はどうやって見積もればよいか教えて欲しい
「時間的制約」:初期リニューアルの後、どの段階でどんなことが可能になるか分かりやすく提案して欲しい
「予算的制約」:初期リニューアルの後、どの段階でどんな費用をかけるのがよいかプランを出して欲しい

予算については、初期とその後の予算について分けて書きましょう。また、何に予算を重点的にかけてほしいのかを伝えましょう。これは当然のことといえば当然のことなのですが、ついつい「開発のことはわからないので、安くお願いします」という受身的な態度になりがちです。

最終的には相見積もりを判断するにしても「この部分にはお金をかける価値があると思っている」「この部分にはあまり費用はかけたくない」という希望はしっかりと伝えるべきです。
それによって、金額だけでなく提案内容もかなり違ってきますので、相見積もりの比較も金額だけなくとても有意義なものになります。

③プロジェクトでの開発の手法の提案を「人的・組織的制約」「時間的制約」「予算的制約」で明確化

「途中途中で進捗状況を確認したい。場合によっては、プロジェクトの優先順位を組み替えたい。」

「人的・組織的制約」:アジャイルという開発方法があるらしいが、当社からはどんな人員をチームとして出したら良いのか教えて欲しい
「時間的制約」:アジャイル開発は、丸投げしてしまうよりも長く開発期間がかかるのものなのか知りたい
「予算的制約」:長く開発が続くということは、予算の確保はどのように行うべきなのか提案して欲しい

「アジャイルとか知ったかぶりで言わないほうが良いかな・・・」などの遠慮はまったくいりません。ウェブなどで仕入れた知識を使って「こういうやり方があるらしいけど、御社はできますか?」的なストレートな聞き方をしたほうが、できるできないがはっきりして、以後の打ち合わせがスムーズに行きます。

④プロジェクトのチーム体制と役割分担の提案を「人的・組織的制約」「時間的制約」「予算的制約」で明確化

「ウェブサイトのリニューアルは小さな改修を継続してやっていきたいので、今回一回限りとは考えていない。必要に応じて営業、広報・広告、ネット関連など各部署を横断してウェブサイト活用プロジェクトチームを作ることも考えています。運営に対しても、明確に役割分担や作業内容を整理してください」

「人的・組織的制約」:運営や保守は自社が良いのか、アウトソーシングが良いのか、そのメリットデメリットを分かりやすく提示し欲しい
「時間的制約」:横断的なウェブサイト活用プロジェクトチームが体制として機能するには、どのくらいの期間を見たら良いのか他社事例なども交えて教えて欲しい
「予算的制約」:「プロジェクトでの開発の手法の提案」と重なるが、長く開発が続くということは、予算の確保はどのように行うべきなのか提案して欲しい

プロジェクトの失敗の大部分の原因は、役割分担の失敗です。そしてこの役割分担の失敗は最初のボタンの掛け違いから始まることが多いのです。このボタンの掛け違いをゼロにするためには、企画書や仕様書や計画書ができあがる前にRFP段階でキャッチボールを十分に行っておくことが必要です。

【まとめ】

パターンとしては、各項目について1-2文程度の箇条書きの要点を作り、それを「人的・組織的制約」「時間的制約」「予算的制約」の点で再整理するとうことです。

この「人的・組織的制約」「時間的制約」「予算的制約」については、現場の人でないとわからない部分なので有益な提案書を引き出す決め手となります。