【初心者向け】ベクターワークスの図面をDXFに変換するフリーソフト5選!無料で簡単変換する方法
1. はじめに
1.1 Vectorworksの図面をDXFに変換する必要性
建築やインテリア、ランドスケープなど、さまざまな分野で活用されているVectorworks(ベクターワークス)は、多機能で柔軟性の高いCADソフトです。しかし、プロジェクトを進める中で、クライアントや協力会社がAutoCADなど他のCADソフトを使っているケースは少なくありません。
そのような場合、Vectorworksで作成した図面をそのまま送っても、相手側では開けない・編集できないといった問題が起こります。こうした“ソフト間の壁”を乗り越えるために有効なのが、「DXF形式」への変換です。
DXF(Drawing Exchange Format)は、多くのCADソフトで共通して使える図面ファイル形式で、異なるソフト間でもスムーズにデータをやり取りできます。特に、VWX(Vectorworks独自形式)のままだと受け渡しが難しい相手にも、DXFなら確実に情報を共有できるのが魅力です。
さらに、コストを抑えて業務を行いたい小規模事務所や個人ユーザーにとって、変換のために高価なライセンスを用意するのは現実的ではありません。そこで役立つのが、無料で使えるDXF変換ツールです。これらのツールを活用すれば、ソフトの違いによるデータのやり取りの手間を減らし、業務全体の効率化につながります。
1.2 DXF形式の基本とその重要性
DXF(Drawing Exchange Format)は、Autodesk社が開発したCADファイルの標準的な交換フォーマットで、図面内の線やレイヤ、寸法などの情報を幅広く保持できます。AutoCADをはじめ、さまざまなCADソフトで対応しているため、業界全体で広く使われている形式です。
DXFの最大の利点は、「ソフトに依存せずにファイルを開けること」です。Windows・Mac・Linuxなど異なるOS環境下でも活用できるため、社内外の多様なシステム環境でも問題なく図面を共有できます。
また、DXFはベクターデータ形式なので、図面を拡大・縮小しても画質が劣化しません。寸法や構造の精度が求められる建築・設計業務において、図面の正確さを維持したまま共有できるのも大きな魅力です。
2. DXF変換の基本知識
2.1 DXFファイルの特徴と利点
DXFファイル(Drawing Exchange Format)は、CADデータを保存・共有するための標準的なファイル形式で、テキスト形式またはバイナリ形式で図面データを記録します。この形式は、図面内の線の位置関係やレイヤ構成、寸法、図形属性などの詳細な情報をそのまま保持できる点が大きな特長です。
このため、AutoCADをはじめ、FreeCADやLibreCADなどの多様なCADソフトウェアでスムーズに開くことができ、設計データの再利用や他者との共有にも非常に便利です。特定のソフトウェアに依存しないという性質があるため、受け取る側の使用環境を気にせず図面を送ることができるのは、大きな利点といえるでしょう。
こうした特性から、特に中小規模の建築設計事務所では、業務の効率化や外部とのやり取りをスムーズに進めるために、DXF形式が積極的に導入されています。また、DXFファイルは構造がシンプルで比較的軽量に扱えるため、容量の大きな図面でも安定して読み込みや保存ができるケースが多く、作業負担を抑えるのにも適しています。
ただし注意点として、文字コードやフォントの種類によっては、変換時に文字化けが発生することがあります。使用するソフトによって対応状況が異なるため、変換前後での確認や、必要に応じた設定変更が求められる場面もあります。このように、DXF形式は利便性が高い一方で、正しく扱うためのちょっとした工夫も必要になることを覚えておくと良いでしょう。
2.2 ベクターワークスからDXFへの変換プロセス
Vectorworks(ベクターワークス)の図面をDXF形式に変換するには、いくつかの方法があります。基本的には、ソフト内に用意されている「ファイル」メニューのエクスポート機能を利用して、DXFまたはDWG形式で書き出すのが一般的な手順です。
このエクスポート機能では、出力するファイルのバージョン設定やレイヤ構成、文字や寸法の変換設定など、さまざまなオプションを選択できます。ただし、設定項目が多いため、Vectorworksの操作に慣れていない方にとっては、どの項目をどう設定すべきか迷ってしまうこともあるでしょう。設定ミスによって、図面内のレイヤ構造が崩れたり、一部のオブジェクトが正しく変換されなかったりする可能性もあります。
こうした問題を避けるために活用されているのが、無料で使えるDXF変換ツールです。これらのツールは、Vectorworksから一度DWG形式やPDFなどの中間形式で図面を書き出し、それを読み込んでDXF形式に変換するという方法をとることが多いです。このステップを挟むことで、変換精度の向上や変換作業そのものの簡略化が期待できます。
つまり、Vectorworks本体のエクスポート機能だけに頼らず、無料ツールを組み合わせて使うことで、DXF変換の自由度と安定性を高めることができます。作業の流れに合わせてツールを上手に使い分けることで、変換時のトラブルを避け、よりスムーズに図面データを共有できるようになるのです。
3. 無料で使えるDXF変換フリーソフト5選
ベクターワークスからDXF形式に変換する際、標準のエクスポート機能だけでは対応が難しい場面があります。そんなときに活躍するのが、無料で使えるDXF変換ツールです。ここでは、操作の簡単さや変換精度、対応OSなどを踏まえて、実用性の高いフリーソフトを5つ厳選してご紹介します。それぞれの特徴を理解することで、自分に合ったツールを見つけやすくなるはずです。
3.1 Teigha File Converter:高精度変換向け
引用:https://teigha-file-converter.software.informer.com/download/
Teigha File Converterは、Open Design Allianceが提供するファイル変換ツールで、AutoCADに近い精度でDWG・DXF形式の相互変換を行えることが大きな強みです。特に、ベクターワークスの図面をAutoCAD環境でそのまま活用したい場合など、細かなレイヤ構造や寸法情報を正確に引き継ぎたいときに重宝されます。
使い方は比較的シンプルで、ソフトを起動した後、変換したいファイルを指定し、出力フォーマットを「DXF」に設定して実行するだけです。また、複数のファイルを一括で処理できる「バッチ変換」にも対応しており、業務効率を重視する現場では非常に頼りになります。
ただし、CAD特有の設定項目が多いため、最初はやや戸惑うかもしれません。必要に応じてマニュアルやユーザーガイドを確認しながら進めると安心です。変換精度の高さと安定性の面では非常に優秀なソフトウェアなので、精密な図面を扱うケースには特におすすめです。
3.2 AnyConv:簡単操作で一度だけの変換に最適
AnyConvは、インストール不要でブラウザ上から直接ファイル変換を行えるオンラインサービスです。操作は非常に直感的で、公式サイトにアクセスし、変換したいファイルをアップロードして出力形式として「DXF」を選ぶだけ。あとは変換を実行し、完了後にダウンロードするだけで作業が完了します。
このシンプルさから、一度だけ変換したいときや、すぐに変換結果が欲しいときに非常に便利です。特別な知識や準備がいらないため、初心者でも手軽に利用できます。ただし、大量のファイルを一括で変換するには向いておらず、変換精度やオプション設定も限定的です。
また、図面には顧客情報や機密性の高い内容が含まれていることもあるため、オンライン上にアップロードする点に抵抗を感じる方もいるかもしれません。そのような場合は、ローカルで動作するオフライン型ソフトの使用を検討するのが安全です。セキュリティに配慮しつつ、「一度だけ使いたい」「手早く変換したい」といったニーズにマッチするシンプルなツールです。
3.3 FreeCAD:CAD編集も可能な多機能ソフト
引用:https://www.freecad.org/index.php?lang=ja
FreeCADは、オープンソースで開発されている強力な3D CADソフトで、DXFだけでなく、STEPやIGES、STLなど多くのフォーマットに対応しているのが特徴です。単なるファイル変換だけでなく、図面の編集や加工も行えるため、柔軟な設計作業を行いたいユーザーに向いています。
2D図面の表示や簡単な編集、パーツの再構成も可能で、設計フロー全体に組み込むこともできます。FreeCADの強みは、読み込んだファイルをそのまま再利用できる点にあり、特定のレイヤやオブジェクトだけを選んで出力するようなカスタマイズにも対応しています。
その一方で、多機能ゆえにユーザーインターフェースが複雑に感じられることもあるため、初めて使う際は基本的なチュートリアルやガイドを確認しておくとスムーズです。習得に少し時間はかかりますが、慣れてくると作図から変換までを一貫して行えるようになり、コストをかけずに本格的なCAD環境を構築することができます。中・上級者はもちろん、スキルアップを目指す初学者にもおすすめです。
3.4 CloudConvert:インストール不要でクラウド利用
CloudConvertは、幅広いファイル形式に対応するクラウド型の変換サービスで、CADファイルの変換もサポートしています。DXF形式への変換も対応しており、ベクターワークスから書き出した中間ファイル(例:DWGやPDF)をアップロードすることで、ブラウザ上で簡単にDXFファイルを生成できます。
ソフトのインストールが不要で、MacやLinuxといった異なるOSでも同じように利用できるため、環境を選ばず活用できる点が魅力です。インターフェースもシンプルで、変換前に塗りつぶしや図形の扱いなどを調整できるオプションがある場合もあり、ある程度の柔軟性も備えています。
ただし、クラウド上で処理を行うため、インターネット接続が必要であること、ファイルサイズや変換回数に制限があることには注意が必要です。特に図面ファイルが大きくなると、アップロードやダウンロードに時間がかかる場合があります。
セキュリティが十分に確保されている環境であれば、CloudConvertは非常に手軽かつ強力な変換手段となります。オフィス外や出先などでも変換作業を行いたい場合にも、有力な選択肢のひとつです。
3.5 LibreCAD:シンプルな図面閲覧・再保存向け
LibreCADは、2D設計に特化した軽量なオープンソースのCADソフトで、DXF形式を標準で扱えるのが大きな特徴です。初期状態からDXF形式に対応しているため、特別な設定をしなくても読み込み・保存ができ、簡単な修正や確認作業に最適です。
日本語にも対応しており、操作も直感的でわかりやすく、CADの使用経験が少ない方でも扱いやすいインターフェースが整っています。図面を開いて寸法を確認したり、ちょっとした注釈を加えたりした後にDXF形式で再保存するだけで済むため、閲覧・調整目的での利用にぴったりです。
軽量な動作も大きな魅力で、スペックの高くないPCでも快適に使えるのもポイントです。WindowsだけでなくMacやLinuxにも対応しているため、複数の環境を使い分けているユーザーにとっても利便性が高いソフトといえるでしょう。
一方で、3D設計や高度な図面編集機能は搭載されていないため、本格的な作図や複雑な変換作業には不向きです。ただし、無料かつオープンソースである点を考えると、導入しやすく、軽作業であれば十分活用できる優秀なツールといえます。
4. 変換手順と具体的な使い方
4.1 基本的なDXF変換手順
Vectorworksの図面をDXF形式に変換する際、フリーソフトを使用する場合でも基本的な流れは共通しています。まず最初に、Vectorworksで作成した図面を中間形式であるDWGやPDF、もしくはソフトによっては直接DXFでエクスポートします。次に、そのファイルをフリーソフトに読み込ませ、出力フォーマットとしてDXFを指定し、必要な設定を行ったうえで変換を実行します。
この一連の作業をステップに分けると、以下のようになります。
(1) Vectorworksからファイルを書き出す
(2) 変換用ソフトを起動してファイルを読み込む
(3) 出力形式と必要なバージョンを選択
(4) 変換を実行
(5) 変換後のファイルを確認
最後のステップである「確認作業」も非常に重要です。変換されたDXFファイルは、AutoCAD Viewer、FreeCAD、LibreCADなどの無料ビューアで開き、図面が正しく表示されているか、寸法やレイヤ、文字が欠けていないかをチェックしましょう。見落としがちな部分として、フォントの文字化けや図形のずれ、線の消失などがあります。事前にこれらをチェックしておけば、実際にファイルをやり取りする際にトラブルを未然に防げます。
また、変換ソフトによってはDXFのバージョン(例:AutoCAD 2010、2018など)を選べるものもあります。受け取り側の環境に合わせてバージョンを指定しておくと、読み込みエラーの防止にもつながります。慣れないうちは1つずつステップを丁寧に進め、変換結果を都度検証していくことが、失敗しないDXF変換の第一歩といえるでしょう。
4.2 ソフト別詳細ガイド
ここでは、前章で紹介したフリーソフトごとに、DXF変換の具体的な操作手順や注意点を簡単にご紹介します。初めて使う方にもわかりやすく、スムーズに作業を進められるように整理しています。
Teigha File Converter:
このソフトは、起動後にまず変換対象となるファイルを選びます。ファイルの形式がDWGであっても問題ありません。次に、出力フォーマットとして「DXF」を指定し、バージョン(たとえばAutoCAD 2018など)を選択して変換を実行します。変換後のファイルは、通常、同じフォルダ内に出力されるため、確認もしやすい構成です。高精度な変換が可能な反面、詳細な設定項目が多いため、初めは画面の指示や公式ドキュメントを見ながら進めると安心です。
AnyConv:
AnyConvでは、まず公式サイト(https://anyconv.com/)にアクセスし、変換したいファイルをドラッグ&ドロップまたはファイル選択でアップロードします。その後、出力形式として「DXF」を選択して変換を開始します。完了すると、ブラウザ上に「ダウンロード」ボタンが表示されるので、そこから変換されたDXFファイルを取得します。ファイルの中身をLibreCADやAutoCAD Viewerなどで開き、意図した図面内容になっているかを確認しましょう。アップロード前にファイル内容に機密情報が含まれていないか、念のためチェックしておくと安心です。
FreeCAD:
FreeCADの場合は、まず起動後に「ファイル」メニューから「開く」を選び、Vectorworksから書き出したDWGまたはSTEP形式のファイルを読み込みます。その後、必要であればオブジェクトの調整や修正を行い、「ファイル」メニューの「エクスポート」機能を使ってDXF形式で保存します。エクスポート時には出力設定が表示されるので、保存先やファイル名、DXFバージョンを確認してから実行してください。保存が終わったら、確認用のビューアで変換精度をチェックしましょう。
CloudConvert:
公式サイト(https://cloudconvert.com/)を開き、「Select File」ボタンから変換元ファイルをアップロードします。形式はPDFやDWGも選択可能で、DXFへの変換が選べるようになっています。必要に応じて「Options」メニューで出力条件(解像度やレイヤ処理など)を設定したら、変換を実行します。クラウド上で処理されるため、完了後にダウンロードボタンが表示されます。ファイルサイズが大きい場合はアップロードに時間がかかるため、時間に余裕をもって作業を行いましょう。
LibreCAD:
LibreCADは変換ツールというより、すでにDXF形式になっているファイルの確認や微調整に適しています。Vectorworksから出力したDXFファイルをLibreCADで開き、寸法の再調整や不要な要素の削除などを行った上で、再度「名前を付けて保存」でDXF形式として保存することができます。動作が軽快なので、図面の確認用や最終的な微修正の用途として非常に使いやすいです。
5. DXF変換を成功させるための注意点
DXF形式は多くのCADソフトに対応した便利なファイル形式ですが、変換作業にはいくつかの注意点があります。特に、図面の安全性や変換精度に関しては、事前の準備と確認が重要です。ここでは、DXF変換を成功させるために意識しておきたいポイントを「セキュリティ」と「エラー対策」の2つの視点からご紹介します。
どれだけ優れたソフトを使っていても、変換したファイルに問題があれば業務に支障をきたしかねません。スムーズで安全なDXF変換を実現するために、以下の注意点をしっかり押さえておきましょう。
5.1 セキュリティとプライバシーの確保
建築図面には、顧客の個人情報や建物の詳細な構造など、第三者に漏れてはいけない情報が数多く含まれていることがあります。そのため、ファイルの取り扱いには十分な注意が必要です。特に、AnyConvやCloudConvertのようなオンライン型の変換サービスを利用する場合、ファイルをインターネット上のサーバーにアップロードする必要があるため、セキュリティ面でのリスクを考慮する必要があります。
もちろん、これらのサービスも暗号化や自動削除などの対策を施してはいますが、社内のセキュリティポリシーや顧客との契約によっては、「外部にファイルを出すこと自体がNG」というケースもあるでしょう。そうした場合には、PC内で完結するオフライン型のソフト(たとえばTeigha File ConverterやFreeCADなど)を利用する方が安心です。
また、変換ソフトをインストールする際も、信頼性のある公式サイトや提供元からダウンロードすることが重要です。第三者サイト経由で配布されているファイルには、ウイルスやスパイウェアが含まれている可能性もあるため、ウイルススキャンをかける、署名の有無を確認するなどの予防措置も必要になります。
加えて、図面を他者に渡す場合は、ファイルの暗号化やパスワード設定を行うとより安全です。メールに添付する場合やファイル転送サービスを使う場合も、送信方法によっては情報漏えいのリスクがあるため、できる限り安全な手段を選びましょう。「無料ツールだからこそ、情報管理は慎重に」という意識を持っておくことが大切です。
5.2 変換エラーのトラブルシューティング
DXF変換は便利な一方で、思わぬトラブルが発生することもあります。よくあるトラブルには、「文字化け」「図面のズレ」「レイヤ構成の崩壊」「読み込みエラー」などがあり、これらは変換元の設定や使用するソフトによって生じることが多いです。
文字化けは、フォントの種類や文字コードの違いによって起こる典型的な問題です。とくに、日本語フォントを含む図面を英語ベースのソフトで開く場合などに発生しやすく、対策としては「テキストをアウトライン化する」か「標準フォントに置き換える」といった方法が有効です。
また、DXFには複数のバージョンが存在しており、受け取り側のソフトが古いバージョンにしか対応していない場合、正常に開けないこともあります。変換時にはAutoCAD 2010や2018など、互換性のあるバージョンを選択するようにしましょう。
レイヤ構成の崩れも頻出の問題です。これは、ベクターワークス側で不要なレイヤが残っていたり、整理されていない状態で出力されていたりすることが原因になる場合があります。変換前にレイヤを整理し、不要な要素を削除しておくことで、こうしたトラブルは防ぎやすくなります。
さらに、どうしても変換結果に納得がいかない場合や複数のエラーが発生する場合は、別の変換ツールを試してみるのも一つの手です。ソフトによって変換アルゴリズムが異なるため、あるツールでうまくいかない図面が、別のソフトでは問題なく変換できることも少なくありません。
一部では、Vectorworksの図面を一度PDFに変換してから再度CAD形式に変換する、という“裏技的”な手段も使われています。完全な変換とは言い難いものの、最終手段として検討する価値はあります。
変換作業においては、ファイルの中身がどのように構成されているかを把握し、ソフトごとの癖や特性を理解したうえで、最適な手順を選ぶことが成功へのカギです。ミスを防ぐためにも、最初は小さなテストファイルで変換を試し、結果を確認してから本番の作業に取りかかるようにしましょう。
6. まとめ
Vectorworksで作成した図面を他のCADソフトでも使えるようにするためには、DXF形式への変換が非常に有効です。DXFは多くのCADソフトに対応しており、業務上のデータのやり取りをスムーズにする「共通言語」として、建築や設計の現場で広く活用されています。
本記事では、DXF形式の基本的な仕組みから、Vectorworksからの変換手順、そして無料で使えるおすすめのフリーソフトまで、実用的な情報を網羅的にご紹介しました。Teigha File Converterのように変換精度に優れたものから、AnyConvのように手軽に使えるオンラインツール、FreeCADのようにCAD編集まで対応できる多機能ソフトまで、目的に応じて選べる選択肢は多彩です。
また、変換を成功させるためには、単にツールを使うだけでなく、事前のレイヤ整理やバージョン設定、セキュリティ対策といった準備も欠かせません。変換エラーや図面の崩れといったトラブルも、ポイントを押さえておくことで事前に防ぐことができます。
大切なのは、自分の業務スタイルや共有相手の環境に合った方法を選び、最適な手段でDXF変換を行うことです。今回ご紹介したフリーソフトは、いずれも費用をかけずに始められるものばかりですので、まずは一つ試してみることをおすすめします。
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<参考文献>
Vectorworks公式サイト(日本語)
https://www.vectorworks.net/ja
AutoCAD公式サイト(DXF仕様の参考)
https://www.autodesk.co.jp/products/autocad/overview
Open Design Alliance(Teigha File Converter 提供元)
https://www.opendesign.com/
FreeCAD公式サイト(オープンソースCAD)
https://www.freecad.org/
LibreCAD公式サイト(2D CAD対応)
https://librecad.org/
CloudConvert公式サイト(オンライン変換ツール)
https://cloudconvert.com/
AnyConv公式サイト(ブラウザで使えるファイル変換)
https://anyconv.com/ja/