Revit作成のBIMモデルをPDFに変換した際のメリットとは


情報共有の精度向上や迅速化が期待されるBIMデータの運用ですが、建設業界においてはまだまだ十分に浸透したとは言えないのが現状です。

そのため、BIMソフトがなくとも手軽に3Dを閲覧できる機能の需要は高いと言えますが、BIMデータをPDFに変換し、運用するケースも見られます。

目次:
①BIMデータにも対応するPDF変換
②コストパフォーマンスに優れる3D PDF
③いずれはBIM運用を検討している場合でも有効

RevitのBIMモデルをPDFで運用する選択肢

BIMソフトの中では非常にシェアのあるAutodeskのRevitですが、外部ツールを使用することで、PDFデータへと変換することができます。

スマートスケープの3D PDF作成ツール

ソフトウェア会社のスマートスケープは、建設業向け3D PDF製品シリーズを展開しており、PDFの汎用性の高さに注目し、BIMにも対応するPDF変換ツールを提供しています。
スマートスケープ公式:https://www.3dpdf.jp/

建設業界では、デジタル・アナログを問わず日々多くのデータのやり取りが行われていますが、複数の形式のデータが行き交うことは効率的とは言えません。

そこでスマートスケープは、3Dデータを含むあらゆるデータや書類をPDFに変換し、情報の一元管理実現に向けたツールの販売を行なっています。

スマートスケープの建設業向け3D PDF製品シリーズは非常に好評を博しており、2018年時点ですでに100社を超える導入実績を誇っていました*1。

Revit対応で性能も優秀

この変換ツールでは従来のテキストや画像はもちろんのこと、RevitのBIMデータもしっかりと変換することができるのが大きな強みとなっています。
Revitの編集画面からボタン操作だけで簡単にPDFへ変換することができ、3Dモデルの形状や色、プロパティなどを正確に再現することができます。

また、スマートスケープではRevitのBIMデータにとどまらず、土木CIMソフトのCivil 3Dへの取り込み機能の拡充も進め、さらなる契約者数の増加を見込んでいます*2。

点群データへの対応も行い、このツールの使い勝手、ひいてはPDFファイルの運用の幅は、ますます広がっていくことが考えられます。

また、セキュリティ面においてもしっかりと対策が施されており、閲覧パスワードの要求やタイムスタンプ、電子署名の設定も行い、第三者への漏洩を防ぎます。

繊細なデータ管理が求められる今日においても、しっかりと活躍が期待できるサービスと言えるでしょう。

PDFが依然として広く運用される理由

このようにPDFファイル利用の幅が広がっていく昨今ですが、BIMよりも情報量で劣るこちらの形式が支持される理由には、どういった要因が挙げられるのでしょうか。

いつでも誰でも使える汎用性の高さ

1つは、PDFファイルという形式の運用難易度の低さにあると言えるでしょう。
ご存知の通り、PDFファイルはOSやスペックに依存せず、いつでもどこでも一定の情報をしっかりと確認することができます。

ただ資料を閲覧するだけなら、PDFの利用に特別なソフトのインストールを必要としないため、PCやスマホを問わず、気軽に運用することができます。

一方、BIMデータの運用には専用のソフトが必要となるだけでなく、BIMデータを扱える人材の配置が必要です。

設計事務所など一部の利用が進んでいても、現場でBIM運用の環境が整っていなければ、円滑な共有は望めないのです。

紙媒体に近い使用感

PDFデータは、電子媒体とはいえ紙媒体に近い使用感で扱えるのも人気の理由の1つです。
従来の紙媒体の場合、テキストに線を引いたり、メモを書き込んだりといった自由な使い方ができるため、この使い心地を好んで紙を多用する人は多いものです。

ところが、PDFにおいても「PDF-XChange Editor 」インストールすることで、テキストのハイライトや図形、メモの挿入などを行うことが可能になります。

これはフリーで使えるPDFビューワーの一種で、英語など一部の言語に対応したOCR(光学式文字認識)昨日も利用が可能です。

使い方によっては、無料でありながら紙以上のパフォーマンスを発揮してくれるのが、PDFの強みです。

BIMの導入コスト

このようなPDFのコストパフォーマンスの高さを考慮すると、BIMの導入はためらってしまうものがあると言わざるを得ません。
BIMはまず各組織へ導入して一元的な運用を可能にする環境を整える必要があるため、設備コストは非常に大きくなります。

また、ゼロからのBIMの運用には人材教育も必要となってくるため、そのための費用や時間も考慮しなければなりません。

そのため、BIMが次世代に必要とされている技術だからとはいえ、すぐに導入するのは難しいのです。

3D PDFの強み

BIMは3Dデータを詳細に表現するための技術として優れていますが、それをPDFで再現する技術が3D PDFです。
本来のBIMデータに劣らないパフォーマンスを発揮する3D PDFの強みについてご紹介します。

特別なソフトがなくとも3Dを閲覧できる

3D PDFの利点は、1つに通常のPDFデータと同じように運用することができる点にあります。
PDFは無料で誰でも閲覧できるのが特徴ですが、3D PDFにおいてもこの特徴は生かされています。

フリーソフトのAdobe Acrobat Readerをハードにインストールすることで利用することができ、3Dデータの閲覧が可能になります。

これまでは専用のソフトやビューワを必要としていたBIMデータを含む3Dデータは、スマートスケープの変換ツールで気軽に触れられる存在となりました。

3Dの編集などは求めておらず、ただ閲覧したいだけの作業員などにとっては、非常に重宝する機能です。

他のPDFファイルと合わせて管理し、閲覧することができる扱いやすさも、3D PDFの強みと言えるでしょう。

BIM導入のつなぎとして優秀

PDFでの情報管理や閲覧は確かに便利で、情報共有の迅速化や生産性の工場に貢献してくれますが、ポテンシャルの高さで言えばBIMデータに軍配があがります。
部材の1つ1つに情報が詳細に掲載されているBIMデータは、使いこなすことができれば大いに業務効率の向上に貢献してくれます。

データ変換の手続きも必要なければ、修正のたびに3Dモデルを作り直す必要もなく、上から下まで1つのデータを扱うだけで情報共有は完結します。

そのため、建設業界のあらゆるところでBIMの運用が普及すれば、3D PDFの運用もいずれは今ほど必要とされることもなくなるでしょう。

労働人口の減少によって、建設業界は徹底的な業務の効率化を余儀なくされているためです。

しかしそれでも、3D PDFはBIM導入までのつなぎとして、今日では十二分の活躍をしてくれることが期待できるでしょう。

現在の環境でBIMを導入することは、まだまだ負担も大きく、短期的な成果を見込むことは難しいためです。

おわりに

BIM導入の検討はそのメリットと課題で天秤にかけながら、慎重に進められています。
そんな中登場した3D PDFの登場は、BIM導入よりも手軽に扱えるということで、大いに注目されています。

ポテンシャルとしてはBIMの方が上ではあるものの、短期的な成果を求める場合は3D PDFの導入は悪い選択ではないでしょう。

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出典:
*1 BUILT「Autodesk Revitで作成したBIMモデルをPDFに変換、点群対応などで2年以内に契約数3倍を目指す」
https://built.itmedia.co.jp/bt/articles/1811/26/news057.html

*2 上に同じ

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