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Amazon EchoとGoogle Home、シェアのトップはどっち?

Amazon Echoが開拓したスマートスピーカー市場。その後、Google HomeやLINE Clovaなど続々と製品が発売されました。Amazon Echo が一般販売を開始した時期は2015年でしたが、それから4年後の2019年、市場シェアはどのように変化したのでしょうか。

この記事を読むと次の3つのことが分かります。
①現在のAmazon EchoとGoogle Homeのシェア
②Amazon EchoとGoogle Homeの製品と機種別シェア
③スマートスピーカー、スマートディスプレイの次にくるもの

Amazon Echoがトップ、Googleが追随する市場シェア、しかし・・・

スマートスピーカーの市場シェアについては、さまざまなレポートが発表されています。多様なレポートを読み比べると、国によってスマートスピーカーの普及度が大きく異なることが分かります。厳密にいえば調査機関や対象が違うことに留意すべきですが、さまざまな調査結果から考察しました。

Amazon Echoがシェア61.1 %のアメリカ、日本はGoogle homeが2.9%でトップ

2019年3月7日に発表されたアメリカのメディアVoicebot.aiとVoicifyによる「Voicebot Smart Speaker Consumer Adoption Report Jan 2019」では、米国の成人におけるスマートスピーカーの普及率は26.2%、成人人口の約4分の1にあたる約6,640万人が所有していると報じられています。

スマートスピーカーを製品別にみると、第1位はAmazon Echoで61.1%、第2位はGoogle Homeの23.9%です。この調査結果をみると、Google Homeを大きく引き離してAmazon Echoが王座のポジションにあるようにみえます。ただし2018年にはAmazon Echoが71.9%を占めていたため、Google Homeが追い上げていることが分かります。

日本国内はどのようなシェアでしょうか。2018年12月に電通デジタルが行った日本国内の調査によると、スマートスピーカー自体の普及率が6%ほどに過ぎません。市場シェア1位はGoogle homeの2.9%、2位はAmazon Echoで2.4%、3位はLINE Clovaで0.9%でした。僅差ではありますが、日本のシェアではGoogle homeがトップです。しかしながらアメリカのように堂々とした首位とはいえない状況です。

参考:
アメリカでは成人の1/4以上がスマートスピーカーを所有、日本では?
https://jp.techcrunch.com/2019/03/11/over-a-quarter-of-u-s-adults-now-own-a-smart-speaker/

日本でスマートスピーカーが普及していない理由を考察すると、スマートスピーカーに限らず「日本人は音声認識AI自体に抵抗があるのではないか?」という仮説が浮かび上がってきました。

恥ずかしがり屋さんの多い日本では、音声認識に抵抗がある?

そこで、音声認識アシスタントに関する調査結果を探ってみました。電通イージス・ネットワークのiProspectは、2018年の9月に、日本、中国、インド、インドネシア、シンガポール、オーストラリアにおける、スマートフォン利用者の音声認識技術に関する調査結果を発表しています。

この調査によると日本における利用率は6カ国のうち最低の40%で、スマートフォン利用者の30%は一度も音声技術を使用していないことが判明しました。音声認識技術の利用率が高いインドは82%、中国は77%が利用しています。

参考:
電通イージス・ネットワークのiProspect(アイプロスペクト)、音声技術に関するマーケット調査「The Future is Voice Activated – 未来は音声認識 -」を発表
https://www.excite.co.jp/news/article/Prtimes_2018-09-06-16704-9/

中国のスタートアップメディア36Kr日本版でも指摘されている通り、「しゃべりかけることが恥ずかしい」という日本の文化のため、音声認識のコマンドを使う文化が日本に定着していないと考えられそうです。

音声認識AIの利用率が高いインドでは、46%のユーザーが「かっこいいから」と利用する理由を挙げています。中国では音声アシスタントを相手に「遊ぶ」ユーザーも多いそうです。日本ではどうでしょうか。「公共の場で迷惑になる」という回答がありましたが「機械相手に話していると寂しい、友達いないんじゃないかと思われそう。周囲から浮いてしまいそう」という「空気」が、音声アシスタントとスマートスピーカーの利用を妨げているのかもしれません。

参考:
音声アシスタント利用状況、日本は最下位。周囲を気にする国民性が影響?
https://36kr.jp/13184/

世界では1位Amazon Echo、2位Google Home、そして脅威となる中国勢力

アメリカと日本の市場シェアを調査結果から比較しましたが、全世界の市場シェアのデータを探ってみました。

2019年5月20日に、リサーチ会社のCanalysが発表した2019年第1四半期における全世界のスマートスピーカーの市場シェアは、Amazonが第1位で22.1%(出荷台数460万台)、Googleが第2位で16.8%(出荷台数350万台)です。一方で、Baiduの16.0%、Alibabaの15.5%、Xiomiの15.4%という中国勢力が大きく伸びています。これらの企業は中国の旧正月におけるセールで販売を拡大しました。

参考:
China overtakes US in fast growing smart speaker(英語)
https://www.canalys.com/newsroom/china-overtakes-us-in-fast-growing-smart-speaker-market

Google Homeに追いつく勢いの中国製スマートスピーカーが気になりますよね。簡単に紹介してみましょう。

■Baidu:小度(Xiaodu)
音声認識AIは自社開発のDuerOSで、子供向けモードを搭載しています。CPUはARM Cortex A53クアッドコア、2つのパッシブラジエーターと1.75インチのフルレンジスピーカーを備え、重さは280gです。

■Alibaba:天猫精灵(TMALL GENIE)
天猫精灵のブランドでリビング向け7インチディスプレイ搭載の「CC」、8インチの鏡とLEDライトのある女性向け「QUEEN」、フォルクスワーゲンの22モデルに対応した車載用の「天猫精灵高德版智能车盒」の3種類があります。

■Xiomi:Mi AI Speaker他
丸みを帯びた四角柱のモデルでしたが、2019年6月に「Xio Ai Speaker Universal Remote Edition」「Xio Ai Speaker Play」の2モデルを発売しました。独自開発した「Xio Ai」を搭載しています。

Amazon EchoとGoogle home、製品ラインナップと機種別シェア

中国製品が急速にシェアを伸ばしている中で、AmazonとGoogleのスマートスピーカーのラインナップと機種別のシェアを調べました。

Amazon Echoの機種とシェア

Amazon Echoは以下の3機種が発売されています。
※機種と価格は2019年7月23日現在。定価(割引価格を除く)。

https://youtu.be/VE7151j-uns

■Echo dot \5,980-
https://www.amazon.co.jp/dp/B0792PG3S9
コンパクトなスマートスピーカー。第3世代では第2世代より音質が向上し、ファブリック素材の3色からボディカラーを選べます。
・スピーカーサイズ:1.6インチ
・大きさ:99×99×43 mm
・重量:300g

■Echo \11,340-
https://www.amazon.co.jp/dp/B071ZF5KCM
現在は第2世代で、高機能なスピーカーを搭載。プライム会員であれば、100万曲以上のPrime Musicを聴き放題。追加料金なしで楽しめます。
・スピーカーサイズ:2.5インチウーファー+0.6インチツイーター
・大きさ:88×88×148mm
・重量:821g

■Echo Plus \17,980-
https://www.amazon.co.jp/dp/B0794RJSSY
音質を向上させた第2世代が現行モデル。360度全方向Dolby対応スピーカーで、2台あればステレオスピーカーとして活用できます。「デバイスを探して」と声をかけるだけで、Zigbee対応家電をセットアップ可能。
・スピーカーサイズ:3.0インチウーファー+0.8インチツイーター
・大きさ:99×99×148 mm
・重量:780g

アメリカのVoicebot.aiとVoicifyによる「U.S. Smart Speaker Consumer Adoption Report 2019」では、2019年1月現在のアメリカにおけるスマートスピーカーの機種別シェア第1位はEcho dotで31.4%、第2位はEchoもしくはEcho plusの23.2%です。このデータはアメリカ国内のシェアということに注意しなければなりませんが、Echo dotが機種別には最も利用されています。

スピーカーの実力から考えると、360度スピーカー方式を採用しているEcho Plusが音質は優れているはずです。しかしながら、コンパクトで外部スピーカーやヘッドホンを接続できるスピーカーに人気がある調査結果となりました。

Google Homeの機種とシェア

Google homeの製品ラインナップは次の2機種になります。
※機種と価格は2019年7月23日現在。定価(割引価格を除く)。

https://youtu.be/D4aa53eaULI

■Google Home \11,340-
https://store.google.com/jp/product/google_home
洗練されたデザインで、上部の4つのライトにより機器の状態が分かります。「OK Google」のウェイクワードで音楽再生、情報の収集、スマートホームの管理が可能。
・スピーカーサイズ:2インチドライバ+2インチデュアルパッシブラジエーター
・大きさ:96.4×96.4×142.8mm
・重量:477 g(本体)

■Google Home mini \6,480-
https://store.google.com/jp/product/google_home_mini
コンパクトで設置が簡単なスマートスピーカー。Bluetoothにも対応。
・スピーカーサイズ:40 mm
・大きさ:98×98×42 mm
・重量:173g(本体)

「U.S. Smart Speaker Consumer Adoption Report 2019」によると、全スマートスピーカーにおける市場シェアは、Google HomeとGoogle Home miniがいずれも11.2%でした。当初発売されたGoogle Homeと後発のGoogle Home miniでシェアを2分しています。

まとめ:スマートスピーカー、スマートディスプレイの次にくるもの

アメリカでは圧倒的にAmazon Echoが優勢で、恥ずかしがり屋さんの多い日本はそもそもスマートスピーカー自体が10%も普及していない状態であり、世界に目を向けると、中国メーカーがAmazonとGoogleに迫る勢いで成長している現状が分かりました。

では、この動向の次にくるものは何でしょうか。

Googleは「デジタルフォトフレーム」と銘打った「Google Nest Hub」を発売しました。スマートディスプレイにも可能性はあります。

しかし、むしろ気になるのは「Vesta(ベスタ)」というコードネームでAmazonが開発している家庭用ロボットです。Googleはロボット開発事業のSchaftを終了しましたが、「Robotics at Google」というラボで自律走行ロボットを開発中と伝えられています。

スマートな家電の次にくるものは「スマート・ロボット」かもしれません。

参考:
Amazon Alexa対応の車輪付き家庭用ロボ、開発に本腰
https://jp.techcrunch.com/2019/07/13/2019-07-12-amazon-reportedly-ramps-development-on-alexa-powered-home-robot-on-wheels/

 

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