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AutoCAD Plant3Dとは?3DCADの導入が進むプラント業界の展望も解説

AutoCADのPlant3Dとは、プラント設計において必要なツールがセットされたエディションです。クラウドベースなので共同作業を安全に行うことができ、3Dでのすばやいプラントモデリングも行えます。

この記事ではAutoCADのPlant3Dについて、主な機能や魅力、そしてプラント業界の展望について解説します。プラント設計者やプラント業界に興味がある方は、ぜひ最後までお読みください。

この記事を読むと、以下3つのことがわかります。
1.Plant3Dの機能・料金・魅力について
2.Plant3Dの料金について
3.プラント業界の今後について

プラント設計で活躍するPlant3Dの機能・料金・魅力について

AutoCADのPlant3Dはプラント設計用の業界専用ツールセットとして、さまざまな機能を備えています。ここではPlant3Dに搭載されている機能や魅力、料金について解説します。

Plant3Dでできること

AutoCADのPlant3Dでは、以下のような機能を備えています。(※1)

クラウドベースであるPlant3Dとのコラボレーション
共通データを使うことができ、プロジェクト内の複数チームが設計モデルで共同作業することができる。

スムーズなP&ID図面の作成
AutoCAD Plus のコンテキスト内コマンドにより、配管や機器の接続を専門的な記号で示した「P&ID図面」をスムーズに作成できる。

業界標準のシンボルライブラリ
ツールパレットに標準ライブラリが搭載されているため、ISA、ISO/DIN、JISといった規格を意識した設計もできる。

データ検証
P&IDを調査して、データの整合性を確認できる。ユーザー定義のルールに従い、発生する可能性のあるエラーを素早く特定できる。

またPlant3Dはプラント設計における3Dモデリング機能も以下のように搭載されております。

3Dによる素早いプラントモデリング
3DCADで立体形状を作成する方法の1つである「パラメトリック機器モデリング」や構造用鋼ライブラリが搭載されている。業界標準である配管カタログを使用したプロジェクト固有の配管仕様により、素早いモデリングができる。

パラメトリック機器テンプレート
搭載されているパラメトリックテンプレートにより、設備の作成・編集、プラントレイアウトのスピーディーな作成ができる。

構造モデリング
AISCやCISC、DINといった業界標準の鋼材を使ったレイアウト構造により、階段やはしご、手すりといった構造モデリングをスムーズに行える

プロジェクト固有の配管スペックを作成
配管のスペックをカスタマイズできるので、プロジェクト固有の要件に合わせられる。業界標準だけでなく、カスタマイズされたコンポーネントも含まれている。

上記のように、Plant3Dはプラント設計業務で必要な多くの機能が搭載されています。

Plant3Dの魅力

Plant3Dの魅力は以下が挙げられます。

別会社や担当者ともプロジェクトを進めやすい
変更に柔軟に対応できる
資料作りに多くの時間を割かなくて良い
エラーチェック機能により作業時間を短縮できる

Plant3Dはクラウドベースの3D CADなので、他者との共有が簡単です。別会社の人とも同時に設計したりチェックしたりでき、効率化に直結します。また機器や配管などの細部まで立体的に表現することもでき、「聞いていた話と違う」「イメージと違う」という認識の食い違いがありません。

Plant3Dは3DCADツールであり、立体図の作成に2次元の図面を使いません。そのため設計に変更があっても柔軟かつ迅速に対応でき、修正に係る時間を大きく短縮できます。3DCADなら3Dモデルから平面図や断面図をその都度抽出できるので、別で時間をかけて作図する必要がありません。

またPlant3Dにはプロジェクト検証によって、細かい部分のエラーチェックも任せることができます。ソフトウェアが自動で検証チェックをしてくれるので、作業者の作業効率化に貢献してくれます。

Plant3Dの料金

Plant3Dは単品ではなく、Auto CAD Plusというエディションに含まれています。Auto CAD Plusは3Dモデリングソフトウェアで、2Dや3Dの作図やモデリングを得意としています。従来の人気製品である「Auto CAD」が有名ですが、こちらは2Dに特化しており3D非対応というのが最大の違いです。

Auto CAD Plusの料金は、以下の通りです。(※2)

契約期間 3年契約 1年契約 1か月契約
価格 69,3000円 231,000円 28,600円
※シングルユーザーライセンスの場合

上記の通りPlant3Dが内包されているAuto CAD Plusは、ハイエンドかつライセンス料が安くない製品です。商業用として契約する方がほとんどで、個人で勉強したり楽しんだりするためだけに契約する方はあまりいないでしょう。

しかしAutodeskの製品には学生ライセンスがあり、学生だけでなく教員や教育機関に従事している人は無償ライセンスを入手することもできます。社会人の場合、オンラインスクールに登録することで学生ライセンスが発行されるケースも多いので1度調べてみると良いでしょう。

Plant3Dのトレーニング方法

Plant3Dは専門的な製品で、トレーニング方法は主に以下の2つが挙げられます。

Autodesk公式のトレーニングテキストで
オンラインスクール

Plant3DはAutodeskで公式トレーニングテキストが公開されており、ダウンロードして利用できます。利用にはAutodeskのユーザー登録に使ったEmailアドレス等が必要です。

→AutoCAD Plant 3Dトレーニングテキストのダウンロードはこちら

また国内のスクールでもPlant3Dを取り扱っているケースがあります。CAD系に強いオンラインスクール等でPlant3Dを開設しているところもあり、社会人など通学する時間が取れない方におすすめです。

Plant3Dは専門性が高く、場合によっては周りに聞ける人がいません。そんな時は、上記の勉強方法を検討してみましょう。

3DCADの導入が進むプラント業界の展望

最後に3DCADの導入が進んでいるプラント業界について、背景や展望を解説します。

製造業界に近いプラント設計ではいち早く3DCADが注目されていた

プラント設計を含め、建築などの設計は2Dが主流でした。CADといえば2D設計が基本であり、Plant3Dを開発するAutodesk社の「Auto CAD」が大きくシェアを伸ばしていた時代です。

しかし3DCADが世に出てきたことで、データ共有や図面作成の効率化といった観点で2Dよりもメリットが大きいことがわかり、次第に3Dへの切り替えが進みました。

3Dデータで建築業務を効率化する取り組みはBIM(Building Information Modeling)と呼ばれ、建築業界で導入が進んでいる技術です。このBIMはもともとアメリカの自動車や航空機設計といった製造業で生まれた技術であり、製造業に近いプラント設計でも早くから注目されていました。

プラント業界は海外を中心に高まる見込み

発電や石油、都市ごみといったインフラに深くかかわるプラント設計は、ゼネコンに限らず、プロジェクトを取り仕切る商社や機器メーカー、メンテナンス工事の請負工事会社など幅広い業種が関わります。

そのためプラント業務に関わる窓口は広く、自分がどう関わりたいかによって入るべき会社が変わります。

1つ注意しておきたいのは、プラント業界の需要について、国内ではさほど高くない点です。例えばアメリカでは自然災害によるプラント業界の経済損失が相次ぎ、ハリケーンなどで工期が遅れることがありました。(※3)アメリカの安いガスを原料とした化学プラントなどの需要は今後も続くでしょう。

つまりプラント業界の需要は、国内より海外が優勢です。プラント業務に携わるなら、何らかの形で海外と接する機会が生まれるかもしれません。「海外と関わる仕事がしたい」「大きなプロジェクトに関わってみたい」という方にはプラント業務が向いています。

Plant3Dは海外でも大きなシェアを持つAutodesk社の製品ですから、海外の人と仕事をすることになっても安心です。プラント業務に興味がある方は、ぜひ一度Plant3Dを勉強してみてはいかがでしょうか。世界的なシェアを持つPlant3Dなら、海外でも活用できるでしょう。

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参照サイト

※1 https://www.autodesk.co.jp/products/autocad-plus/included-toolsets/autocad-plant-3d

※2

https://www.autodesk.co.jp/products/autocad-plus/overview?term=1-YEAR&tab=subscription

※3 https://careerticket.jp/media/article/1097/

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