Revitの集計表の特徴|作成や書き出し手順、具体的な集計方法などを解説
RevitとはAutodesk社が提供しているBIMソフトウェアの1つです。Revitでは入力された情報を数値で表示する集計表という機能があります。加えて、入力されている情報を他のソフトウェアでも利用できるように書き出せます。異なるソフトウェアを使用している相手との情報共有が可能です。
本記事ではRevitにおける集計表の特徴、作成や書き出しの手順を解説します。また、集計表による数値の確認方法もみていきましょう。
この記事を読むと、以下のことが分かります。
1.Revitにおける集計表の特徴
2.Revitにおける集計表の作成、書き出しの手順
3.Revitにおける集計表による具体的な集計方法
Revitにおける集計表の特徴
Revitに搭載されている集計表とはプロジェクトに入力された情報が文字や数値で表示される機能です。(*1)表示方法はエクセルに似ている形式で、プロジェクト内にある大量の情報を整理できます。集計表はプロジェクトの工程内であれば、どのタイミングでも作成可能です。また、集計表は別のソフトウェアであるスプレッドシートなどへの書き出しにも対応しています。そのため、異なるソフトウェアを使用している相手と集計表を活用した情報共有も可能です。
集計表はモデル更新と同時に自動的に更新される点が特徴の1つです。たとえば、部屋に設置しているドアを削除すると、集計表の部屋の面積の数値がドアの削除に応じて自動的に更新されます。
そもそも、Revitとはどのようなソフトウェアでしょうか。RevitはAutodesk社が提供しているBIMに対応したソフトウェアです。(*2)AutoCADと混同してしまう方も少なくありません。AutoCADは多様な機能を搭載している一般的な作図ツールです。一方でRevitは設計とドキュメント作成のソリューションが主な活用方法として挙げられます。Revitの活用により、CADを含むデータ入力の調整を行い、統合的なプロジェクト成果物の生成が可能です。AutoCADで設計を作成し、Revitのプロジェクトに組み込めるため、相互運用するケースも多くあります。
Revitにおける集計表の使い方
Revitでは集計表を作成し、他のソフトウェアへの書き出しなどが可能です。ここでは、Revitにおける集計表の作成と書き出しの手順をみていきましょう。
作成
集計表を作成する手順は次のとおりです。(*3)
1.ホームタブにある「表示」からパネル「作成」、ドロップダウン「集計」をクリックする
2.「集計表/数量」を選択する
3.ダイアログボックス「新しい集計表」が表示されるため、操作を行う
4.ダイアログボックス「集計表プロパティ」が表示されるため、プロパティの指定を行う
5.「OK」を押すと集計表が作成される
手順3のダイアログボックス「新しい集計表」では次のように操作します。
1.カテゴリリストでコンポーネントの選択
2.テキストボックスに「名前」が表示されるため、必要に応じて変える
3.「集計キー」は選択せず、「建物コンポーネントを集計」をクリック
4.「フェーズ」の指定
5.「OK」を押す
手順4のダイアログボックス「集計表プロパティ」では必要に応じて次のプロパティ指定を実行します。
プロパティ内容 | 概要 |
フィールドの決定 | ・集計表の対象となる範囲を決定します |
データの絞り込み | ・データの絞り込みを実行できるようにフィルタを作成する・フィルタの上限数は8つ |
並べ替えおよびグループ化 | ・並べ替えオプションの指定や見出し行、フッタ、空白行の追加が可能 |
書式設定 | ・見出しの編集や向き、単位および表現方法など細かい書式設定が可能 |
外観 | ・集計表の外枠やフォント、通芯などのオプション指定が可能 |
作成した集計表は必要に応じて修正、調整、コピーが可能です。
書き出し
他のソフトウェアでも使用できるようにCAD形式やCSV形式としての書き出しが可能です。書き出しの手順は次のとおりです。(*4)
1.集計表ビューを画面に表示する
2.ダイアログボックス「集計表を書き出し」で書き出したい集計表の名前とフォルダを選択する
3.「保存」をクリックする
4.ダイアログボックス「集計表を書き出す」が画面上に現れる
5.「集計表の外観」でオプションの選択を行う※
6.「出力オプション」でデータの書き出し方法を選択する※
7.「OK」をクリックする
手順5の「集計表の外観」では次の2つのオプションを選択する必要があります。
オプション | 内容 |
列見出しを書き出す | ・Revit列見出しの書き出しについて、「単列」または「複列、書式指定」のどちらかを指定する |
見出し グループ、フッタ、空白行を書き出す | ・並び替えの書き出し方法を指定する |
次に、手順6の「出力オプション」で選択する内容をみてみましょう。
オプション | 内容 |
フィールドの区切り記号 | フィールドの区切る方法を指定する(タブ、スペース、カンマ、セミコロンのいずれかを指定) |
文字の区切り記号 | 各フィールドの文字の区切る方法を指定する(一重引用符、二重引用符、注釈なしのいずれかを指定) |
Revitで作成した集計表で数値を確認する方法
集計表の作成により、指定した箇所の面積の数値を簡単に確認できます。ここではプロジェクトで部屋を作成した場合に面積の数値を確認する手順を例に挙げ、詳しくみていきましょう。
1.「プロジェクトブラウザ」にある「集計表/数量」を選択
2.ダイアログボックス「新しい集計表」が画面上に表示される
3.集計項目を選択(「部屋の名前」や「面積」など)
4.「OK」をクリックすると、ビューが立ち上がり、「部屋の名前」や「面積」の集計結果が表示される
複数の部屋の面積を集計し合計を把握したい場合、次のような手順で操作を行います。
1.ダイアログボックス「集計表プロパティ」の「書式」を選択
2.「フィールド」の「面積」をクリック
3.「シートに条件付き書式を表示」の欄にチェックを入れる
4.「合計を計算」をクリックすると複数の部屋の面積の合計が表示される※
「シートに条件付き書式を表示」では「合計を計算」のほかに、次の項目も選択可能です。
・計算しない
・最小値と最大値を計算
・最小値を計算
・最大値を計算
まとめ
Revitにおける集計表の特徴、作成と書き出しの手順などを解説しました。集計表の活用により、Revitのプロジェクト内にある大量のデータをすぐに数値として確認できます。集計表は簡単に作成できる上に、他のソフトウェアでも閲覧できるようにCAD形式やCSV形式などに書き出すことも可能です。また、集計表により、面積など指定箇所の数値の合計を簡単に算出できるため、煩雑な数値の集計作業にかかる手間を大きく削減できるでしょう。集計作業の負担が大きく悩んでいる方は、ぜひRevitの集計表の操作手順をマスターし、事業プロジェクトで活用してみてください。
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❸DXレポートについて
❹建設業界におけるDX
*1
「Autodesk Revit 2024|集計表」
https://help.autodesk.com/view/RVT/2024/JPN/?guid=GUID-F50D6FF4-859E-43A2-A2F6-81C84A1BA0EB
*2
「Autodesk|RevitとAutoCAD」
https://www.autodesk.co.jp/solutions/revit-vs-autocad
*3
「Autodesk Revit 2024|集計表または数量を作成する」
https://help.autodesk.com/view/RVT/2024/JPN/?guid=GUID-6D4DBBDA-3611-40CD-9A45-BE40EB07188A
*4
「Autodesk Revit 2024|集計表を書き出す」
https://help.autodesk.com/view/RVT/2024/JPN/?guid=GUID-B2CCAC4F-1D38-4D5D-B4D1-95619D1B7EBE