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コード生成AI「Amazon Code Whisperer」とは?特徴や使い方をご紹介

2022年に発表されていた「Amazon Code Whisperer(ウィスパラー)」が一般公開されています。Amazon Code Whispererとは昨今話題となっているコード生成AIの1つで、書きかけたコードの内容をAIが把握して、コードを自動生成する機能を持っています。

Amazon Code Whispererは“AWS版のGitHub”とも呼ばれ、多くのエンジニアが興味を持つツールの1つです。この記事ではAmazon Code Whispererの特徴や使い方、そしてコード生成AIが注目される背景についてご紹介します。

エンジニアを目指している方やすでにエンジニアとして活躍している方は、ぜひ最後までお読みください。

この記事を読むと、以下のことがわかります。

  1. Amazon Code Whispererの機能と料金
  2. Amazon Code Whispererの使い方
  3. 今話題の「コード生成AI」について

Amazon Code Whispererとは?その特徴や使い方について

Amazon Code Whispererはいわゆる生成系AIサービスの1つであり、エンジニアが自然な言語を入力すると、汎用的なコードを提案してくれるツールです。

Amazon Code Whispererはコードの提案だけでなく、セキュリティースキャン機能を持っています。PythonやJava、JavaScriptなど対応済のコードに限り、セキュリティースキャン機能によって脆弱性のあるコードを探したり改善策を提案したりできるのです。

まずはAmazon Code Whispererについて、その特徴や料金体系、使い方をご紹介します。

Amazon Code Whispererの特徴

Amazon Code Whispererの特徴といえば、以下が挙げられます。

 ・リアルタイムでコードを提案する
 ・人気プログラミング言語とIDEをサポートしている
 ・AWSサービスで使用するには最適である
 ・セキュリティースキャンが組み込まれている

Amazon Code Whispererは数十億行ものコードを学習しており、その精度の高さが魅力です。AWSをメインで扱っている人は、数あるコード生成AIの中でもAmazon Code Whispererが最適でしょう。

またPythonやJava、JavaScriptをはじめとする15もの言語に対応しており、IDEもVS Codeだけでなく、IntellJ IDEAやAWS Cloud、JuputerLavといったものに対応しています。

コメントを入れたりコードを書きかけたりすると、その内容をAIが判断してコードを自動で作成してくれます。コメントは英語だけでなく日本語にも対応しており、国内のエンジニアからも「使いやすい」と評価されているようです。

Amazon Code Whispererはセキュリティースキャン機能によって、見つけにくい脆弱性やコードの提案といったこともできる点も、数あるコード生成AIの中でも大きな特徴です。

PythonやJava、ジャバスクリプトを含む15のプログラミング言語に対応しています。まだVS Code、IntelliJ IDEA、AWS Cloud9、AWS Lambda コンソール、JupyterLab、Amazon SageMaker Studioといった複数の統合開発環境(IDE)から選択できます。

公式サイトでは、Amazon Code Whispererは上記の機能によってデベロッパーの生産性が57%迅速化し、また27%正常にタスクを完了する可能性が向上するとされています。(※1)

個人なら無料でAmazon Code Whispererを利用できる

Amazon Code Whispererは、個人であれば無料で利用できます。

Amazon Code WhispererはIndividual(個人)とProfessional(法人)で2つのサービスがあり、それぞれ金額は以下の通りです。(※2)

サービス名IndividualProfessional
金額/月    無料      19 USD/ユーザー

上記2つのサービスにおいて、コード生成言語やリファレンストラッキングに違いはありません。

大きな違いといえばコードセキュリティスキャンで、無料のIndividualは50回/ユーザー/月に対し、有料のProfessional500回/ユーザー/月です。また組織全体のライセンスやポリシー管理も、有料のProfessionalのみ有効となっています。

Amazon Code Whispererの使い方

Amazon Code Whispererを使う流れは以下の通りです。

前提条件として、AWSアカウントとVS Codeは取得済です。
(Amazon Code WhispererはAWSのVS Code拡張機能であるAWS Toolkitの一部です。)

最新バージョンのAWS Toolkitプラグインを統合開発環境(IDE)にインストールします。

 ・VS Codeの拡張機能でAWS Toolkitをインストールします。
 (AWS Toolkitの取得はこちらから)
 ・VS Codeを起動してAWS Toolkitの拡張機能を開き、[CodeWisperer]-[Start]をクリックする
 ・確認画面が表示されるため[Start]ボタンをクリックすると個人の認証方法を選択する画面が表示されるので、任意の方法をクリックする
 ・ポップアップウィンドウが開きコードが表示されたのを確認して[Copy Code and Proceed]をクリックする
 ・AWSのブラウザが開くため、1つ前の手順でコピーしたコードを貼り付けて[Next]をクリックする
 ・AWSビルダーのID作成画面が開くので、[Eメールアドレス]に任意のアドレスを入力してIDを作成する(すでにAWSビルダーを持っている場合は[すでにAWS Builder IDをお持ちですか?サインイン]からサインイン)
 ・設定したメールアドレスに検証コードが届くので入力する
 ・パスワード設定画面からパスワードを入力して[AWSビルダーの作成]をクリック
 ・確認画面が表示されるので[Allow]をクリックして続行

上記でAmazon Code Whispererを使う準備は完了です。試しにコーディングをして、自動生成を体験してみてください。

今話題の「コード生成AI」とは?

コード生成AIとは、Amazon Code Whispererのように自然な言語で入力するだけでコードを自動生成してくれる技術です。

代表的なものといえばGitHub CopilotやChat GPTが挙げられます。Googleは汎用的な「Codey」とクラウドに特化した「Duet AI for Google Cloud」を発表しましたし、Appleも生成AIの開発に着手しているとうわさが流れており、ビッグテックも巨額のコストをかけ開発を進めているようです。

Chat GPTは日本でも自治体が導入を進めるなどで注目を集めており、今後もさらなる導入が見込まれる技術です。

生成AIにはAmazon Code Whispererに代表されるような「テキスト生成」以外にも、テキストの内容に応じて画像を生成する「画像生成」や「動画生成」、さらに音声データから新しい音声を生成する「音声生成」といった4種類に大別されます。

上記の生成AIの活用が進めば、インターネット上にあふれているほとんどのコンテンツを生成AIによって作り出せる日が来るかもしれません。

生成AIが注目されている理由

昨今生成AIが注目されるようになった主な理由には、精度とクリエイティビティの向上が挙げられます。

技術の発達によってAIが学習するデータの量が飛躍的に向上したことで、より生成するものの精度が上がりました。スピードも大幅に向上しており、十分実用化できるレベルにまで差し掛かっているのです。

そして生成AIはその学習量の多さから、人間にしかできないと考えられていたクリエイティブなコンテンツも生成できるようになりました。

すでにコード生成AIや画像生成AIのツールを掛け合わせてキャプションや画像、ラップや詩といったコンテンツを数秒で作成できた事例もあります。この技術の向上によって、世界中の企業や国で活用が進んでいるのです。

コード生成AIに残る課題

何億行ものコードを勉強したコード生成AIは学習量でみると人間より優れているかもしれませんが、課題もあります。

まず課題とされるのはバグの多さです。生成AIをプログラマに活用してもらった調査によると、生産性は大きく向上しているものの、コード生成AIのサポートを受けたプログラマが仕上げたコードには、より多くのバグが含まれていました。(※3)

さらに危険な点は、プログラマ自身が「コード生成AIにサポートを受けたほうがより安全(=バグが少ない)」と考えていた点です。AIや機械といえば完璧なイメージがあるものですが、人よりも質の高いコードが書けるとは限りません。

つまりプログラマはAmazon Code Whispererのようなコード生成AIの導入が始まっても、あくまでも“サポートツール”として活用するという姿勢が必要です。コード生成AIツールが自動でコードを作成しても、最後にはやはり人の目できちんと確認しなければなりません。

まとめ

Amazon Code Whispererの特徴や使い方をはじめ、生成AIツールの現状や課題をご紹介しました。さまざまな業界でIT化やAIの導入が進んでおり、「AIに仕事を奪われるかもしれない」と不安視する声も上がっています。

コード生成AIは自動でコードを入力できるため、「自分の将来は大丈夫かな?」と心配するプログラマの方もいるかもしれませんが、今のところ心配には及びません。

ご紹介した通りコード生成AIも完璧ではなく、完全に人の手から離れることは難しい状態です。コード生成AIがどれだけコーディングをしても責任の所在はやはり“人”であり、確認や修正が必要となります。

それでもAmazon Code Whispererのようなコード生成AIは、コーディング作業で肉体的に消耗しているプログラマの強力な武器になるでしょう。興味がある方は、ぜひ使ってみることをおすすめします。

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参照サイト:
※1 https://aws.amazon.com/jp/codewhisperer/
※2 https://aws.amazon.com/jp/codewhisperer/pricing/
※3 https://wired.jp/article/fast-forward-power-danger-ai-generated-code/

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