iMac Proの標準セットが改定され、実質値下げに


8月になって、iMac Proの標準セットの改定と、新しいiMacシリーズのラインナップが発表されました。
これにより、iMacシリーズとiMac Proとは、10コアを境にして線引きが明確になりました。
今回の記事では特にiMac Proの現在の構成と、CTOオプション価格などについて、ご紹介していきます。*注1

この記事でわかること
・iMac Proの構成とCTOフルセットの価格
・iMacとiMac Proの選択基準
・Appleシリコン搭載Macについて

iMac Proの構成とCTOフルセットの価格について

iMac Proの標準セットは、次のような構成になっています。

プロセッサー

◯3.0GHz 10コアIntel Xeon Wプロセッサ(Turbo Boost使用時最大4.5GHz)

Intelのプロセッサーというと、Core i5やi7というシリーズを見かけることが多いのではないでしょうか。
iMacシリーズにも採用され、多くのWindows PCでもプロセッサーとして使われていますので、馴染みのあるシリーズです。
iMac Proでは、同じIntel製でもXeon Wファミリーが搭載されています。
これは、ワークステーションやサーバーなどでの利用を想定した、ハイスペックプロセッサーです。

「Turbo Boost」とはIntelの技術であり、正式には「インテルR ターボ・ブースト・マックス・テクノロジー 3.0 」という名称です。
処理すべきワークに対して、最速のコアを特定し、必要があればクロック周波数を一時的にアップすることで、処理能力をあげるというものです。
3DレンダリングやVR画像処理など、高度な処理能力が必要とされる場面で活躍してくれます。*注2

2020年8月の改定では、標準セット(最低構成)のプロセッサーが8コアから10コアになったにも関わらず、価格は据え置かれました。
以前は8コアから10コアへアップすることで、88,000円のオプション追加価格が必要でしたので、実質的な値下げとなります。
また、iMacシリーズのプロセッサーが最大で10コア(Intel Core i9)までとなっていますので、10コアまでは「iMac」、それを超えるなら「iMac Pro」という大まかな線引きにもなりました。

グラフィック

◯Radeon Pro Vega 56(8GB HBM2メモリ搭載)

その昔、画面への出力データの計算と通常の計算処理は、両方ともCPUが実行していました。
ところが、白黒からフルカラーへと進化するにしたがって、画像処理の負担が大きくなり、CPUでの処理では追いつかなくなってきました。
そこで、画像処理を専門に行う「GPU」が搭載されるようになりました。
最近では高画質動画やゲーム・VRなど、重たい画像処理を必要とするソフトやサービスが増えたため、以前よりもGPUの重要性が高まっています。

まだGPUが登場する前は、エクセルなどの表計算の処理をする時にも、画面表示を白黒モードにして画像処理の負担を軽くしたりしていました。
このような少ないリソースを有効活用するために、結構涙ぐましい努力をしていたころが懐かしく思えます。

今回、iMac Proに搭載されているのは、AMD社製のRadeon Pro Vega 56です。
iMac 27inchに搭載されているGPUは、同じAMDのRadeon Pro 5000シリーズとなっています。
Proという名称からも、よりハイスペックのGPUが採用されていることがわかります。
最大22テラフロップスの半精度計算、さらに同じパッケージ内にHBM2メモリを搭載していますので、最大400GB/sでのデータ取得などを実現しています。*注3

メモリ・ストレージ

◯メモリ:32GB 2,666MHz DDR4 ECC
◯ストレージ:1TB SSD

最低スペックでこの構成ですので、よほど高度で複雑な処理を要求しないのであれば十分なレベルと言えます。
しかしiMac Proの場合、購入後にメモリを追加することが原則できないため、最初に構成を決めておく必要があります。
とりあえず最低スペックで揃えておいて、あとで必要に応じて追加ができないのはかなり悩ましいところです。
この辺は、もう少し柔軟にして欲しかったと思うところです。

ここまでご紹介してきた標準セット(最低構成)で、価格は「558,800円」となります。
これでも十分なお値段ですが、もしフルセットにした場合、どのくらいになるのか計算してみましょう。
なお、マウスやソフトウエアなどもオプションで選択できますが、ここでは本体価格だけを対象としています。

■プロセッサー
3.0GHz 10コアIntel Xeon Wプロセッサ(Turbo Boost使用時最大4.5GHz)
→2.3GHz 18コアIntel Xeon Wプロセッサ(Turbo Boost使用時最大4.3GHz)プラス160,000円

■グラフィック(GPU)
Radeon Pro Vega 56(8GB HBM2メモリ搭載)
→Radeon Pro Vega 64X(16GB HBM2メモリ搭載) プラス70,000円

■メモリ
32GB 2,666MHz DDR4 ECCメモリ
→256GB 2,666MHz DDR4 ECCメモリ  プラス520,000円

■ストレージ
1TB SSDストレージ
→4TB SSDストレージ   プラス100,000円

■合計金額(フルセット) 1,408,800円

トータルで140万円オーバーとなりました。
軽自動車にオプションつけて買えるぐらいの値段です。

しかし以前に比べれば、随分「お買い得」になっています。
2017年に登場した時には、為替などの影響からか日本での販売価格が改定された経緯があり、2019年時点と比べるとフルセットで「30万円以上」安く購入することができます。*注4

iMacとiMac Pro、どちらを選択するか

iMacのエントリーモデル(21.5インチ)であれば、120,800円で購入できます。
iMac Proの標準セット分を考えると、4台買ってもお釣りがくる値段です。
ネット閲覧であったり、テキスト作成・ビジネス系ソフトの基本的な利用程度であれば、iMacのエントリーモデルで十分でしょう。
しかし、標準的な作業や画像処理であれば、今やノート型でも十分なスペックを持っていますし、モバイル端末でもある程度までなら使用可能なレベルになっています。

やはり、自宅でデスクトップを利用する以上は、多少余裕のあるスペックを持たせて快適な環境で作業をしたいと希望する方も多いのではないでしょうか。

そう考えると、iMacでも27inchディスプレイは欲しいですし、メモリにもある程度の余裕は必要です。
通常の文章処理・インターネット閲覧・簡単な画像や動画の編集ぐらいまでカバーできる構成を考えた場合、以下のようなスペックになります。

・iMac 27inch
・3.1GHz 6コアプロセッサ(Turbo Boost使用時最大4.5GHz)
・256GBストレージ
・Retina 5Kディスプレイ

さらにオプションとして、Nano-textureガラスを付け、32GB 2,666MHz DDR4メモリに増設すると、トータル価格は304,800円になります。

日常使いでiMacを選択する場合、最低でもこれぐらいの構成は欲しいところです。
ストレージはストアで増設ができないようですので、必要があれば外部ストレージを別途購入することになります。
これでも、iMac Proの標準セットよりは30万円以上安く購入できます。*注5

4K動画の編集作業や3Dレンダリングなど、高度な処理を必要とする方は、iMac Proを選択することになりそうです。
作業効率とスピードが命、費用は二の次という方は、iMac Proで必要なだけオプションを追加する方法が一番です。

一般の方で、日常使いのデスクトップ一体型を求めている場合は、iMacで十分です。
特に、iMacシリーズではメモリの増設は購入後自分でできますので、とりあえず最小限の構成にしておき、必要に応じてスペックアップすることが可能です。
予算に合わせて用途の変化に対応できるのは、iMacシリーズの魅力と言えます。*注6

Appleシリコン搭載Macについて

ここで気になるのが、今年リリースが予定されている新しいプロセッサー「Appleシリコン」を搭載したMacです。
現在、購入を検討している方にとって、現行シリーズを選択するかAppleシリコン搭載Macの登場を待つか、実に悩ましいところです。
現行のIntel版Macについても、OSの更新やバージョンアップなどはAppleシリコン搭載Macと並行して実施されるとアナウンスされています。
移行期間は2年を予定しており、今現行シリーズを購入したとしてもサポートがすぐになくなる心配はありません。

また、Appleシリコン搭載Macがどのシリーズから発売されるのか、まだ不明です。
新しいプロセッサーに対応したネイティブソフトが出揃うのにも、ある程度の時間は必要であり、移行期間中は十分なスペックが活かせない可能性もあります。

よほど必要に迫られて新しいプロセッサーの能力を使いたいなど、特別な理由のある方以外は、現行品を購入しても良いのではないかと考えています。
特に、長年のMacユーザーには
「メジャーバージョンアップした最初のロットには手を出さない」
「現行品の型落ちタイミングが購入時の狙い目」
という考えが身についていますので、Appleシリコン搭載Macが登場した時点での現行品の価格を見て、判断したいところです。

【まとめ】
例えていうなら、iMacシリーズが「通勤・買い物など普段使いする普通乗用車」。
iMac Proは「高級車もしくはスポーツカー」といった位置づけでしょうか。
iMacが通常業務やホビーユースのPCであり、iMac Proが個人使いできるワークステーションであると考えても良さそうです。
この記事では触れませんでしたが、フルセットで400万円超(しかも、モニター別売)のMac Proは車に例えると「F1マシン」、まさにモンスターです。
宝くじでも当たったら、フルセットのMac ProにPro Displayをつけた最高マシンで、のんびりブログの更新でもする夢を見ながらこの記事を終えたいと思います。

▽Appleに関する記事はこちら

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■参考文献
注1
IT Media News 「Apple、iMac Proを10 Core Xeon Wからに “究極”モデルは34万円値下げ」
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2008/05/news062.html

注2
Intel 「インテルR XeonR W プロセッサー」
https://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/products/processors/xeon/w-processors.html
「インテルR ターボ・ブースト・マックス・テクノロジー 3.0 」
https://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/architecture-and-technology/turbo-boost/turbo-boost-max-technology.html

注3
Apple iMac
https://www.apple.com/jp/shop/buy-mac/imac/27-%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%81-3.8ghz-8%E3%82%B3%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%BB%E3%83%83%E3%82%B5%EF%BC%88turbo-boost%E4%BD%BF%E7%94%A8%E6%99%82%E6%9C%80%E5%A4%A75.0ghz%EF%BC%89-512gb#

amazon Macデスクトップ
https://www.amazon.co.jp/dp/B079Z5SXHW

注4
IT Media News 「Apple、iMac Proを10 Core Xeon Wからに “究極”モデルは34万円値下げ」
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2008/05/news062.html

注5
Appleストア iMac
https://www.apple.com/jp/shop/buy-mac/imac/27-%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%81-3.1ghz-6%E3%82%B3%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%BB%E3%83%83%E3%82%B5%EF%BC%88turbo-boost%E4%BD%BF%E7%94%A8%E6%99%82%E6%9C%80%E5%A4%A74.5ghz%EF%BC%89-256gb#

注6
Apple iMacにメモリを取り付ける
https://support.apple.com/ja-jp/HT201191#27inch2020

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