1. TOP
  2. ブログ
  3. BIMとCADとの違いは?代表的なBIMソフト一覧からおすすめBIMソフトを選んでみた

BIMとCADとの違いは?代表的なBIMソフト一覧からおすすめBIMソフトを選んでみた

BIMソフトを検索するとたくさん見つかりますが、専門用語が多く、初めての方には特徴や選び方が分かりづらいのではないでしょうか。
この記事では、BIMとCADとの違いや、初めての方におすすめのBIMソフトについてわかりやすく解説します。
これまでの疑問を解決しながら、使い勝手の良いBIMソフトを選んでいきましょう。

この記事を読むと以下の3つのことがわかります

1.BIMとCADとの違い
2.日本で多く使われているBIMソフト一覧
3.おすすめのBIMソフト

BIMとは

BIMとは、Building Information Modeling(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の略で、BIMソフトなどのツールを使って、建築物の設計・施工の管理をおこなう工程管理の方法です。(*1)

たとえば、BIMソフトを使って作成した、3階建てビルのBIMモデル(建築物の3D モデル)があるとします。
BIM モデルには、施工に関する多くのデータを添付することができるため、ビルの壁をクリックすると、壁の厚さや下地の種類、仕上げ方法などが一覧で確認できます。
さらに、BIMソフト内のツールで、施工時のシミュレーション解析も可能です。(*2)

このように、BIMは建築設計・施工の効率化に役立つデータベース管理のプロセスです。

BIMとCADの違いは?

「3D モデルに情報が添付されたものなら、CADでもよいのでは?」と思うかもしれません。
しかし、BIMソフトにはCADではできないことが多くあります。
ここでは、BIMとCADの違いを見ていきましょう。

作図ソフトとデータベースソフトの違い

たしかに、CADでも3D モデルに注釈としてさまざまな情報を追加することが可能です。
しかし、CADの図面はあくまで一枚の図面なので、それをプロジェクトのデータベースとして使うことはできません。
施工担当者や資材調達者に活用してもらうには、図面を基にして作成した別表や指示書が必要です。

一方、BIMソフトはさまざまなドキュメント管理機能を備えています。(*2)
BIMソフト一つで、施工に必要なすべてのデータを管理することができます。

シミュレーション解析の規模の違い

シミュレーション解析とは、ソフト上で実際に製品を動かしてみて、設計エラーがないかどうかを判断する手法です。
CADで作成した3D モデルは、こうしたシミュレーションに使うことができます。(*3)

BIMソフトで作成したBIMモデルは、CADよりさらに高度なシミュレーションが可能となっています。
施工シミュレーションでは、建築物が施工される工程をひとつひとつ確認できるので、より具体的で漏れのない施工計画に役立ちます。

国から活用を義務付けられているかの違い

BIMは従来のCADのみの設計・施工と比較して、作業時間やコストを大幅に削減できる手法です。
国土交通省のBIM/CIM推進委員会では、建築工事の発注者にBIMの活用を義務付けています。(*4)

これまで、CADは手書きの作図より効率が良いことから普及が進んできましたが、国からの義務付けまではありませんでした。
国が義務付けに踏み切ってまで普及を推進していることから、BIMが建築施工のコストを大きく変えると期待されていることがわかります。

BIMが普及しない理由は?

国からの義務付けも始まり普及が推進されているBIMですが、なぜ普及がなかなか進まないのでしょうか?
日経BPコンサルティングと日経クロステックが2020年に行ったアンケートでは、BIMを導入する決め手としてトップになった回答が「BIMソフトの価格が安くなること」でした。(*5)

BIMソフトは、CADソフトより高価です。
また、BIMソフトの操作には高度な専門性が必要になるので、社内で技術者を育成する必要があります。
こういった導入費用と時間のコストが、普及を妨げる原因になっているのではないでしょうか。

日本で多く使われているBIMソフト一覧

BIMソフトは高価ではありますが、上手に活用することで大幅な業務効率改善につながります。
ここからは、BIMソフトの一覧を見ていきましょう。

以下に、「BIM活用実態調査レポート2020年版」の「勤務先で利用しているBIMツール」(複数回答)で回答があったBIMソフトを、ランキング上位から5つまとめています。(*5)

名称価格特徴回答率
Revit(*6)427,900円(1年)2D CADで世界シェアの高いオートデスクのBIMソフト54.2%
Archicad(*7)32,925円(1か月)直感的な操作が特徴のハンガリー製BIMソフト50.9%
Rebro(*8)1,100,000円(買い切り版)ハンドル操作が特徴の日本製BIMソフト24.7%
Rhinoceros/Grasshopper(*9)187,000円(買い切り版)3D印刷にも対応した日本製のBIMソフト24.4%
LUMION(*10)232,000円(1年)15分で学ぶレンダリングが特徴のニュージーランドのBIMソフト21.4%

もっともメジャーなBIMソフトは?

「BIM活用実態調査レポート2020年版」の「勤務先で利用しているBIMツール」では、1位はオートデスクの「Revit」でした。(*5)

国内でもシェアの高い2D CADが、オートデスクの「AutoCAD」であることから、BIMへの移行となった際も、そのままオートデスクのソフトウェアが使われているのではないでしょうか。(*11)

BIMソフトでもっとも価格が安いのは?

上のリストから選ぶなら、もっとも価格が安いBIMソフトは、買い切り版で187,000円の「Rhinoceros/Grasshopper」(ライノセラス グラスホッパー)です。
価格が安い上に買い切り版なので、比較的購入しやすいですね。
ただし、買い切り版なのでバージョンアップ時にはその都度費用が発生することを忘れないようにしましょう。

BIMソフトで学生向けを選ぶなら?

学生向けのBIMソフトのおすすめは、オートデスクの「Revit」です。
RevitはBIMソフトで唯一、「Revit Architecture ユーザー」という資格試験があります。(*12)
資格を取得すれば就活でアピールできますし、専門学校や資格試験セミナーなどでも勉強できるので、学生にとっては勉強しやすい環境がそろっています。

また、Revitは学生向けの無償サービスが用意されています。(*13)
学生であることを証明して利用資格を取れば、1年間無料でソフトウェアが利用できます。
高価なBIMソフトも、無料で使えるならチャレンジしやすいですね。

BIMソフトのおすすめは?

これからBIMソフトを導入する方へのおすすめは、日本でシェアが高い「Revit」です。
「BIM活用実態調査レポート2020年版」の「勤務先で利用しているBIMツール」アンケートでは54.2%の企業が利用していることから、他社とBIMソフトが違うことによるトラブルも回避できるでしょう。(*5)

BIMソフト導入の課題として、高額な価格がネックになっている場合は、IT導入補助金の活用も検討してみてはいかがでしょうか。(*14)
ただし、補助金の交付前に支払いを済ませた費用については交付されないので、申し込みは必ず購入前に行いましょう。

まとめ

BIMは建設工事において原則適用の義務化が始まったこともあり、これからの建設業に欠かせないツールです。
導入にはかなりのコストがかかりますが、CADによる設計で発生していた雑務が効率化できるので、工程全体の業務改善につながります。
BIMソフトの購入にはIT導入補助金などの助成金も活用して、少しずつ進めていきましょう。

建築・土木業向け BIM/CIMの導入方法から活用までがトータルで理解できる ホワイトペーパー配布中!

❶BIM/CIMの概要と重要性
❷BIM/CIM導入までの流れ
❸BIM/CIM導入でよくある失敗と課題
❹BIM活用を進めるためのポイント
についてまとめたホワイトペーパーを配布中

◆参考URL

*1 国土交通省『建築BIMとは』

https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/content/001594048.pdf

*2 AUTODESK BIM Design 建築向け『BIMとは』

https://bim-design.com/bim-dx/bim/01-about-bim/

*3 株式会社岩崎『BIM/CIM 施工シミュレーション』

https://www.iwasakinet.co.jp/iwasaki-solution/bim-cim/simulation/ /a>

*4 国土交通省『令和5年度BIM/CIM原則適用について』

https://www.mlit.go.jp/tec/content/001510002.pdf

*5 AUTODESK『BIM活用実態調査レポート2020年版』

https://damassets.autodesk.net/content/dam/autodesk/www/apac/pdf/bim-report-final.pdf

*6 AUTODESK『Autodesk Revit: 設計と施工のための BIM ソフトウェア』

https://www.autodesk.co.jp/products/revit/overview?term=1-YEAR&tab=subscription

*7 GRAPHISOFT『Archicad』

https://graphisoft.com/jp/solutions/products/archicad

*8 ダイキン工業『Rebro(レブロ) 価格』
https://www.comtec.daikin.co.jp/BIM/rebro/price.html

*9 Rhinoceros『建築、建設、エンジニアリングにおけるRhino』

https://www.rhino3d.com/jp/for/architecture/

*10 LUMION『Lumion 2024 is here』

https://lumion3d.jp/

*11 MONOist『どのCADを使っている? 3D推進の状況は? ちょっと気になる隣のCAD事情』

https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2212/01/news051.html

*12 AUTODESK『オートデスク認定 Revit Architecture ユーザー』

https://www.myautodesk.jp/certification/user_Revit.html

*13 AUTODESK『教育機関限定ライセンスでオートデスク製品にアクセス』

https://www.autodesk.co.jp/education/edu-software/overview?sorting=featured&filters=individual

*14 IT導入補助金2024『新規申請・手続きフロー(中小企業・小規模事業者等のみなさまの手続き)』

https://it-shien.smrj.go.jp/applicant/flow/

    ホワイトペーパーフォームバナー

    【DL可能な資料タイトル】

    • ・プログラムによる建築/土木設計のQCD(品質/コスト/期間)向上
    • ・BIM/CIMの導入から活用までの手引書
    • ・大手ゼネコンBIM活用事例と建設業界のDXについて
    • ・デジタルツイン白書
    • ・建設業/製造業におけるデジタルツインの実現性と施設管理への応用

    詳細はこちら>>>

    PAGE TOP