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大学と連携するSAS、データサイエンス・スキル認定プログラムとは?

現代ビジネスにおいて、最も重要なことは、実はデータの分析かもしれません。AI技術の進歩により、ビジネスにおけるほとんどの場面で、データの分析や解析について議論が進んでいます。一方で、どのデータを分析すべきなのか、どのデータをどのように解析するとビジネスで活用できるのかといった判断は、AIはまだまだ不可能です。今後、更にデータの取り扱いに関するプロフェッショナルは必要となり、このプロフェッショナル達を、データサイエンティストと呼びます。このデータサイエンティストを増やす試みが、日本でも非常に活発になっています。今回は、このデータサイエンティストを増やす試みのひとつである、SAS、データサイエンティスト認定プログラムについてみていきましょう。

この記事では以下の3つのことがわかります。
① SASとは何か
② データサイエンス・スキル認定プログラムとは何か
③ SASはどうして大学と連携したのか

 

SASとは何か

 

SASとは「Statistical Analysis System」の略称であり、統計データを分析するためのシステムです。最近では、IoTの伸長やAIにおけるディープラーニングの発展などによって、統計データは様々な角度から収集することが可能になってきました。こうした企業が蓄積した膨大なデータを、経営や営業、そしてマーケティングに利用しているのです。例えば、流通部門では、消費者の属性や行動を分析することで、どの販売チャネルにどのような広告を打ったらいいのか、あるいは新商品開発の際にどのデータを参考にすべきかといった形で利用されています。このように、現代ビジネスにおいては、企業が蓄積してきたデータをうまく活用できなければ、その企業は他の企業と比べて2歩も3歩も遅れてしまうことになるでしょう。そのため、企業にとっては、優秀な統計データを扱える人やそのシステムが必須といえます。こうしたシステムのひとつがSASです。

 

データサイエンス・スキル認定プログラムとは何か

 

データ分析をしてくれる優秀なシステムが出来上がっても、そのシステムにどのようにデータを分析させるのか、また分析したデータをどのようにビジネスに活用すればいいのかがわからなければ、優秀なシステムは十分な利益を上げることが出来ません。こうしたデータ解析に強い人材を産業界は強く求めています。そこで、SASを運用しているSAS Institute Japan株式会社は、いくつかの大学と共同で、データサイエンティストを育てるための認定プログラム、データサイエンス・スキル認定プログラムを推進することを決めました。この認定プログラムは、「統計学の講義」「計算機によるデータ分析手法の講義」「現実社会の課題とデータを用いた分析実習や研究」といった項目で成り立っており、統計学やデータサイエンスを体系的にかつ専門的に学べる仕組みが整っています。特に、現実の社会の課題を扱った実習や研究を中心としているため、学生自体の興味関心を引くことが出来る上に、企業側としても、知識や運用に期待が持てる人材を育てることが出来るでしょう。また、データサイエンス・スキル認定プログラムでは、SASのグローバルな影響力を利用し、全世界的に共通の評価基準で評価されることになります。学生としては、取得した認定資格やそこでの評価が、日本だけでなく海外の企業においても評価対象となるメリットがあります。

 

SASが連携した大学

 

それでは、実際SASが連携した大学について確認してみましょう。今回は4つの大学で連携が決定しました。滋賀大学、帝京大学、東京理科大学、同志社大学です。

 

滋賀大学

 

滋賀大学では、統計学と計算機科学を中心としたデータサイエンス学部というものがあり、この学部とデータサイエンス・スキル認定プログラムが提携しました。統計データをどのように利用したら現実社会の課題が解決できるのか、あるいは、統計データの活用が本当に現実社会の課題を解決しているのかなどの実証的な事例などを中心に研究していくため、学生のキャリアとしても企業側の求める人材としても、お互いにとって大いにメリットのあるデータサイエンス・スキル認定プログラムとなっています。

 

帝京大学

 

帝京大学では、公衆衛生学研究科という科を持っており、ここで、生物統計学を中心とした疫学・医学データに長けているデータサイエンティストを育成しようとしています。この時に、SASのデータサイエンス・スキル認定プログラムが有効ではないかと考え、提携しました。医学・疫学の分野では、統計解析の信頼性が最も重要であり、また全世界的に受け入れられる部分でもあるため、様々な応用が可能なSASは医学・疫学データの分析に最適ではないかとされています。

 

東京理科大学

 

東京理科大学では、理学部第二部/理学研究科が、SASのデータサイエンス・スキル認定プログラムと提携しました。ここでは、基礎的な統計知識を持ちそれを多角的に応用できる人材を育成していきたいとしています。社会には多くの業種や分野があり、こうした分野に対して横断的なデータ解析の出来るスキルを持った学生を輩出することで、社会の要請にこたえようとしているのです。

 

同志社大学

 

同志社大学では、文化情報学部という、少々特殊な学部がSASのデータサイエンス・スキル認定プログラムと提携しました。あらゆる文化現象の解明を目的とするこの学部では、データの解析やその応用は必須の知識といえるでしょう。単なる基礎にとどまらず、実践力を持ったデータサイエンティストを生み出すことは、文化だけでなく、多くの分野で活躍できる人材を輩出できるはずです。

 

データサイエンティストが足りていない日本

 

IoTやAIの伸長によって、データサイエンティストは絶対的に必要な存在として注目されていますが、実は日本では、このデータサイエンティストが非常に少ないということが問題になっています。どうしてデータサイエンティストが育たないのでしょうか。大きく挙げられているのは、実は日本社会全体がデータをうまく活用できていないのではないかということです。例えば、欧州のサッカーでは、様々なデータが活用されており、選手一人一人がどのくらい走っているのかや、ある選手がコートのどの部分を中心に動いているのか、あるいは攻めと守りの連動性を確認できるようにするため、カメラがボールを追わないなど、様々な試みをデータと共に行っています。そして、こうしたデータを観客も見られる形で公表しているのです。結果として、印象としての「走っていない」や「ボールにタッチしていない」といった批評ではなく、データとしての議論や選手の契約などが決まっているのが欧州サッカーの実情といえるでしょう。しかし、日本のサッカーにおいて、例えばテレビで「〇〇選手はこのくらい走っている」「〇〇選手のポジションがいいから、相手が攻められない」といった情報をどこまで具体的に伝えてくれているでしょうか。このように、「データがうまく活用できない社会」だからこそ「データをうまく活用できる人材を評価できない」ために「データをうまく活用できる人材になりたがらない」といった悪循環で、データサイエンティスト不足が出来上がっているのではないかといわれているのです。卵か鶏かといった側面もある議論ではありますが、ぜひ企業側の人間としては、IoTやAIで蓄積されたデータをどのように利用したいのか、明確な理由をもって取り扱えるようにしておくと、今後のビジネス活動において他社よりも1歩先に進むことが出来るのではないでしょうか。

 

まとめ

 

SASのデータサイエンス・スキル認定プログラムは、企業が蓄積したデータを有効活用するために作られたプログラムであり、またこのプログラムに従って勉強してきた人材は、企業にとって有用になりえます。一方で、企業側としても、こうしたデータをどのように利用するのかといった目的をしっかりと持つ必要性が求められているのです。仮に、「データサイエンティストさえ雇えば、利益が上がる」といった非常にあいまいな態度をとっていると、SASのデータサイエンス・スキル認定プログラムは、全世界的に有用な認定プログラムのため、多くの優秀なデータサイエンティストが海外に流出してしまうかもしれません。データの有用性は明らかです。大事なことは、この有用性にどのような目的を付け加えるかといえるでしょう。

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