「やる気」を出すのに必要なことはたった一つ。
「やる気がでない」と嘆く人がいる。いや、とても多いといっても良いかもしれない。
だから、書店に行けば「やる気の出し方」に関する本はとても多い。
「やる気の出し方」
「やる気になる本」
「やる気が湧いてくる◯◯の言葉」
など、それこそ有象無象、有り余るほどある。
しかし、そこで書かれていることはほとんど精神論、もしくは「自分ではなかなかコントロール出来ないこと」であることが多い。
人に相談したり、有名人の言葉を読んだり、早起きしたり、環境を変えたり、目標を定めたり、ご褒美を自分にあげたり…。そういったことはたしかにやる気に影響はあるが、副次的なものにすぎない。
「やる気が出ている状態」というものは、シンプルに考えれば脳の働きの一つの形態であり、自分で操作可能なものである。
では、どのように「やる気が出ている状態」を作り出すか。それは脳の働き方を見れば良い。
脳科学者の、池谷裕二氏は、やる気をだす方法に関して、シンプルな解答を出している。
すなわち、「やり始めれば、やる気が出る」ということだ。
身体事実がまずある。そこにあとから脳がそこへ適応していくというか、
事実への解釈が「後づけ」で起こる。たとえば、朝、眠いのに起きなきゃいけないとかね、そういう葛藤もなくなるんです。横になってたらいつまで経っても眠いんです。体のスイッチが入ったら、脳は追随する。つまり起きる。そうすると目が覚めるじゃないですか。
そういうことで、面倒なことがだいぶ楽になるんですよね。やる気にならなくてもやりはじめればそのうち気分乗ってやるでしょ、みたいな感じを持ってると、たぶんすごく楽になるんです。
これは非常に重要な示唆を含んでいる。つまり「やる気」は、外的な要因に関わらず、ある程度は自分の行動によって支配が可能だということだ。
体を動かす事によって、やり始めることによって、やる気が湧いてくる。
「笑うと楽しい気分になる」
「運動すると前向きになる」
「料理をするときちんと食べたくなる」
そういう、「行動ありき」のパターンを自分の中に形作ることが、やる気の秘訣なのだ。
(Photo:MartialArtsNomad.com)