1. TOP
  2. ブログ
  3. Revitで独立基礎を配置・作成する手順|プロパティで修正できる内容も

Revitで独立基礎を配置・作成する手順|プロパティで修正できる内容も

Revitでは独立基礎の配置・作成が可能です。加えて、インスタンスプロパティやタイププロパティの変更により、寸法や識別情報などを設定できます。しかし、Revitで独立基礎を配置・作成したいものの、手順が分からないと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

本記事ではRevitで独立基礎を配置・作成する手順を解説します。また、インスタンスプロパティやタイププロパティで修正できる内容の具体例にもふれていくため、ぜひ参考にしてください。

この記事を読むと、以下のことが分かります。
1.Revitで独立基礎を配置・作成する手順
2.Revitにおける独立基礎のインスタンスプロパティやタイププロパティで修正できる内容

Revitで独立基礎を配置する方法

Revitでは独立基礎の配置が可能です。そもそも、独立基礎はどういった意味でしょうか。ここでは、独立基礎の意味にふれつつ、Revitにおける独立基礎の配置手順をみていきましょう。

独立基礎の意味

独立基礎とは1本の柱を支えるように設置する単独の基礎を意味します。強固な地盤や荷重の少ない柱に用いられる用語です。基礎の底盤部分をフーチングと呼びます。フーチングは無筋もしくは鉄筋コンクリートの四角錐や立方体の形状になっているため、独立フーチング基礎とも呼ばれる場合もある点を知っておきましょう。

独立基礎は次のケースで頻繁に用いられています。

・傾斜地にある建築物
・庭に置く物置
・デッキの基礎

Revitで独立基礎を配置する方法(*1)

Revitで独立基礎を配置する方法をみていきましょう。柱の下に独立基礎を作成するためには、ツール「構造基礎:独立」を使用します。

1.タブ「構造」にあるパネル「基礎」をクリック
2.ボタン「独立基礎」をクリック

また、ファミリライブラリから次のような独立基礎のタイプをロード可能です。

・複数のパイル付きの杭頭
・シンプルパイル
・長方形パイル

必要に応じてタイプのロードを行いましょう。

Revitにおける独立基礎に関する操作手順とプロパティの修正手順

Revitでは独立基礎を作成し、インスタンスプロパティ・タイププロパティ・ファミリプロパティで詳細設定を変更できます。ここでは、独立基礎の作成手順とインスタンス・タイプ・ファミリプロパティの修正手順をみていきましょう。

独立基礎の作成手順(*2)

独立基礎を構造柱の下もしくは通芯の交点に作成する手順をみていきます。

1.タブ「構造」にあるパネル「基礎」をクリック
2.ボタン「独立基礎」をクリック
3.プロパティパレットが画面に表示される
4.「タイプ セレクタ」で独立基礎のタイプを選ぶ
5.平面図ビューまたは3Dビューを用いて作図領域を選択

基礎のインスタンスを複数配置したい場合、配置場所によって操作手順が異なります。

配置場所手順
平面図ビューの通芯交点1.「修正|配置 独立基礎」からパネル「複数」を選択2.ボタン「通芯位置」を選択し、対象となる通芯を設定3.ボタン「完了」をクリック
特定の柱の下1.「修正|配置 独立基礎」からパネル「複数」を選択2.ボタン「柱位置に」をクリック3.列を選択し、ボタン「完了」をクリック

独立基礎の下部の高さは読み取り専用のインスタンスパラメータである「下部の高さ」に記録されます。記録後、「立面タグ」の「構造基礎タグ」で独立基礎にタグを付与可能です。タグの付与により、ビューで下部の高さの値を確認できます。また、記録された値は「メートル単位ライブラリ」の「注釈」/「構造」で使用できるためチェックしておきましょう。

インスタンスプロパティを修正する(*3)

インスタンスプロパティの修正により、独立基礎の拘束や構造マテリアルなどを変更可能です。インスタンスプロパティの修正は対象となる要素を選択し、パレット「プロパティ」で変更を行います。

修正できる独立基礎の要素の具体例は次のとおりです。

名称 概要
拘束 レベル 拘束する基準となるレベル
ホスト ホストが拘束されているレベル
レベルからの高さオフセット レベルに対する上面の高さを指定
マテリアルと仕上げ 構造マテリアル ・構造に対するマテリアルを指定 ・集計表に記録できる
構造 かぶり厚(上面) 要素の上面からのかぶり厚を指定
かぶり厚(下面) 要素の下面からのかぶり厚を指定
かぶり厚(その他の面) 要素から隣接する要素の面までを指定
寸法 上部の高さ ・べた基礎の上部のタグ付けに使用する高さ
・読み取り専用のパラメータ
下部の高さ ・べた基礎の下部のタグ付けに使用する高さ
・計測値はファミリパラメータ(キャップ)の影響を受けた値から取得される
・読み取り専用のパラメータ
識別情報 コメント 壁に対してコメントを入力できるフィールド
マーク 要素のために作成されたラベル
フェーズ 構築フェーズ コンポーネントを作成したフェーズ
解体フェーズ コンポーネントを解体したフェーズ

タイププロパティを修正する(*4)

タイププロパティの修正により、杭頭の寸法や識別情報のパラメータの変更が可能です。タイププロパティの変更手順は次のとおりです。なお、変更した内容はプロジェクト内のインスタンス全てに適用されます。

1.対象となる要素を選択
2.タブ「修正」にあるパネル「プロパティ」をクリック
3.ボタン「タイププロパティ」をクリック

タイププロパティで変更できる内容の具体例をみていきましょう。

名称 概要
寸法 ・幅を指定
・ファミリタイプ「杭頭パイル」に適用
長さ ・長さを指定
・ファミリタイプ「杭頭パイル」に適用
厚さ ・厚さを指定
・ファミリタイプ「杭頭パイル」に適用
識別情報 アセンブリコード Uniformatアセンブリコード(階層リストから選択)
キーノート 対象となる要素のキーノートを追加・編集可能
モデル 製造元内部番号
製造元 要素マテリアルの製造元を示す
価格 価格設定を示す
コメント コメントを配置するフィールド
タイプイメージ イメージファイルを表示
URL Webページへのリンクの張り付けが可能

ファミリプロパティを修正する(*5)

独立基礎のファミリプロパティの修正により、固有の動作や識別情報の設定が可能です。変更するためには、ファミリエディタで変更の対象となる要素を開き、パレット「プロパティ」を使用します。ファミリプロパティで変更できる内容の具体例は次のとおりです。

名称 概要
拘束 ホスト ・要素のホスト先のタイプ
・読み取り専用のパラメータ
構造 モデルのマテリアルの動作 マテリアルを基に固有の動作を設定可能
キャップ 「下部の高さ」を計測する位置を設定
識別情報 Omni Class Number Omni Class建設分類システムの番号
Omni Class Title Omni Class建設分類システムの名前
Seek 項目 ID ユーザ設定の独自文字列
その他 作業面ベース 作業面ベースの設定により、アクティブな作業面でファミリがホストされる
常に垂直 常時90度に表示される
ロード時にボイドで切り取り オブジェクトのカットを有効にできる
共有 ・ホストファミリからネストされたファミリを集計可能
・未共有の場合、コンポーネントとネストされたファミリは1つのユニットになる

まとめ

Revitで独立基礎を配置・作成する手順を解説しました。Revitではインスタンスプロパティの修正により独立基礎の拘束や構造マテリアルの変更、タイププロパティの修正により杭頭の寸法や識別情報のパラメータの変更、ファミリプロパティの変更により固有の動作や識別情報の設定が可能です。インスタント・タイプ・ファミリの3つのプロパティでは変更できる内容が大きく異なります。変更できる内容を事前にチェックしておくことで、作業を効率的に進められるでしょう。

建設・土木業界向け 5分でわかるCAD・BIM・CIMの ホワイトペーパー配布中!

CAD・BIM・CIMの
❶データ活用方法
❷主要ソフトウェア
❸カスタマイズ
❹プログラミング
についてまとめたホワイトペーパーを配布中

*1

「Autodesk Revit LT 2025|独立基礎」

https://help.autodesk.com/view/RVTLT/2025/JPN/?guid=GUID-032FE80B-E4C6-4CDD-9B27-162F29BCE344

*2

「Autodesk Revit LT 2025|独立基礎を作成する」

https://help.autodesk.com/view/RVTLT/2025/JPN/?guid=GUID-887EAFE1-12D3-4F63-B906-732723B0B367

*3

「Autodesk Revit LT 2025|独立基礎インスタンスプロパティ」

https://help.autodesk.com/view/RVTLT/2025/JPN/?guid=GUID-0C2E2F26-743E-4AB6-82DD-28C804CC0FC3

*4

「Autodesk Revit LT 2025|独立基礎タイププロパティ」

https://help.autodesk.com/view/RVTLT/2025/JPN/?guid=GUID-B5F20A6F-D939-4750-B9C8-98E42DEF5826

*5

「Autodesk Revit LT 2025|独立基礎ファミリプロパティ」

https://help.autodesk.com/view/RVTLT/2025/JPN/?guid=GUID-06CF2113-215C-4C48-AFA7-606DD0F3D604

    ホワイトペーパーフォームバナー

    【DL可能な資料タイトル】

    • ・プログラムによる建築/土木設計のQCD(品質/コスト/期間)向上
    • ・BIM/CIMの導入から活用までの手引書
    • ・大手ゼネコンBIM活用事例と建設業界のDXについて
    • ・デジタルツイン白書
    • ・建設業/製造業におけるデジタルツインの実現性と施設管理への応用

    詳細はこちら>>>

    PAGE TOP