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AutoCAD 2023リリース!機能強化ポイントと新機能を解説します

オートデスク社のCADソフト「AutoCAD」は、2022年3月にAutoCAD 2023をリリースしました。作業効率をアップさせるために様々な部分で機能が強化されており、頻繁にAutoCADを使う人におすすめです。

この記事では、AutoCAD 2023の機能強化ポイントや新機能、アップデート方法をご紹介します。

この記事を読むと、以下の3つのことがわかります。

1.AutoCAD 2023の機能強化ポイントと新機能
2.AutoCAD 2023のアップデート方法
3.アップデートで起こりがちなエラーとその解決策

AutoCAD 2023の機能強化ポイントと新機能

まずはAutoCAD 2023の機能強化と新機能について見ていきましょう。ユーザーの作業を効率化させるために、細かな点まで機能が強化されています。

AutoCAD 2023の機能強化ポイント

AutoCAD 2023では、作業の効率化を目指した機能強化が行われています。例えばトレースやカウントなど人気がある機能も強化されており、ワークフローに自動化や時間節約を意識してバージョンアップされている点が大きな特徴です。(※1)

カウント機能

AutoCAD 2023では、AutoCADの図面内のオブジェクトインスタンスを迅速に数える[カウント機能]が強化されました。カウント機能ではカウント結果が可視化され、カウント基準を詳細にコントロールできます。

カウント機能で図面内のブロックを属性情報ごとに集計できるので、面倒な集計作業を効率化できます。そのため支持しているユーザーも多い機能の1つです。

機能強化によって、[カウントツールバー]からカウントオブジェクトを選択したり、矢印前後のカウントオブジェクトへの移動、カウントフィールドにおいて表やテキストに直接挿入したりといった操作ができるようになりました。

マルチ引出線

新しい引出線を作成する時、既に配置されたマルチテキストを選択すると引出線付のテキストに変更できる「マルチ引出線」が強化されました。
[ホーム]タブの[注釈]パネルに[マルチ引出線]が新設され、既存のマルチテキストを利用して作図でき、より効率よく作業できるよう改善されたポイントです。

グラフィックスの強化

AutoCAD 2023ではグラフィックスも強化されており、3Dオブジェクトのレンダリングが最大10倍速化できるようになりました。(※1)シェードやエッジ、ワイヤフレームといったビジュアルスタイルを利用した際に適用できます。

AutoCAD 2023の新機能

AutoCAD 2023では機能強化だけでなく、もちろん新機能も複数搭載されました。ここでは、その新機能について解説していきます。(※2)

マークアップ読み込み・マークアップアシスト機能

AutoCADのマークアップはPDFやJPG、PNGといった形式に対応しており、汎用性が高い機能です。
把握や識別といった作業は人が行っていましたが、黒や紺色ではない純色かつ不透明な色のマークアップの場合、「マークアップ読み込み機能」によってAutoCADが自動で読み込めるようになりました。
雲のマークや文字を識別して図面の修正をしてくれる、「マークアップアシスト機能」も新登場。マークアップアシスト機能はクリック操作だけでオブジェクトやテキスト自動で図面に追加してくれる機能で、フィードバックを速やかに送信したり設計に組み入れたりできます。
マークアップアシストについては、AutoCAD 2023で追加されたマークアップ読み込み機能とは?使い方のポイントを紹介でも紹介しておりますので、ぜひご参照ください。

[自分のインサイト]追加

生産性向上のために、アドバイザリーエンジンである[自分のインサイト]が追加されました。(※2)
これは作業を迅速化するために厳選された[インサイト]をAutoCADが設計者に提供するもので、インサイトのコンテンツやオートデスク製品の使用状況に基づき、ソフト側がパーソナライズしてくれます。
[自分のインサイト]は、機械学習テクノロジーによってユーザーがその時必要な新機能を学ぶことができる機能です。カスタマイズされているのでよりユーザーに合った機能を効率的に知ることができ、作業の迅速化に貢献してくれます。
同じ作業を繰り返す作業が多いとAutoCADが判断すると、[おすすめマクロ]を作業中に表示することで自動化を促してくれます。同じく新機能である[コマンドマクロパレット]を開くと、マクロの詳細を確認したり保存したり、必要に応じて変更することも可能です。

LISP APIが利用可能

AutoCAD Plus のサブスクリプション契約者に限り、AutoCAD Web アプリで LISP API が利用可能になりました。AutoCAD Plusは電機や機械、建築、配管、プラント設計といった7種類の業種別ツールセットになったプランです。
どの場所やパソコンからでもAutoCADのデータをカスタマイズしたり、繰り返し作業を自動化したりといったことができます。

AutoCAD 2023のアップデート方法

AutoCAD 2023へのアップデートを検討している方に向けて、アップデート方法をご紹介します。アップデート前には準備も必要なので、ぜひ作業前に参考にしてください。

アップデート前の準備

AutoCADのアップデート前には、PC側の環境も整えておく必要があります。主に、以下の3つは忘れないようにしましょう。
・AutoCAD 2023動作環境のチェック
・バックアップ
・Windowsアップデート
AutoCAD 2023の動作環境は以下の通りです。
・OS:64 ビット版 Microsoft® Windows® 11 および Windows 10 バージョン 1809 以降
・CPU:基本: 2.5 ~ 2.9 GHz のプロセッサー (ベース)、推奨: 3 GHz 以上のプロセッサー (ベース)、4 GHz 以上 (ターボ)
※ ARM プロセッサー はサポートされていません。
・メモリー:基本: 8 GB、推奨: 16 GB
そのほかの条件については、オートデスク社の公式サイトをご参照ください。

→AutoCAD 2023動作環境

アップデートの前に必ずしておきたいことが「バックアップ」です。AutoCADユーザーなら自動バックアップを行っていると思いますが、アップデートする直前に手動でバックアップを取っておくとより安心できます。
そしてWindows(OS)の更新プログラムもチェックして、未更新のファイルがあればこちらもアップデートしておきましょう。
AutoCADを他のソフトウェアと連携させている場合、アップデートしても互換性が保てるのかチェックも必要です。連携しているソフトの動作環境や対応状況を確認して、アップデートした後に「しまった!」と後悔することがないようにしてください。

アップデート方法

PC側の準備が整ったら、AutoCADを2023にアップデートします。AutoCADのサブスクリプション契約者は、契約期間中に新しいバージョンがリリースされた時からアップデートできます。
まずオートデスクのアカウントにサインインして、マイページを開きます。サインインは公式サイトから行ってください。
→オートデスクサインインページはこちら

次に[すべての製品をサービス]を選択して、AutoCAD 2023を探しましょう。見つけたら[詳細を表示]を選択して、更新プログラムをダウンロードして更新を進めていきましょう。更新完了後に再起動を求められることもあるので、指示通り再起動を行ってください。(※3)
オートデスクに限らず、ソフトウェアのアップデート時には予期せぬエラーが出ることがあります。ここではAutoCAD 2023のアップデートで出やすいエラーとその原因、対策についてご紹介します。

エラーコード1603「インストール中に致命的なエラーが発生しました。」

AutoCADのアップデート中にエラーコード[1603]とエラーが表示された場合、既存のライセンスサービスが原因と考えられます。そのため、ライセンスサービスをインストールしなおすことが解決策となります。(※4)
Windowsファイルエクスプローラーから[C:\Program Files (x86)\Common Files\Autodesk Shared\AdskLicensing]のフォルダに移動します。[uninstall.exe]を右クリックして[管理者として実行]を選択し、削除されるまで待ちます。
削除されたら、インストーラファイルをダウンロードしてデスクトップライセンスサービスを再インストールしましょう。インストール方法については、オートデスク公式サポートを参照してください。
→WindowsにAutodeskデスクトップライセンスサービスをダウンロードしてインストールする方法

AutoCAD起動時に[AutoCADを実行できません]とエラーが出る

AutoCAD 2023シリーズにアップデートした後にソフトを起動した際「AutoCADを実行できません」とエラーが出た場合、考えられる原因は以下の2つです。(※5)
・AutoCADの実行権限を持っていない
・アップデートが正しく完了せず、インストールされていない。

AutoCAD 2023のインストールの一部である[Microsoft Edge WebView2 Runtime]というデータが破損していることが直接の原因です。解決するためには、一度このデータをアンインストールして入れ直す必要があります。
Microsoft Edge WebView2 Runtimeのアンインストールは、windowsの[コントロールパネル]-[プログラムと機能]から行えます。その後、マイクロソフトの公式Webサイトから最新バージョンをダウンロードしてください。
→マイクロソフトの公式Webサイトはこちら

その後、もう一度AutoCAD 2023のアップデートを実行してください。実行権限がないアカウントでアップデートを行った時にこのエラーが出た際は、管理者権限アカウントでログインし直してから行いましょう。

AutoCAD 2023の機能強化ポイントと新機能、バージョンアップ方法をご紹介しました。2023バージョンでは、より作業が効率化されるよう細かい部分まで機能が強化されています。まだアップデートしていない方は、ぜひ行ってみてください。

 

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参照サイト:
※1 https://digitalpr.jp/r/57498
※2 https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2204/04/news036.html
※3 https://www.autodesk.co.jp/support/download-install/individuals/manage/update-your-software
※4 https://support.borndigital.co.jp/hc/ja/articles/900000119263
※5 
https://www.autodesk.co.jp/support/technical/article/caas/sfdcarticles/sfdcarticles/JPN/Unable-to-run-AutoCAD-when-launching-an-AutoCAD-2023-product.html

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