第8回 作る!RFP〜実際にアプリ開発用のRFPを作ってみよう(2)〜「想定機能と優先順位」編

アプリ・WEBなどのライトな開発の場合の
RFPの書き方

ポイントを理解したら、
手を動かしてRFPを実際に作ってみよう!

第8回 作る!RFP〜実際にアプリ開発用のRFPを作ってみよう(2)〜「想定機能と優先順位」編

第8回 作る!RFP〜実際にアプリ開発用のRFPを作ってみよう(2)〜「想定機能と優先順位」編

さて、前回「このアプリ開発の背景/目的と目標」に関して、悩める新人担当者駒津田(こまった)くんのRFPのを添削しました。第8回ではより具体的な項目について「想定機能と優先順位」の提案を上手に引き出すRFP作成のコツを見ていきましょう。

今回も駒津田(こまった)くんの添削を担当するのは、頼れるRFP作成のプロ若月田(わかった)さんです。

駒津田(こまった)くん

若月田(わかった)さん

成保土(なるほど)さん

「プロジェクトの全体像」で伝える項目

①プロジェクトの背景
②プロジェクトの目的・目標・成果
③プロジェクトの大まかなスケジュールとリリースの目安
④プロジェクトでターゲットとするペルソナ
⑤プロジェクトの競合情報

①プロジェクトの中で依頼したい範囲と入れてほしい機能の要件

駒津田(こまった)くん

旅行メニューでは大手にかなわないので、予約メニュー以外の旅行アプリで便利な機能をいろいろ提案してください。

若月田(わかった)さん

下記のものを部内のアイディアラッシュでまとめましたものとして列挙します。他に付け加えられるようなアイディアを多数ご提案していただけることを期待しています。

持ち物チェック
独自コミュニティ(写真投稿)
大手SNSとの連携
(Instagram、フェイスブック)
LINE
など
旅先の天気
行き先との時差
両替計算機
東欧・東南アジアに特化した日常会話集
大使館その他の緊急連絡先
東欧・東南アジア版食べログ
最新フライト情報チェック
ニュース配信(コンテンツマーケティング)

成保土(なるほど)さん
RFPは相手の提案もらうためのものですので、ガチガチに固めた企画や計画をこちらから出さないことがコツ、ということを最初にお伝えしました。
しかし、アイディアの部分はざっくりした形(つまり開発の難易度や費用などは度外視して)でたくさん出したほうが、開発側もイメージが湧きます。
こちらで「これは費用がかかりそうだからやめておこうかな・・・」と思い込んでいたものが案外安くできたり、「これくらい後から追加で頼んでも想定費用内でやってくれるだろう」とRFP段階で出していなかったものが実は、ものすごく難易度が高く最初に設計をキチンとしていないとあとから対応できないものであったり、といったケースもあります。

社内でブレストなどして、なるべくたくさんの機能アイディアを列挙するようにしましょう。

②プロジェクトのMAX予算と段階的な予算

駒津田(こまった)くん

初期費用で300万円程度を考えています。制作費の他に必要な経費があればご提案ください。

若月田(わかった)さん

初期費用:300万円程度を考えていますが、アプリリリース後にバージョンアップが必要であれば社長に稟議を通して予算を確保することは可能です。その場合、何についてどれくらいの予算がかかるのかについて、アプリやシステムに詳しくない経営陣にも分かるための資料が必要ですので、その作成をお願いします。

また、この金額には広告費などは含まれていません。
広告施策も必要だと認識しておりますが、ウェブサイトのリスティング広告しかやったことがなく、アプリの広告施策内容、予算感などがまったく分かりませんので、ご提案ください。

これらの金額についても必要な費用について稟議を通したいので、わかりやすい提案をお願い致します。

成保土(なるほど)さん
費用については、どの段階でどのくらい使えるのかを分けて書くことで、開発側がプロジェクトの優先順位をイメージしやすくなります。
また、費用を何に使ってほしいのかの希望を書くことも忘れずに明記しましょう。例えば今回の添削例では初期で300万、バージョンアップと広告施策は別、ということが明確になっています。

ありがちなのは「総予算300万といったじゃないか!それ以上出ないよ!」「いえ、それは初期費用だとお聞きしています」というやり取りです。
何について、どれくらい予算が欠けられるかに踏み込んで情報を渡すことで、こうした食い違いはなくなります。

③プロジェクトでの開発の手法の提案

駒津田(こまった)くん

わからないので、最善の提案をお願いします。

若月田(わかった)さん

ネットなどで調べた知識なのですが、最初に設計をガチガチに固めてから一気に納品に向けて開発を行う方法の方法と、途中で私共発注者を交えて検証を繰り返し、プロジェクトの優先順位を再検討していく方法があるということですが、今回、後者の方法で開発をお願いできればと思っています。

成保土(なるほど)さん
「開発方法の提案については、開発者側に一任すればよいのでは?」と思うかもしれませんが、手法としては大きく分けると、最初に設計をガチガチに固めてから一気に納品に向けて開発を行う「ウォーターフォール型」と、途中で発注者を交えて検証を繰り返し、プロジェクトの優先順位を再検討していく「アジャイル型」があります。

「ウェブやアプリなどのライトな開発」では、2番めの「アジャイル型」開発で、市場環境の変化やユーザーの好みに合わせた納品物を素早く仕上げていく方法が好まれるケースが増えています。

「アジャイル型」で開発するには、発注側での人材を出してプロジェクトチームを組む必要があるなど、実現に向けての課題もありますが、RFPの段階では実現できるかどうかは別として、どちらでやりたいのかの希望は明確にしておいたほうが良いでしょう。

④プロジェクトのチーム体制と役割分担の提案

駒津田(こまった)くん

こちら側の体制としては専任の担当者を1名用意します。
担当者が行うべき必要な作業やコミュニケーションの方法について提案書にまとめてください。

若月田(わかった)さん

当社サイドで担当者を1名つけますので、御社でも専任のご担当者をつけてください。

また、プロジェクトの作業ボリュームや時間的なリソースをどれくらい想定すればよいかの目安となる実施体制表を出してください。
コミュニケーション手段としては、メール、電話、ChatWorkが可能です。
また、プロジェクト進行中は、週1回程度の打ち合わせと進捗報告をお願いしたいと考えています。

成保土(なるほど)さん
こちらで普段やり慣れているコミュニケーションの方法(グルプウェアやチャットワーク、Backlog、スカイプなど)があればそれを指定します。
また、こちらから出す人員の他に、営業窓口や技術者やデザイナーとの直のコンタクト体制など、開発会社側に求めるコミュニケーションの体制についてもリクエストしましょう。

次回の「必要なドキュメント」の中にも、こうしたドキュメントのリクエストを盛り込む箇所がありますが、気がついた箇所で「文書にしてください」「社内稟議を通すための資料として使える計画書を添付してください」など、記載しておきましょう。

【まとめ】

以上、伝わるRFP「想定機能と優先順位」について、悩める担当駒津田(こまった)くんと作成のプロ若月田(わかった)さんに登場してもらい、解説をしました。
次回は「必要なドキュメント」について、再びこのコンビに登場してもらいましょう。