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AutoCADショートカットキーの使い方&カスタマイズ術|初心者でも今日から使える実践法

1. はじめに|AutoCADショートカットキーの重要性

AutoCAD初心者の皆さん、ようこそ。本記事では、AutoCADをより効率的に操作するために欠かせない「ショートカットキー」について解説していきます。

AutoCADは建築や機械、土木など幅広い分野で使われている高機能なCADソフトです。しかし、機能が多いぶん、マウスでツールバーやリボンをいちいち開く操作が増えがちで、作業に時間がかかってしまうことも少なくありません。

そこで役立つのがショートカットキーです。よく使うコマンドをキーボードで素早く呼び出すことで、視線移動やマウス操作の回数を減らせ、作図スピードが大きく向上します。

ショートカットキーを覚えると、単に時短できるだけでなく、ズームやオブジェクト選択などの頻繁な操作もスムーズに行えるようになります。たとえば、Zキーを使えば画面をすばやく拡大・縮小できるため、細部の確認も素早く行え、設計の見落としも防げるでしょう。

実際、多くの経験豊富なユーザーは、マウスよりもショートカットキーを優先して使う傾向があります。操作の正確さやスピードを重視するなら、早い段階からショートカットに慣れておくのがおすすめです。

本記事では、AutoCAD初心者がまず覚えたい基本のショートカットキーと、その効果的な使い方、さらに一歩進んだカスタマイズ方法までを段階的に紹介していきます。

「もっとスムーズに図面を描きたい」「細かい操作で時間を取られたくない」——そんな方は、ぜひこの記事を今日から活用してみてください。

読み終える頃には、AutoCADをより快適に使いこなすための第一歩を踏み出せているはずです。

2. AutoCADの基本ショートカットキー

引用:AutoCAD公式サイト:https://www.autodesk.com/jp/shortcuts/autocad

ここからは、AutoCAD初心者でもすぐに使いこなせる基本的なショートカットキーについて紹介します。対象となるのは、図面を描く・修正する・表示を操作するといった、CAD操作の中でも特に使用頻度が高いコマンドです。これらをキーボードから直接呼び出すだけで、操作のテンポが格段に良くなり、無駄なマウス移動を減らすことができます。

ショートカットキーの魅力は、操作が簡潔にまとまる点にあります。リボンやメニューを辿ることなく、コマンドラインに文字を入力するだけで作業が始められるため、初心者でもすぐに効果を実感できるでしょう。特に、AutoCADのコマンドラインに慣れてくると、必要な操作を反射的に入力できるようになり、自然と作業スピードが向上します。

また、ショートカットキーはカテゴリ別に整理して覚えると効率的です。たとえば、作図中は線や円といった基本的な図形をすぐに呼び出せるようにしたり、画面の表示を素早く操作したりと、目的ごとに分類して覚えることで、記憶の定着もしやすくなります。以下では「作図基本コマンド」「編集とプロパティ管理」「ビューとナビゲーション」の3つに分けて、それぞれの代表的なショートカットキーを詳しく解説していきます。自分の作業スタイルに合ったキーから覚えることで、AutoCADをより自在に使いこなせるようになるはずです。

2.1. 作図基本コマンド

まずは、図面を描くうえで最も基本的な操作となる作図コマンドのショートカットを見ていきましょう。線や円、長方形など、基本図形を効率よく作成するための操作を押さえておくと、AutoCADでの作業がぐっとスムーズになります。

  • L(LINE)
    直線を引くためのコマンドです。AutoCADを使い始めたら、まず最初に覚えておきたい操作のひとつです。コマンドラインに「L」と入力してEnterを押すだけで実行でき、すぐに直線の始点と終点を指定できます。頻繁に使う基本操作だからこそ、キーボードでの呼び出しが大きな時短につながります。
  • C(CIRCLE)
    円を描くためのコマンドで、作図の中でも特によく使われます。中心点と半径を指定する標準の方法に加え、直径を使った作図や2点間を基準にした入力など、柔軟なオプションが用意されているのが特徴です。複雑な形状の一部として円を使うケースでも素早く対応できます。
  • REC(RECTANG)
    長方形(矩形)を描くためのコマンドです。入力は「REC」とやや長めですが、簡単なフレームや図面枠、エリアの下書きなど、用途は非常に広いです。生成された図形はポリラインとして扱われるため、後から頂点を編集することもできます。AutoCADを使い始めたばかりでも、すぐに役立つコマンドのひとつです。

2.2. 編集とプロパティ管理

次に、作図した図形を移動・コピー・削除したり、色や線種などのプロパティを調整する際に便利なショートカットキーを紹介します。正確な図面を作成するためには、こうした編集操作をいかに効率よく行えるかがカギとなります。

  • M(MOVE) / CO(COPY)
    作成済みのオブジェクトを移動する場合は「M」、複製する場合は「CO」を使います。マウス操作でドラッグするよりも、キーボードで起動して基準点と移動先を指定する方が正確かつスピーディです。なお、「CO」はエイリアス設定によって「CP」などに変更されている場合もあるため、環境に応じて確認が必要です。
  • E(ERASE)
    不要なオブジェクトを削除するコマンドです。設計変更やレイアウト調整の際によく使われるため、すばやくアクセスできるようにしておくと便利です。実行前に選択範囲をプレビューで確認することで、誤って必要なオブジェクトを消してしまうリスクを減らせます。
  • Ctrl + 1(プロパティパレットの呼び出し)
    図形の属性情報を確認・編集できるプロパティパレットを開くショートカットです。線の太さ、色、レイヤー情報などを一覧で確認でき、選択したオブジェクトに対して一括で設定を変更できます。初心者のうちはプロパティ操作に戸惑うことも多いため、このショートカットを覚えておくと作業がスムーズになります。

2.3. ビューとナビゲーション

最後に、図面全体の表示を調整するためのショートカットキーを見ていきましょう。ズームやパンといった画面操作は、図面の見やすさやミスの発見に直結する重要な操作です。

  • Z(ZOOM)
    画面を拡大・縮小するための基本コマンドです。たとえば「Z→Enter→E→Enter」と入力すれば、図面全体を表示する「全体表示(Extents)」モードが起動し、作図範囲を一目で確認できます。設計の全体像と細部を素早く切り替えることで、誤りの早期発見にもつながります。
  • P(PAN)
    図面内の表示位置を移動する操作です。特定の部分を拡大表示しているときに、他の箇所へ素早く移動したい場面で活躍します。ズームと併用する機会が多いため、この2つの操作はセットで覚えると効率が上がります。Pキーによる起動で、マウスを動かさずにスムーズな画面移動が可能です。
  • F8 / F3(ファンクションキー)
    F8キーは「直交モード」の切り替えに、F3キーは「オブジェクトスナップ」のON/OFFに使われます。これらの機能は、正確な線の描画やポイントの指定に欠かせません。状況に応じてショートカットで素早く切り替えることで、ミスのない精密な図面を描けるようになります。

3. ショートカットキーを使った効率的な作業フロー

引用:AutoCAD公式サイト:https://www.autodesk.com/jp/solutions/autocad-tutorials

ここまでで、基本的なショートカットキーを紹介してきました。では、これらを実際の作業の中でどう使いこなせばよいのでしょうか。ここでは、ショートカットキーを組み合わせて効率的に作業を進めるための具体的な方法を見ていきます。

ショートカットキーを使い慣れてくると、作業の中で自然と「次に何の操作をするか」が頭の中でパターン化されていきます。たとえば、矩形を描いた後にすぐ移動し、次に円を追加して寸法調整を行う──というように、一連の操作をキーボードだけでテンポよく進められるようになります。このような操作の流れが滑らかになると、無駄なマウス移動が減り、作図のストレスも大幅に軽減されます。

本章では、ショートカットキーの活用によって「時間を節約する方法」と「エラーを減らして精度を高める方法」の2つの視点から、実践的な使い方を紹介します。作業効率の向上はもちろん、設計精度を保ちながら業務をスムーズに進める力が身につきます。AutoCADのドラフティング技術を一段レベルアップさせたい方にも、ぜひ参考にしていただきたい内容です。

3.1. ショートカットキーで時間を節約

まずは、作業時間の短縮に直結するテクニックです。ショートカットキーを使う最大のメリットは、手の移動を最小限に抑えながら、すばやく操作できる点にあります。キーボードから直接コマンドを入力することで、ツールバーやリボンを探す時間や、アイコンを探してクリックする手間を省くことができます。

たとえば、長方形(REC)を描いたあと、すぐにトリム(TR)で不要な線を処理したい場面を考えてみましょう。この場合、マウスを使って各コマンドを探すより、キーボードから「REC→Enter→TR→Enter」と打ち込んで進めた方がずっと速く済みます。このように、一連の操作をキーボード操作だけで完結させると、時間のロスを大幅に削減できるのです。

また、よく使うショートカットの組み合わせが体に染みついてくると、作業のリズムが整い、集中力も維持しやすくなります。図面の一部を微調整したいときでも、移動(M)やコピー(CO)をすぐに呼び出して、数秒で作業を終えることが可能です。複数のショートカットを組み合わせながら流れるように作業できるようになれば、設計業務全体のスピード感が大きく変わってくるでしょう。

3.2. エラー減少と精度の向上

ショートカットキーのもう一つの大きな利点は、入力ミスや誤操作を減らし、作図の精度を高められる点にあります。マウスでアイコンを選ぶ操作では、似たコマンドを間違ってクリックしてしまうことがありますが、キーボードで正確に文字入力することで、こうしたミスを防ぐことができます。

さらに、AutoCADではCUI(ユーザーインターフェースのカスタマイズ)やエイリアス設定を活用することで、自分にとって覚えやすいキー入力でコマンドを呼び出すことも可能です。たとえば、過去に使っていたCADソフトで「CP」がコピーの略だった人は、「CO」ではなく「CP」でコマンドが起動するよう設定しておくと、混乱を避けられます。

また、寸法線の記入やハッチングの追加など、細かくて頻繁に行う作業こそショートカット化しておくと便利です。こうした操作をキーボード一つで呼び出せるようにしておくと、作図中の思考を中断せずに作業を進めることができます。特に急ぎの案件や修正作業では、操作の正確さが時間短縮にもつながります。

ショートカットキーを上手に活用することで、設計作業におけるミスを減らし、仕上がりの精度を高めることができます。正確な操作は、設計者としての信頼性にも直結するため、スキルアップを目指すうえでも非常に重要な要素です。

4. ショートカットキーのカスタマイズ方法

引用:AutoCADヘルプ:https://help.autodesk.com/view/ACD/2026/JPN/?guid=GUID-38939586-0AE9-4C8D-A7C9-20B018361222

ここまで紹介してきた標準のショートカットキーでも、AutoCADの操作効率は大きく向上します。しかし、さらに使いやすさを追求するなら、自分専用のショートカットキーを作成するカスタマイズがおすすめです。毎日のように繰り返す作業を自分にとって最も覚えやすい方法で呼び出せるようになれば、作業のスピードと正確性は格段にアップします。

AutoCADでは、ショートカットキーやメニューなどを柔軟に設定変更できる「CUI(Customize User Interface)」機能が用意されています。これを使えば、既存のショートカットを編集したり、新しいキー割り当てを追加したりすることができます。また、作成したカスタマイズ設定をAutoCADのプロファイルとして保存しておくことで、他のPCや新しい環境でも同じ設定を引き継ぐことが可能です。

本章では、「カスタムショートカットの作成」と「効率的なキー配置やマクロの活用」という2つの視点から、初心者でも取り組みやすいカスタマイズの方法を紹介します。カスタマイズは敷居が高く感じるかもしれませんが、手順をひとつひとつ理解すれば、誰でも簡単に実践できるようになります。長期的な作業効率化を目指すなら、早い段階から自分仕様の環境を整えておくのが賢明です。

4.1. カスタムショートカットの作成

まずは、特定のコマンドに自分の好きなキーを割り当てる「カスタムショートカット」の作成方法を見ていきましょう。操作はシンプルですが、目的のコマンドを探しやすく、覚えやすいキーに変更することで、操作全体のスピードが大きく変わってきます。

  • CUIを起動する
     AutoCADのコマンドラインで「CUI」と入力してEnterを押すか、画面上部の「管理」タブから「ユーザーインターフェース」ボタンをクリックすると、CUIエディタが起動します。ここからショートカットキーの設定を行います。
  • ショートカット設定画面を開く
     CUIエディタの左側ツリー構造から「キーボードショートカット」や「アクセラレータキー」の項目を選びます。右側には各コマンドの一覧が表示され、目的の操作を探しやすくなっています。
  • キーの割り当てを設定する
     一覧から目的のコマンドを選択し、ショートカットキーの割り当て枠へドラッグ&ドロップで追加します。次に、下部のプロパティ画面で、実際に使いたいキーの組み合わせ(例:Ctrl+Alt+D など)を入力して設定します。既存のショートカットと重複しないよう注意し、自分が覚えやすいキーを選ぶのがコツです。

こうして作成したカスタムキーは、日常的に使う操作に割り当てておくと非常に便利です。AutoCADのエイリアス設定(PGPファイル)との併用も可能で、より柔軟にカスタマイズが行えます。頻繁に使うコマンドは短いキーに、たまに使うものは組み合わせキーにするなど、自分なりの使い分けを工夫してみてください。

4.2. 効率的なキー配置とマクロの利用

次に、より実用的なカスタマイズとして「キー配置の工夫」や「マクロの活用」について見ていきましょう。単にショートカットを増やすのではなく、使いやすい配置や操作の簡略化を意識することで、効率はさらに高まります。

特に意識したいのは「左手で押しやすいキーにまとめる」という点です。AutoCADでは右手でマウスを操作することが多いため、左手のホームポジション(A〜F周辺)にショートカットを集約しておくと、両手の連携が取りやすくなります。たとえば、「Q」「A」「S」などをよく使うコマンドに割り当てれば、キー入力の負担が減り、スムーズな操作が可能になります。

また、複数の操作をひとつのショートカットにまとめたい場合は「マクロ」を使うと便利です。マクロとは、いくつかのコマンドを順番に実行するスクリプトのようなもので、たとえば「画層を切り替えて図面枠を挿入し、ハッチングを追加する」といった一連の操作をまとめて自動化できます。このマクロをショートカットキーに割り当てておけば、ワンクリックで複数の処理を一括で実行できるようになります。

カスタマイズ内容を安全に保つためには、定期的なバックアップも忘れずに行いましょう。CUIファイルやPGPファイル、さらにはプロファイル設定ごと保存しておくと、万が一のトラブルやPCの変更にもすぐに対応できます。設定をファイル形式で書き出しておけば、他の端末への移行も簡単です。とくにチームで環境を統一したい場合や、自宅と職場で同じ設定を使いたい場合に役立ちます。

このように、カスタマイズによってショートカットキーは単なる“操作の近道”から“設計スタイルの一部”へと進化します。慣れ親しんだ操作環境を整えることは、作業の安定性と集中力の向上にもつながりますので、ぜひ積極的に取り組んでみてください。

5. よくある質問&トラブルシューティング

ショートカットキーは非常に便利な機能ですが、実際の運用では「突然効かなくなった」「設定が消えてしまった」といったトラブルに直面することもあります。特に、AutoCADの設定や環境をまだよく把握していない初心者にとっては、こうした事象が混乱のもとになるかもしれません。

ですが、心配は不要です。トラブルの多くはよくある原因によるものであり、いくつかの基本的な確認と対処法を知っておけば、落ち着いて対処できます。経験豊富なユーザーでも時折遭遇する問題ですので、これらの対応策を知識として持っておくことは、安定した作業環境の維持にも役立ちます。

また、ショートカットキーのカスタマイズを行っている場合は、設定内容を定期的にバックアップしておくことが特に重要です。設定が失われた際にスムーズに復元できるよう、保存と管理の方法を知っておくと安心です。

この章では、「ショートカットキーが効かない場合の対処法」と「カスタマイズ設定のバックアップと復元方法」の2つの観点から、よくある疑問とその解決策をわかりやすく紹介します。

5.1. ショートカットキーが効かない時の対処法

AutoCADを使っていて、突然ショートカットキーが反応しなくなったと感じることがあるかもしれません。こうした場合、設定そのものが壊れているのではなく、入力環境やソフトの状態に一時的な問題が起きているケースが多く見られます。以下のチェックポイントを順に確認してみましょう。

  • CapsLockやNumLockの状態を確認する
     大文字と小文字の区別や、数字キーの動作が変わっていると、コマンド入力がうまく反応しない場合があります。CapsLockやNumLockのキーが誤って押されていないかを確認してみましょう。
  • IME(日本語入力)がオンになっていないか
     AutoCADのショートカットキーは、基本的に「半角英数」での入力が前提です。IMEがオンの状態で全角になっていると、正しくコマンドを認識しないため、反応しなくなります。キーボードの「半角/全角」キーでIMEをオフにしてから試してください。
  • 設定の初期化を検討する(最終手段)
     どうしても改善しない場合、AutoCADの設定を初期化することで元に戻ることがあります。Ctrl+Shift+Altキーを押しながらAutoCADを起動すると、既定の設定にリセットされます。ただし、この方法ではカスタマイズ内容も消えてしまうため、実行前にバックアップを取っておくのが重要です。
  • REINITコマンドの実行
     AutoCADには、設定ファイルを再読み込みさせる「REINIT」というコマンドがあります。PGPファイルやCUIファイルなどの再読込が行われ、ショートカットキーの設定が復活する場合があります。初期化の前にこちらを試してみるとよいでしょう。

こうした対処法を知っておけば、急なトラブルにも焦らず対応できます。普段使っているキーが突然使えなくなると不便ですが、原因を切り分けることで多くのケースは短時間で解決可能です。

5.2. カスタマイズ設定のバックアップと復元

ショートカットキーのカスタマイズを行っている場合、設定のバックアップは非常に重要です。せっかく作り込んだ操作環境が、ソフトの更新やPCのトラブルによって消えてしまうのは避けたいものです。以下のようなポイントを押さえて、安定した環境を保ちましょう。

  • CUIファイルとPGPファイルの保存
     ショートカットキーやエイリアス設定の多くは「CUIファイル」や「PGPファイル」に保存されています。これらのファイルを定期的にコピーして、外部ストレージやクラウドに保存しておくと安心です。特に大幅にカスタマイズを加えた後は、保存しておく習慣をつけましょう。
  • プロファイルのエクスポート/インポート
     AutoCADの「オプション」画面には、作業環境全体を「プロファイル」として保存・読み込みする機能があります。設定をエクスポートしておけば、新しいPCや別の環境でも同じUI・ショートカット・画層設定などをすばやく再現できます。チーム内で統一した作業環境を共有する際にも便利です。
  • 定期的な設定見直し
     一度カスタマイズしたショートカットキーでも、作業内容が変わってくると不要になったり、より効率的な割り当てが見つかったりすることがあります。半年に一度くらいのペースで設定を見直し、自分の作業スタイルに合った最適な構成を維持していきましょう。

これらの対策を実践しておけば、AutoCADのアップデートや端末の移行時にも設定の再構築に時間をかけずに済みます。設定内容をメモにまとめたり、バックアップファイルをフォルダで管理したりと、運用しやすい方法をあらかじめ決めておくのがおすすめです。

6. まとめ|ショートカットキーで変わるAutoCAD操作の快適さ

ここまで、AutoCADにおけるショートカットキーの基本的な使い方から、実務での活用法、さらにはカスタマイズやトラブル対策まで、幅広くご紹介してきました。ショートカットキーを取り入れるだけで、作業効率が上がるだけでなく、図面の正確さや設計の快適さまで大きく向上することを実感いただけたのではないでしょうか。

初心者の方にとっては、まず「線(L)」「移動(M)」「削除(E)」といった基本的なショートカットから使い始めるのがおすすめです。最初のうちは慣れが必要かもしれませんが、日々の作図の中で何度も使っていくことで、少しずつ自然に体に馴染んできます。操作がスムーズになると、作図における細かなストレスが減り、設計作業そのものに集中できるようになります。

慣れてきたら、「円(C)」「トリム(TR)」「ズーム(Z)」などを組み合わせて、複数の操作をショートカットでつなぐフローを意識してみましょう。さらに、CUIを使ったカスタマイズやマクロの導入によって、自分専用の操作環境を構築できれば、作業のスピードと精度はさらに高まります。AutoCADを単なるツールとして使うのではなく、自分の“設計スタイル”に合ったワークスペースへと進化させることができます。

また、今回紹介したトラブル対策やバックアップ方法を知っておくことで、突然のエラーや設定の消失といった不測の事態にも冷静に対応できるようになります。効率的かつ安定した操作環境を維持することは、日々の業務の質を高めるうえでも非常に重要です。

AutoCADの操作効率を上げるというのは、単なる時短ではありません。余計な手間を省くことで「考える時間」が生まれ、よりよいアイデアを設計に反映させることが可能になります。設計作業の質を向上させ、仕事全体の生産性を引き上げるためにも、ショートカットキーの習得と活用は非常に価値ある投資と言えるでしょう。

本記事の内容をもとに、まずは気になったショートカットを3つだけ試してみてください。そして明日の作図に取り入れてみることから始めましょう。小さな一歩が、大きな成果へとつながっていきます。AutoCADをもっと快適に、もっと自在に使いこなすための第一歩として、ぜひこの習慣を取り入れてみてください。

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参考情報

・AutoCAD キーボード コマンドとショートカット ガイド https://www.autodesk.com/jp/shortcuts/autocad

・AutoCAD 2026 ヘルプ | 概要 – コマンドのエイリアスを作成する
https://help.autodesk.com/view/ACD/2026/JPN/?guid=GUID-FE9AE544-F537-4D3B-8F75-B76484513787

・AutoCAD 2026 ヘルプ | ショートカット メニューをカスタマイズするには
https://help.autodesk.com/view/ACD/2026/JPN/?guid=GUID-38939586-0AE9-4C8D-A7C9-20B018361222

・CAD 使い方|AutoCAD 初心者向けのチュートリアル
https://www.autodesk.com/jp/solutions/autocad-tutorials

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