Appleのスマートホーム戦略とエコシステム


IoTが家庭で使われるようになると、さまざまな家電製品がインターネットとつながります。スマートフォンを家全体の家電やインテリアのリモコンのように使うなど、未来のライフスタイルが実現します。このような家庭生活におけるIoTの導入は「スマートホーム」というコンセプトとして構想されてきました。

AppleのiOS 10から導入された「ホームアプリ」は、スマートホームの未来を先取りするものでした。リビングルーム、キッチン、ベッドルームなど部屋別に照明のオンとオフ、エアコンの調整、ブラインドの昇降、施錠などを可能にします。しかしながら、もちろん対応製品でなければ恩恵にはあずかれません。

AmazonのEchoを先陣として、海外ではスマートスピーカーの市場が隆盛しつつあります。やや出遅れた印象は否めませんが、AppleもHomePodを発表しました。現状、スピーカーは「スマート」になりつつあります。では、ホーム全体はスマートになり得るのでしょうか。

Apple自体の優位性や戦略を吟味しながら、スマートホームの実現について考察します。

 

OSとハードウェアの独自開発がAppleの強み

 

スティーブ・ジョブズの時代から引き継がれていることですが、Appleの最大の強みはOSとハードウェアを一貫して独自開発していることです。

MacOSを搭載したソニー製のPCはありません。あるいは、iOS搭載のサムスンのスマートフォンもなければ、ASUSのタブレットも存在しません。MacOSを搭載したPCはMacBookやiMacなどApple製品だけであり、iOSを搭載したスマートフォンはiPhone、タブレットはiPadのみです。

当たり前のように思えるかもしれませんが、現在こうしたビジネスモデルで市場のトップに君臨しているメーカーはあまりありません。それだけに、Appleの市場価値は大きいといえるでしょう。

OSとハードウェアを自社で開発することによって、スムーズな統合が可能になります。たとえばWindowsのOSは、さまざまなメーカーのPCに搭載できますが、パフォーマンスを最大限に発揮できないこともあります。Appleの場合はOSとハードウェアが統合されているために、パフォーマンスを最大化し、洗練された操作性を提供することが可能です。

 

サードパーティーが参入しにくいことが弱点

 

しかし、Appleで不自由なことは、OSとハードウェアで独自路線を築いているゆえに、独自の規格が多すぎることではないでしょうか。

最近のMacBookでこそ、USB‐Cポートの搭載によりモバイルバッテリーが自由に使えるなど充電が楽になりましたが、かつては純正のMagSafeかHyperJuiceのような限られたモバイルバッテリーを購入しなければ充電できませんでした。

またThunderBoltというポートからデータをやりとりする場合に、IEEE1394と接続しようとすると困難でした。VAIOのPCならケーブル1本でハンディカムとつながるのですが。

このような閉鎖的な独自性を持つMacですが、1990年代には苦境に陥り、Mac OSを搭載した互換機を認めたことがありました。古い世代では「ああ、そんなこともあったね」と記憶に残っている方もいるかもしれません。日本のパイオニア製のMac互換機があったことは、いまでは驚きの事実です。

このように独自性によってAppleは市場の優位性を保っています。しかし、その戦略が逆に首を締めている部分もあります。

課題はIoTによるエコシステムの構築では

 

「エコシステム(Ecosystem)」という用語があります。もともとは生物学で「生態系」を表現する言葉でしたが、ビジネスやIT業界に転用して、複数の企業がそれぞれの特長や技術を共存させて、ビジネスを取り巻く環境を好循環させていくことです。

もしIoTでスマートホームを実現するのであれば、Apple製品だけでは困難です。ホームアプリと連携する照明や、エアコンや、その他の家電製品が開発されることによって、はじめてスマートホームが実現します。つまりApple以外のメーカーを巻き込んで、スマートホームのムーヴメントを盛り上げていく必要があります。

しかしながら、かつてアプリに関しても同じことがいえたように、Appleのプラットフォームを利用する場合、高価な利用料金が求められることは想像に難くありません。逆に、AndroidによってグーグルがIoTのエコシステムを作ろうとするならば、Appleよりも容易に実現しそうな印象があります。

スマートホーム対応製品は高価になりがちです。買い替え需要がない限り、一気にスマートホームが進展することは考えられません。ゆるやかに普及していくと考えられます。そしてスマートホームで覇権を取るのは、あらゆる企業を巻き込むことができる企業になるはずです。

「ホームアプリ」によってAppleはスマートホーム戦略を提示しました。しかし、Apple以外の企業にその構想を賛同させられるかどうかが、課題ではないでしょうか。

 

 

株式会社キャパでは、アプリの企画・開発についてご相談を承っています。

アプリを作りたいので、具体的な提案が欲しい。頭の中にあるアイデアを本当に実現できるのか知りたい。予算内に収まるのか?
などのお客様のご相談に、親身に応じます。
アプリ開発:実績のご紹介


関連記事一覧

we love develop
アプリやシステムの開発を通じて、お客様のビジネスを成長させることが私たちのビジネスです。お気軽にお問い合わせください。
 お問い合せ

お電話でのお問い合わせはこちらから
TEL:03-5297-2871

メールマガジンの登録

キャパでは誰かに話したくなるようなIT小ネタを、週に一回メルマガで配信しています。
ぜひ購読してみませんか?
 購読する

ホワイトペーパーの入手

ITブログ月間20万PV達成!自社オウンドメディアの運用ノウハウを無料公開しています。
 ダウンロード

記事カテゴリ記事カテゴリ

月別投稿記事

PAGE TOP