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Amazonが携帯電話事業に参入?日本上陸や実現の可能性などを解説

世界最大級のITサービスを手掛けるAmazonの最大の強みは、有料会員サービスである「Amazon Prime」を通じたサブスクリプション形式の消費者向けサービスです。

Amazon PrimeはAmazonでの注文商品を配送料無料で届けるだけではなく、映像配信やクラウドストレージなど、多くのツールを提供しています。

そして、最近ではついに携帯電話サービスの提供にも踏み切ることが噂されているなど、多くの消費者や投資家の関心を集めているのが特徴です。

この記事では、そんなAmazonが携帯電話事業に参入するというニュースの概要や、その実現可能性、そして日本上陸の可能性について、解説します。

目次:

  1. Amazonの携帯電話事業参入の概要
  2. Amazonが携帯電話事業に参入を狙う3つの背景
  3. 携帯電話事業にAmazonが参入した場合の影響とは
  4. 日本上陸の可能性は?
  5. Amazonの携帯電話事業参入は本当に実現するのか

Amazonの携帯電話事業参入の概要

2023年6月、海外の主要メディアにてAmazonが携帯電話事業への参入を検討していることが報じられました*1。

Amazonはこれ以前にも一度携帯電話事業に参入を図っていたことがあり、当時は撤退に追いやられていた経緯があるため、今回の参入が実現すれば、実に2度目の携帯電話事業参入となります。

報道によると、今回の携帯電話事業は自社のサブスクリプションサービス「Amazon Prime」会員向けに提供される通信サービスとなるようで、他の電話会社にはない低価格、あるいは無料での回線提供が検討されているということです。

現在は本国アメリカのPrime会員向けでのサービス提供の道が探られているということで、現地ではVerizonやAT&T、T-Mobileという米国3大キャリア、そして衛星サービスのDish Networkなどとの交渉が進んでいるとされています。

Amazonの携帯電話事業参入は公式に認められている情報ではないため、確実にこのサービスが開始されるとは限りません。ただもしこのサービスが実現すれば、現地の通信サービスシェアは大きく変動していくことになるでしょう。

Amazonが携帯電話事業に参入を狙う3つの背景

Amazonはすでに一度携帯電話事業に参入しており、当時は失敗に終わっています。しかしそれでも今回事業への再進出を画策していると言われていますが、同社がこの事業にこだわる理由としては

  • 新規Prime会員の獲得
  • 既存Prime会員の囲い込み
  • 競合との強力な差別化

が挙げられます。サブスクリプションサービスであるPrimeは、定期的なサービスのテコ入れを行わなければ新しくユーザーを獲得することが難しく、配送料が無料になるだけでは加入を促すにはパンチに欠けてしまいます。

そこでAmazonはこれまで映像配信などのさまざまなコンテンツを使ってユーザーの関心を促し、安定した成長を続けてきました。携帯電話事業への参入も、このようなテコ入れの一環として行われると予想されます。

既存Prime会員への囲い込みというのも上記とほぼ同じ理由であり、通信サービスの提供は魅力の相対的な低下による離脱の減少に、強力なブレーキをかけることができるでしょう。

そして、現地で大いに注目されている3つ目の理由として、競合との差別化が挙げられます。アメリカ本国ではAmazonの強力な競合に「Walmart+」と呼ばれるサービスがあります。これは現地最大級のスーパーマーケット企業であるWalmartが独自に展開するサブスクリプションサービスで、一定金額以上の購入で配送料が無料になるというものです。

現在は同サービスにて動画配信サービスの提供も始まるなど、Amazonの競合としての地位を盤石にしつつありますが、この状況下に決定的な差別化をもたらしたいというのがAmazonの本音であり、携帯電話事業への参入が切り札となる可能性があります。

実際に通信事業の立ち上げに成功すれば、Amazonの競合となれる企業は一段と少なくなっていくでしょう。

携帯電話事業にAmazonが参入した場合の影響とは

Amazonが携帯電話事業に参入した場合、現地ではどのような影響が想定されているのでしょうか。

市場の動向を見ると、Amazonの通信事業は既存の通信事業者のビジネスに大きな影響を与えるとされており、Amazonのシェア拡大に伴い、既存事業者のシェアは落ち込み、事業の成長力が損なわれると考えられます。

実のところ、2023年の6月2日にAmazonの通信事業の参入が報道された段階で、Amazonの株価は2%超の上昇が見られました。

これはS&P総合500種の押し上げに寄与している一方、既存携帯事業者であるVerizonやAT&T、T-Mobileといった企業の株価は3%から8%の安値をつけており、市場にとって無視できない存在であることを示唆しています*2。

実際に破壊的な価格での通信事業参入が実現すれば、Amazonはアメリカにおいて一定のシェアを盤石なものにすることは間違い無いでしょう。

日本上陸の可能性は?

Amazonの携帯電話事業参入が実現した場合、気になるのが同事業を日本でも展開するのかどうかについてです。日本においてもAmazon Primeの会員は決して少なくなく、本国アメリカとほぼ同様のサービスを提供しているため、現地で事業が成功を収めれば、日本に上陸する可能性もあるでしょう。

ただ、問題となるのはAmazonが日本の各通信事業者とどのように交渉を進めていくかです。通信事業者は日本とアメリカでは全く異なる組織であるため、速やかに交渉がまとまり、サービスの提供が進むとは考えられず、実現にはある程度の時間を必要とするでしょう。

また、現地アメリカにおいても通信事業への参入はまだ噂レベルの段階であるため、現時点で正確な日本上陸の可能性について考えるのは、少し難しいのが現状です。まずは本国での行方を見守り、実現してからその可能性を検討してみるのが賢明な判断でしょう。

まとめ

この記事では、Amazonの携帯電話事業参入に関するニュースの概要や、事業参入がどのような影響をもたらすのかについて、解説しました。

Amazonの携帯電話事業参入がもたらすアメリカでのインパクトは大きく、その影響はすでに株価の変動にも与えています。

参入の実現可能性についてはまだ噂の段階であり、このまま破談となってしまう可能性も否定はできませんが、実現すれば現地の通信サービスのあり方に大きな影響を与えるでしょう。

また日本上陸に際しては新たに日本の通信事業者との交渉も行う必要があり、今後数年で日本のPrime会員にもサービスが行き渡るとは考えにくいのが現状です。

 

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参考:

*1 クラウドWatch「【Infostand海外ITトピックス】Amazonが格安モバイル事業? 投資家からは選択と集中求める声も」

https://cloud.watch.impress.co.jp/docs/column/infostand/1507833.html

*2 ロイター「アマゾン、ベライゾンなどと交渉 低価格携帯サービス提供へ」

https://jp.reuters.com/article/amazon-com-telecoms-idJPKBN2XO0YV

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