5Gの普及で将来どのように生活が変わるのか?
5Gって何?
最近、いろいろなところで耳にする「5G(ファイブ・ジー)」とは何でしょうか?
5G(5th Generation)は「第5世代移動通信システム」のことで、スマートフォンなどで普及している4G/LTEと比べて、理論値では100倍も速い移動通信の規格です。
技術的な話をすると、4Gは50Mbps~1Gbpsの通信速度ですが、5Gでは10Gbps~100Gbpsの速度になります。理論値にもとづいた話になりますが、DVD1枚当たりの情報量を4G/LTEだと約5分で送信できますが、5Gでは、3秒程度で送信できてしまいます。いかに5Gが高速であるかがおわかりになるでしょう。
また、5Gの規格には高速通信だけでなく、2点間での1/1000秒程度の遅延、4Gの100倍以上の同時接続数、99.999%の信頼性という条件も加えられています。
5Gで何ができるようになるの?
通信が高速、遅延がほとんどない、同時接続数が格段に増える、という各々のメリットごとに分類すると、
■通信が高速
4K/8Kなど大容量の動画もスムーズに送信できるようになります。
VR/ARなどの大容量データの通信にも十分に対応できるようになります。
また、高速であることによりトラフィックも緩和されます。ある情報を1人に送信するのに3分かかっていたのが、3分で100人に送信できるようになります。
■遅延がほとんどない
4Gでの遅延は0.05秒であるのに対して5Gでは0.001秒程度になるため、リアルタイムの機器制御が可能になります。これにより、自動車の自動運転、建設機械やロボットの遠隔運転などが高い精度で行えます。
例えば、時速100kmで走行する自動車の自動運転を、4Gを利用して制御した場合、遅延0.05秒の間に139cm進んでしまいますが、5Gの遅延では2.8cmしか進みません。この精度で制御ができれば重大な事故が発生する確率は非常に低くなります。
■同時接続数が格段に増える
これは基地局当たりの同時接続数が増えるということで、今よりも多くのネットワーク機器が利用できるということになります。
例えば、身に着けるウェアラブルコンピュータと各種センサーにより身体状態をリアルタイム記録する、街中のいたるところに設置される防犯カメラ、振動の違いをモニタリングするセンサーで建造物の老朽化や補修時期をモニタリングする、日照時間や温度・湿度などを記録するセンサーで農作物の育成状況をモニタリングするなど、IoT(Internet of Things)の可能性を拡げます。
5Gに課題はないのか?
いいことづくしの5Gであるように見えますが、やはり普及にはいくつかの課題があります。
■5Gのミリ波は建物の壁や雨などで減衰してしまう。
日本国内で通信キャリア4社に割り当てられる5Gの周波数帯域は、3.7GHz帯及び4.5GHz帯と28GHz帯です。
その中でも高速な28GHz帯は特に波長が短かいため直進性が高く、建物などの遮蔽物に影響を受けるという特徴があります。また、大気中の雨などによっても電波が減衰してしまうため、中継基地局など街中の多くの場所にアンテナの設置が必要になります。
■設備投資額に見合うビジネスになるのか
5Gは電波の特性上、多くの基地局を必要とします。新たに基地局の整備に投資する費用がサービスで回収できるのかが普及のポイントです。そのため現在、世界の様々な通信機器メーカーが低コストで基地局を整備できる技術を開発しています。
■5Gの高速通信を生かせる個人ユーザーの用途があまりない
ビジネスシーンでは無限の可能性を秘めている5Gですが、個人利用において5Gの超高速通信を生かせる用途が見当たりません。4K映像の動画配信などはすでに4G(LTE)で実現できてしまっているため、あえて投資して5G対応の必要には迫られません。
5Gで描く未来
様々な課題がある5Gですが、2020年から通信キャリア各社がサービス開始予定です。
5Gの高速性・低遅延を生かしたサービスが普及するのはもう少し時間がかかると思いますが、すでに各企業で様々な実験が行われています。
医療分野では遠隔手術、AI診断など、災害現場ではドローン+カメラでの状況調査、救護ロボット、危険な建設現場においては建機の自動運転やロボットによる作業、農業においてはスマートファームなど、実現されれば危険な作業の回避や労働者不足の解消につながります。
ただ、それらのシステムを開発するソフトウェア人材の不足も懸念されてはいますが、それでも5GをインフラとしたAIやICTの融合により、子供のころ夢に見た社会がもう手の届くところまで来ています。
いちはやく体験してみたく、待ち遠しい限りです。
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