AutoCAD 2018の主な機能と動作環境、サポート体制について解説
2017年3月にリリースされたAutoCAD 2018ではファイルダイアログおよび作図補助設定ダイアログ、PDFインポート機能の強化、外部参照のパスの強化などの機能強化および改善が行われており、作業の効率化を図れるようになりました。
しかし2023年12月現在、AutoCAD 2018はAutodesk社によるサポートの対象外となっています。また、Windows11にも対応していないため、将来的に利用しにくくなる点が懸念されるでしょう。
本記事ではAutoCAD 2018の主な機能に触れつつ、動作環境やサポート体制について解説していきます。AutoCAD 2018を利用している方は、ぜひ最後までお読みください。
この記事を読むと、以下のことがわかります。
1.AutoCAD 2018の主な機能
2.AutoCAD 2018の動作環境とサポート体制
AutoCAD 2018の主な機能
AutoCAD 2018で実装された主な機能は次の通りです。
・図面ファイル形式
・ファイルダイアログおよび作図補助設定ダイアログ
・PDFインポート機能の強化
・外部参照のパスの強化
・4K高解像度モニターのサポート
・Subscribe Now
ここでは、主な機能の中から3つの特徴をみていきます。
図面ファイル形式
AutoCAD2018では図面ファイルのDWGファイルが2018形式に変わりました。2018形式のDWGファイルの特徴は次の通りです。
・異尺度対応のオブジェクトやビューポートを含む図面を開く操作および保存操作の効率性向上
・3Dソリッドやサーフェスの作成における、セキュリティと安定性が向上した最新ジオメトリモデラ(ASM)の実装
AutoCAD 2017以前のバージョンで2018形式のDWGファイルを開くとバージョンが異なるため図面ファイルを確認できない旨のメッセージが表示されます。2017以前のバージョンで2018形式の図面ファイルを開きたい場合、Autodesk社のDWG TrueViewをダウンロードし、データを下位バージョンに保存してから開く必要がある点を知っておきましょう。(DWG True Viewのダウンロードはこちらから)
ファイルダイアログ・作図補助設定ダイアログ
ファイルダイアログおよび作図補助設定ダイアログの実装により、作業の効率性が向上します。図面の保存時に表示されるファイルダイアログにおいて並び替えの状態が記憶できるようになりました。例えば、ファイル名を名前順に並び替えファイルダイアログを閉じると、再度開いた際に前回と同様のファイル名順にファイルが表示されるようになります。
また、作図補助設定ダイアログのサイズ変更が可能になりました。各設定項目のタブの切り替えを容易に設定できます。
PDFインポート機能の強化
AutoCAD 2018ではSHXテキスト認識ツールを使用し、インポートしたPDFジオメトリをテキストまたはMテキストオブジェクトに変換できるようになりました。テキストおよびMテキストツールの拡張により、一行または複数行テキストオブジェクトの組み合わせから、フォーマットを自動推量しつつ、単一の複数行テキストオブジェクトに変換可能です。
AutoCAD 2018の動作環境とサポート体制
AutoCAD 2018のWindows11への対応の可否や2023年現在のサポート体制が気になっている方もいるでしょう。ここでは、AutoCAD 2018の動作環境とAutodesk社によるサポート体制の内容について詳しくみていきましょう。
動作環境
AutoCAD 2018の動作環境は次の通りです。*1
オペレーティング システム | ・Microsoft Windows 7 SP1(32ビットおよび64ビット)・Microsoft Windows 8.1(32ビットおよび64ビット※)・Microsoft Windows 10(64ビットのみ) |
CPUの種類 | 32ビット:1GHz以上の32ビットプロセッサ64ビット:1GHz以上の64ビットプロセッサ |
メモリ | 32ビット:2GB(4GBを推奨)64ビット:4GB(8GBを推奨) |
画面解像度 | 従来型ディスプレイ:True Color対応1360×768(1920×1080を推奨) 高解像度および4Kディスプレイ:Windows 10、64ビットシステムでサポートされる最大3840×2160の解像度 |
ディスク空き容量 | インストール用に4.0GB |
ブラウザ | Windows Internet Explorer 11以降 |
メディア(DVD) | ダウンロードとDVDからのインストール |
ツールクリップ用のメディアプレイヤー | Adobe Flash Player v10以上 |
AutoCAD 2018はWindows11には対応していません。Windows11に対応しているバージョンはAutoCAD 2021以降のバージョンです。
サポート体制
従来AutoCAD 2018を含めたAutodesk社の製品をダウンロードした場合、次のような特典を受けられました。
・前バージョンの使用
・技術サポート
・ソフトウェアの更新
・修正プログラムの適用
しかし、サービスや製品の進化によって、過去にリリースしたバージョンの技術では最新技術との互換、アクティベーションシステムの継続およびセキュリティの保持などに対応できないとAutodesk社は判断し、2021年3月から4世代以前のバージョンのサポートは対象外としました。2023年12月現在、AutoCAD 2018も製品サポートの対象外となります。*2
永久ライセンスの使用権は消滅しないため、AutoCAD 2018のバージョンの利用は可能です。ただし、2021年3月以降、AutoCAD 2018のアクティベーションコードの再発行が不可能になり、再インストールしなければならない状況になった場合、使用できなくなる点に留意しましょう。
また、修正プログラムの提供やソフトウェアの更新も自動では行われないため、セキュリティ面においてリスクが発生する可能性も否定できません。セキュリティ確保のために、サポートの対象となるバージョンへのアップグレードを推奨します。
AutoCAD 2018の日本語言語パックの利用方法
AutoCAD 2018以前にリリースされたバージョンの日本語言語パックは、ビジネス上の事情により利用できません。2019年以降のバージョンの場合、日本語言語パックを利用できます。日本語言語パックを利用できるバージョンは次の通りです。*3
・AutoCAD 2019~2022 Language Pack
・AutoCAD LT 2019~2022 Language Pack
また、2023以降のバージョンの場合、Autodeskのアカウントから言語パックを直接ダウンロードすることで日本語言語を利用できます。Autodeskのアカウントから言語パックを取得する方法は次の通りです。
1.Autodeskのアカウントにサインインする
2.「すべての製品とサービス」をクリックする
3.タイルの「AutoCAD」の「詳細を表示」をクリックする
4.利用したいバージョンを選択する
5.「言語」をクリックする
6.利用したい言語パックを選択し、「ダウンロード」をクリックする
まとめ
本記事ではAutoCAD2018の動作環境やサポート体制、主な機能について解説しました。AutoCAD2018では新しい図面ファイル形式の実装やファイルダイアログ・作図補助設定ダイアログの追加などの機能強化が行われました。
2023年12月現在、AutoCAD 2018はAutodesk社によるサポートは受けられません。ソフトウェアの更新が自動的に行われないため、セキュリティ面で不安を覚える方もいるでしょう。
また、AutoCAD 2018はWindows11に対応していません。将来的に使用しにくくなってしまう可能性が想定されます。今後もAutoCADの利用を継続したい場合、セキュリティ面においても最新のバージョンを使用することをおすすめします。
建築・土木業向け BIM/CIMの導入方法から活用までがトータルで理解できる ホワイトペーパー配布中!
❶BIM/CIMの概要と重要性
❷BIM/CIM導入までの流れ
❸BIM/CIM導入でよくある失敗と課題
❹BIM活用を進めるためのポイント
についてまとめたホワイトペーパーを配布中
参考サイト
*1
Autodesk「AutoCAD 2018の動作環境」https://www.autodesk.co.jp/support/technical/article/caas/sfdcarticles/sfdcarticles/JPN/System-requirements-for-AutoCAD-2018.html
*2
Autodeskコンシェルジュセンター「オートデスクセンターの新たなサポート体制『製品ライフサポートサイクル』への移行」
https://www.cadjapan.com/special/autodesk-concierge/useful/article/190823-01/
*3
Autodesk「AutoCADの日本語言語パック」