Unity Reflectとは?何ができる?


ユニティ・テクノロジーズ社が提供するゲームエンジン「Unity」は、ゲーム開発の手軽さから、多くの人に利用されています。最近ではARやVRのコンテンツ開発でも注目を集めており、ゲーム以外でも、自動車、輸送機器、フィルム、アニメーションや建築設計など使用用途は多岐にわたります。そんな中、BIMソフトウェア業界をリードするAutodesk社との提携によって、建築設計・エンジニアリング・建設分野を対象としたツール「Unity Reflect」が2019年12月にリリースされました。

Unity Reflectで建築業界をサポート

Unity Reflectとは、複数の人が作ったBIMデータをワンクリックで統合し、リアルタイムに表示できるよう変換する機能のことです。
BIMとは、Building Information Modeling(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の略称で、設計段階の建物を、コンピュータ上で現実と同じように3次元モデルとして作成し、実際の距離や、管理情報などの付加情報を持たせた、構築管理を行う仕組みです。

昨今の建築業界では、建築家、設計士、エンジニアなど、多くのチームが入り組んでプロジェクトを実現しています。そのような状況で、チーム、または個人によるBIMデータの変更をリアルタイムに3Dモデルに反映することは素早いフィードバックを得て、プロジェクトの進行を早めるためにはとても重要でした。しかし、BIMデータを3Dモデルに最適化するには、多くの複雑な工程と長い期間をかけた準備が必要となり、リアルタイムな3D体験は難しい課題となっていました。
そのような課題を解決するために、Unity Reflectは開発されました。Unity Reflectを使うことで、あらゆるプラットフォームとシームレスに同期を行い、互いに確認し合いながら開発を進めることができ、プロジェクトを円滑に進めることが可能になります。

何ができるようになるのか

それでは具体的に、何ができるようになるのでしょうか?

データをワンクリックでやり取り

まず重要なのが、前述したシームレスな同期と誰もが利用できる手軽さです。複数の人によるBIMデータが、リアルタイムに3Dとしてみることが出来るうえ、操作に知識を必要としないため、関係者すべてがワンクリックでリアルタイムに設計をレビューすることが出来ます。それによって、それまで、設計図から現実でプロトタイプを作っていた手間や、最適化した3Dモデルを作っていた手間が必要なくなります。
また、リアルな3DモデルをAR,VRで見ることで、実際に建築した後に発覚していた問題を事前に解決することが出来る可能性が高くなります。それらが、デザイナーがモデルに変更を加えた瞬間に共有できるのです。

必要な部分のみの切り抜き

また、BIMデータには、様々な付加情報(電気系統、機械系統、コスト等)がありますが、Unity Reflectを使ってレビューする際、どの情報を見るか選択することが出来ます。
例えば、建物モデルの外観だけを見たい、モデルと一緒に配管系統がどのように設計されているのか見たい、といったユーザーの目的に焦点を当ててレビューすることが可能です。

ARやVRを使ったレビュー

後述しますが、Unity ReflectはARやVRの機器を幅広くサポートしています。そのため、共有したBIMデータを、xRの技術を使い、より没入感の高い形でレビューすることが可能です。また、プロジェクトをARやVRに落とし込むプロセスが簡略化されているため、こちらも同様にシームレスな体験が可能です。以下に例を示します。
・AR
スマートフォンや、タブレット、ARグラスをつかって、実際の建設予定地で実寸サイズの3Dモデルを表示することができます。それによって、よりリアルに近い体験をすることが出来ます。実際に歩き回りながら見え方を確認してみると、画面上で見ていた時には気づけなかった問題点に気づくことが出来るかもしれません。
また、AR機能を使えば、縮小した3Dモデルを自宅の卓上で見ることも可能です。このように、ARは現実に調和した形で、3Dモデルを実際にレビューすることが出来ます。
・VR
Unity ReflectにはデフォルトでVR viewer機能があり、VR機器さえあれば、歩いているような感覚で設計した建物の2階に上がってみたり、空を飛びながら俯瞰して3Dモデルを観察したり、より自由な角度からレビューをすることが可能です。今まではなかった視点で設計段階の建物を見ることが出来るので、実際に見ても気づけなかった問題点に気づくことが出来るかもしれません。
また、AR、VRでも必要なデータのみを切り抜くフィルター機能があるため、利用者の目的に沿った情報だけを見ることが出来ます。

Unity Reflectの拡張、開発

関係者全員がBIMデータを様々な方法で3次元のモデルとしてみることが出来ることを説明しました。しかし、それだけではありません。Unity Reflectは、Unityエディターを使用して、Unity Reflectを基盤としたアプリや、ビューワーを新たに構築することが出来ます。例えば、顧客によってAR、VRの操作が分からないという方がいれば、より簡易的な閲覧方法にすることができます。逆に、より高度な閲覧がしたいという要望があれば、要望に合わせたツールを開発することが出来ます。
このように、Unity Reflectを使うことで、簡易的なイメージ確認や、より高度で詳細なモデルによる営業等、課題解決に適したアプリケーションを開発、提供することが出来るのです。

現在のサポート対象

・サポート対象のBIM
2020年4月段階で、Revit、SketchUp、Rhinoが標準でサポートされています。
今後は、Navisworksとの同期を可能にするプラグインやBIM360との統合が予定されているようです。(6)

・サポートされているデバイス、プラットフォーム
初回リリースの段階で、iOSデバイス、デスクトップ(Mac,Windows)、HTC VIVEがサポートされており、その他、Unityの機能を利用することでさらに25種類以上のプラットフォームで使用することが出来ます。(7)その中には、HoloLensやOculusなど、大手のVRデバイスや、iOS、Androidといったスマートフォンを利用したAR機能までサポートされています。そのため、Unityエディターを使うことで、顧客に合わせた閲覧方法を選択することが出来ます。
今後、HololensやOculus RiftのサポートはUnity Reflectが公式にサポート対象にする予定のようです。(6)

以下、各種ソフトのサポートされているバージョンです。(2020年4月13日現在)
Unity Editor: 2019, それ以降の最新バージョン (Unity Proのみ)
Revit : 2018,2019,2020
SketchUp : 2019
Rhino : バージョン6

その他サポートの詳細は(6)にて参照してください。

利用するには?

Unity Reflectのライセンスの年間費用は82,800円です。ただし、関係者すべてがライセンスを取得する必要はありません。Viewerは無料なので、BIMを設計するユーザーと、Unity Reflectを基盤としたアプリケーションを開発するユーザーのみ、ライセンスを取得する必要があります。また、14日間の体験版もあるので、実用の前に無料で試すことも可能です。

現在利用可能なUnity Reflectですが、今後BIMが普及していくにつれ、より高度なフィードバック、より良い意思決定を実現してくれるでしょう。今後は、URP/HDRPや点群のサポートも予定されており、新たな技術の進歩に目が離せません。

出典:
*1 Unity 「PRODUCTS Unity Reflect」
https://unity.com/products/reflect

*2 Unity Blog 「Unity Reflectがいよいよ12月にリリース」
https://blogs.unity3d.com/jp/2019/11/19/unity-reflect-arrives-in-december/

*3 Unity Blog 「Unity Reflectの様々な使用方法」
https://blogs.unity3d.com/jp/2019/08/26/different-ways-to-use-unity-reflect/

*4 Unity Blog 「Unity Reflect:ワンクリックでBIMをリアルタイム3Dに変換、より良い設計の意思決定を実現」
https://blogs.unity3d.com/jp/2019/06/05/unity-reflect-bim-to-real-time-3d-in-one-click-for-better-design-decisions/

*5 Unity Blog 「Unity Reflectを使用してVRでRevitモデルを閲覧する」
https://blogs.unity3d.com/jp/2020/01/23/explore-revit-models-in-vr-with-unity-reflect/

*6 Unity 「Unity in AEC Public Roadmap」
https://portal.productboard.com/ryk149xi2qtmns5iehpngb6u/tabs/3-launched

*7 Unity Blog 「Unity XRプラットフォームの最新情報」
https://blogs.unity3d.com/jp/2020/01/24/unity-xr-platform-updates/

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