第7回 作る!RFP〜実際にアプリ開発用のRFPを作ってみよう(1)〜「このアプリ開発の背景/目的と目標」編

アプリ・WEBなどのライトな開発の場合の
RFPの書き方

ポイントを理解したら、
手を動かしてRFPを実際に作ってみよう!

第7回 作る!RFP〜実際にアプリ開発用のRFPを作ってみよう(1)〜「このアプリ開発の背景/目的と目標」編

第7回 作る!RFP〜実際にアプリ開発用のRFPを作ってみよう(1)〜「このアプリ開発の背景/目的と目標」編

第4回、第5回、第6回とRFPの書き方のポイントについて、ウェブサイトリニューアルを例にして解説してきました。ポイントについては、必ずしも全部完ぺきにRFPに反映する必要はありません。開発会社もプロですので、ポイントを意識さえしていれば、発注者の「もやもや感」「不安感」そして「期待感」などを想像しながら提案をしてくれます。

ただし、この書き方では、開発側も「もやもや感」「不安感」期待感」などを想像しながら提案をするのが難しい、という良くないパターンがあるのも事実です。

そこで第7回、第8回、第9回ではアプリ開発を例に取り、RFPの良くないパターンを良いパターンに添削する、という実例をお見せいたします。

登場人物は、この3人に努めてもらいます。

駒津田(こまった)くん

若月田(わかった)さん

成保土(なるほど)さん

プロジェクトの全体像で伝える項目

①プロジェクトの背景
②プロジェクトの目的・目標
③プロジェクトの大まかなスケジュールとリリースの目安
④プロジェクトでターゲットとするペルソナ
⑤プロジェクトの競合情報

①プロジェクトの背景

駒津田(こまった)くん

現在ウェブサイトを解説して、当社のサービスである旅行ツアーの申込みをしています。若い人などはウェブサイトよりもアプリの方が便利だと考える人が多いと思うので、申込みの窓口をアプリにも拡大したいと思っています。

若月田(わかった)さん

東欧、東南アジアの旅行ツアーを強みとする当社の既存のお客様から頻繁に、「アプリで旅行を検索したり、申し込んだりできないのか?」というお問い合わせを頻繁にいただきます。
既存のお客様の利便性を向上させるとともに、アプリからの申込みができないために生じているであろう相当数の機会損失をなんとかしたいです。

成保土(なるほど)さん
お客様から具体的に問い合わせや要望などがある場合には、実名やプライバシーに配慮して問題のある部分を伏せた上で、その内容を開発会社に提示したほうが良いでしょう。
また、「機会損失」という言葉を使うことで、現在申し込み需要があるのにそれをきちんと処理できていない、というところに課題があることをはっきり伝えることができるようになります。

②プロジェクトの目的・目標・成果

駒津田(こまった)くん

アプリからの申し込みできるようにして、コンバージョン数を上げたい。
大手旅行代理店のように、ツアーメニューの豊富さでは勝負にならないと考えていますので、他の付加価値が欲しいです。

若月田(わかった)さん

現在広告媒体に掲載された当社電話番号及び、ウェブサイトからのフォームにて、当社が提供する旅行プランについて問い合わせ・お申込みを受け付けていますが、お客様との新しいチャンネルとして「アプリ」を考えています。アプリから申し込めないという問題を解決して、会社全体の売上の向上に役立てたいと思っています。

大手旅行代理店との差別化のために東欧と東南アジアに特化するだけでなく、旅行予約以外にも役に立つアプリにしたいです。旅行に役に立つアプリということで、アプリの独自の価値をユーザーに認めてもらい、そこから販路を拡大できればと考えています。

コンバージョンなどの数字的な目標としては、リリース後三ヶ月でアプリからの予約、月あたり10件、半年後に月あたり20件、一年後に月あたり50件を目指したいです。

成保土(なるほど)さん
アプリからの申込みをさせたいのは既存のウェブサイトの他にチャネルが欲しいから、ということを明記することで、既存ウェブサイトとの連携や差別化(アプリ独自の価値の訴求)などの提案を引き出すことができます。
また、大手との差別化に関して、より具体的にどこに自社の強みを出したいと思っているか(この場合予約以外のサービス)に踏み込んだほうが具体的な提案が出てきます。
コンバージョンの目標に関してもざっくりとしたもので良いので提示しておきましょう。

③プロジェクトの大まかなスケジュールとリリースの目安

駒津田(こまった)くん

他社と差別化したいので、できるだけ早くリリースしたい。

若月田(わかった)さん

現在3月ですが、5月のゴールデンウイークシーズン前にリリースを行って効果の検証を行い、8月のお盆休み前に改善点を潰したバージョンをリリースしたいです。

成保土(なるほど)さん
ついつい「できるだけ早く」という言葉を使ってしまいますが、もっと具体的に「いつまでにリリースして、こんな効果を期待したい」という部分に踏みみましょう。

④プロジェクトでターゲットとするペルソナ

駒津田(こまった)くん

当社のメインターゲットである東欧・東南アジアに興味がある人

若月田(わかった)さん

当社のメインターゲットである東欧・東南アジアに興味がある比較的年配の方とともに、アプリリリースにより若年層にターゲットを広げていきたい。

成保土(なるほど)さん
ペルソナについては、なるべく具体的に伝えます。RFPは提案を受けるためのリクエストですが、想定しているペルソナについては、発注側しか知らない情報なのでできるだけ詳しく伝えます。
そうしているしているペルソナと似たような案件を開発会社が過去に手がけていた場合、その実績から斬新な提案が出てくるということも期待できます。

⑤プロジェクトの競合情報

駒津田(こまった)くん

大手の旅行サイトは情報量が圧倒的なので、まともに勝負しても勝てないとは思っています。中小の旅行業者と差別化したいです。

若月田(わかった)さん

大手の旅行サイトは情報量が圧倒的なので直接的な強豪とは認識していません。中小で東欧、東南アジアに強い、下記の会社を競合として認識しています。

会社名:○○○○○○○○○○○○
URL:http://www.kyogo1.com

会社名:○○○○○○○○○○○○
URL:http://www.kyogo2.com

会社名:○○○○○○○○○○○○
URL:http://www.kyogo3.com

アプリ名:○○○○○○
iPhoneダウンロードURL:https://itunes.apple.com/jp/app/XXXX
AndroidダウンロードURL:https://play.google.com/store/apps/details?id=XXXX

成保土(なるほど)さん
競合会社/競合サービスについては、具体的な競合サイトやアプリのダウンロード先などを明記して、実際に実物を見てもらいましょう。

【まとめ】

以上、伝わるRFP「このアプリ開発の背景/目的と目標」について、悩める担当駒津田(こまった)くんと作成のプロ若月田(わかった)さんに登場してもらい、解説をしました。
次回は「想定機能と優先順位」について、再びこのコンビに登場してもらいましょう。