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アプリの調査から動画の視聴を考えてみた

アプリの利用の実態について、さまざまな調査があります。2017年に実施した調査で、やや情報の鮮度に欠けるかもしれませんが、MMD研究所の調査によると、2017年に利用が多かったアプリコンテンツの1位は「動画」41.1%、続いて「天気」36.4%、「SNS」35.1 %という結果でした。ちなみに「ゲーム」は32.3%でSNSの次に多い回答になります。注目すべき結果は、動画コンテンツが最もよく利用されていることです。

参考:2017年スマートフォンアプリコンテンツに関する定点調査(大手3キャリア編)調査期間:2017年7月20日〜7月27日、調査対象:319人

Bluetooth接続のワイヤレスによるカナル型イヤホンもしくはオーバーヘッド型ヘッドホンを付けて、通勤電車の中で動画を楽しむ人も多く見かけるようになりました。YouTubeのMV(ミュージックビデオ)を視聴している学生や、野球やサッカーなどスポーツ中継を熱心に観戦するサラリーマンもいます。

それでは、なぜアプリで動画コンテンツが人気なのか考察します。

 

 

アプリによる動画視聴は世代別で異なる

 

調査全体としては、動画の視聴がトップという結果でした。しかし、世代ごとではやや様相が異なっています。上位3位までの利用が多かったアプリを世代別にピックアップしてみます。

この調査自体の有効回答数は319でN数(母数)が少ないため、世代に分けた場合に統計的に有意かどうか疑問もあります。とはいえ、もっともアプリで動画を視聴する世代は20代で62.5%。次に多いのが30代で、スマートフォンをよく活用する世代では動画アプリの利用率が高い結果になりました。しかし、その下の10代の世代はSNSが70%を超えています。ティーンの世代では、動画よりコミュニケーション重視といえそうです。

一方、40代では動画が2位(44.6%)ですが、1位は「天気」のアプリをよく利用する傾向にあります。「ニュース」の利用も多いことから、ラジオ的な使い方をしているのかもしれません。

 

 

ニュースやドラマをテレビで観ない時代

 

Netflix、Amazonプライムビデオ、Hulu、dTVなど、サブスクリプション(定額課金制)による動画配信サービスが普及するようになりました。これらのサービスは、マルチデバイスで視聴可能です。つまり、スマートフォンにアプリをダウンロードして起動すれば、いつでもどこでもスマートフォンで映画が楽しめます。また、帰宅途中に電車で観ていたドラマの続きを、自宅でテレビに接続したデバイスを使って、大画面で観ることもできます。

オンデマンドでニュースやドラマを配信するテレビ局のサイトも多くなりました。ニュースの場合、関心のあるテーマだけ選択できること、CMが入らないことが大きなメリットです。視聴時間に左右されることがないため、重要なニュースを見逃すこともなくなります。かつては「ビデオのタイマーをセットし忘れた!」と頭をかきむしることもあったはず。しかし、もはや録画の必要はなくなります。

さらにワイドショーやバラエティ番組も、株式会社サイバーエージェントと株式会社テレビ朝日の出資から生まれたAbemaTVによって、独自のエンターテイメントが楽しめます。もはやニュースやドラマはテレビで観ない時代といっても過言ではありません。

しかし、テレビは4K、8Kのように解像度が上がり、サウンドバーなどのサラウンドシステムを追加して、映画館のような臨場感を楽しむ家電として進化する方向性があります。

 

 

アプリの動画配信は統計より機械学習で

 

動画配信アプリには、特定のジャンルに絞り込んだものだけを配信するニッチなアプリもあります。しかし、幅広い動画を扱う場合は、レコメンデーション(推薦、おすすめ)も視聴者を満足させるための機能のひとつです。

しかし、単純に評価やランキングなどの統計的情報、アクションなどカテゴリー内の類似性からおすすめするのではなく、今後は機械学習などを用いて人工知能が視聴者の趣向を予測し、学習する機能が重要になると考えられます。

アクション映画が好きだったとしても、ときにはヒューマンドラマで心あたたまる時間を過ごしたいことがあります。生体情報や感情のデータ、他のビッグデータと組み合わせることでおすすめを表示するアプリがあれば、「売りたい作品を押し売りする」押し付けがましいレコメンデーション機能はなくなるかもしれませんね。

 

 

 

 
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