AutoCAD 2022の特徴は?料金や最新版について解説
Autodesk社の提供するAutoCADシリーズは、世界で最もポピュラーなCADソフトとして知られており、日本でも導入企業が非常に多いのが特徴です。
そしてAutoCADの人気の理由の一つとも言えるのが、毎年行われている大型のアップデートです。
今回は、2021年にリリースされたAutoCAD 2022について、具体的にどのような変化があったのか、追加された新機能の内容に触れながら紹介します。
目次:
- AutoCADシリーズの概要
- AutoCAD 2022とは
- AutoCAD 2022の特徴
- 最新版であるAutoCAD 2023の変更点
- AutoCADの料金プラン
AutoCADシリーズの概要
AutoCADシリーズは、Autodesk社が手掛けている世界有数の歴史を持つCADソフトシリーズです。2D CADはもちろん、3D CADも扱うことのできる高性能ソフトとして人気を誇り、その豊富な機能性から業界を選ばず導入される、汎用性の高い製品として知られています。
汎用CADは多機能な分、特定の領域に特化した機能が乏しいという欠点を備えていることも少なくありません。
しかしAutoCADはライセンスプランをアップグレードすることで、特定領域に特化した機能を追加できる「AutoCAD Plus」と呼ばれるプランを用意しており、あらゆる業務でのCAD運用に対応させることが可能です。
AutoCADシリーズは時代に合わせて新機能の追加や既存機能の改善を行なっており、毎年最新版の更新が行われています。
料金については最新版の更新があっても基本的には据え置きで、既存バージョンを有しているユーザーであれば無料で最新バージョンへのアップデートも行えます。
AutoCAD 2022とは
AutoCAD 2022は、2021年に公開されたAutoCADのバージョン名で、前バージョンのAutoCADから機能の改善と新機能の追加が行われました。また、廉価版であるAutoCAD LTシリーズの「AutoCAD LT 2022」も同時に公開され、前年バージョン同様に廉価版製品を使用し続けることが可能となっていました。
AutoCAD 2022において注目を集めたのは、モバイル向けの機能やクラウド関連の機能が充実したことです。
デスクトップやラップトップにインストールしたソフトのみならず、専用のWebアプリやクラウドを使うことで、モバイルからの利用が簡単になったり、ソフトをインストールしていないデバイスからのアクセスによる恩恵が大きくなったりしました。
AutoCAD 2022の主な新機能
続いて、AutoCAD 2022から新たに追加された主な新機能について確認しておきましょう。複数の新機能が追加された中で、注目しておきたいのは以下の5つの機能です*1。
図面共有
AutoCAD 2022の強力な新機能の一つが、刷新された図面共有機能です。AutoCAD 2022以降、現在展開中の図面をWebブラウザから利用可能な「AutoCAD Webアプリ」を使用して、関係者との共有が簡単に行えるようになりました。
共有のためのリンクを関係者に伝えることで、AutoCAD本体を有していなくとも、関係者はクラウドを使った簡易版であるAutoCAD Webアプリから図面を閲覧可能です。
共有する図面については図面の編集権限を与えるか、閲覧に操作を限定するかを設定変更することができ、ユーザーごとに権限を詳細に変更できます。Googleドキュメントのような感覚でAutoCADファイルを扱えるようになるので、CAD運用をより身近に体験することが実現するでしょう。
また、共有図面には外部参照情報やフォント、ファイルなどの従属データも含まれるため、クラウド上で図面が壊れてしまう心配もありません。
トレース
AutoCAD 2022のもう一つの目玉機能が、トレースです。上記で紹介した図面共有機能を使用した際、図面の上に透明な紙を重ね、図面そのものには編集を加えることなく、トレース紙の上に共有したい図形やフィードバックを記載することができます。
この機能は図面共有機能の「コピーを編集して保存」を選択した際に利用できるもので、図面の誤った編集を防ぎながら、効率的なレビューを実施することが可能です。これまで図面を直接編集して情報を共有していた時のような図面の誤編集リスクを回避できるでしょう。
カウント
カウント機能とは、図面内のブロックやジオメトリなどのオブジェクト数を自動で集計することができるツールです。集計結果はソフト内に保存するだけでなく、表に書き起こして図面上に表示することができます。
集計後にオブジェクトの数の増減が発生しても、再度集計を行うことで、既存の表を壊してしまうことなく、集計結果を更新することも可能です。
Autodesk Docsへの直接パブリッシュ
Autodeskのドキュメント共有サービスであるAutodesk Docsへは、AutoCAD 2022以降、直接的に図面を保管できるようになりました。
AutoCAD 2022から図面をPDF形式で保存し、シームレスに保存ができるようになったことで、クラウド経由での図面の閲覧や、図面の最新版への更新をリアルタイムで実現可能です。
フローティングウインドウ
フローティングウインドウは、ドラッグ操作によって図面をAutoCADアプリのウインドウから分離し、図面を複数表示させることのできる機能です。
複雑なプロジェクトになって一枚の図面だけでは状況が把握しづらい場合、このフローティングウインドウ機能を使えば、全ての図面を一枚の画面、あるいは複数台のモニターを使って一挙に確認できます。
作業規模に応じた図面閲覧環境を構築しやすくなったのが特徴です。
AutoCADの料金プラン
AutoCADはアップデートが行われても、基本的に料金に大きな変動が生じることはありません。
AutoCADは現在2022の次のバージョンであるAutoCAD 2024が稼働していますが、こちらの料金は1ヶ月8,800円からとなっています*2。
ただし、1年契約の場合は5万3,625円、3年契約の場合は7万1,500円と割安になっていくため、長期利用を想定している場合はこちらの利用も検討しましょう。
まとめ
この記事では、2021年に発表されたモデルであるAutoCAD 2022について解説しました。AutoCAD 2022はモバイルやクラウドにおけるAutoCAD活用を促進する機能の追加が強力に行われたこともあり、近年でも注目に値すべきバージョンでもありました。
現在もAutoCADは機能の刷新や追加を行なっているため、常に最新情報に対して注意を払い、積極的に新機能を活用することが大切です。
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出典:
*1 CAD百貨「AutoCAD2022の主な新機能のご紹介」
https://www.cad100.jp/autocad/function/feature_autocad-2022.php
*2 Autodesk「AutoCAD」
https://www.autodesk.co.jp/products/autocad/overview?term=1-YEAR&tab=subscription