Google位置情報のポリシー変更によってユーザーやアプリ開発者に起こる変化


Googleは2020年2月19日にAndroidデベロッパーブログ上で「位置情報のポリシー変更」の計画を発表しました。これまでAndroid端末上からほぼ無制限で収集されていた個人の位置情報はこれから厳しく制限されます。具体的な変更内容とそれによって生じる変化をご紹介します。

この記事を読むと以下の3つのことがわかります。
・Google位置情報のポリシー変更の概要
・これまでのGoogle位置情報活用における問題点
・ポリシー変更で何が変わるのか

ポリシー変更の概要

ポリシー変更の肝となる部分は2つあります。

まず1つ目は、
・Android11で、アプリの起動時に表示されるGoogle位置データへのアクセス権選択に「1回だけアクセスを許可する」が追加

これまでGoogle位置情報へのアプリからのアクセスに関しては「常に許可する」「許可しない」「アプリの使用中のみ許可する」の3つを選ぶことができました。「アプリの使用中のみ許可する」を選択できるようになったのは2019年9月にリリースされたAndroid10から。Googleによればユーザーの半数以上が「アプリの使用中のみ許可する」を選択しているということです。

Android9以前は「常に許可する」「許可しない」しか選べなかったため、地図情報などGoogle位置情報必須のアプリを頻繁に使用するユーザーは「常に許可する」を選択しがちでした。そのため、Androidにインストールされている全てのアプリは位置情報を入手し放題だったのです。

今回のポリシー変更では「アプリの使用中のみ許可する」からさらに発展して「1回だけアクセスを許可する」が追加されます。2回目以降アクセスするためにはユーザーが表示されたポップアップにその都度許可を与えないといけません。

2つ目は、
・バックグラウンドで位置情報にアクセスするアプリの審査が厳しくなる

これまではアプリの種類に関わらず、開発者が位置情報を取得する機能を組み込むことに制限はありませんでした。しかし今後はユーザーの位置情報を取得する正当性が求められます。

Androidデベロッパーブログ上では以下の審査基準が示されています。

・この機能はユーザーに明確な価値をもたらしますか?
・ユーザーはアプリがバックグラウンドで自分の位置にアクセスすることを期待しますか?
・機能はアプリの主な目的にとって重要ですか?
・バックグラウンドでロケーションにアクセスせずに同じエクスペリエンスを提供できますか?
https://android-developers.googleblog.com/2020/02/safer-location-access.html

つまりアプリが位置情報を取得することが、アプリの使用者が目的を達成するために本当に必要かどうかが問われるようになるのです。

2020年8月3日からGoogle Playに登録する新規のアプリは、新しい位置情報ポリシーを満たし審査をクリアしなければなりません。また、2020年11月2日からは既存のGoogle Playに登録している全てのアプリがポリシーを満たす必要があり、そうでなければ削除されます。*1
Androidの位置情報設定とGoogle位置情報は別物
「Androidで位置情報をオフにしていれば、アプリ側でユーザーの位置情報は追跡できないんじゃないの?そこまでアプリの規制を強める必要ある?」と思う方も多いかもしれません。

実はAndroidの位置情報設定とGoogle位置情報は別物です。Android自体の持つ位置情報機能をGoogle位置情報で補完しさらに精度を高めています。

Android上の設定でいうと「位置情報」→「google位置情報の精度」→「位置情報の精度を改善」を選択します。これによりAndroidの位置情報設定とGoogle位置情報を合わせ技で使用し、位置情報の精度が高まるのです。

この詳細設定内には「Googleロケーション履歴」もあり、ここにはユーザーが訪れた場所の記録がGoogleによって全部保存されています。

Android上で位置情報がオフになっていても位置情報の詳細設定内のGoogle設定がONになっている限り、Google Playからインストールしたアプリによって位置情報が抜かれ続けている可能性があるのです。*2
Google位置情報活用の問題点
Googleの位置情報は主にマーケティングの目的で利用されてきました。たとえば近くを訪れたユーザーに自分の店の広告が表示されるようにするといった用途はイメージしやすいでしょう。さらに、位置情報を収集することによりエリアのマーケット分析を行うこともできます。公益性のある用途だと、防災用アプリでは位置情報を活用することで、緊急避難情報などピンポイントで有益な情報を配信するのにも役立っています。

しかし、一見位置情報を必要としなそうに思えるアプリケーションでも、位置情報の収集機能を搭載していることがあります。計算機や懐中電灯用アプリなどは明らかに位置情報の取得不要なはずです。これは多くのアプリが、ユーザーの位置情報からマーケット分析を行う目的で作られているからです。

知らないうちに自分の位置情報が収集され、よくわからない用途に利用されている。これはユーザーの利益になりませんし、悪用されているのではないかと不安になります。今回のポリシー変更はこういった風潮に楔を打つものです。
ポリシー変更により出る影響
Googleより一足早くAppleではiOS13からアプリが位置情報を収集する際に、画面に確認のポップアップが出るようになっています。「常に許可」「アプリの使用中のみ許可」「一度だけ許可」の3種類です。このリリース後、ユーザー全体の60%が常に許可をやめたというデータが出ているようです。ユーザーは位置情報の共有を快く思っていません。*3

Googleの位置情報ポリシー変更により、アプリから位置情報を取得できるデータ数はさらに激減することが予想されます。位置情報を活用したマーケット分析や広告戦略は主流ではなくなるかもしれません。

国内でも位置情報を利用した下記のようなサービスが発表されていますが、少なくともモバイルデバイスからの自動的な情報収拾は厳しくなるため、各企業がどのような対策をしていくか注視すべきところでしょう。位置情報を収集することを前提にしたアプリやサービスがユーザーに対してどれほど説得力のある作りかがより重要になるはずです。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2003/05/news035.html

まとめ

Google位置情報のポリシー変更はユーザーにとってのダメージはほぼありません。むしろ、個人情報が意図せず利用されるのを防ぐ施策なので、歓迎すべきといえます。

これまで位置情報の取得を目的にアプリを開発していたベンダーや、位置情報を活用したマーケティング戦略を販売していたマーケターには、痛手になるのは間違いありません。これまではユーザーにバレないように、ユーザーがコントロールできないように位置情報を吸い上げていたわけですから、今後は正攻法でどうやって位置情報を納得の上提供してもらうかが鍵になるといえます。

*1https://android-developers.googleblog.com/2020/02/safer-location-access.html
*2https://apnews.com/828aefab64d4411bac257a07c1af0ecb
*3https://digiday.com/marketing/apples-new-privacy-features-rattle-location-based-ad-market/

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