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【BIM】大林組とArch-LOGが同盟!メリットとデータの取り扱いについて

この記事を読むと、以下の3つのことがわかります。
1.大林組とArch-LOGの企業概要
2.BIMデータプラットフォームを使う事のメリット
3.BIMデータの受け渡しと著作権問題

スーパーゼネコンである大林組が、BIMデータのプラットフォームである「Arch-LOG(アークログ)」とアライアンスを締結しました。これにより、大林組はArch-LOGで公開されている建材や什器をはじめ、さまざまなBIMのモデリングデータを使うことができます。

この記事では大林組とArch-LOGの概要や締結内容、そしてBIMデータを扱う者が知っておきたい著作権についてご紹介します。

大林組が「Arch-LOG」とのアライアンスを発表

大林組は2019年、建築建材の総合検索サイト「Arch-LOG」とアライアンスを締結したことを発表しました。(※1)これにより、大林組はArch-LOGで公開されているBIMオブジェクトを使えるようになります。

スーパーゼネコンである大林組とArch-LOGの概要や、どんな目的でアライアンスを締結したのか見ていきましょう。

大林組はスーパーゼネコンの1つ

大林組とは、国内でも有数の「スーパーゼネコン」です。総合請負者を意味するゼネコンは、大規模な建築や土木といった事業も請け負っています。数あるゼネコンの中でも売り上げが1兆円を超える大企業だけをスーパーゼネコンといい、大林組は日本の建築業界をけん引していく存在ともいえます。

大林組は創業から約130年、従業員数(連結)は14,000人を超えています。(※2)1960年代から海外にも進出していて、スーパーゼネコンの中でもグローバルな点が強みです。高い技術が必要な数々のプロジェクトにも参画していて、社会インフラの整備を手掛けています。

大林組は情報発信にも積極的です。大林組設計本部Webサイトである「ARCHITORIUM」はコンテンツとしてかなり作りこまれており、グラフィカルなデザインで実績などを紹介しています。建築物に興味があるかたは、ぜひご覧ください。
ARCHITORIUM:https://www.obayashi.co.jp/design/

東京の新しいシンボルである六本木ヒルズをはじめ、数々の有名事業も手掛けています。※3

・六本木ヒルズ
・東京スカイツリー
・虎ノ門ヒルズ

大林組はBIMの導入も積極的に行う

グローバルな視野を持っている大林組ですから、当然ながらBIMにも積極的に取り組んでいます。「BIMが今後の主流になることは間違いない」として、2013年にはBIM推進室を発展させ、ワンモデルで行えるBIMの仕組みづくりに邁進しました。

標準ソフトは世界的にシェア率の高いBIMソフト「Revit」を使い、2017年にはBIMマネジメント課を発足してBIMマネジャーという立場も作っています。「情報伝達のあり方を変える」という信念のもと、大林モデルの確立を行っているのです。※4

Arch-LOGとは建築建材の総合検索サイト

引用:Arch-LOG公式サイトより
https://www.arch-log.com/

今回大林組がアライアンスを締結したArch-LOGは、丸紅Arch-LOG株式会社が展開している建築建材の総合検索サイトです。

丸紅Arch-LOG株式会社は、総合商社である「丸紅」とBIM分野のプロフェッショナルである「ログログ」が立ち上げた合弁会社で、建築業界初のプラットフォーム企業を目指しています。

Arch-LOGはBIMオブジェクトを集約したプラットフォームであり、BIMレンダリングをはじめ、建材に関わる業務をWebで完結できるように、建材メーカーや什器メーカーなどがデータを提供しています。

Arch-LOGは以下の2つの強みがあります。

・BIMオブジェクトの総合検索ができる
建材のメーカー名や種類などで検索するとBIMオブジェクトが表示されます。無料ダウンロードでBIMオブジェクトとして活用でき、さらに建材メーカーが特定の製品を廃盤にした場合、すぐに情報が反映されます。

・リアルタイムレンダリング機能で高速レンダリング
BIMデータによるレンダリングは、時間がかかるものです。しかしArch-LOGはユーザー側には軽量化されたデータを提供してくれるので、高速レンダリングが可能となります。今までBIMオブジェクトの作成にかかっていた膨大な時間を大幅に短縮できます。

Arch-LOGでは「今までの100時間=Arch-LOGの5分」と謳っており、BIM作業の大幅な効率化が期待できます。

すでに国内で16社とのアライアンスを締結

Arch-LOGのBIMプラットフォームは、すでに多くの建設企業がアライアンスを結んでいます。※5

・大成建設株式会社
・株式会社長谷工コーポレーション
・西松建設株式会社
・東亜建設株式会社
・株式会社髙松コンストラクショングループ

大林組×Arch-LOG で生まれること

Arch-LOGでデータが一元管理されていると、BIMデータによる3Dモデリング作成を行う設計側には大変メリットがあります。

大林組がArch-LOGとアライアンスを締結したことで、BIMアプリとダイレクトに連携できるようになりました。つまり、BIMによる3Dモデリング作成の高速化が期待できます。

特にArch-LOGは高速レンダリング機能があるため、より精巧な3Dモデリング作成をより省力化できるでしょう。今までBIMで作ったパーツに情報を与える作業にかかっていた時間が、大幅に短縮できます。

一元管理されていなければ、複数のメーカーから集めたBIM情報のデータ形式を揃えなくてはいけません。しかしArch-LOGのように形式が揃っていれば、品番で検索したデータをBIMソフトに取り込むだけで、レンダリング作業に移行できるのです。

Arch-LOGは大林組がメインとして使うBIMソフト「Revit」にも対応していますので、BIMデータをRevitに取り込めば精巧なBIMモデリングが行えるようになります。

さらにBIMオブジェクトが一元管理されているため、廃盤になればすぐに対応できます。発注直前になって廃盤がわかり「しまった!」と焦る必要もなく、この点でも大幅な作業効率化が期待できるのです。

BIMモデルの拡大と著作権問題

Arch-LOGのように全てのBIMオブジェクトがデータ化されると、無視できないのが著作権問題です。データが自由になる反面、注意点もあります。

BIMオブジェクトコピーによる著作権問題

Arch-LOGでは多くのメーカーの協力のもと、BIMデータがオープンにされています。しかしBIMデータを他社に受け渡す時、著作権や企業秘密の観点から「BIMデータを渡したくない」という企業も多く存在しました。※6

すべてがデジタルデータでやり取りされるということは、それだけ企業のノウハウも明らかにされてしまうリスクがあります。自社商品の仕組みやノウハウが流れてしまう事を恐れてしまうのも無理はありません。

データ受け渡しで行われている対策

「データ化すればノウハウが流出するので、BIMデータは出したくない」という企業の声もあり、今ではBIMデータの受け渡しもガイドラインが制定されています。

BIMデータの著作権は保護されることとなり、BIMを元にした施工図は、二次的著作物には当たりません。(創作的なデザインが加えられた場合は著作権が施行者に発生します)※6

また、BIMパーツには必ず企業名を入れ、著作権の所属を明らかにすることもルールとなりました。※7これによりある程度著作権問題はカバーされていますが、今後はもっと細かな規定も必要となるでしょう。

まとめ

大林組とArch-LOGのアライアンス締結の概要とメリット、BIMモデルにおける著作権についてご紹介しました。Arch-LOGのようなBIMデータのプラットフォームによって、企業のBIM化はもっと進んでいくでしょう。

BIM化を推進してもっと建築業務を効率化させるためには、関係部署それぞれがBIMに積極的にならなくてはいけません。しかしデジタルトランスフォーメーションが進んでデータが自由になった今、著作権や自社のノウハウなど守るべき注意点もあります。これからどんな風にBIM化が進んでいくのか、楽しみですね。

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参照
※1  https://www.obayashi.co.jp/news/detail/news20191016_1.html
※2  https://www.obayashi.co.jp/company/
※3 https://www.obayashi.co.jp/works/
※4 https://www.kensetsunews.com/web-kan/388797
※5
https://blog.arch-log.com/post/615517756652224512/arch-log%E3%81%AF16%E7%A4%BE%E3%81%A8%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%92%E7%B7%A0%E7%B5%90%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F
※6 P.14「2) 建築設計と著作権」より
http://www.jia.or.jp/resources/news/000/225/0000225/p7NmnPji.pdf
※7 https://xtech.nikkei.com/kn/article/it/column/20120730/577549/?P=4

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