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1級建築士が語る!Revitから360度写真を作る方法

BIMを導入するメリットの1つとしてプレゼンテーションがしやすくなる点が挙げられます。BIMはコンピューター上に仮想の建物モデル(模型)を作成し設計を進める手法で、そのモデルはどこからでも写真を撮ることができるので、施主の要望に応じて何度でもプレゼンテーション資料の作成が可能です。2次元で設計する場合は、平面図や立面図、展開図を基にしてパースを作成する必要がありましたが、BIMを使用することで、手軽に建物の立体構成を確認することができるのです。
そこで今回は、BIMの代表格のソフト『Revit』を使用して、360度のパノラマ写真の撮り方を紹介したいと思います。

 

 

360度写真が流行っています

 

そもそも、「360度の写真が撮れて何が嬉しいの」と思っている方もいると思いますので、360度写真の魅力について触れたいと思います。
従前、建物の立体構成を確認する手法はパースがメインでしたが、パースは設計者の恣意性がかなり強いプレゼン手法でした。要は、一番写真映えのする場所を切り取って施主に提案していました。しかし、それでは建物の雰囲気が分かりづらい場合も多々あります。360度写真を使用することで、分かりづらさを解消し、建物への理解を促進することができるのです。
また、VR技術が進むことで、BIMで作った建物モデルの中を歩き回れる技術が一般的になりつつあります。VRはゴーグルなどの設備が必要で少し手間がかかりますが、360度写真であれば画面上で手軽に空間の雰囲気を把握することが可能です。
こういった背景から、360度写真は今後さらに需要が高まると予想されます。

 

 

Revitで360度写真を作る下準備

 

360度の写真を撮るにあたって、活用したサービスがあるのでまずはそちらを紹介します。
360度写真を撮ろうとすると、どうしても、高性能なパソコンが必要になったり、写真が出来上がるまでに時間がかかったりします。そこで利用したいのが、『Autodesk 360』です。『Autodesk 360』は、一般的にクラウドレンダリングと呼ばれるもので、Revitで作成したモデルをインターネット上のサービスに送信し、レンダリング(画像作成)する手法です。これを使うことで、高性能なグラフィック処理環境を自前で用意する必要が無くなるので、今回は、このサービスを使うことを前提に話を進めていきたいと思います。
『Autodesk 360』は、Autodeskのサイト上でアカウントを登録するだけで利用することができますので、事前に登録を済ませておくと、後の作業がスムーズです。

 

 

Revitで360度写真を作る作業手順

 

それでは実際に360度写真の作り方の手順をみていきたいと思います。360度写真を作る場合は、室内のプレゼンテーションに利用する場合が多いと思いますので、今回は内観の360度写真の作り方について記載したいと思います。

① 『表示』→『作成』→『3Dビュー』→『カメラ』を選択し、任意の位置にカメラを設置します。
② 『表示』→『グラフィックス』→『クラウドでレンダリング』をクリックします。
③ 『クラウドでレンダリング』の『出力タイプ』を『静止イメージ』に設定し、『レンダリング開始』をクリックします。
(『クラウドでレンダリング』の画面には、他にも選択項目がありますが、特にこだわりが無ければ、『レンダリング品質』は『標準』、『イメージサイズ』は『中』、『露出』は『アドバンスト』、『ファイル形式』は『RNG』をお勧めします。)
④ レンダリングが完了したら、『情報』→『完了したレンダリングを見る』をクリック。
⑤ レンダリング結果をクリックして拡大表示し、『パノラマとしてレンダリング』をクリック。
⑥ 『レンダリング設定』の画面が表示されるので『レンダリング開始』をクリック。
⑦ レンダリングが完了すると、画像をドラッグすることで、360度見渡すことができます。
⑧ 保存する場合は、『イメージ』→『プロジェクトに保存』をクリックすることで別画面が表示され、名前を付けて保存することができます。

 

 

Revitで作った360度写真のクオリティーを上げる方法

 

Revitでの360度写真の切り取り方について簡単に触れてきました。プレゼンテーション資料としての品質を高めようとすると、家具を室内に配置してみたり、『レンダリング品質』を上げてみたりするなどの手法が考えられますので、色々試してみることをおすすめします。

Revitを利用することで建物の360度写真を簡単に作成することができます。従前のプレゼンテーションの手法はパースが中心でしたが、360度写真を使用することで、より具体的に建物構成を伝達することが出来ます。是非お試しください。

 

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