GoogleがML Kitを導入、モバイルアプリデベロッパーに強力な機能を提供


5月に開催されたGoogleの「I/Oデベロッパー・カンファレンス」において、ML Kitが発表されました。ML Kitとは、iOS・AndroidアプリのデベロッパーがこのSDKを使う事によって、Googleが開発した機械学習モデルの多数を、アプリに簡単に利用することができるようにしたものです。今回はこのML kitについてご紹介します。

 

 

機械学習とは

 

多くのデータから適切と思われる結果を推測するアルゴリズムを、コンピューターのリソースを使って導き出す仕組みが「機械学習」と呼ばれる手法です。データマイニングと共通する部分が多く、使われる手法もその多くがデータマイニングと重複しています。コンピューターの発達により、膨大なデータを効率よく処理することが可能となったため、近年になって現実的で有用な結果を導き出すことができるようになりました。

 

すでに多くの分野で利用が進む機械学習

 

機械学習は画像認識、文字認識、音声認識、検索エンジンの最適化、医療診断、スパムメール検出、ゲーム戦略、株価予想、ロボット制御など、多くの分野で有用と見なされており、すでに実効レベルで取り入れられている状況です。例えば、写真に映った建物を抽出した上で解析し、実際に存在する建築物を特定、位置情報を取得するなどの利用があります。この場合、画像解析と実際の建物の比較をするアルゴリズムを、機械学習によって最適化しています。

 

 

将棋ソフトを劇的に進化させた機械学習

 

機械学習のわかりやすい例として、将棋ソフトの飛躍的な進化をご紹介します。2000年代前半までの将棋ソフトは、人間がそれまでに築いてきた定石をベースとした探索アルゴリズムを採用していました。しかし、どんなにコンピューターパワーを投入しても、アマチュア上級レベルから上達することは難しく、プロ棋士には到底及ばない状況が続いていました。

 

それまでの常識を覆したponanzaというソフト

 

ブレイクスルーとなったのは、それまで将棋ソフトとは無縁だった一人のエンジニアが開発した「ponanza」というソフトです。定石をベースにおいた解析の場合、常識的に差さない手順はカットすることで、探索に関わる手数を節約していました。ponanzaの開発者はこうした常識と無縁だったため、パワーをフルに使う全数探索を採用したことが結果的には成功となりました。さらに、人間の定石で判断するのではなく、コンピューターが各局面の評価値を最大化するアルゴリズムを見つけ出すという手法が画期的であり、今までの常識を覆すソフトとなりました。

 

圧倒的なデータ数から導き出される画期的アルゴリズム

 

これまでの長い歴史の中で、先人たちが残した棋譜は約5万局程度と言われています。これに対してコンピューター同士で対戦させると、瞬時にその何十倍もの対戦結果を取得することが可能となります。こうした膨大な対戦結果から導き出された新定石は、人間の常識では思いつかないような手順も多く、現在ではトップ棋士ですらこのようなソフトを使った研究が欠かせなくなってきています。

 

 

一般の開発者が容易に利用できるSDKを提供

 

上記のように機械学習を取り入れることで、これまでになかったような利便性を実現するソフトの開発が可能となりました。とはいうものの、そのプログラミングや実際のデータの取得とその解析については、個別に設計が必要であり誰でも手軽に実装できるというものでもありません。今回のGoogle ML Kitはこうした機械学習の仕組みを、一般の開発者が比較的簡単に導入できるようにするものであり、今後多くの利用が広がる可能性を持った、画期的な内容となっています。

 

容易に導入できる5つの基本APIを提供

 

ML Kitでは、開発者が容易に利用できる5つの基本APIを提供しています。テキスト認識、顔検出、バーコード スキャン、画像ラベル付け、ランドマーク認識がその内容で、今後順次追加される予定です。これらのAPIを利用すると、ソフト側からML Kit にデータを渡すだけで、直感的な回答が返されてきます。例えば、食事の写真から総カロリー量を計算するなどの場面での利用などが考えられます。一番複雑で膨大なデータの解析が必要な部分を、Googleにお任せするだけで新たなソフトの開発ができるようになりました。

 

機械学習に習熟しているデベロッパーはカスタマイズも可能

 

前述の例は、機械学習についてノウハウを持たない開発者でも利用できる基本的なAPIですが、十分に習熟しているデベロッパーの場合は、ML Kitを使って独自のカスタムモデルをデプロイすることも可能です。Googleの持つ膨大なデータとその解析結果を簡単に利用することや、独自のアプリを通じて新たなデータを収集し解析することで、応答の精度をアップデートするような利用が柔軟にできるようになります。しかも、このような機能がiOSやAndroidなどのモバイル端末でも容易に利用できるというのですから、全世界のアプリ開発者にとって素晴らしいチャンスがやってきたと言えるでしょう。

機械学習、AI、ディープランニングなど、コンピューターパワーをフルに活用した新たな技術がすでに実用段階となり、私たちが日常的に利用するアプリの中に組み込まれるようになってきました。世界中のありとあらゆるものをデータ化するというモットーを持っているGoogleが提供するこのML Kitが、こうした機械学習を組み込んだユニークなアプリ開発に弾みをつける可能性性は高いと思われます。機械学習という技術が、ありふれたツールとして普及し多くのアプリに容易に活用される、そんな時代がすぐそこまで来ています。

 

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