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DeepMindのコーディング生成AI「AlphaCode」の強みとは?

プログラムを組む上では欠かせないコーディング作業ですが、近年はこれを自動化できる生成AIの登場に期待が集まっています。DeepMind社が発表した生成AI「AlphaCode」もコーディング生成が可能なAIの一種で、その高いパフォーマンスが高く評価されています。

この記事では、そんなコーディング生成AIのAlphaCodeについて、主な強みや具体的なスペックを紹介します。

目次:

  1. コーディング生成AIとは
  2. コーディング生成AIの強み
  3. DeepMindが手掛ける「AlphaCode」とは
  4. AlphaCodeの強み
  5. AlphaCodeの今後

コーディング生成AIとは

コーディング生成AIは、生成AIの中でもコードの記述に特化したAIのことを指します。プログラムにはコードの記述が不可欠ですが、生成AIを使うことでこれを自動化することが可能です。

生成AIはディープラーニングの技術を活用し、学習データをもとにゼロからデータを生成することができます。有名なのは画像生成AIやキャッチコピー、台本などを生成できるテキスト生成AIですが、コーディングについても近年は高いレベルで生成AIが業務を担えるようになってきました。

コーディング生成AIの強み

コーディング生成AIの優れているところは、コーディングに必要なスキルや時間を大幅に削減できる点にあります。コーディングを行うためには相応のスキルが必要であっただけでなく、手動入力でコードを記述しなければならず、時間のかかる作業でした。

ところがコーディング生成AIの場合、自然言語で動作させたいプログラムを指示することで、自動でコードを書き上げてくれます。コード記述のための時間や労力を必要としないばかりか、コーディングに関するスキルも問われないのが大きな強みです。

また、コーディング生成AIはゼロからコードを書き上げてくれるだけでなく、書きかけのコードを把握し、補完する役割も果たせます。複雑なプログラムを構築したい場合も、途中までエンジニアが記述してコードの方向性を定めておけば、正確にその続きをAIが記述可能です。

あるいは人間が記述したコードを校正し、正しく動作するよう書き直すようなタスクも担えるため、デバッグの負担が大幅に削減できます。

DeepMindが手掛ける「AlphaCode」とは

そんなコーディング生成AIの中でも優秀な成果を残していると言われるのが、DeepMind社の手掛ける「AlphaCode」です。

AlphaCodeは2022年2月に発表された比較的最新の生成AIで、最大の特徴とされるのが競技プログラミングにおいても優秀な成績を収められるほどの精度を有していることです*1。

AlphaCodeのルーツにあるのは「ChatGPT」でお馴染みのOpenAI社が2021年8月に発表したコーディングサービスの「Codex」です。これは入力したソースコードの続きを自動で補完することのできる生成AIの一種で、簡単なコマンドさえ覚えてしまえば初心者でも複雑なプログラムを構築できることから、大きな注目を集めていました。

AlphaCodeは、そんなCodexのコーディング能力を独自に改善し、ゼロからでもコード生成ができるようにアップデートされた生成AIです。同AIにおいては414億ものパラメータを保持しており、強力な生成能力を支えています。

AlphaCodeの強み

AlphaCodeは競技プログラミングに耐えうるレベルのコーディング能力を取得しているということですが、具体的にどれくらいコーディング能力を備えているのでしょうか。

競技プログラミングにはいくつかの種類があるものの、基本となるのは自然言語の出題内容を理解し、それに適した回答を記述できる能力です。AlphaCodeはそんな自然言語を理解してコード化する能力を備えており、初級者レベルのプログラマー向けの競技プログラミングに出場し、平均的なスコアを獲得できるレベルには到達していると評価されています*2。

競技プログラミングにおいて、出題される問題はプログラマーの技術力や創造力を問う内容になっており、直接的な指示は出されません。

にもかかわらずAlphaCodeは問題文の自然言語を理解し、アルゴリズムをコーディングできるということで、同AIは高く評価されています。

DeepMindによると、このように人間のプログラマーと競技プログラミングという種目の中で対等、あるいはそれ以上に戦えるAIの登場はAlphaCodeが初めてということで、そのポテンシャルには今後のさらなる能力向上にも期待できるものと言えるでしょう。

AlphaCodeの今後

AlphaCodeが今後も進化を続けることができれば、以下のような未来が訪れることも夢ではありません。それぞれの展望について、解説します。

エンジニアの生産性向上

1つ目は、エンジニアの生産性の向上です。シンプルなプログラミングであればAlphaCodeに全面的に任せてしまい、複雑な実装や修正をエンジニアが対応するような環境が整備されることで、エンジニアのコーディング負担は飛躍的に改善するでしょう。

開発コストの削減

AlphaCodeを使ったコーディングは、従来のそれと比べて圧倒的に身体的、時間的負担が小さいため、短期間でサービスを構築できるようになります。これまでは半年かかっていたようなシステムも、うまくいけば1ヶ月、あるいは数週間で実装できるかもしれません。

うまくいけばシステム開発にかかる人件費や、設備費用を大きく削減可能です。

サービス間の開発競争活性化

従来よりもサービスの開発や運営にかかる時間や経済的コストが大幅に削減されれば、ますますアイデアを形にすることが容易になり、そのスパンも短くなることで次々とサービスが世に送り出されるでしょう。

企業間の技術的なギャップは小さくなり、優れたアイデアを提案したり、顧客満足度に優れるサービスが生き残ったりと、健全な開発競争が促進されるかもしれません。

まとめ

この記事では、DeepMind社が開発したコーディング生成AIのAlphaCodeについて解説しました。コーディング生成AIの可能性は多くの関係者が注目しており、革新的な生産性向上や新しいビジネスの開発チャンスをもたらしてくれるでしょう。

エンジニアの不足やスキルの不足を補えるスペックを持った同サービスは、国内外を問わず広く導入される可能性が高いと言えます。

競技プログラミングで一定の成果を残せるレベルの生成AIはAlphaCodeが初めてであるとされていることから、この領域では今後同AIの更なる飛躍を期待したいところです。

 

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出典:

*1 GIGAZINE「自動プログラミングAIの「AlphaCode」をDeepMindが発表、競技プログラミングレベルのコード生成が可能」

https://gigazine.net/news/20220203-deepmind-alphacode/

*2  ZDNET Japan「競技プログラミングで実力、DeepMindのコード生成AI「AlphaCode」に見る可能性」

https://japan.zdnet.com/article/35183201/

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