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建築・土木業界で重要性が増しているBIMに関する資格のまとめ

 BIM(Building Information Modeling)とは、建築や土木の分野で注目されている仕組みです。
 BIMは、建物やインフラのデジタルモデルを作成し、設計、施工、維持管理に関する情報を統合的に管理することができます。近年、BIMの活用が進む中で、BIMに関する知識と技術を証明するための資格も増えてきています。
 今回は、BIM資格について、その重要性や具体的な内容、取得のメリットについてまとめてみましょう。

この記事でわかること
 ・BIM資格の重要性について
 ・BIM資格の具体的な内容
 ・BIM資格取得のメリット

BIM資格の重要性

 建築業界において、BIMの重要性が増している理由の一つは、プロジェクトの効率化と精度向上が挙げられます。従来の設計手法では、設計図や施工図が別々に作成され、それぞれの情報が分散して管理されることが多く、情報の齟齬やコミュニケーションの不備が生じやすい状況でした。

 しかしBIMを導入することで、すべての情報を一つのデジタルモデルで一元管理できるため、設計から施工さらには維持管理までの全工程の情報共有がスムーズになります。このため、BIMの知識やスキルを持つ人材の需要が高まっており、BIM資格を持つことがキャリアアップに大きく寄与します。

 BIM資格には、さまざまな種類があります。アメリカの「Autodesk Certified Professional」や、イギリスの「BRE Academy BIM Certification」などが代表的です。
 これらの資格は、BIMソフトウェアの操作スキルや、BIMプロジェクトの管理能力を証明するものであり、取得することで専門的な知識を有していることを示せます。
 また、日本国内でもBIM資格が徐々に増えており、日本建設業連合会が主催する「JACIC BIM資格」などが注目されています。*注1

BIM資格の具体的な内容

 BIM資格の取得には、一定の学習や実務経験が必要です。多くの資格試験では、BIMソフトウェアの操作スキルや、BIMプロジェクトの進行管理に関する知識が問われます。
 例えば、Autodesk社の「Autodesk Certified Professional」資格では、RevitなどのBIMソフトウェアの高度な操作スキルが求められます。試験内容には、3Dモデリング・設計図の作成・プロジェクトの共有と管理などが含まれ、実際の業務に直結するスキルが問われます。

 また、BIM資格には実務経験が必要なものもあります。BRE Academyの「BIM Certification」では、受験者がBIMプロジェクトに一定期間従事していることが受験の前提条件となっています。この事により、実際のプロジェクトでの経験を基にした知識やスキルが評価されるため、資格取得後には即戦力としての期待が高まります。

 さらに日本国内のBIM資格では、日本の建築基準や業界特有の課題に対応した内容が盛り込まれていることが多くあります。日本建設業連合会の「BIM資格」では、日本国内でのBIM導入の現状や、法的規制に対応したBIMプロジェクトの進め方など、ローカルな知識も重要視され、日本国内のプロジェクトにおいてもスムーズにBIMを活用できる人材が育成されます。

 現在、日本国内で受験できるBIM資格試験には次のようなものがあります。

<民間団体が運営しているもの>

 ◯「BIM利用技術者試験」 
  運営:一般社団法人コンピュータ振興協会
  特徴:2級・準1級・1級など難易度別グレードがあり、初心者から上級者まで対応
  費用」7,700円~

 ◯BIM資格認定試験
  運営:一般社団法人日本BIM協会
  特徴:3年以上の実務経験などが求められる
  費用:19,800 円

<ソフトウエアメーカーが運営しているもの>

 ◯「Revit Architecture ユーザー試験」
  運営:AUTODESK
  特徴:AUTODESKソフトウエアの運営能力を図る試験
  費用:7,700円

 ◯「Archicad認定試験」
  運営:GRAPHISOFT
  特徴:BIM やArchicad の知識のレベルを測定し、証明する認定試験
  費用:無料

 以上は全て、個人のスキルを証明するタイプの試験です。他にもISO19650に関する試験がありますが、これは個人ではなく会社や組織が取得するものになります。
 資格認定だけではなく、事前のトレーニングなども考慮すると、取得までには総額100万円を超える費用が必要になることもあります。*注2

BIM資格取得のメリット

 BIM資格を取得することで、さまざまなメリットが得られます。BIM資格は自分のスキルを客観的に証明するものなので、就職や転職の際に大きなアドバンテージとなります。
 特にBIMの活用が進む企業やプロジェクトでは、BIM資格を持つ人材が求められているため、資格があることで採用の際に優遇されることが多くあります。

 またBIM資格を持つことで、プロジェクトの管理能力が向上します。BIMの知識を活用することで、設計ミスや施工ミスを減らし、プロジェクトのコストや工期の削減につなげることができます。
 さらに、BIM資格はチーム内での信頼性を高める効果もあります。資格を持つことで、チームメンバーからの信頼を得やすくなり、プロジェクト全体の円滑な進行に寄与します。

 BIM資格を取得することによって、継続的な学習の動機付けにもなります。BIMは技術の進歩が速く、新しいソフトウェアやツールが次々と登場します。
 資格取得を通じて、最新の技術やトレンドを学ぶ機会を得ることで、常に業界の最前線で活躍するための準備ができます。

 以上のように、BIM資格は建築業界において非常に有用なものであり、取得することでさまざまなメリットがあります。BIMの重要性が増す中で資格取得を目指すことは、キャリアアップやプロジェクトの成功につながる大きな一歩となるでしょう。

【まとめ】
 BIMへの取り組みは、国も主導する形で加速しています。今後は大手の企業だけでなく中小企業でも導入を検討する場面が増えるでしょう。個人だけでなく、企業としてもBIMオペレーターを育成し、業務の効率化・高機能化をめざすと思われます。
 それぞれの目的にあった資格試験を調べて、計画的にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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■参考文献

注1

AUTODESK ”Autodesk Certification”

https://www.autodesk.com/certification/overview

bre ACADEMY ”BIM Training Courses”

https://bre.ac/bim/

公益社団法人日本建設業連合会 「BIM/CIM管理技士資格認定試験について」

https://www.jcitc.or.jp/bimcim_cert_trainingtop/

注2

一般社団法人コンピュータ振興協会 「BIM利用技術者試験」

https://www.acsp.jp/bim/

AUTODESK 「オートデスク認定 Revit Architecture ユーザー」

https://www.myautodesk.jp/certification/user_Revit.html

GRAPHISOFT 「Archicad BIM 認定試験」

https://graphisoft.com/jp/training/archicad-bim-user

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