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Amazon Alexa Smart Propertiesとは?導入事例も紹介

スマートホームやAIアシストが私たちの生活に徐々に浸透しつつある昨今、Amazonが新サービスを発表しました。その名も「Amazon Alexa Smart Properties」。個人向けではなく、ビジネス向けのサービスです。

今回は、Amazon Alexa Smart Propertiesとは何か、具体的にどのような施設で何ができるかを導入事例とともに紹介します。

この記事を読むと、以下のことがわかります。

  1. Amazon Alexa Smart Propertiesとは何か
  2. Amazon Alexa Smart Propertiesでできること
  3. 個人向けAlexaとの違い

Amazon Alexa Smart Propertiesとは?

Amazon Alexa Smart Properties(アレクサ・スマート・プロパティ/以下ASP)とは、パーソナルAIアシスタントのAlexaをビジネス向けに提供するAmazonの新サービスです。

日本ではアジア圏初のサービス提供地域として2023年12月4日にローンチ※1されました。

ビジネス向けとは、企業や地方自治体向けのことです。Amazonが契約するソリューションプロバイダを通してAlexaの技術を施設に一括導入、管理、カスタマイズできるのです。

ソリューションプロバイダは、システムやスキルの開発を行い、施設へのサービス導入の支援も行います。現状のソリューションプロバイダはNTTデータ、NTTビジネスソリューションズ、TradFit、mui Lab、アクセルラボが名を連ねています。

ASP利用は具体的には、専用APIやAmazon Echoなどの端末を利用します。

これにより、企業や地方自治体は施設利用者のニーズに対し、Alexaを活用したソリューションやサービスを実装することができるのです。

ASPは高齢者施設やホテル、マンションなどのビジネス分野や、地方自治体などの公的分野で利用することが想定されています。

日本では、他国には類をみないほどの超高齢化社会や人手不足が社会問題となっており、ASPの有効活用が大いに期待されるでしょう。

導入事例

日本でのローンチ発表とともに、初回導入先の1地方自治体と4つの施設も発表されました。順番に紹介していきます。

【地方自治体】熊本市

熊本市は、地方自治体でのASP利用が効果的かどうかの実証実験を行います。

具体的には、高齢者宅や地域包括支援センター「ささえりあ」、民生委員の自宅にEcho Show 8を設置。路線バス運行情報や地域のイベントをお知らせしたり、Alexaによる対面でのビデオ通話などの機能が、高齢者の生活の質を向上させるか検証します。

また、高齢者側だけではなく、行政側にもメリットがあります。ビデオ通話機能を使用することで悪天候時や人手不足などにより困難であった高齢者宅への訪問をAlexaを通してビデオ通話で行うことができるようになり、業務の負担を軽減することが可能となるのです。

熊本市はこの検証結果に基づき、将来的には子育て世帯など、多くの住民の暮らしを支える技術の可能性を検討していく予定とのことです。

【高齢者施設】ニチイケアパレス 「ニチイホーム南大井」

ニチイホーム南大井は、株式会社ニチイケアパレスが運営する介護付有料老人ホームです。

同施設にも、Alexa搭載デバイスのEcho Show 8を設置。入居者は、遠く離れた家族とのビデオ通話や、体操動画などのコンテンツを通じた趣味や娯楽を楽しむことができます。また、Alexaに話しかけて家電のオンオフなどを操作するスマートホーム機能も使用でき、手間のかからないより快適な暮らしを送ることができるようになります。

こちらも入居者側だけでなく、施設スタッフにも嬉しい点があります。ASPを通して1日のスケジュールやレクリエーションのお知らせをしたり、入居者の生活状況を記録してLINEで家族にお知らせをしたりすることができるので、業務軽減と効率化が期待できます。

【ホテル】東急ホテルズ&リゾーツ 「SAPPORO STREAM HOTEL」

SAPPORO STREAM HOTELは、東急ホテルズ&リゾーツ株式会社が手掛ける新たなホテルです。

2024年1月16日にオープンした同ホテルでは、プレミアム客室にEcho Show 8を設置しています。マルチリンガルモードを使用できるため、外国人観光客は英語でAlexaに話しかけて英語で必要な情報を得ることができます。
また、外国人観光客だけに限らず、滞在者は画面上で館内情報等を簡単に確認することができ、スタッフやコンシェルジュによる地域のおすすめ情報などもAlexaに話しかけるだけで知ることができるのです。

ホテルの管理者やスタッフは、ASPを通じAlexaが宿泊客の一般的な質問に答えたり、外国語で情報を提供したりすることで、人手不足や業務の質の向上につながります。

また、ディスプレイ上にレストランやスパなどのおすすめ情報を表示することで、施設の利用率を向上させ、売上アップの効果も期待できます。

【マンション】大阪ガス 「NEXT21」

大阪ガス株式会社は、同社が管理する社宅である実験集合住宅「NEXT21」の一部でASPを採用。

居住者は各居室に設置されたEcho Show 8を通じて、お知らせを受信したりビデオ通話などの基本機能を利用できます。さらに、同施設で特徴的なのは「エネルギーダッシュボード」機能を利用して、電力の使用状況等の情報を得ることができる点です。

管理者側は、真夏や真冬などに電力需給がひっ迫した際には、エネルギーダッシュボードを通じて節電協力の通知を送ることもできます。

【マンション】インヴァランス 「CREVISTA 品川西大井III」

大東建託グループにて投資用マンション事業を手掛ける株式会社インヴァランスは、同社の管理賃貸マンションである「CREVISTA 品川西大井Ⅲ(クレヴィスタ シナガワニシオオイⅢ)」にASPを採用。

各部屋にEcho Show 15が設置されており、居住者は入居後すぐにスマートホームを始めとするAlexaのさまざまな機能を利用できます。また、ASPを通し、施設トラブルなどの連絡をマンションの管理会社と手軽にとることができます。

管理会社側は、契約や施設などのお知らせをEcho Showに流すことができ、業務効率化につながるでしょう。さらには密なコミュニケーションを取ることで居住者のエンゲージメント向上も期待できます。

将来的には、内見などの際もAlexaを通して施設やスマートホームなどの紹介ができるようになり、スタッフの業務軽減を図る予定です。

個人向けAlexaとの違い

個人向けAlexaとASPの違いは5つあり、とくに個人情報を必須としない点が特徴です。

使用アカウント

個人向けAlexaは個人アカウントを所有する必要がありますが、ASPでは匿名化された法人アカウントのみが必要となります。

デバイス設定・管理

個人向けAlexaは自身で設定・随時管理をする必要がありますが、ASPでは管理者が設定をし、集中管理します。
そのため、ASP利用者側の負担がありません。

ホーム画面・ホームカード

個人向けAlexaはAmazonによるデザインですが、ASPでは管理者がカスタマイズできます。そのため、その施設に適したホーム画面、ホームカードを作成できるでしょう。

Alexaスキル

Alexaスキルとは、拡張機能のことで、スマートフォンのアプリのような機能を果たします。スキルを追加することで、できることが増えるのです。個人向けAlexsaの場合は、このスキル名を言わなくてはいけませんが、ASPではスキル名を発話する必要がありません。

プライバシー・セキュリティ

個人向けAlexaは自身で管理しなければなりませんが、ASPでは個人アカウントを必要としないため、管理する必要がありません。また、デバイス上部にあるマイクオフボタンを押すことで、音声の聞き取り用のマイクをいつでもオフにすることができるため、個人情報漏洩の恐れがありません。

まとめ

今回は、Amazon Alexa Smart Propertiesについて紹介しました。

まだ日本で導入されている施設は少ないですが、超高齢化社会、人手不足という日本の社会問題解決の一助となり得る可能性はとても高そうですね。

今後導入する企業や地方自治体が拡大することを期待しましょう。

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※1 Amazon Alexaの利用がホテル、マンション、高齢者施設、地方自治体などで可能になる、Alexa Smart Properties(アレクサ・スマート・プロパティー)を日本で開始|Amazon

https://www.aboutamazon.jp/news/devices/alexa-smart-properties-launched-in-japan

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