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LG G8X thinQは2画面スマホの最適解になるか?

2019年後半以降、スマートフォン業界では折り畳みスタイルの機種がトレンドになりつつあります。
今回はそんな折り畳みスマートフォンの中でも、比較的安い金額で購入可能な機種をご紹介したいと思います。

この記事では次の事がわかります
・LG G8X thinQとは?
・LG G8X thinQのメリットと課題
・折り畳みスマートフォン市場の展望

LG G8X thinQとは?

LG G8X thinQは、韓国のLGエレクトロニクス(以下:LG)が開発したAndroidスマートフォンです。
日本ではSoftBankから販売されており、この記事の執筆時点(2020年1月下旬)では、55,440円(税込:SoftBankオンラインストアでの新規契約価格)で販売されています。*1

G8X thinQの主なスペック

スペック表*2
・OS……Android9.0
・SoC……Qualcomm Snapdragon855
・RAM……6GB
・内蔵ストレージ……64GB
・外部ストレージ……microSD(最大512GB)
・ディスプレイ(本体側)……約6.4inch Full HD+
・ディスプレイ(カバー側)……約6.4inch Full HD+
・アウトカメラ……約1,200万画素+約1,300万画素
・インカメラ……約3,200万画素
・防水/防塵……本体側のみ対応(IPX5/IPX8/IP6X)
・おサイフケータイ……対応
・ワイヤレス充電(Qi)……対応

SoCにSnapdragon855を搭載するなど、単純なハードウェアスペックとしては、各社のフラグシップ機に匹敵する性能を持ち合わせています。
おサイフケータイや防水防塵といった日本で要求される機能は一通り備えているので、これだけ揃ってミッドレンジ機並みの5万円台後半という価格は驚異的です。
ただし、RAM容量が6GBと、8GB以上が主流のライバル機に比べ少なめなので、負荷の高いアプリを多用する際にはこの部分が差となって表れる可能性はあるでしょう。

単体でも2画面でも使えるハイブリッド機

LG G8X tihnQ最大の特徴は、通常のスマートフォンとして単体で使える事に加え、付属のサブディスプレイ付きカバーを取り付ける事で折り畳み式の2画面スマートフォンとしても使用可能な点です。
先行するSamsungのGalaxy Foldは1つのディスプレイを折り畳むスタイルでしたが、こちらは必要に応じて2つめのディスプレイを追加するかたちなので、ユーザー自身が使い方に合わせてスタイルを選べるというメリットがあります。
カメラやバッテリー等の主要パーツは全て本体側に搭載されているので、ディスプレイカバーを使わないと性能が低下するといった心配も要りません。

実機を触ってみてわかったLG G8X thinQの魅力と弱点

筆者は先日幸いにもG8Xの実機を触る機会を得ました。
ここでは、その際の感想を元にG8Xの魅力と弱点に迫っていきたいと思います。

LG G8X thinQの魅力

2画面でもサクサク動く快適さ

ディスプレイが増えると言うことは、一般にグラフィック処理に掛かる負荷が増える事になります。
G8Xの場合、SoCは高性能なもののRAMが6GBとやや少ない為、実際スムーズに動くのかは多くの方が気になるところでしょう。
結論を言うと、ブラウザや地図アプリ、それほど負荷の掛からないゲーム程度であれば、動作に違和感を感じることはありませんでした。
複数アプリを起動したり、それらを隣のディスプレイへ移動させる際も非常にスムーズで、引っかかるような感じも全くありません。
この点に関しては、2倍のRAM容量のGalaxy Foldにも引けを取っておらず、とてもよく出来ていると言えるでしょう。
ただし、3Dを多用するような高負荷なアプリの複数起動や動画エンコードといった作業は試せていないので、こうしたケースでは他のライバル機と差が出る可能性は否定出来ません。

複数アプリの同時起動が使いやすい

Androidスマートフォンでは複数のアプリを同時に起動出来る機種は珍しくありません。
しかし、スマートフォンのディスプレイはPCやタブレットと比べて小さい為、あまり有効に活用できないという方も多かったのではないでしょうか?
ディスプレイが2枚あるG8Xならこの点も改善できるので、例えばゲームをやりながらTwitterで情報交換をするといった使い方も、今まで以上にストレスなく使う事が可能です。

対応ゲームアプリなら片方のディスプレイをコントローラー化できる

G8Xでは、ゲーム好きのユーザーにも嬉しい機能が搭載されています。
それが、2枚あるディスプレイのどちらかをコントローラーとして使える仕組みです。
アプリ側がこの機能に対応していることが条件にはなりますが、ゲームによっては1画面用のUIよりも使いやすくなるので、シビアな操作が要求される場面で威力を発揮するのではないでしょうか?
Bluetooth接続のコントローラーを別途用意する必要もなくなるので、外出時の持ち物も減らせますよ。

LG G8X thinQの弱点

2画面時はUSB-C端子が使用できない

G8Xのディスプレイカバーは本体側のUSB-C端子に接続し、映像データや電力の供給を受ける仕組みになっています。
しかし、構造上USB-C端子が塞がれてしまうため、ディスプレイカバー装着中は同端子に接続するデバイスを利用できなくなります。
充電に関してはカバー側の専用充電端子やQiを活用することで問題なく行えますが、HDMI変換ケーブルを使ってディスプレイやプロジェクターに映像を送ったり、有線接続のテザリングをよく使っているという方は特に注意が必要です。

重量バランスが悪く持ち疲れしやすい

G8Xでは本体側単独でも運用できるように、SoCやバッテリーといった必須のパーツは全て本体側に搭載、カバー側はセカンドディスプレイと接続端子のみという非常に割り切った構成となっています。
しかし、それ故にカバー利用時の重量バランスが悪く、持ったときにズシリと重く感じるなど、Galaxy Foldにはない弱点があることも事実です。
実際、横向きで使うならまだ我慢できるのですが、読書などで縦持ちをする際は、本体側に重さが集中して右手がすぐに疲れてしまいました。
短時間の利用でもこの状態なので、次世代機があるのなら、この部分は何らかの形で改善した方が良いと思います。

細かい作り込みの甘さがある

気にならない方には全く気にならないレベルではあるものの、ハード・ソフト共に細かい作り込みの部分では、甘さを感じる部分がいくつか見受けられました。
まず一番目立つのは、セカンドディスプレイに無意味なノッチがあることです。
本体側の切り欠きにはインカメラが搭載されているので、セカンドディスプレイもそうなのかと思いきや、実は何もない空白地帯となっています。
恐らくは本体側とパーツを共通化してコストダウンを図った結果でしょうが、こうした意味のないノッチはユーザーにはストレスにしかなりません。
次に気になったのは、左右のディスプレイサイズが微妙に異なる点です。
どうやら本体とカバー側でディスプレイの幅が微妙に異なるようで、1枚の壁紙を2画面に跨がって表示すると、ズレて映ってしまう事がありました。
これはディスプレイの形状を左右で揃えれば解決できる問題なので、次期モデルではぜひ改善をお願いしたいところです。

折り畳みスマートフォンの今後

2020年初頭の折り畳みスマートフォン市場では、OLEDを使ったディスプレイ自体を折り畳む形式と、今回のG8Xのような2画面方式にはっきりと分かれています。
では、今後の市場は果たしてどうなっていくのでしょうか?

2画面構成の折り畳み機は過渡期の存在

2画面タイプの折り畳み機が優位性を発揮できるのは、ディスプレイ折り畳み式と比べ技術的ハードルが低く、製造コストを抑えられる側面があるからです。
逆に言えば、この優位性がなくなると、わざわざ画面間にベゼルが入ってしまう2画面タイプを採用するメリットもなくなると言えます。
まだ暫くの間は2画面タイプのコスト優位性は崩れないでしょうが、それでも駆逐されるのは時間の問題でしょう。

折り畳みディスプレイはOLED陣営の切り札

現在主流の1画面のスマートフォンであれば、実際の所液晶もOLEDもそれほど差がある訳ではありません。
加えて、OLEDは現状製造できるメーカーが限られている一方、液晶は多くのメーカーが製造できるので、両社が混在する現在の1画面スマホ市場は競争が非常に激しい訳ですね。
では、折り畳みディスプレイが普及したら、どうでしょうか?
液晶はOLEDと違い折り畳めませんから、必然的に折り畳みディスプレイ市場はOLEDメーカーだけが参入出来ることになります。
慌てた液晶陣営がOLED製造に参入する頃には、既に勝負は付いているでしょう。
少なくとも、Samsungが高価なGalaxy Foldを投じてまで折り畳みに拘るのは、こうした事情もあるものと思われます。
LGも今回のG8Xでは液晶2画面式を採用しましたが、同社もOLED製造設備を持っていますから、将来的にはOLED折り畳みディスプレイのスマートフォンを用意してくるのではないでしょうか?

まとめ

今回は「LG G8X thinQは2画面スマホの最適解になるか?」と題して、LGのフラグシップ機G8Xを軸に、折り畳みスマホ市場の現状や展望をご紹介しました。
折り畳み機は重量面など課題も残る反面、バッテリー搭載スペースの増加等、スマートフォンの可能性を拡げるメリットも持ち合わせています。
現在はAndroid陣営だけですが、Appleも過去に折り畳み構造の特許を申請している*3 ので、今後の流れ次第で折り畳みiPhoneが実現する可能性も十分あるでしょう。
2020年代前半は、スマートフォンの構造から目が離せない時期となりそうです。

参考

*1
https://online-shop.mb.softbank.jp/ols/mobile/products/model.html?param=eyJhZ25jeUlkIjoic2JtIiwicmVjZWlwdFN0eWxlQ3RybCI6IjMiLCJpdGVtVHlwZSI6IjMiLCJtb2RlbEdycENkIjoiTEdTQUcxIiwic3ViSWQiOjAsInJlY2VpcHRNZXJpdEN0cmwiOiIxIiwiYXBwbFR5cGVDaGdDdHJsIjoiMCIsImFwcGxUeXBlIjoiTiIsInJlY2VpcHRDaGdDdHJsIjo1LCJhZ2VDdHJsIjoiZSIsInZpdGFsaXR5RmxnIjoiMCIsImFnZUNoZWNrIjoiZSIsImNwQWdlU2hvdyI6ImIrZCtlIiwiY3BiYWNrY2hlY2tGbGciOiIiLCJjbXBuQXBwbHlDZCI6IiJ9
*2
https://www.lg.com/jp/mobile-phone/lg-901LG
*3
https://iphone-mania.jp/news-239606/

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