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AWSが提供するデジタルツイン関連のサービスが凄い

最近、何かと話題になることが多い「デジタルツイン」。とても便利そうではありますが、実際に構築しようと思ったらかなりハードルが高いように感じます。センサー技術・高速通信・モデリング・AIに機械学習など、最先端のIT技術がてんこ盛りです。
のび太なら「ドラえもーん」と泣きつく場面ですね。でも、大丈夫。私たちには「AWS(アマゾン ウェブ サービス)」がついてます。

この記事でわかること
 ・AWSが提供する「AWS IoT TwinMaker」について
 ・大規模デジタルツインに対応した「AWS SimSpace Weaver」について
 ・AWSサービスを利用したデジタルツイン構築事例について

AWSが提供する「AWS IoT TwinMaker」について

「AWS IoT TwinMaker」について説明する前に、まずは「デジタルツインテクノロジー」とは何かを見ていきましょう。

デジタルツインテクノロジーとは何か?

AWSでは「デジタルツイン」を次のように定義しています。

『デジタルツインは、物理オブジェクトの仮想モデルです。』

とてもシンプルすぎて、ピンとこないですね。少し補足すると、現実世界にあるさまざまなモノ(建物や車、設備機器など)や人などを、仮想空間上にデジタルデータとして再構築したものです。
これらのモデルは、現実世界からの情報をリアルタイムに反映させることができます。また、この影響をAIを駆使して計算し、モデル全体に対する変化などを予測することが可能です。
さらにパラメーターを操作して、いくつものパターンをシミュレーションした上で、理想的な状態にするための最適化などにも応用できます。

例えば、工場の設備や機器などをデジタルツインを利用してシミュレートすることで、生産性の向上や潜在的な障害に対する適切な予測、さらにメンテナンスやライフサイクルに関する最適な意思決定などを実現するために役立ちます。

実際に稼働している大規模工場では「ちょっとこのパラメーターを変えたらどうなるのか、試してみる」なんてことは、なかなか難しいでしょう。万が一、変更が原因で稼働が停止してしまったら、何億もの損害が生じかねません。
しかし仮想空間上であれば、何度でも繰り返し最適なパラメーターが見つかるまで試すことができます。

また、応用範囲が幅広いのもデジタルツインの特徴です。建設・製造・エネルギー・自動車・医療や都市計画など、個別の設備や機器から数百万人に及ぶ大規模シミュレーションまでカバーすることが可能です。*注1

「AWS IoT TwinMaker」でできること

デジタルツインを構築し利用するためには、いくつかの具体的な作業が必要になります。まず、現実世界にある対象を仮想空間上に再構築します。建築物や設備・機器などの対象物はCADやBIMデータとして提供されますが、それを仮想空間上でモデル化しビジュアライズしていきます。さらに、現実世界の情報をIoT機器などを通じて取得し、高速の5G回線でモデルと接続していきます。
このようなモデルやデータを元に、AIを活用した解析を実施し、その結果をダッシュボード上で可視化して、ユーザーが利用しやすいWebベースのアプリケーションなどへ落とし込みます。

「AWS IoT TwinMaker」は、このようなデジタルツインモデルの構築から活用までのツールを、AWSが提供する他のサービスと連携しながらトータルでサポートしてくれる便利な仕組みです。

「AWS IoT TwinMaker」が提供するワークスペース上には、エンティティ・コンポーネント・新アセット・その他の論理セットなどが含まれ、各データは「Amazon S3」サービスのバケットにリンクされています。
 また「IAMロール」を利用して、アクセス権限の付与設定などが可能です。

産業ロボットのモデルを構築する「AWS RoboMaker」や、実際のデータをモデルとシームレスに連携する「AWS Iot RoboRunner」なども、「AWS IoT TwinMaker」上で利用することが可能です。
また「AWS IoT SiteWise」とも連携し、IoT機器からの大規模データを収集しながら、モデル化・分析・視覚化することができます。

多種多様なIoT機器からのデータを統合的に取り扱い、可視化することで大幅な手間の削減に加え、アプリケーションとして利用できる環境のスピーディな構築に役立ちます。
また、「Grafana Labs」が提供する「GrafanaやAmazon Maneged Grafana」などの可視化ツールを利用したダッシュボードの作成にも対応しています。

このように、モデリング・データ連携・解析・可視化・アプリケーション化などのそれぞれのステップは、「AWS IoT TwinMaker」を使うことで統合的に管理し構築できるという、非常に優れたサービスです。*注2

大規模デジタルツインに対応した「AWS SimSpace Weaver」について

AWSがすでに提供しているいくつかの個別サービスを統合し連携させ、デジタルツインの構築からアプリケーション化までをサポートする、それが「AWS IoT TwinMaker」です。
AWSのサイト上には数多くのマニュアルが整備されていますので、従来よりはるかに簡単に結果を出すことができるでしょう。

しかし、都市計画や大規模な人流モデル、疫病の流行予測などにデジタルツインを活用しようとした場合、データ容量の増加という課題に直面します。
「数百万ものモデルが互いに干渉しながら個別に行動する。」その影響を考慮した上でシミュレーションするためには、膨大な計算量が要求されます。そのためマシンパワーが鍵となります。

せっかく完全に近いデジタルツインを構築したとしても、マシンパワー不足で動かないのでは意味がありません。従来であれば、このような大規模なデータの解析はスーパーコンピューターの出番でした。
しかし、さすがは我らの四次元ポケット「AWS」。困った時にはちゃんと便利ツールを出してくれます。

クラウドコンピューティングを利用した、大規模デジタルツイン対応の新サービスが「Amazon SimSpace Weaver」です。最大で10個の仮想サーバー(EC2インスタンス)を使用し、100万個以上の要素を設定することができます。
大規模イベントを開催する際の人流の予測や、スマートシティのシミュレーションなどにも対応できるパワーを有しています。
現在のところ、シンガポールやシドニーなど世界8つのリージョンで使用可能となっていますが、残念ながら日本は対象外です。*注3

AWSサービスを利用したデジタルツイン構築事例について

AWSでは、デジタルツイン活用のユースケースとして、「Coca Cola」の事例が紹介されています。それによると2ヶ月でデジタルツインを開発し、4ヶ月以内に配備を完了というスピード感で、洗浄プロセスの最適化・電力使用量20%削減・水使用量9%削減などの成果を出しています。

「Coca Cola」ほどの規模を持つ企業であれば、これまでにも生産性向上のための取り組みを幾度となく繰り返してきたはずです。
生産方法もある程度確立しているはずであり、ちょっとやそっとの改善を実施しても、劇的な効果を見込むのは難しい。。。生産現場で働いたことのある人なら、誰もがそう思うはずです。
しかし、デジタルツインを活用することで、これだけの成果を実現することができたというのは驚きです。
 
「Coca Cola」の例では「無駄の削減」にフォーカスされていましたが、他にも生産設備のライフサイクルマネジメントから、安全管理・品質管理・新製品開発プロセスのシミュレーションまで、幅広い分野での応用が期待されます。

さらに驚くことに、AWSのサイトではまるでニコニコ動画のノリで「(個人が)デジタルツイン作ってみた」という記事がいくつか掲載されています。『デジタルツインって、一個人レベルで簡単に構築できるものではない』という常識に「それができちゃうんですね」とAWSが宣言しているようです。

もちろん、大規模な都市のシミュレーションなどではありませんが、「自分の部屋をデジタル空間に再構築し、IoT機器からのデータをリアルタイム連携」なんてことを、さらっとやって見せてます。

他にもドローンから撮影した映像を元に、建物や地形を再現するなどのユースケースも紹介されています。ちょっと前なら「半年がかりのプロジェクトだな」と思えるようなことが、びっくりするぐらいわずかな手間で実現できるようになっています。

AWSが提供するデジタルツイン関連のサービスは、ここで紹介しきれないぐらい豊富です。「これがあると便利なのに」と思う事、一つひとつに対応するサービスがあり、まさに「痒い所に手がとどく」ようになっています。

「困った時はAWS」
デジタルツイン分野でも、AWSの圧倒的な存在が実感できるのではないでしょうか。*注4

【まとめ】

いつか未来のある時点から2023年を振り返ってみた時に「デジタルツイン元年」と呼ばれることがあるかも知れません。それぐらい「デジタルツイン」は、IT業界においてホットな話題となっており、さまざまな応用を含めて実用化が進められています。
これはAI・センサー・IoT・VR/AR、高速通信などの要素技術が出揃い、利用できる環境が整ったことが大きな要因です。これからはデジタルツインを「何に活用し」「どんなビジネスモデルを構築するか」が重要となってくるではないでしょうか。

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■参考文献
注1
AWS 「デジタルツインテクノロジーとは何ですか?』
https://aws.amazon.com/jp/what-is/digital-twin/

注2
info Q 「AWSがデジタルツインサービス IoT TwinMakerを一般提供でリリース」
https://www.infoq.com/jp/news/2022/05/aws-iot-twinmaker-ga/

AWS 「AWS IoT TwinMaker の概要」
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/iot-twinmaker/latest/guide/what-is-twinmaker.html

「バケットの概要」
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/AmazonS3/latest/userguide/UsingBucket.html

「Amazon S3 とは」
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/AmazonS3/latest/userguide/Welcome.html

「AWS IoT SiteWise の概要」
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/iot-sitewise/latest/userguide/what-is-sitewise.html

注3
Mogura VR 「AWSからデジタルツインの新サービス クラウドで大規模な空間シミュレーション」
https://www.moguravr.com/aws-simspace-weaver/

注4
AWS 「写真測量と AWS IoT TwinMaker によるデジタルツインの構築」
https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/building-a-digital-twin-with-photogrammetry-and-aws-iot-twinmaker/

「AWS IoT TwinMakerで自分の部屋のデジタルツインを作ってみた」
https://aws.amazon.com/jp/builders-flash/202203/twinmaker-room-visualization/

Developers IO 「AWS IoT TwinMakerで走行するトラックのデジタルツインを作って可視化してみた」https://dev.classmethod.jp/articles/displaying-a-digital-twin-of-a-truck-running-on-aws-iot-twinmaker/

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