今の時代は、「事業をつくる」⇒「人を集める」ではなく、「人を集める」⇒「事業ができる」
かつて、資本集約型産業、労働集約的産業がメインだった時代、人はあくまで事業における「コスト」の扱いでした。コストと言うのはすなわち、「安いほうが良い」という考え方に基づきます。
したがって、かつては「良い人をさがす」のではなく、「安く雇って、中で育て、会社にいてもらう」といった形での人材運用が主流だったと言えます。
その最たる形、進化系が「終身雇用制度」というわけです。
終身雇用制度は、社員に安定を提供するかわりに安い労働力と会社への忠誠を約束させる制度です。それは、資本集約型産業、労働集約的産業に大きな恩恵をもたらしました。
ですが、時代は変わりました。現在、そして将来に渡り主流となる産業は、「知識集約型産業」です。すなわち、もっとも重要な要素が人の持つ「知識」となり、人はコストでなく資産となったのです。
したがって、むしろ「人」がいて、「知識」があり、彼らの存在を前提として、金や装置といったものを動かす、それが現代の産業です。
しかし、知識はあっという間に陳腐化します。
有能な人材は何時の世も限られており、予め設計した事業に合わせて人を採るのではなく、有能な人を雇い、そこから事業をつくり上げ、彼らに継続的に会社に貢献してもらう、これが現代の産業です。
今の時代は、「事業をつくる」⇒「人を集める」ではなく、「人を集める」⇒「事業ができる」なのです。