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真のデジタル化を目指して。Autodesk Construction Cloud とは。

 Autodesk社は建設業向け統合プラットフォーム、Autodesk Construction Cloud を2022年4月より日本で提供開始しました。そして2023年1月には株式会社日建設計が Autodesk Construction Cloud の製品群を共通データ環境として採用しました。この記事では Autodesk Construction Cloud についてご紹介します。

 この記事を読むと以下の3つのことがわかります。
(1)Autodesk Construction Cloud とは
(2)Autodesk Construction Cloud 製品について
(3)他社ツールとの連携

Autodesk Construction Cloud とは

 Autodesk Construction Cloud は、施工のあらゆる段階でワークフロー、チーム、データを連携させ、リスクの軽減、効率の最大化、利益の向上を実現する建設業向けプロジェクト管理のクラウドプラットフォームです。*1
 Autodesk Construction Cloud は複数のクラウドシステムからなり、その機能全てをブラウザで使用することができます。これらのシステムそれぞれについては次の章でご紹介します。

なぜAutodesk Construction Cloud を導入するのか

 機能を紹介する前に、Autodesk Construction Cloud が開発された背景と簡単な特徴についてご紹介します。

建設業界が抱える課題

 近年の建設業界は安全性、コスト、工期、技術の継承といった従来の課題に加え、新しく働き方改革や脱炭素化などの課題が出現してきました。それと同時にデジタル化によって業務の効率化や最適化が図られてきました。
 しかし特定の業務にしか活用できないツールを多用したり、使用するファイル形式が多様化したりすることでコストや工数が問題となってきました。図面のマスターデータに関してはツールを横断して使用することで、どのファイルが最新のものなのかという管理の問題も出現することもあるようです。

Autodesk Construction Cloud の特徴

 このような問題を解決するために、Autodesk Construction Cloud には次のような特徴があります。
 まず何より、設計から施工までの各段階でカバーできる業務範囲が広いため、他に導入するツールをより少なくすることができます。ツール間でファイル変換を行う必要が無いので、二度手間や手戻りを削減し、業務の効率化を図ります。
そうは言ってもすべての業務を行うには他のツールとの連携は不可欠なので、Autodesk Construction Cloud はそのプラットフォームとして機能します。

Autodesk Construction Cloud 製品について

 今回 Autodesk Construction Cloud のリリースと同時に Autodesk Build と Autodesk Takeoff が新たに利用できるようになりました。それに加え、これまでも単体で利用されてきた Autodesk BIM Collaborate や Autodesk Assemble などの建設業向けソフトウェアについてもご紹介します。

・Autodesk Build  ※1
建設業者が行う幅広い業務に対応するための様々なツールを提供する包括的な現場管理およびプロジェクト管理ソフトウェアです。
設計から施工まで、プロジェクト管理に必要となる多くの機能を提供します。
具体的な機能としては次のようなものがあります。
モバイル環境で図面に指摘事項を追加することができるので、現場での作業が効率的になります。
品質や安全管理をチェックするフォーム機能があり、いつまでに誰が修正するのかを関連付けることができます。従来使用してきた紙の帳票もそのまま pdf として取り込むこともできます。
写真を自動的にAI分析することで写っているものを認識し、タグが自動的に追加されるので写真を整理するのが容易になります。
他にもスケジュールやミーティング、情報提供依頼、提出資料や進捗状況の管理なども機能に含まれており、これまでバラバラになっていたツールをひとまとめにしてくれます。

・Autodesk Takeoff ※2
正確で自動的な数量拾いを行うためのシステムです。
2Ⅾ数量拾いでは、図面やシート上に床、壁、窓といった数量算出項目を入力し、それらを集計します。集計方法も個数拾い、面積、ボリューム、カスタムした計算式など、様々です。
3Ⅾ数量拾いでは画面上で部材を選択する方法、同一部材を一括で選択する方法などがあり、数量算出した部材を表分けで視覚化することもできます。

・Autodesk BIM Collaborate ※3
BIMモデルのクラウド上での構築が実現し、それを関係者間で共有することでリスク管理の透明性が高まり、より効率的な共同設計のプロセスを実現します。自動的な干渉チェックや設計修正などの共同作業を、現場とオフィスで効率的に行える機能を提供しています。
設計の品質と施工性の改善に役立ちます。

・Autodesk Assemble ※4
BIMモデルを照会したり、BIMモデルを設計レビュー、数量拾い、見積もり、変更管理、スケジュール、進行中の作業の追跡に連携させたりすることで、リスクを回避し、業務を効率化することができます。

・Autodesk Docs ※5
単一の文書管理プラットフォームであり、プロジェクトに関わる全ての人が必要な情報にアクセスできます。主な機能はデータの管理・共有、バージョン管理、承認フローからなります。
50以上のファイルフォーマットに対応しており、ファイル変換などの手間をかけることなく、そのまま活用することができます。この結果、ファイル変換で情報が欠落するようなことが起きません。
さらに、モデルや図面上に指摘事項などの追記を直接行うことが可能です。クラウド上の1つのデータを利用するので、いつも最新の正しいデータを全員で共有することができます。

・Insight ※6
プロジェクト データを分析および視覚化してコストの削減、スケジュールの改善、品質と安全性の向上、リスクの軽減を実現する製品です。スケジュールや見積もりソフトウェア、現場のカメラなど他社製アプリケーションのデータも統合します。
個人用とグループ用のダッシュボードと日次および週次レポートを簡単に作成できます。個人のダッシュボードには割り当てられた業務、プロジェクトのマイルストーン、天気予報、チームの状況などが表示されます。
さらに設計、品質、安全、プロジェクト管理のあらゆる段階におけるリスクを特定し、事前に緩和するための人工知能「Construction IQ」が搭載されています。

他社ツールとの連携

 企業のすべての業務を Autodesk Construction Cloud が提供するサービスだけで行うのは不可能なので、他社ツールとの連携が不可欠です。

Autodesk Construction Cloud と連携するツールについて

近年のリモートワークの促進により、より多くのソフトウェアが使われるようになりました。そのため、エラー、再作業を減らすためには次のようなソフトウェアをうまく統合することが重要になってきます。
・Microsoft Team や Slack などの社内外のチームとコミュニケーションに不可欠となるもの
・Resolve や The Wild などのXRソリューションにより計画・検討し設計を改善するもの
・esri や OpenSpace などの写真やレーザースキャンから3Dモデルや3Ⅾウォークスルーを作成するもの
・aurigo や QuickBooks などの財務状況を把握し、正確な予算管理を行うもの
・RHUMBIX や TOPCON などの現場の安全管理をサポートするもの
・My SQL や Power BI などのAIを使用してデータを分析し、プロジェクトの成果を向上させたり、意思決定を支援するもの
・box などの文書管理システム

ツール連携の仕組み

Autodesk Construction Cloud は統合環境を3つの方法で支援しています。※7

・App integration 
あらかじめ登録された、連携可能なパートナーサービスをリストから選択するだけで簡単に接続設定を行えます。

・ACC Connect
Autodesk が提供している連携用クラウドプラットフォームです。コードを書くことなく、直観的で手軽にアプリケーションをつなぐコネクターを組み合わせることで連携ができます。例えば Dropbox や Amazon S3 といったクラウドサービスとのデータフローの自動化が実現されます。

・Forge API開発
Autodesk のクラウド開発プラットフォームです。Autodesk Web アプリケーションを拡張したり、クラウドベースのツールやWebアプリケーションを独自に開発、そして連携することができます。

まとめ

 問題解決のために導入したデジタル化が単なるペーパーレス化にとどまってしまっている事例も多いのではないでしょうか。Autodesk Construction Cloud のように、連携や一元的管理、分析、技術継承というようなデジタル化の特性を生かした製品開発が建設業界全体で進むことを期待します。

 

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*1 Autodesk「オートデスクが建設業界向け統合プラットフォーム Autodesk Construction Cloud を日本で提供開始」
https://blogs.autodesk.com/autodesk-news-japan/construction-cloud/

※1 Autodesk「施工管理ソフトウェア|Autodesk Build」
https://construction.autodesk.co.jp/products/autodesk-build/

※2 Autodesk「建設数量拾いソフトウェア | Autodesk Takeoff」
https://construction.autodesk.co.jp/products/autodesk-takeoff/

※3 Autodesk「Autodesk BIM Collaborate Pro | 建築・建設チームのコラボレーション」
https://www.autodesk.co.jp/campaigns/aec-collaboration

※4 Autodesk「Assemble BIM データ | Autodesk Construction Cloud」
https://construction.autodesk.co.jp/products/assemble/

※5 Autodesk「Autodesk Docs | ダウンロードと価格 | Autodesk」
https://www.autodesk.co.jp/products/autodesk-docs/overview?term=1-YEAR&tab=subscription

※6 Autodesk「Insight | 建物性能解析ソフトウェア」
https://www.autodesk.co.jp/products/insight/overview

※7 Autodesk「Autodesk Construction Cloud (ACC) のご紹介 」
https://bim-design.com/event/ondemand/construction-cloud-solution/2/

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