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Apple watchはWrist IDでリストバンドのスマート化を加速する

これまでも様々な素材とデザインで、ユーザーに多くの楽しみを提供してきたApple watchのバンドですが、今回判明したAppleの特許によると新たに「バンドのスマート化」を目指しているようです。本記事ではApple watchの「周辺機器」に進化するかもしれないバンドの特許に関する情報をお届けします。

この記事でわかること
・個人認証の新しい仕組みであるWrist IDについて
・バンドをスマート化するAppleの特許について
・「バック・トゥ・ザ・フューチャー」と特許の関係

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Appleが申請した新たな3つの特許

Apple関連の情報サイトとして有名な9TO5Macの記事によると、現在Appleは、Apple watchのバンドについてユニークないくつかの機能を特許として申請しているとのことです。スマートウォッチの分野で圧倒的な存在感を示しているApple watchですが、それ自身の機能強化はもちろんのこと、バンドも進化させることでさらなる魅力を付加する特許の内容が明らかになりました。

生体認証としてのWrist ID

Apple watchは決済機能をもち、多種多様な個人情報にアクセスできるモバイル端末ですから、所有者の認証は重要な機能として確実な判別ができることが求められます。セキュリティレベルが高く確実な個人の判別が可能なことと、スピーディな認証は相反する要素ではありますが「生体認証」はそれを実現できる優れた手法として、近年は多くのデバイスで導入されてきました。

言うまでもなく、iPhoneではすでに「指紋認証」「Face ID」などの「生体認証」が実装されるなど、日常的に高度な技術が利用できるようになってきました。Apple watchについては、iPhoneとの連携によって間接的に利用している状況ですが、バンドをスマート化することによって、Apple watch単体で個人認証を実現しようと言うアイディアがWrist ID(*1)です。

最もスマートな認証方法

手首に密着して利用するバンドだからこそ、特別に意識することなくスムーズに個人の識別が可能ですから、生体認証の中でも最もスマートで利便性の高いものになりそうです。皮膚の「テクスチャーパターン」を認識し、個人の識別を行うのがWrist IDの基本的な仕組みということですが、この方法で個人を確実に特定できるのであれば、最もスマートな生体認証になりそうです。

指紋であれば個人特有であり、同じパターンを持つ人が他にいないことから、確実な認証手段であることは広く知られています。網膜の毛細血管や虹彩を利用する認証方法も一部実用化されています。今回の整体認証で少し気になるのは、手首付近の皮膚パターンと体毛の形状だけで指紋のように個人を特定できるのかという点です。このパターン認識に熱センサーが使われるという点もユニークで、どの程度正確な認識ができるかが問題になりそうです。

ペアリングしたiPhoneのロック解除にも

なお、記事によるとApple watchとペアリングしたiPhoneについても、リストバンドでの個人認証からロックを解除することができるようです。これは思った以上に便利そうです。 iPhoneのFace IDはメガネやマスクのあるなしで認識できないことがあったり、認証させるために一瞬画面を注視する必要があるなど、このようなちょっとした手間が日常的に使用する際には不便に感じるものです。

そのため、Face IDよりも指紋認証方式の方が良かったというユーザーも多く、新しいiPhoneに指紋認証方式の復活を期待する声も少なくありません。このようなことを考えると、「認証させるための特別な操作」が必要なく、着用しただけで自然に個人を識別できる方法は、理想的な認証方法と言えるでしょう。

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インジケーターで各種情報を表示

二つ目の特許は、バンドにインジケーターをつけるというものです。アクティビティやヘルス・フィットネスに関する情報をアナログ・デジタルのディスプレイや、ステータスライトなどのインジケーターで表示するというアイディアです。一目で情報がわかるので便利そうにも思えますが、表示方法やデータの内容をしっかりデザインしないと本当に「使える」バンドにはならないでしょう。ここはAppleのセンスに期待したいところです。

自動で手首にフィットする機能

三つ目の特許は、電動式で装着したら自動で手首にフィットするように巻きつく機能に関するというものです。実は個人的に一番楽しみにしているのこの特許です。今回の3つの特許の中で、実用上でも技術的にも一番重要なのは「個人認証」でしょう。冷静に見て、「バンドの自動巻付き・調整」機能は、ないならないで特に困ることはないものです。

しかし、こういうガジェットがユーザーの心をくすぐり所有欲を刺激するのも事実です。実際ビジネスユースに向かないと言われたMacを長年愛し続けてきた多くのユーザがいるのは、Appleのこうした遊び心があったからではないでしょうか。
装着したことを認識し、手首に過度な負担にならない程度に電動で巻きつけ、ちょうど良いところを何らかのセンサーで感知する。ちょっと考えるだけで、高度な機構が必要であり、当然その分コストもかかります。

普通に「時計のバンド」を作るメーカーなら、アイディアとして持っていても実際に製品化してリリースしようとは思わないでしょう。そこに技術とコストをかけて高額なバンドを発売したとしても、限られたユーザーしか購入しようと思わないでしょうから。

プロダクトアウトタイプでマーケットを創出してきたApple

その点Appleはチタン削り出しのMacbookを作ったり(現在はアルミ製)、当初は対応するソフトもないのに三軸加速度センサーなどの高度なセンサー類を導入したiPhoneをリリースしたりと、その時代ではオーバースペックと思える製品を数多く出している企業です。マーケットインではなく、プロダクトアウトタイプのAppleだからこそ、それまでなかった製品で新たなマーケットを開拓し、現在のブランドを確立してきました。

映画の描いた未来が現実に

この記事を見て「バックトゥー・ザ・フューチャー」を思い出した方はどのくらいいるのでしょうか?1985年制作ですから、もう35年も前の古い映画になります。スティーブン・スピルバーグ制作総指揮、ロバート・ゼメキス監督、マイケル・J・フォックス主役で、第3作まで作られました。クリストファー・ロイド演じるエキセントリックな科学者や「デロリアン」というタイムマシーンになる車が人気を集めました。

第二作では未来へタイムスリップする物語として描かれており、その作中で「自動で紐が閉まるシューズ」が登場しています。作中で描かれた未来が2015年であり、第1作から30周年ということで、その年に多くの記念するイベントがあったことはまだ記憶に新しいと思います。このシューズは、2017年になってNike(*2)から市販モデルが実際に発売されており、多くのファンから歓迎されました。まさに私たちが今「映画の中で描かれた未来に」いることを実感できる出来事でもあります。

【まとめ】
Appleは数多くの特許を申請しており、その全てが製品に採用される訳ではありません。そのため、今回の記事についても実際に製品としてリリースされるかどうかは未知数です。優れた機能であってもコストの面で実現が難しいこともあり、いくつもの特許が日の目を見ないまま眠っています。しかし、本記事でご紹介した「Wrist ID」や「自動巻きつけ機能」は、Appleらしい未来を感じさせるガジェットですので、ぜひ実際の製品としてリリースして欲しいものだと感じています。

ソース
(1)Smart Apple Watch bands described in Apple patents, including ‘Wrist ID’
(
2)ナイキ ハイパー・アダプト1.0

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