サードパーティーCookieを無効にする方法とは?メリットも解説
インターネット利用に伴うプライバシーの問題は、様々な企業の取り組みやユーザーの声によって、改善が進んでいます。
そして、ユーザープライバシーの観点において重要な技術が、サードパーティーCookieの存在です。
第三者による個人情報取得を実現するこちらの技術は、重要性も高い一方、ユーザビリティの観点から無効にされるケースも増えています。
今回は、サードパーティCookieを無効にするメリットや、その重要性などについてご紹介します。
目次:
①サードパーティーCookieの概要と懸念点
②サードパーティーCookieを無効にするメリットとデメリット
③サードパーティーCookieを無効にする方法
サードパーティーCookieの概要と懸念点
サードパーティーCookieは、特定のドメインに訪問しているユーザーに対して、ドメイン と関連のない第三者の企業が別のドメインを活用し、ユーザーのCookie情報を取得する仕組みのことです。
サードパーティーCookieの目的
サードパーティーCookieが導入されている理由は、ターゲティング広告の配信を円滑にすることです。Webサイトなどに配置されている広告が、自分のニーズや年齢層へ最適化されて配信されているのは、サードパーティーCookieを介してユーザー情報を広告配信業者が取得し、それに合わせた広告を配信するためです。
これまで訪問したWebサイトの情報もサードパーティー上に記録されるため、個人の趣味嗜好を高いレベルで把握できるのがこの技術の特徴です。
個人情報流出の懸念も
ユーザーに最適化された広告を配信してくれるというは便利な機能のように思われますが、実は重大な個人情報流出に晒されているという懸念点もあります。サードパーティーCookieに情報を取得させるかどうかはユーザー側でコントロールすることが難しく、事実上、ユーザーに情報提供する会社を選ぶ立場には無いためです。
そのため、サードパーティCookieを通じて広告配信を最適化させるだけでなく、そのユーザーのライフスタイルや趣味嗜好に至るまで、あらゆるプライベートが筒抜けになってしまい、間接的に個人を特定することもできるようになりかねません。
こういった理由から、近年はサードパーティーCookieの運用に際してプライバシー保護の観点が強まり、同機能を無効にしたり、制限したりする傾向がWebサービス企業を中心に強まっています。
ファーストパーティーCookieとの違い
サードパーティーCookieとは別に、ファーストパーティCookieも存在します。ファーストパーティCookieとは、ユーザーが訪れているドメインのサイトが直接発行しているCookieです。
サードパーティーCookie同様、個人情報をはらんだテキストデータですが、こちらはサービス利用に伴うID管理などを担当するための機能です。
ユーザーの訪問情報をファーストパーティCookieを介して保存することで、IDやパスワードの入力を省略したり、ページを記憶させて表示を高速化したりできるメリットがあります。
もちろん、サードパーティーCookie同様個人情報を提供していることに変わりはないのですが、ユーザビリティの観点からメリットも大きい事から、あまり問題視されることはありません。
サードパーティーCookieを無効にするメリットとデメリット
サードパーティーCookieは、個人情報保護の観点からユーザーが手動で無効にすることもできるよう設計されつつあります。
サードパーティーCookieを無効にすること得られるメリットと、発生するデメリットを確認しましょう。
安心のプライバシー環境を実現
サードパーティーCookieが無効になることで、ユーザープライバシーの向上が期待できるのは間違いありません。これまで、広告配信を目的にユーザー情報が流出していたのを、Cookieの無効によって防ぐことができるため、Cookie経由での個人情報流出をストップできます。
本来はプライベートな空間であると考えていたインターネット利用が、実は第三者によって監視されていたばかりか、それを利活用されているというのは、精神衛生上良くありません。
こういった事態を回避するためにも、サードパーティーCookieの無効は確かな効果を発揮します。
気になる場合は合わせてファーストパーティーCookieの履歴も消去することで、より足跡のつかないインターネット利用を実現します。
Webサービス環境が悪化する場合も
基本的にサードパーティーCookieの活用方法は、広告配信のための情報収集がメインであるため、無効にすることのデメリットはユーザーには発生しません。ただ、複数のドメインを跨いでサービスを提供している一部のWebサービスなどは、Cookieの無効によって利用に悪影響が及ぶ可能性もあります。
例えば、NTTドコモやはてなのサービスの一部です。これらはドメインを跨いでサービスを提供しているものも含むため、ログインが正常に行えないのどの不具合が発生するケースが確認されました*1。
余程意識していないと、どのサービスでCookie無効の悪影響を受けるかというのは事前に把握しがたいものですが、些細なトラブルが発生する可能性はゼロではありません。
広告業界への打撃
また、サードパーティーCookieの無効化によって、大いにダメージを受けるのが広告業界です。適切なターゲティングを行うための材料が失われてしまうので、従来の広告業が成立しなくなる可能性もあります。
Cookieの無効化が普及した場合、しばらくは立て直しの時期に突入することが懸念されます。
サードパーティーCookieを無効にする方法
サードパーティーCookieを無効にすることで様々な結果が考えられます。ここで、実際に無効化する方法をそれぞれ見ていきましょう。
Safariはデフォルトで無効に
まずApple謹製のSafariについてですが、こちらははじめからサードーパーティーCookie機能が無効化されています。
近年、Appleはユーザープライバシーの確保を強化しており、SafariやiPhone利用において、第三者によるCookieの活用を厳しく取り締まっています。そのため、現状では最も安心して使えるブラウザであると言えます。
Firefoxで無効にする方法
Firefoxは環境設定を変更することで、サードパーティーCookieを無効化できます。
2021年6月現在、標準機能として無効化が適用されていますが、カスタム画面からさらに特定のトラッカーに対してブロックを実施できます。
Chromeで無効にする方法
Google Chromeでは、サードパーティーCookieの利用を段階的に廃止し、2022年までに完了する発表を行っています*2。そのため、いずれにせよこの問題は自然解決すると考えられますが、手動でCookieを削除することも可能です。
Chromeの設定画面を開き、[プライバシーとセキュリティ]の項目から、Cookieを削除できます。また[Cookie]の項目から、サードパーティーCookieのブロックを実行できます。
おわりに
サードパーティーCookieは、利用者のプライバシー脅かす懸念がある事から、多くのサービスが無効化に向けて動き始めています。
ユーザーに直接害を与えることはありませんが、第三者による不当な監視を避ける上でも、無効化は効果的です。
大手ゼネコンBIM活用事例と 建設業界のDXについてまとめた ホワイトペーパー配布中!
❶大手ゼネコンのBIM活用事例
❷BIMを活かすためのツール紹介
❸DXレポートについて
❹建設業界におけるDX
▼キャパの公式Twitter・FacebookではITに関する情報を随時更新しています!
参考:
*1 IT Media News「「サードパーティーCookie」は“悪”なのか? 私がSafariを使う理由」
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1812/13/news016_2.html
*2 Impress Watch「Google、サードパーティCookie廃止後は個人追跡を排除」
https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1310199.html