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無料で使える!図面作成フリーソフト5選【2025年最新版】

1. はじめに

建築業界での設計図や施工図、そして平面図作成など、図面作成のタスクは日常的に発生する重要な業務です。しかし、AutoCADやRevitのような有料のCADソフトはライセンス料や更新費が高額になるため、導入コストを抑え、かつ業務に十分耐えうる機能を持った無料CADソフトに魅力を感じることも多いでしょう。実際に、建築設計フリーソフトやオープンソースCADを活用すれば、ライセンス費用を気にせずに図面作成を開始できます。経費削減につながると同時に、社内のソフトウェア利用ハードルを下げる効果が期待できます。

とはいえ、実務で求められるDWGファイルとの互換性やDXF対応、PDF出力など、専門的な要件をカバーできなければ、かえって作業が滞り業務効率が下がるリスクもあります。たとえば、平面図作成だけでなく3DモデリングやBIM対応CADとしての活用まで視野に入れている場合、単純な2D図面作成だけでは物足りないこともあるでしょう。操作性やレイヤー機能、パーツライブラリの有無、複数人コラボレーション機能なども考慮した上で、自社のニーズに合った設計ソフトを選ぶ必要があります。

本記事では、無料で使える設計ソフトの中から、建築業界向けツールとしておすすめしたいものをピックアップし、それぞれの特徴を詳しく解説します。プロ仕様CADとして十分な機能を備えながらコストゼロ(または低コスト)で使えるものや、初心者向けCADとして学習コストが低いものまで幅広く紹介しますので、今後の業務改善や社内のDX推進に役立てていただければ幸いです。

2. 建築業界での図面作成の重要性

建築業界では、図面作成が要となる業務が非常に多く存在します。具体的には、設計段階での設計図作成や、施工現場での施工図作成、さらにプレゼンテーション用の平面図作成などがあります。これらの図面を的確かつ迅速に用意することは、建築プロジェクトのスケジュール管理と品質確保に欠かせないため、どのようなCADソフトを利用するかが事業運営の要点にも直結するといっても過言ではありません。

たとえば中小企業の経営者であれば、高価な有料CADソフトに依存することでコスト負担が増大し、企業の収益を圧迫するリスクが心配になるのではないでしょうか。そこに無料で使える設計ソフトを導入できれば、初期投資を大幅に削減できるだけでなく、新たにソフトを導入する際の社内教育コストも軽減する可能性があります。また、特に2D図面作成をメイン業務とする場合は、シンプルな操作でDXF対応が可能な無料CADソフトで十分に作業をこなせるケースが多く、無理のない形で職場全体のワークフロー改善に取り組めるでしょう。

しかしながら、建築設計フリーソフトを利用する場合でも、ファイルの互換性や機能制限には注意を払う必要があります。プロ仕様CADのように高度なレンダリング性能や3Dモデリング機能、BIM対応CADとしてのワークフロー連携がフリー版では提供されない場合もあるからです。たとえば、AutoCAD互換を謳いながらも、複雑なDWGファイルを開けないケースや、一部機能が制限される場合もあります。こうした制約を理解せずに進めると、既存のプロジェクトとの連携がスムーズにいかず、かえって手戻りが発生する恐れがあります。

一方で、建築業界のトレンドとしては3DモデリングやBIMへの移行が進んでいるため、図面作成だけでなく3Dデータを扱えるソフトを導入すると、先々の技術革新に対応しやすくなるメリットがあります。市場競争力を高めるには、常に新しい技術を取り入れた設計手法の導入が必要ですが、それらの試験運用を無料CADソフトで小規模に開始できるなら、リスクを抑えながら取り組みを進めることができるでしょう。

以上のように、図面作成は建築業界において重要な役割を担っています。したがって、無料で使える設計ソフトを賢く活用できれば、中小企業の競争力を高める絶好のチャンスです。プロジェクトに合わせて適切なソフトを選び、顕在ニーズであるコスト削減と操作のしやすさ、さらに潜在ニーズである技術革新への適応や業務効率化などを同時に満たしていきましょう。

3. 無料図面作成フリーソフトの選び方

無料CADソフトを選ぶ上では、まず自社の業務内容やニーズを正確に把握することが大切です。2D図面作成が主体なのか、それとも3DモデリングやBIM対応CADとしての機能が必要なのか、あるいは既存DWGファイルを問題なく扱うためにAutoCAD互換が重要なのかといった点を洗い出すことで、効率的なソフト選定が可能になります。

また、中小企業が導入実績の少ないフリーソフトを取り入れる場合、安心して長く使えるように、コミュニティの活発さや開発元の信頼度もチェックしましょう。オープンソースCADならば公式フォーラムやユーザーチュートリアル、バグ修正の頻度などを確認しながら、どの程度まで実務利用に耐えられるかを見極めることが重要です。特に、複数人コラボレーションが必要な部署やテレワーク主体の職場ではクラウド対応CADが便利ですが、無料版でどこまでの同時編集が可能か確認しないと、想定以上に制限が多く、逆に業務が滞るリスクがあります。

さらに、実務の成果物としてPDF出力を行う機会が多い場合は、高品質のPDF出力機能を選定基準に含めるとよいでしょう。プレゼンやクライアントへの図面提出で紙媒体が必須となる場合、図面のスケール調整やPDF化におけるフォント崩れの有無は、社外資料の完成度を左右します。レイヤー機能の有無やパーツライブラリの充実度も、設計図作成や施工図作成の効率を大きく左右するため、チェックリストを作成して複数のソフトを比較検討すると失敗を減らせます。

このように、フリーソフトを導入するメリットは大きいですが、同時にライセンスの取り扱い状況も確認する必要があります。無料で使える設計ソフトであっても、「商用利用可」なのか「個人利用限定」なのかによって業務利用の是非が変わってきます。建築業界向けツールとして一般的に勧められているソフトウェアは、公式サイト上に商用ライセンスについての明示的な記載がある場合が多いので、その点もしっかり確認してください。

3.1. 用途に応じた選択肢

無料CADソフトの導入を検討する際、まずは自社がどのような用途で設計作業を行うのかを明確にすることが必要です。たとえば、店舗の改装や住宅の平面図作成がメインなら、複雑な3Dモデリング機能までは求められない場合もあります。そうしたときは2D図面作成に特化したシンプルな無料CADソフトでも十分役立ちますし、操作が軽快なソフトを選んだほうが現場の実務スピードを損なわずに済むでしょう。

一方で、意匠設計や建築パースを用いる場面が多い企業では、3Dモデリング機能やBIM対応CADとして使えるかどうかが最重要ポイントになります。現代の建築プロジェクトは、3Dモデルをもとに検討や合意形成を行うケースが増えているため、FreeCADやSketchUp Freeのように3D対応が可能なソフトを視野に入れるのが賢明です。さらに、取得した3DデータをBIMソフトに連携して建物全体の情報管理を行いたい場合には、パラメトリックモデリングや独自フォーマットへの対応状況を十分に確認しましょう。

加えて、自社ですでにDWGファイルを多用している場合は、AutoCAD互換のある無料CADソフトが非常に便利です。DraftSightやnanoCADなどは、DWG形式での保存や読み込みが可能となっており、旧データを活かしながら新規案件にも対応できるメリットがあります。

しかし、異なるCADソフト間での微妙な表現の違いにより、図面要素が意図せずズレる可能性もゼロではないので、最初はテスト運用をしてから本番導入するのがおすすめです。

このように用途別に適切なソフト選びをすることで、ソフトの導入効果を高め、業務効率の向上やコスト削減という顕在ニーズをしっかり満たしやすくなります。同時に、3D化やクラウド対応CADの試験導入など、長期的な潜在ニーズにも応えられる柔軟性を確保できるでしょう。

3.2. フリーソフト選定のポイント

無料で使える設計ソフトを導入する際には、いくつかの指標を押さえておくと失敗を避けられます。

第一に、ソフトの操作画面が日本語対応かどうか、あるいはチュートリアルやサポート情報が十分整備されているかを確認するのが大切です。特に、社内にCAD熟練者が少ない場合は、操作を学ぶ難易度が低いソフトを選ぶことでスムーズな移行が可能になります。

第二に、ファイルフォーマットの対応範囲も要チェックです。DWGファイルを扱うことが多いならAutoCAD互換の精度が高いソフト、DXF対応を重視するならLibreCADなど、ニーズにあったものを選定しましょう。また、PDF出力が必要な場合は、シートサイズやレイアウト、スケール調整などが柔軟にできるかを確認すると、後から余計なトラブルを回避できます。これらの設定機能をスムーズに扱えるかどうかは、実際にテスト図面を作成してみると一目瞭然です。

第三に、日常の作業フローに合わせた便利機能があるかどうかも大事なポイントです。レイヤー機能やパーツライブラリの充実度はもちろん、クラウド対応CADとしてのデータの一元管理や、複数人コラボレーションを容易にする仕組みがあるかどうかで、業務効率が大きく変わります。Mac対応CADなのかWindows対応CADなのか、あるいはブラウザ上で動くソフトなのかも、自社のIT環境に合致するかどうかを判断するうえで欠かせません。

最後に、商用利用ライセンスやサポートの有無を明確にする必要があります。社内の安定運用を目指すなら、有料サポートへのアップグレードが可能なソフトや、ユーザーコミュニティが活発でトラブルシューティングしやすい環境が整ったものを選ぶと安心です。これらの視点を踏まえれば、無料CADソフトであっても十分に実務レベルの図面作成を行いつつ、ランニングコストを最小限に抑えながら建築業務を展開できるようになるでしょう。

4. おすすめの図面作成フリーソフト5選

ここからは、実際に建築業界の現場で役立つと評判の高い無料CADソフトを5つに厳選してご紹介します。いずれもダウンロードや導入が容易で、初心者向けCADとしてもプロ仕様CADとしても活用しやすいものが揃っています。

ご紹介するのはそれぞれ特徴が異なるソフトウェアなので、用途や希望機能に合わせてチョイスするのがポイントです。たとえば、2D図面作成を中心とするシンプルな案件にはLibreCADを、BIM対応CADや3Dモデリングを試みたいならFreeCADを、AutoCAD互換で既存のDWGファイルをガンガン扱いたいならDraftSightやnanoCADを、といった形で選択肢を絞りやすくなるでしょう。

複数人コラボレーションが必要でクラウド対応CADを検討している場合にも、SketchUp Freeが候補に入るかもしれません。いずれにせよ、自社の業務プロセスや将来の技術移行を見据えて選択すると、導入後の効果が大きく変わってきます。興味のあるソフトが見つかったら、まずは実際にインストールやブラウザ上で試用してみて、操作の直感性や日本語対応の度合いを確かめることをおすすめします。

以下に紹介する5つの無料CADソフトは、導入コストを削減するだけでなく、学習コストも比較的低く抑えられ、かつ実務レベルの図面作成に耐えうる機能を備えています。それぞれの特徴と利点をうまく活かすことで、建築業務における作業効率を大きく向上させることができるでしょう。自社の状況に合ったCADソフトを見つけるきっかけにしていただければ幸いです。

4.1. LibreCAD – 2D図面作成の基本

画像引用: LibreCAD「Free Open Source 2D CAD」
https://librecad.org/

LibreCADは、オープンソースCADとして有名で、完全無料でありながら2D図面作成の基本機能が充実しています。特にDXF対応に優れており、建築業界向けツールとしてシンプルな施工図作成や平面図作成を行う際に非常に重宝するでしょう。操作画面は比較的わかりやすく、英語が苦手なユーザーでもネット上に日本語の情報が豊富にあるため、導入初期でも学びやすいという魅力があります。

LibreCADのメリットとしては、まず動作が軽いことが挙げられます。古いパソコンやスペックの限られた環境でもスムーズに作業ができるため、中小企業が既存のハードウェアを再利用しながらCAD業務をスタートするのにも適しています。また、ユーザーコミュニティがオープンソースプロジェクトを支えており、問題発生時にフォーラムやSNSなどで質問すれば多くの事例やノウハウが得られる点も安心です。

ただし注意点として、DWGファイルの読み書きには対応していないため、既存のAutoCAD図面を扱う必要がある場合は、DraftSightやnanoCADなど他のソフトウェアと使い分けるのが賢明です。とはいえ、LibreCADは2Dメインの設計作業を効率よくこなすうえで十分な機能を持ち、特にレイヤー機能やスケール調整もしっかり搭載されています。PDF出力や図形編集もスムーズに行えるので、シンプルなプロジェクトを前提とする初心者向けCADとしてはもちろん、軽量な無料CADソフトを探している方にもおすすめできます。

もし、より複雑な建築設計を想定しているのであれば、後述する3D対応やAutoCAD互換のあるソフトと併用することで、業務の幅を広げられるでしょう。いずれにしても、LibreCADは導入のハードルが非常に低く、学習コストが少ないため、「まずは無料で使える設計ソフトを試してみたい」という企業にはうってつけの選択肢です。

4.2. FreeCAD – 3Dモデリングの自由度

画像引用: FreeCAD「あなたのための 3D パラメトリック・モデラー」

https://www.freecad.org/index.php?lang=ja

FreeCADは、オープンソースCADの中でも3Dモデリングに強みを持ち、建築業界におけるBIM対応CAD的な使い方も視野に入る、高機能CADとして注目されています。2D図面作成はもちろんですが、パラメトリックモデリングを基盤とした設計が可能なため、一度作成した部品や形状をサイズ変更すると、それに応じて全体モデルが自動的に再生成されるのが大きな特徴です。

特に、建築パースや家具配置など、設計における3D表現を重視する事業者にとっては、無料で使える設計ソフトでありながら大幅にコストを削減できる選択肢となるでしょう。さらに開発コミュニティが活発で、プラグインやモジュールを追加することで機能を拡張できる点も人気を集めています。DXF対応やSTEP、IGESといった幅広いフォーマットを扱えるため、他のCADソフトや3Dツールとの連携もしやすいのが魅力です。

ただし、3D機能が豊富な反面、操作画面やメニュー構成が複雑に感じられることもあり、特に初めて3Dモデリングに触れる方にとっては学習コストがやや高い傾向があります。そのため、2D図面作成が主体で3D機能を使う予定がない場合、もう少し軽量なソフトのほうが導入初期の混乱を避けられるかもしれません。一方、3Dでのやり取りが増えている現場や将来的にBIM連携を視野に入れている経営者には、大いに活用価値があります。

FreeCADは商用利用も認められているため、スタートアップ企業や中小企業でも安心して業務利用できる点がメリットです。自動化やスクリプトによる設計フローの効率化を目指す場合も柔軟に対応できるため、社内教育と並行して取り入れれば、技術革新への適応という潜在ニーズに応える大きな一手になるでしょう。

4.3. DraftSight – AutoCAD互換の選択肢

画像引用: DraftSight「無料トライアルお申込みフォーム」

https://www.draftsight.com/ja/freetrial

DraftSightは、AutoCADと高い互換性を誇ることで知られる2D CADソフトです。DWGファイルを直接扱えるため、すでにAutoCADを導入している企業がコスト削減の一環としてフリーソフトに移行する際に検討しやすい選択肢となっています。基本的な操作感がAutoCADと似通っているため、学習コストも比較的低く、既存ユーザーがソフトを切り替えた場合でも短期間で業務に復帰しやすいのが強みです。

DraftSightの無料版は、2D図面作成に必要な機能をほぼひと通り包含しており、施工図作成や平面図作成など、一般的な建築業務の多くをカバーできます。また、レイヤー機能やキーボードコマンドなど、AutoCADの使い方を踏襲しているため、チーム内にAutoCAD経験者が多い場合はスムーズに移行できるでしょう。PDF出力やDXF対応も問題なく行えるため、クライアントへの提出資料も作成しやすい点が魅力です。

一方で、DraftSightには有料版も存在し、3D機能やサポートなどを充実させたい場合はアップグレードが必要になることがあります。無料版では利用に期限が設定される場合や、ライセンス形態が変更されることがあるため、商用利用を念頭に導入するなら最新のライセンス情報を公式サイトで確認することをおすすめします。

しかしながら、AutoCAD互換という大きな利点によって、過去のDWGファイルを読み込みながら新しい図面を作成し、コストパフォーマンスを重視したいという顕在ニーズを満たせるソフトであるのは間違いありません。特に、中小企業で既存のCADインフラを捨てずに無料CADソフトへ切り替える場合、DraftSightの導入は検討に値する有力なコスト削減策となるでしょう。

4.4. nanoCAD – プロ仕様の無料CAD

画像引用: nanoCAD「Affordable and Powerful 2D/3D CAD Software for Professionals」

https://nanocad.com/

nanoCADは、DWG完全対応を大きなセールスポイントとする、プロ仕様CADの無料版です。無料版でありながら強力なレイヤー管理機能やブロック作成機能を備えているため、一般的な建築図面だけでなく、より大型のプロジェクトでも実用的に使える点が魅力となっています。AutoCADに近いインターフェースを採用しているため、2D図面作成に慣れた技術者がスムーズに操作を覚えられるのもポイントです。

さらに、nanoCADには複数の有料アドオンや上位版が用意されているため、将来的に3DモデリングやBIM対応CAD機能、さらに高度なコラボレーション機能が必要になった場合でもステップアップがしやすいのが特徴です。商用利用が認められている無料版であっても、かなり幅広い機能を使えるため、まずは低コストで導入し、業務の実態に合わせて拡張していくといったフレキシブルな運用がしやすくなります。

ただし、すでにAutoCADとは異なる環境で図面作成をしている場合や、Mac対応CADを探している場合は、nanoCADがWindows専用である点に留意する必要があります。あらかじめ自社のOS環境や業務フローを確認したうえで導入を検討するとよいでしょう。また、無料版とはいえDWGファイルを扱う上で生じる互換性の細部は注意が必要で、図面によってはフォントなどがズレるケースもあるため、移行前にテストをおすすめします。

総じて、nanoCADは高機能CADとしてのポテンシャルを秘めた選択肢です。業務規模の拡大や3Dモデリングへのステップアップを見据えつつ、現時点でのコスト削減とAutoCAD互換を重視する中小企業には最適なフリーソフトといえます。プロジェクト管理機能も含め、ゆくゆくは大手有料ソフトに匹敵する活用幅を目指す方にとって、一度試してみる価値が十分あるでしょう。

4.5. SketchUp Free – 直感的3D建築設計

・SketchUp「Free 3D Modeling Software | 3D Design Online | SketchUp Free Subscription」

https://www.sketchup.com/en/plans-and-pricing/sketchup-free?srsltid=AfmBOorActwXVUmjhGbUvKOjMYD9L5Yx0PjVIe0heQMJrL04wGdgVNfm

SketchUp Freeは、ブラウザ上で手軽に3Dモデルを作成できるソフトウェアとして、多くの設計者やインテリアデザイナーに利用されています。かつてはGoogleが開発に携わっていたこともあり、初心者でも視覚的に直感的な操作で3D形状を作り上げやすい特徴があります。2D図面作成というよりも、3Dモデリング重視のワークフローに最適で、建築パースやインテリアのイメージ作成などに効果を発揮するでしょう。

クラウド対応CADとしてWebブラウザから利用できるため、特別な環境構築が不要でMac対応CADやWindows対応CADとの区別なく使える点も大きなメリットです。複数人のコラボレーションにも適しており、同じプロジェクトファイルをチームで共有してアイデアを出し合うことができます。標準搭載されているツールセットは基本的なものですが、STLやOBJなどへのエクスポートにも対応しているので、3Dプリンタや他の3Dソフトウェアとも連携しやすいのが魅力です。

ただし、無料版では商用利用に関するライセンス条件を確認する必要があり、また導入後に追加プラグインを自由に使えるPro版とは異なる制限も存在します。また、測定ツールや正確な寸法管理を必要とする施工図作成などに特化した使い方にはやや不向きと感じる場合があるかもしれません。高機能CADとしてのレイヤー機能やパーツライブラリの充実度は他ソフトに劣る面もありますが、操作性の高さと3Dデザインのしやすさは群を抜いています。

総合的に、SketchUp Freeは建築デザインのアイデア出しとイメージ共有に強みを発揮する無料で使える設計ソフトです。建築設計フリーソフトを初めて試すユーザーでもすぐに操作に慣れやすく、3D表現を積極的に導入したいと考える中小企業の経営者や設計担当者にぴったりでしょう。

建築図面作成フリーソフト比較表

ソフトウェア主な用途対応フォーマット主なメリット主なデメリット商用利用
LibreCAD2D図面作成DXF軽量・無料・2D機能充実DWG非対応可能
FreeCAD3Dモデリング・BIM対応DXF, STEP, IGESBIM対応・3Dパラメトリックモデリング学習コスト高・UIが複雑可能
DraftSightAutoCAD互換2D CADDWG, DXFAutoCAD互換・DWG対応・学習コスト低無料版の利用期限あり・3D機能なし要確認
nanoCADプロ仕様2D/3D CADDWGプロ仕様・DWG互換・高機能Windows専用・フォントずれの可能性要確認
SketchUp Free直感的3D建築設計STL, OBJ直感的操作・クラウド対応・3Dデザイン向け精密設計には不向き・無料版に制限あり要確認

5. 無料ソフトのメリットとデメリット

無料で使える設計ソフトを導入する最大のメリットは、やはりライセンス料の削減により経費を圧縮できる点です。有料ソフトをいきなり購入するよりも初期リスクが低く、本格導入前にテスト運用を行いやすいのは中小企業の資金繰りを考える上で非常に重要な要素となります。一方、無料版には機能制限やサポート体制の不備が伴うことも多く、これは業務上の信頼性や長期的な運用を考えたときの懸念材料にもなり得ます。

以下では、無料CADソフトのメリットとデメリットを整理し、どのような場面で真価を発揮するのか、またどのような点に注意して利用すればよいのかを詳しく解説します。自社の顕在ニーズ(コスト削減、操作のしやすさ、ファイル互換など)と潜在ニーズ(技術革新への適応、人材教育、安定したサポートなど)を照らし合わせながら、導入可否を検討してみてください。

メリットとデメリットを把握したうえで、必要に応じて上位版や有料プランを検討するのもひとつの方法です。そうすることで、初期段階では無料版で費用を抑え、社内の反応や業務フローへの適合度をテストしながら、将来的には業務拡大やより高度な設計が求められた段階で拡張していくという柔軟な運用計画が立てられるでしょう。

それでは、フリーソフトがもたらすメリットとデメリットの詳細を次の節で確認し、どのように有効利用できるのかを考えてみましょう。

5.1. メリット:コスト削減とアクセシビリティ

無料CADソフトを採用するうえで、まず真っ先に期待される効果がコスト削減です。有料ソフトのライセンスを何十台分も用意すると、年額や更新費用で相当の出費になることがあります。特に、リモートワーク体系が広まる中では、自宅から設計業務を行う社員が増える可能性もあり、ライセンス数がさらに増えるかもしれません。その点、無料で使える設計ソフトなら、導入費用の面で大きな負担がなく始められるので、中小企業の経営者にとっては大きな魅力となるでしょう。

次に挙げられるのがアクセシビリティです。最近の無料CADソフトは、ブラウザ上で動作するクラウド対応CADのバージョンも含まれるため、場所を選ばずに図面の閲覧や編集がしやすい特徴があります。また、導入するハードルが低いことで社内の複数部門にCADの活用を促しやすく、これまで設計担当だけが触れていた図面データを営業や企画部門と共有し、よりスピーディにプロジェクトを進行することも可能になります。こうした社内横断的な情報共有体制の強化は、業務効率化やコミュニケーション改善にも大きく寄与するでしょう。

5.2. デメリット:機能制限とサポートの課題

無料版のCADソフトを利用するうえで覚悟しておきたいのが、機能面やサポート面での制約です。一部のソフトウェアでは、高度な3DモデリングやBIM対応CADとしての機能が無償版では制限されていたり、AutoCAD互換が限定的にしか機能しないことがあります。

せっかく導入しても、自社で求められる機能が不足していると業務を完遂できず、結局は有料ソフトに乗り換えるはめになり、時間と手間を無駄にするリスクもあります。

また、サポートがコミュニティ頼みとなる場合が多いのも無料版の共通した課題です。ユーザーコミュニティが充実しているソフトであれば、トラブルが起きてもフォーラムで迅速に解決策を得られるかもしれませんが、タイミングや内容によっては回答が得られなかったり、問題解決までに時間がかかることもあるでしょう。定期的なアップデートが途絶えてしまうケースもあり、ソフトが急に使いにくくなるというリスクも否定できません。

さらに、商用利用が制限される無料ソフトも存在します。ライセンス条項をしっかり確認せずに業務で使ってしまうと、後になって使用条件違反を指摘される恐れがあるため注意が必要です。社内教育の段階で、利用可能範囲や禁止行為を周知徹底しないと、知らないうちに契約違反につながることも起こり得ます。

こうしたデメリットを踏まえると、無料CADソフトは自社の要件をすべて無償版でカバーできるか慎重に見極めることが重要です。長期的な業務運用を想定する場合は、有料版への移行プランやサポート契約のオプションも含めて検討すると、リスクを最小限に抑えつつ、ソフト本来の機能を最大限に活かせる道が開けるでしょう。

6. まとめ

本記事では、建築業向けの無料CADソフトの選び方、おすすめの5つのソフト、導入メリット・デメリットについて解説しました。ソフト選びのポイントとして、「どのような図面を作成するか」「将来的に3DモデリングやBIM対応が必要か」を整理することが重要です。  

無料ソフトの導入では、コスト削減だけを優先すると業務に適さず、機能不足や互換性の問題に直面するリスクがあります。そのため、無料版の範囲で足りるのか、有料版へのアップグレードが必要かを見据えた導入計画を立てることが推奨されます。また、ソフトの学習コストや日本語情報の充実度、新規スタッフの教育も考慮すべきポイントです。  

用途別に適したソフトを選ぶことが重要で、例えば、LibreCADは軽量で2D図面作成向き、FreeCADは3DモデリングやBIM導入を見据えた設計に適しています。DraftSightや nanoCADはAutoCAD互換を重視する企業に向いており、SketchUp Freeは直感的な3Dデザインを求める場合に最適です。  

初心者には習得が容易な LibreCADやSketchUp Freeが向いており、プロレベルの設計ではDraftSightやnanoCADなどのAutoCAD互換ソフトが有力な選択肢になります。企業が無料ソフトを導入する際は、短期的なコスト削減だけでなく、業務効率化や将来の技術拡張を見据えて最適なソフトを選ぶことが重要です。  

無料CADソフトを上手く活用し、コスト削減と業務効率の向上を両立させ、建築業界における競争力を強化しましょう。

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参考文献

・LibreCAD「Free Open Source 2D CAD」
https://librecad.org/

・FreeCAD「あなたのための 3D パラメトリック・モデラー」
https://www.freecad.org/index.php?lang=ja

・DraftSight「無料トライアルお申込みフォーム」
https://www.draftsight.com/ja/freetrial

・nanoCAD「Affordable and Powerful 2D/3D CAD Software for Professionals」
https://nanocad.com/

・SketchUp「Free 3D Modeling Software | 3D Design Online | SketchUp Free Subscription」
https://www.sketchup.com/en/plans-and-pricing/sketchup-free?srsltid=AfmBOorActwXVUmjhGbUvKOjMYD9L5Yx0PjVIe0heQMJrL04wGdgVNfm

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