建設業界を改革するLANDLOGの徹底的「見える化」とは


LANDLOGは2017年の発表以降、建設現場のあらゆる情報共有に変革をもたらす存在として注目を集めているIoTプラットフォームです。業界を率いるコマツの実績や技術をベースに、NTTドコモ等計4社のジョイントベンチャーにより提供が始まりました。多様なプラットフォームがローンチされる中、土木・建築業界の改革に寄与するとされている強みは、その徹底的な「見える化」にあると言います。一体何が「見える」のでしょうか。

この記事を読むと以下の3つのことがわかります
①LANDLOG誕生の背景
②現場の「見える化」による一元管理
③中小企業にこそLANDLOG導入が「効きやすい」?

LANDLOG誕生の背景

LANDLOGの大きな目的は、建設現場に欠かせない情報を組み立て利用できる仕組みを作り、現場作業の効率化を図ること。この誕生には、長年我が国の課題とされてきた建設業界の労働環境が大きく起因します。

建設業界の「働き方改革」

劣悪な労働環境が叫ばれて久しい建設業界は、20年前とほぼ変わらない生産性とも言われています。また、国の「働き方改革」の対応策の施行が、建設業界においても昨今優先的に進められています。日本建設業連合会の「週休二日実現行動計画」、国土交通省のICTソリューションによる改善計画「i-Construction」を筆頭に、労働環境の改善が急務となっているのです。
また、人材面においては団塊世代である60代の労働人口が今後10年間で大量退職する見通しであり、若手の採用と育成が喫緊の課題となっています。
LANDLOGは、このような建設現場における作業特性や長年の慣習、人手不足、ノウハウ継承にまつわる多くの課題をIoTで解決するという使命のもと、満を持して誕生したと見ることができます。

「現場主導」のソリューション

一般的に現場作業の発生する業務において、「モノ」のデータを通信・分析・管理できるIoTシステムは高い導入効果が見られるツールとして認識されています。ところが建設現場に関しては、扱うデータの要素が複雑かつ多岐にわたる上、研究によるデータと実際の現場の状況との間に大きな差が生じることも多く、運用が困難とされてきました。
LANDLOGはこのようなジレンマを解決すべく、あくまで「現場」において精度の高いデータが活用できるよう、複数の建設現場から生のデータを収集・開発されたという経緯を辿っています。たとえデジタルデータの運用に慣れていない現場であったとしても、オペレーションがしやすく利用価値を感じるIoTプラットフォームとして作り込まれたのです。

現場の「見える化」による一元管理

土木建設業のリーディングカンパニーであるコマツの技術をベースにしたLANDLOGは、ドローンやセンサー等による観測データを3次元データに落とし込んだオープンプラットフォーム。その圧倒的な強みは、現場の進行に伴う機械や人工、材料、エネルギーのボリュームを観測・分析したデータが「現場で使いやすい形式で」一元管理されている点にあります。このLANDLOGのデータを活用し開発された様々なアプリケーションが、現場の生産性改革に重用されています。
例えば現場監督なら、タブレット端末上から掘られている土の量や運搬方法をその場で把握し、さらに全国の類似した現場のデータから今後の施行計画に反映させることもできるでしょう。
ではLANDLOGを活用した現場には、どのようなメリットが見られるのでしょうか。

工程遅延リスクの早期検知

LANDLOGプラットフォームのデータ集積には、「日々カメラ」「日々ドローン」なる現場撮影システムが用いられています。カメラやドローンで土量や建機・車両、作業員を毎日撮影し、それらをAI解析したデータをもとに作業時間や稼働率を算出、従来なら数日かかっていた測量もなら30分足らずで3次元加工できるシステムです。これにより、作業進捗をリアルタイムで把握可能に。これによってどのタイミングでどの工程を、どんなスピードで行うかが予測可能となるだけでなく、自然災害時には災害前の画像をもとにスムーズな復旧作業が可能なのだそうです。

工程の「ボトルネック」を解析

センサーを付けた作業車両の作業時間や待機時間、その後の作業員の作業内容をデータ化することで、掘削や運搬等の各種工程のうち、どの部分がボトルネックとなっているかを解析します。「今回の仮設計画では搬入車がスムーズに駐車できなかった」など、その場では短時間かつ些細なロスでもその後の工程に大きく影響するケースは多々あります。こうした課題も「見える化」することで、着実な効率アップを図ることができるのです。

安全な労働環境の実現

作業員や職員の位置情報や動き(バイタル)を検知し、そこから推定されたデータにより体調管理、現場環境改善の必要性をアラートする機能があります。気温・湿度、そして作業員の持病の情報などを組み込めば、熱中症だけでなく病気やケガを含めた個別の効率低下リスクも洗い出しができそうです。

迅速な軌道修正

リアルタイムで入手した工事の進捗をもとに、図面の修正や仕様決定、現場員との諸連絡なども専用SNS内でやり取りできます。「見える化」した現場作業場の問題点や改善点を同じプラットフォーム上で情報共有し、その場で軌道修正が図れる仕組みになっています。メールの返信や上長の決済等の待ち時間の短縮はスピードアップにつながり、同時に現場のモチベーションアップに寄与するという「好循環」が生まれます。

長時間労働の是正

現場情報の集積・管理が自動で行われるため、現場写真掲載の工事監理書類や見積書、ToDoリストの作成等がプラットフォーム上で容易にできます。従来なら帰社してから取り掛かっていた作業が現場や外出先で行えるようになることは、まさに「働き方改革」の直接的対策とも言えるでしょう。

中小企業にこそLANDLOG導入が「効きやすい」?

データや機能の質の高さ、そして出資者が大手企業であることから、LANDLOGのユーザーも大手をボリュームゾーンと予測する方が多いかもしれません。しかし実施には、LANDLOGの想定する主要ユーザーの90%以上が社員数10人以下の中小企業なのだそうです。これは建設業界を構成する企業数の90%以上が年商6億円以下の中小企業であることからも、論理に矛盾はありません。利用料も定額制にて安価に設定されています。

「自前主義」からの脱却

どの業界にも共通して言えることは、日本は長年大企業至上主義を貫いてきており、各社の持つ技術やノウハウもすべて「自前」で賄うことが基本であり、情報共有も社内クローズドのスタンドアローン型システムを用いることが一般的でした。
しかし市場のグローバル化やGAFA(Google、Amazon.com、Facebook、Apple)に代表される強力なプラットフォーマーの台頭で、例え世界に誇れる技術力を持った企業であっても、他社とタッグを組んだ柔軟かつ迅速なビジネスモデルを展開することが必須かつ急務となったのです。
日本の建設業界においても、JV(ジョイントベンチャー)施工を始め、他の事業者との協業により質・スピード共に高いパフォーマンスが求められるようになり、その傾向は今後さらに強くなることは想像に難くありません。
企業の垣根を超えたオープンプラットフォームを活用した情報共有は中小企業に機会を与えるだけでなく、様々な企業の技術力やスピード感が生み出す化学反応で、国内業界全体としての実力が上がり、体力がつくことを意味するのです。

まとめ

大手企業の技術力と中小・ベンチャー企業のスピード感・チャレンジ精神の折衷作とも言えるLANDLOG。建設にまつわる様々なデータを一元管理し現場ですぐ使える形に「見える化」したということは大企業の効率向上だけでなく、スピード重視の中小企業が他社と共通の「場」で、共通の「言語」を用いて協業することを可能にしたと言い換えることもできます。日本のあらゆる建設現場の生産性を向上させ、今後も業界に改革をもたらし進化を続けるIoTプラットフォームと言えるのではないでしょうか。

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