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AutoCADを使った作図をする際の注意点とは?

AutoCADは世界で最も使用されているCADソフトの一種で、高いパフォーマンスを発揮できるのが強みです。ただ、運用にあたっては理解しておくべき点も少なくなく、使い方に戸惑ってしまったり、便利な機能に気づけていないケースもあります。

この記事では、そんなAutoCADを使ってより上手に作図するための注意点や、AutoCADの上達につながるコツやポイントを解説します。

目次:

  1. AutoCADを使った作図の注意点
  2. AutoCADを便利に使うためのコツ
  3. AutoCAD上達のポイント

AutoCADを使った作図の注意点

Autodeskは、AutoCADを使った作図を行う上での注意点として、以下のようなポイントを紹介しています*1。具体的にどのような点に気をつけるべきなのか、ここで詳しく確認しておきましょう。

図面間の違いを理解する

1つ目のポイントは、図面間の違いへの理解です*2。AutoCAD 2019以降、図面比較機能を活用することでバージョンの異なる図面間が抱える形状のギャップを可視化し、レポートにまとめることができます。

バージョンの異なる図面を運用する場合、プロパティや色、画層や線の種類など、さまざまなところで違いが発生することがあります。この違いの生まれを無視して作業を進めてしまうと、後の工程に支障をきたすことも考えられるため、早い段階で把握し、対処することが大切です。

図面比較機能を活用することで、図面間の違いをまとめて比較することができたり、許容差をして運用上の不都合を軽減したりすることができます。

PDF読み込みに注意を払う

AutoCADは仕様書などのPDF情報を読み込むことができますが、注意しておきたい点もあります*3。AutoCAD 2017以降の製品では、PDFから2Dジオメトリ情報を抽出することが可能です。PDFデータから別のツールなどを使ってデータを作成する必要がないので、積極的に活用しましょう。

また、ファイル内のTrue Type文字はマルチテキストオブジェクトとして読み込まれる一方、SHX文字は文字として認識されず、ポリラインとして読み込まれます。AutoCAD 2018から導入されたSHX文字認識機能を活用することで、指定したSHX文字をマルチテキストに変換し、運用が可能です。マルチテキストは結合ツールを使うことで、任意の一つの文章として活用することもできます。

CADの標準仕様を理解する

AutoCADが備えるCADの標準仕様機能とは、社内で定めているCADのスタンダードに準拠した図面作成が行えるものです*4。図面ファイルの画層や線の種類、寸法スタイルなど、多くの使用を社内標準で定義しておくことができ、その上AutoCADの運用基準もそれに準拠させられます。

社内標準を定義しておかないと、図面作成のたびに仕様について確認したり、修正を行ったりする手間がかかります。標準仕様を定め、それを効果的に運用できる環境を構築することで、生産性向上や品質の向上に貢献するでしょう。

社内の標準仕様をAutoCADに定義させるためには、標準仕様ファイルというものを作成する必要があります。.dws形式のファイルを作成することで、スタンダードとして定義づけが可能です。

また、作成中の図面ファイルと標準仕様ファイルを関連づけることで、図面の確認に使うことができます。管理タブからCAD標準仕様パネルを開き、環境設定あるいはSTANDARDSコマンドの実行で使える機能です。機能の実行によってダイアログが開き、問題がいくつ確認出来たかを知れるとともに、修正を適用するか、無視するかを選べます。

共有ビューの仕組みを把握する

AutoCADの便利な機能として、共有ビュー機能というものがあります*5。これはAutoCAD 2019以降から実装されている仕組みで、DWGファイルとしてメールなどで送らなくとも、クラウド経由で関係者と図面を共有することができるものです。

DWGファイルに変換して共有する場合、最新の情報共有がやりづらくなるため、生産性向上の足かせとなります。共有ビュー機能を有効活用し、コミュニケーションコストを限りなく小さくするのがポイントです。

共有ビュー機能は、Webブラウザから利用できるAutodesk Viewerから利用することができます。画層の表示やモデルの表示、プロパティの展開、その他画面移動や計測、ズームなど、あらゆる操作ができるため、図面を共有したいだけであればこれで十分です。

グラフィックスパフォーマンスに気をつける

AutoCADは負荷の大きな作業が多数発生するため、スペックに不安を抱えるPCでの運用に際しては、グラフィックスパフォーマンスへの配慮が必要です。AutoCAD 2019以降、

2Dグラフィックスの描画や再作図の操作が合理化されているため、パフォーマンスの大幅な改善が実現しています*6。

グラフィックスパフォーマンスを細かく設定できるようになり、基本・中間・詳細モードを切り替えることで、メモリ負荷を必要に応じて変化させられます。現在対応中のタスクに応じて、最適なパフォーマンス設定を適用できるようになれば、非常に心強いでしょう。

AutoCADを便利に使うためのコツ

上記の注意点を踏まえ、AutoCADをより便利に扱うためのコツとしては、まず頻繁に使用する機能のショートカットコマンドを覚えることです。基本的なコピーアンドペーストや拡大・縮小、その他ファイル関係のコマンドなど、クリック操作よりもはるかに素早く操作できるようになるため、初歩的なものだけ覚えるということでも非常に役立ちます。

AutoCADはとにかく多機能なので、少しでも機能活用の負担を小さくする取り組みが利便性改善の一歩となるでしょう。

AutoCAD上達のポイント

AutoCADを少しでも早く上手く使えるようになるためには、とにかく多くの図面作成プロジェクトにたずさわることです。手を使って実践レベルで運用する技術が問われるため、体に技術を身につける必要があります。そのためには、実際にソフトを触って使い方や細かなノウハウを覚えるに限ります。

近年は公式のガイドブックやオンライン上のコミュニティ活動も活発なため、わからないこともすぐに解決できる環境が整備されています。これらの情報源も、積極的に活用しましょう。

まとめ

この記事では、AutoCAD運用の際に引っかかりやすい注意点と、その解決策について紹介しました。AutoCADは多くの機能を有していますが、その全てを有効活用できるようになるには時間がかかります。

まずは手近なトラブルを解消したり、生産性向上ができたりするようトラブルシューティングのポイントを把握し、経験を積むことから心がけていくと良いでしょう。

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参考:

*1 Autodesk「AutoCADのヒントとコツ 」
https://www.idaten.ne.jp/portal/page/out/mss/autodesk/AutoCAD_Hint_and_knack.pdf

*2 *1に同じ p.2

*3 *1に同じ p.4

*4 *1に同じ p.12

*5 *1に同じ p.10

*6 *1に同じ p.17

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