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GooleのVPNサービスがGoogle Oneの2TBプランで提供開始

 ユビキタスネットワークという言葉が、もはや死語に感じられるほど「いつでもどこでもネットに接続」することができることができる時代になりました。
モバイル端末の普及と高速無線通信が、「いつでもどこでもネットに接続」を実現しています。
 この時代に必須となっている、セキュリティを高める技術である「VPNサービス」が、Googleから提供されることが発表されました。
当面はアメリカ国内でAndroid端末での利用に限定されますが、順次エリアと対象OSを拡大していくようです。

この記事でわかること
 ・Googleの新サービス、VPNの概要について
 ・VPNの仕組みについて
 ・VPNとセキュリティについて

Googleの新サービス「VPN」の概要

 Googleは、自社のクラウドストレージサービスなどを統合した「Google One」において、2TBプランの契約者に対してVPNを新たに提供すると発表しました。
2TBプランは月額9.99ドル(日本では1,300円)で利用することができます。
VPNの提供については、当初はアメリカ国内、しかもAndroid OSに限定されますが順次エリアを拡大し、さらにiOSやWindows・MacなどのOSに対しても対象範囲を拡大していく予定です。

 すでにGoogle Oneの2TBプランを契約している人にとっては、追加料金を支払うことなくVPNがおまけについてくる感じです。
VPNを利用する事によって、街中のカフェなどの共用WiFiを利用しながら、クレジットカード番号の入力が必要なオンライン決済をする様な場面でも、セキュリティ面で安心して通信ができます。*注1

 Android端末を利用していれば、ブラウザの種類やアプリに依存することなく、全てのオンライントラフィックが暗号化されます。
これにより通信の安全性が担保され、安心して外出先でもインターネット接続をすることができるようになります。
また、Google One契約者は最大で5人の家族とサービスを共有することができますが、VPNについても同様に利用可能です。

 Google Oneには無料・100GB・200GB・2TBのプランがあります。
中でも2TBプランは最上位の契約ということもあり、きめ細かいサポートもついているのが特徴です。
例えば、VPNの仕組みや使い方についてわからないユーザーに対して、スペシャリストが1対1のオンラインセッションでサポートする「Pro Sesionサービス」も、追加料金なしに受けらることができます。
 月額1,300円は一般の利用者にとってそこそこのお値段ですが、その分だけ充実したサービスが提供されています。*注2

 セキュリティといえば、最近はハッカーなどによる外部からの情報収奪以外にも、新たな問題が発生しています。
それはサービス提供事業者による個人情報の収集というもので、Googleもその点で名前のあげられる企業の一つです。
 Googleなどの企業はユーザーの行動履歴をトレースし、その内容を分析することでマーケティングに利用し収益をあげています。
しかし、近年では個人情報の収集についてクローズアップされ、問題視されるようになってきました。
実際、自分のネット上での行動が知らないうちに監視されているというのは、誰しもあまり気持ちのいいものではないですよね。

 しかし、個々のユーザーの閲覧履歴を参考にし、興味のありそうな情報を適時表示するといった動作は、私たちのネットワーク環境を快適にするという側面もあります。
多くのユーザーの情報を分析することによって、より良い情報の提示やスムーズな結果表示などに役立つことも多いので、一概に悪いことばかりではありません。

 GoogleはVPNサービスについて、このような個人情報の収集やトレースについても、十分な配慮がなされていることを付け加えています。
一人ひとりのアクティビティは暗号化され、記録されることはありません。
 また、VPNを利用する場合ユーザーのデータを識別せず、個人に紐づけることができない仕組みを採用しました。
VPNを使うことによって、今後いかなるツールを持ってしても、IPアドレスや利用帯域、タイムスタンプなどをトレースすることができなくなります。

 さらに透明性を担保するために、VPN利用時に実行されるコードをオープンソース化しています。
これにより第三者による検証が可能となり、近々検証結果についても発表する予定とのことです。
このような取り組みによって、従来のVPN事業者と比べても、より安心してユーザーが利用できる環境を提供しいる事をアピールしています。

 VPN利用時には、データの消費量がやや増加するものの速度自体に影響はなく、通常のネットワーク利用と同等の処理を実現しているとも説明しています。
ただし、バッテリーの消費量やデータ使用量には影響する可能性があり、Goolge側も注意を促しています。
パケットに制限があるプランを契約している場合は、気をつけた方が良いでしょう。

そもそもVPNってどんな仕組み?

 ここまで、当たり前のようにVPNという用語を使っていましたが、VPNとはそもそもどのような仕組みなのか、簡単に説明しておきましょう。
VPNは「Virtual Private Network(仮想化プライベートネットワーク)」の略です。
 一口にVPNと言っても、実はいくつかの種類が存在しており、目的や用途によって使い分けられています。
今回話題になっているGoogleが提供するVPNは「インターネットVPN」と呼ばれるものになります。

 普段私たちが利用しているインターネットは「一般公衆回線」とも言われるように、不特定多数のユーザーが利用しています。
そのため、セキュリティについては脆弱な面があり、ハッカーなどによって通信が傍受される危険性が付きまといます。
 あくまでイメージですが、通常のインターネット回線は、一般の道路のようなものと言われています。
中にはマナーの悪いドライバーもいるでしょうから、いつ事故に巻き込まれるかわかない状態です。
このような危険を完全に除外するには、目的地まで自分専用の私道を作ってしまえばいい訳です。

 現実の道路でこんなことはできませんが、ネットワークの仕組みには「専用線」というものがあり、実際に運用されています。
企業の本社と地方の支社に専用線を設置し、完全に外部とは隔離された通信環境を作ることで、万全のセキュリティを確保することができます。

 とはいうものの、こんなことができるのはコストに見合うだけのメリットが得られる大企業か専門の業者に限られます。
とても一般のユーザーが気軽に利用できる仕組みではありません。
 そこで暗号化技術を使って、仮想的な専用線のようなものをインターネット上で実現する仕組みが考案されました。
これがインターネットVPNというものです。

 現在、高度な暗号化技術のおかげで比較的安価でありながら、セキュリティをある程度確保できるVPNが実現しています。
また、インターネットVPNはソフトウエア的に処理できるため、現在では多くのVPNサービスを提供している事業者が存在しています。
 これまではVPNを利用するには、このような事業者と個別に契約することが必要でした。
が、GoogleのVPNが利用可能になれば、Google ONE(2TB)を契約するだけで良いのですから、ずいぶん便利になることは間違いないでしょう。

VPNを使えばセキュリティは万全なのか

 ではGoogle ONEに契約し、VPNアプリを起動すればセキュリティについては大丈夫と言って良いのでしょうか?答えは「NO」です。
 VPNはあくまで通信の安全を確保するための仕組みであり、フィッシングサイトへのアクセスによる被害や、メールに添付して送られてくるウィルスなどを防ぐことはできません。
このような脅威に対しては、個別にセキュリティ対策が必要となります。

 自動車と道路の例えで表現すると、VPNを使うことで「安心して走れる道路」は確保しました。
しかし、目的地が安全かどうかは別問題ですし、車の故障を直したり、雨で汚れたフロントガラスを拭いてくれる仕組みの様なものはVPN(専用道路)自体にはありません。
 目的地の情報をしっかり調べて判断すること、日頃から車のメンテナンスをしてトラブルを未然に防ぐことは、VPN(専用道路)とは別に気をつけなければ行けないことです。
具体的に言うと、ネットワークを利用するのであれば、ウイルスソフトをインストールしたり、アクセス先の信頼性をきちんと判断したりする必要があります。

【まとめ】
 GoogleはVPNサービスの開始とほぼ同時期に、オンラインフォトストレージである「Googleフォト」の無料容量上限を15GBにすることを発表しました。
 「Googleフォト」は、これまで上限なしで使えていたサービスです。
私もスマホのデータを自動でGoogleフォトに吸い上げる設定にしていますので、慌てて現在の使用状況を確認しました。
 現時点では上限までには余裕がありますが、いずれ有料プランに切り替えるか、別のオンラインサービスにするか検討が必要になりそうです。

 Googleが発表したVPNのニュースを眺めながら、「上得意様にはより良いサービスを、無料ユーザーにはそれなりに」になっていくのかなと思い、少し寂しいわびしい気分になってしまいました。
 2TBのプランでで月額1,300円は一般の個人ユーザーには少々ハードルが高いので、「せめて100GBプランにもVPNを導入してくれればいいのに」と感じてしまいます。
私のGoogleフォト容量がいっぱいになる前に実現することを願って、今回の記事のまとめとしておきます。

 


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■参考文献
注1
cnet Japan 「グーグルの新VPNサービス、「Google One」の2TBプランで提供へ」
https://japan.cnet.com/article/35161806/
注2
Google “Increase your online security with the VPN by Google One”
https://one.google.com/about/vpn

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