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BIM/CIM原則適用は2025年以降どうなる?実務で求められる対応とは

1. はじめに

近年、建設業界では「BIM 2025年以降」「CIM 原則適用」といったキーワードで情報を確認する動きが目立つようになっています。背景には、令和5年度からBIM/CIMの原則適用が本格的に進み、国土交通省が示す基準・要領の内容を前提に、発注者対応や成果物の扱いを整理する必要が出てきたことがあります。2025年は、こうした取り組みが進んだ先の「次の確認ポイント」として意識されやすく、現場でも早めに方針を固めたいというニーズにつながっています。

一方で、BIM/CIMについて調べるほど「2025年以降は全面的に3Dモデルが必須になるのか」「2D図面は使えなくなるのか」といった不安や誤解も生まれやすいのが実情です。とくに「義務化」という言葉が先行すると、急に大きな制度変更が始まるように感じてしまいますが、実際に使われている表現は「原則適用」であり、案件の特性や活用目的を踏まえて進める前提が整理されています。

また、建設プロジェクトでは発注者との合意形成やチーム内の情報共有が成果に直結するため、制度の理解が曖昧なままだと、後工程で手戻りや調整負担が増えるリスクがあります。とくにプロジェクトリーダーの立場では、コスト・スケジュール・品質に関わる判断として、早い段階で「何を、どこまでやるか」を整理しておくことが重要になります。

本記事では、2025年以降のBIM/CIM原則適用について、まず「そもそも原則適用とは何か」をわかりやすく整理します。そのうえで、2025年を境に急に義務化が始まるわけではない点を押さえつつ、実務で確認すべきポイントと現実的な対応の進め方をまとめます。全体像をつかんでおけば、社内体制の整備や外部活用、教育・トレーニングまで、段階的に検討しやすくなるはずです。ぜひ最後まで読んで、2025年以降に向けたBIM/CIM対応の判断軸を整理してください。

2. BIM/CIM原則適用とは何か|まず押さえる制度の前提

BIM/CIMとは、建築や土木といった建設分野において、3Dモデルを活用しながら設計・施工・維持管理を進めていく手法を指します。従来の2D図面中心の進め方に比べ、形状や情報を立体的に共有できる点が特徴です。「原則適用」とは、こうした3Dモデルの活用を基本方針とし、発注者が示す基準や要領に沿ってプロジェクトを進めていきましょう、という考え方を意味します。

もっとも、「BIM/CIMに対応する」といっても、すべての案件や工程で一律に3Dモデリングが必須になるわけではありません。令和5年度から本格化した原則適用の運用を見ても、各現場では無理のない範囲から段階的に導入を進めているケースが多く見られます。この背景には、国土交通省が公開している「BIM/CIM ポータルサイト」や各種ガイドラインで、案件特性に応じた進め方が整理されていることがあります。

BIM/CIM導入の初期段階では、ソフトウェアの導入費用や技術者の教育・習熟にかかる負担が課題として挙げられがちです。一方で、3Dモデルを活用することで、施工前に干渉や不整合を把握しやすくなったり、維持管理に必要な情報を一元的に管理できたりと、長期的なメリットも期待できます。さらに、3Dモデルは視覚的に理解しやすいため、現場作業員や職長クラスとの情報共有、発注者との打ち合わせ資料としても有効に機能します。

今後もBIM/CIMに関する基準や要領は見直しが続くと考えられますが、制度全体を貫く考え方は「原則適用」です。つまり、単なる強制ではなく、活用効果や合意形成を重視しながら取り組む姿勢が示されています。以下では、この「原則適用」がどのような位置づけにあるのか、そしてなぜ一律の義務化ではないのかを、もう少し具体的に整理していきます。

2.1. BIM/CIM原則適用の位置づけ(義務化との違い)

「BIM/CIM原則適用」とは、「基本的にはBIM/CIMを活用することを前提に進めましょう」という制度上のスタンスを示す言葉です。これに対して「義務化」は、「必ず使わなければならない」という強い拘束力を伴う表現になります。現在、国土交通省や各自治体が公表している資料を見ると、BIM/CIMについては後者ではなく、あくまで「原則適用」という言い方が採られていることが分かります。

実務上は、プロジェクトの規模や内容に応じて、BIM/CIMの活用レベルを調整できる余地が残されています。たとえば、発注者が明確な活用目的を設定し、3Dモデルを用いることで品質向上や効率化が期待できる案件では、積極的にBIM/CIMを活用する方向性が示されます。一方で、活用目的に対して過度に詳細な3Dモデル化が必要となり、コスト増や工程への影響が大きい場合には、当面は2D図面を基本とし、3Dモデルを補助的・参考的に使うといった整理も認められています。

この点が、「義務化」との大きな違いです。国土交通省が示す基準や要領で求められているのは、すべてを完全な3Dモデルに置き換えることではありません。むしろ、発注者と受注者が共通認識を持ち、「3Dモデルをどう活かすか」を前向きに検討していく姿勢そのものが重視されています。

なお、BIM/CIMに未対応のままプロジェクトを進めたからといって、直ちに契約違反になるわけではありません。ただし、発注者から活用方針について説明を求められたり、成果物の評価に影響したりする可能性はあります。そのため、事前にどのレベルまで対応するのかを確認し、関係者間で共有しておくことが重要です。

2.2. なぜ「原則適用」という表現が使われているのか

「原則適用」という柔らかい表現が採用されている背景には、大きく分けて二つの理由があります。

一つ目は、建設プロジェクトごとに条件や規模が大きく異なるという現場の実情です。たとえば、大規模な橋梁やトンネルの新設工事では、3Dモデルを活用することで検討効率や施工精度が大きく向上します。一方、小規模な補修工事や条件が限定された案件では、同じレベルのモデリングが必ずしも効果的とは限らず、かえって負担になることもあります。こうした違いを踏まえ、令和5年度の運用要領では、案件ごとに段階的な対応を認める考え方が整理されています。

二つ目は、実務への配慮です。BIM/CIMを全面的に導入するには、ソフトウェア環境の整備や人材育成に一定の時間とコストが必要です。これを一律に強制すれば、現場が制度対応に追われ、本来の業務に支障をきたす恐れもあります。そのため、「原則適用」という表現によって、各組織が実力や体制に応じて段階的に取り組める余地が残されています。

加えて、令和5年度の制度では、「BIM/CIMの活用目的」を発注者が具体的に示し、その目的に沿って3Dモデルを作成・活用するという考え方が明確になっています。つまり、「原則として3Dモデルを使うが、どこまで作り込むかは案件特性と目的次第」という立場こそが、現在のBIM/CIM原則適用の本質だと言えるでしょう。

3. 2025年以降、BIM/CIM原則適用はどう扱われるのか

BIM/CIMについて調べていると、「2025年以降、原則適用が一気に厳しくなり、対応しきれなくなるのではないか」と不安に感じる声をよく耳にします。しかし実際のところ、BIM/CIM原則適用はここ数年にわたって段階的に進められてきた取り組みの延長線上にあり、2025年を境に突然まったく新しい制度が始まるわけではありません。

一方で、令和5年度から令和7年度(2025年度)に向けて、BIM/CIMに関する基準や要領の整理・明確化が進められているのも事実です。特に、発注時点で3Dモデルの活用目的がきちんと示されているか、発注者と受注者の間で合意形成が図られているかといった点は、これまで以上に重視される傾向にあります。こうした前提を曖昧なまま進めてしまうと、後になって説明を求められたり、調整が必要になったりする可能性があるため、早めに考え方を整理しておくことが重要です。

では、2025年以降のBIM/CIM原則適用は、実務の中でどのように扱われていくのでしょうか。ここでは、「令和7年基準」と呼ばれる基準・要領の整理状況を踏まえながら、2025年という節目で意識しておきたいポイントを整理していきます。

3.1. 2025年以降に「新たに始まる制度」ではない

2025年以降のBIM/CIM原則適用は、これまで段階的に導入されてきた取り組みを継続・発展させていく位置づけにあります。国土交通省が公表してきた資料や通達を見ても、「2025年からBIM/CIMが義務化される」といった内容が示されているわけではありません。

ただし、2025年という年は「令和7年基準」への移行タイミングとして、実務上ひとつの区切りとして意識されやすい時期でもあります。BIM/CIMに関するガイドラインや技術調査資料はこれまでも定期的に見直されており、令和7年3月時点では、基準や要領の内容がより整理され、実務で確認すべき事項が分かりやすく示されています。これにより、発注条件や成果物の整理方法などについて、確認すべきチェックポイントが増えていく点には注意が必要です。

重要なのは、「これまでBIM/CIMに取り組んでいなかった場合でも、2025年になった瞬間にペナルティが科される」といった性質のものではないという点です。むしろ、これまでの流れを踏まえつつ、プロジェクトの規模や条件に応じて、他の事例を参考にしながら段階的に対応を進めていくことが現実的な進め方だといえるでしょう。

3.2. 令和7年基準に見る、2025年以降の実務上の前提

「BIM/CIM関連基準要領等(令和7年3月)」では、2025年度以降のBIM/CIM活用を見据えた考え方が整理されています。特に重視されているのは、発注者があらかじめ活用目的を明確にしたうえで、その目的に沿って3Dモデルをどのように使うかを整理するという点です。設計、施工、維持管理といった各フェーズで、3Dモデルをどの程度活用するのかを事前に共有しておくことが、実務上の前提になりつつあります。

こうした基準を具体化することで、現場ではいくつかの確認事項が出てきます。たとえば、どのフェーズでどの範囲・精度の3Dモデルを用意するのか、いわゆるLOD(Level of Detail)をどのように考えるのか、2D図面はどの位置づけで使うのか、成果物として求められる情報量はどの程度か、といった点です。これらを整理しておくことで、後工程での認識違いや手戻りを減らすことができます。

一時的には、BIM/CIMを扱う技術者の作業負担が増える場面もあるかもしれません。しかし、基準や要領が整理されることで、3Dモデルの活用範囲が明確になり、結果として導入効果を高めやすくなる側面もあります。また、「BIM/CIM 技術調査」の成果を踏まえた新しい工法やツールが登場する可能性もあり、業界全体としては、3Dモデルを活用した生産性向上や品質向上の取り組みが、今後も継続して広がっていくと考えられます。

4. よくある誤解|2025年以降は何が「必須」になるのか

ここでは、BIM/CIMに関して現場でよく聞かれる誤解を整理し、2025年以降に実際に何が求められるのかを落ち着いて確認していきます。とくに「すべての業務で3Dモデルが必須になる」「2D図面はもう使えなくなる」といったイメージを持たれがちですが、制度の考え方を正しく整理すると、実態はもう少し現実的なものです。

BIM/CIM原則適用は段階的に進められているため、その途中段階だけを切り取った情報が広まりやすく、「BIM/CIM=大変そう」「対応しないと危ない」といった印象が先行しがちです。こうした誤解が原因で、必要以上に導入を恐れたり、判断を先送りしてしまったりすると、本来得られるはずの効果を活かせなくなる可能性もあります。そこで以下では、「2025年 3Dモデル必須」という誤解と、「2D図面はどうなるのか」という点について、実務の視点から整理していきます。

表:制度の考え方

よくある誤解・不安実際の制度の考え方
【誤】2025年以降はすべての案件で3Dモデルが必須案件・工程・活用目的に応じて、段階的な活用が前提
【誤】2D図面は今後使えなくなる2D図面と3Dモデルの併用が基本
【誤】未対応だとすぐに罰則やペナルティがある直ちに罰則はなく、発注者への説明責任が重視される

4.1. 2025年以降はすべて3Dモデル必須なのか?

結論から言えば、2025年以降にすべての案件や工程で3Dモデルの作成が必須になるわけではありません。国土交通省の「BIM/CIM ポータルサイト」などで公開されている基準や要領を見ても、案件の内容やフェーズに応じた柔軟な運用が前提とされています。たとえば、計画や初期設計の段階では、形状や配置を把握するための「概要モデル」から始めるケースも多く、最初から詳細な3Dモデルを作成する必要がない場合もあります。

一方で、施工管理や維持管理の高度化が求められる大規模プロジェクトでは、詳細な3Dモデルを活用することで大きな効果が期待できます。施工中の干渉チェックや工程シミュレーション、完成後の維持管理への情報引き継ぎなど、3Dモデルならではの強みが発揮される場面も多いでしょう。こうした案件では、3Dモデルを積極的に活用する意義が高まります。

重要なのは、「どの程度の3Dモデルが必要なのか」を発注者と早い段階で共有し、合意しておくことです。プロジェクトリーダーの立場では、全面的な3D化を前提に考えるのではなく、活用目的や効果を踏まえて最適なレベルを検討する姿勢が求められます。2025年以降も、一律に全面3D化が求められるわけではなく、案件ごとに適切な対応を選ぶことが基本となります。

4.2. 2D図面は使えなくなるのか?

もう一つよくある疑問が、「2D図面は今後使えなくなるのか」という点ですが、これも誤解のひとつです。BIM/CIM原則適用では3Dモデルの活用が推奨されていますが、2D図面自体が否定されているわけではありません。むしろ、2D図面と3Dモデルを目的に応じて使い分ける、あるいは併用するという考え方が前提となっています。

実際の現場では、2D図面の方が情報を把握しやすい場面も少なくありません。現地で作業を行う職人や、外部の協力会社にとっては、従来どおりの2D図面の方が理解しやすいケースも多いのが実情です。国土交通省の資料でも、当面は2D図面を設計図書として使用し、3Dモデルは参考資料として活用するという整理が示されており、無理に2D図面を排除することは想定されていません。

大切なのは、「2D図面しか使わない」という従来のやり方に固執するのではなく、必要な場面で3Dモデルを補助的に活用できる体制を整えていくことです。いきなり全面的に切り替えるのではなく、「BIM/CIMを小さく始める」という考え方で、データ連携や活用範囲を少しずつ広げていけば、現場への負担を抑えながらスムーズに対応していくことができます。

5. 2025年以降、実務で求められる「対応」とは

2025年以降のBIM/CIM原則適用を見据えると、実務者が意識すべき対応は一つに限られません。発注者に対する説明責任を果たすための資料整理、3Dモデルを使った円滑な情報共有、さらには社内や協力会社を含めた教育・体制づくりなど、複数の要素が関係してきます。ただし、これらを一度にすべて整えなければならないわけではなく、あくまで「段階的に対応していく」ことが基本的な考え方となります。

とくに建設現場のプロジェクトリーダーや管理者にとって重要なのは、現場の実情を踏まえながら、どの業務範囲でBIM/CIMを活用するのかを早い段階で見極めることです。無理のない導入範囲を設定し、社内外の関係者と共有することで、混乱を避けながら対応を進めることができます。以下では、制度上求められている最低限の対応と、実際の現場で現実的に行われている導入レベルについて整理していきます。

2025年以降に実務で意識しておきたい対応の整理

  • 発注者と「BIM/CIM活用目的」を事前に共有する
  • すべてを3D化せず、必要な範囲から段階的に対応する
  • 2D図面と3Dモデルの役割分担を明確にする
  • 社内教育・外部連携を含めた体制づくりを検討する

5.1. 制度上「求められている対応」

制度面でまず押さえておきたいポイントは、「発注者との合意形成」と「活用目的を意識した3Dモデルの作成」です。たとえば、公共工事の仕様書や契約書に「BIM/CIM 原則適用」と記載されている場合、受注者は原則として3Dモデルを活用する前提で業務を進めることが求められます。ただし、どの工程でどの程度の詳細度のモデルを作成するのか、どんな成果物を提出するのかについては、事前に発注者と十分に協議しておく必要があります。

また、成果物の扱いについても注意が必要です。単に3Dモデルを作成すればよいのではなく、2D図面や数量計算との整合性が求められるケースも少なくありません。国土交通省や各自治体が示している基準・要領には、こうした成果物の考え方や具体例が示されているため、早い段階で内容を確認しておくと対応がスムーズになります。特にBIM/CIMを初めて本格的に導入する企業やチームでは、「最低限、何を満たせばよいのか」を整理しておくことが重要です。

そのためにも、「BIM/CIM に関する基準・要領」や「BIM/CIM ガイドライン」を体系的に把握しておくことが、発注者との協議や社内説明を円滑に進めるうえで大きな助けになります。

5.2. 現場で現実的に求められる対応レベル

一方で、現場レベルの実務においては、「すべての案件をいきなりフル3D化しなければならない」と考える必要はありません。実際には、達成可能な範囲から少しずつ取り組むケースが多く見られます。たとえば、初期設計段階では簡易的な3Dモデルを用いて全体像を共有し、施工段階に進むにつれて必要な部分だけ詳細化していくといった進め方です。また、設備や構造など、干渉が起こりやすい分野に限定して3Dモデルを活用する方法も、現実的なアプローチといえます。

社内体制についても同様で、すべてを内製でまかなう必要はありません。BIM/CIMに詳しい人材を段階的に育成したり、必要に応じて外部の専門会社と連携したりすることで、現場の負担を抑えながら対応を進めることが可能です。国土交通省が運営するBIM/CIM ポータルサイトに掲載されているガイドラインや事例集を見ると、多くの企業が段階的な導入を行っていることが分かり、参考になるはずです。

総じて重要なのは、「無理のない範囲で、しかし確実にBIM/CIM対応を進める」という姿勢です。課題や制約は発注者やチーム内で共有し、段階的な対応であっても説明責任を果たしていれば大きな問題にはなりません。このような現実的な進め方こそが、結果的にBIM/CIM活用の効果を高め、発注者からの信頼を積み重ねることにつながります。

6. BIM/CIM未対応のままだとどうなるのか(注意点)

では、BIM/CIMに対応しないまま2025年以降を迎えた場合、実務上どのような影響や注意点が考えられるのでしょうか。結論から言えば、BIM/CIMに未対応であることだけを理由に、ただちに契約が無効になったり、罰則が科されたりするわけではありません。しかし一方で、発注者や元請企業から「なぜBIM/CIMを活用しないのか」「代替手段は何か」といった説明を求められる場面が増えていく可能性があります。

とくに、発注段階でBIM/CIM活用が想定されている案件において、受注者側が十分な対応を用意できていない場合、発注者との認識のずれが生じる恐れがあります。BIM/CIMによる工期短縮や品質向上、コスト削減が期待されているプロジェクトでは、対応できないこと自体が評価上のマイナス要因となるケースも考えられます。評価点が重視される入札やプロポーザル方式の案件では、BIM/CIMの活用実績や体制が評価項目に含まれることもあり、結果として受注機会に影響が出る可能性は否定できません。

また、社内やチーム内の視点で見ても、BIM/CIMへの対応を先送りするほど、後から取り組む際の負担は大きくなりがちです。情報共有の方法や教育体制が旧来のまま固定化されていると、新しい考え方やツールを導入する際に抵抗が生じやすくなります。結果として、「もっと早く準備しておけばよかった」という状況に陥ることも少なくありません。

このように、BIM/CIM未対応が即座に大きな不利益につながるわけではありませんが、「知らなかった」「準備していなかった」では済まされない場面は徐々に増えていくと考えられます。そのため、無理のない範囲で構いませんので、段階的に情報を整理し、対応を進めておくことが、将来的なリスクを抑えるうえで賢明な選択といえるでしょう。

BIM/CIM未対応で想定される主な影響

  • 発注者から対応方針の説明を求められる可能性
  • 評価点・技術提案面で不利になるケース
  • 後から導入する際の教育・体制整備の負担増

7. まとめ|2025年以降を見据えたBIM/CIM原則適用との向き合い方

ここまで、BIM/CIM原則適用が2025年以降どのように扱われていくのか、そして実務の中でどのような対応が求められるのかを整理してきました。改めて押さえておきたいのは、「2025年を境に突然ルールが変わり、全面的な義務化が始まるわけではない」という点です。一方で、BIM/CIMの活用が前提となる流れは着実に進んでおり、多くの技術者がその対応を意識し始めているのも事実です。

制度としては「原則適用」という柔軟な立場が維持されており、すべての現場に一律の対応を求めるものではありません。プロジェクトの規模や特性、活用目的に応じて、3Dモデルと2D図面を適切に使い分けながら進めていくことが、現在の主流といえるでしょう。重要なのは、「何をどこまで対応すべきか」を発注者や関係者と共有し、合意形成を図りながら進めることです。

また、BIM/CIMを導入することで、施工時の手戻り削減や情報共有の効率化、品質向上といった実務上のメリットを得られる可能性もあります。こうした効果は、競争力の向上や発注者との信頼関係づくりにもつながります。そのため、いきなり大きな投資を行うのではなく、小さく試しながら社内体制や教育を見直していく姿勢が、現実的かつ持続的な対応といえるでしょう。

2025年以降を「新たなスタート」として身構えるのではなく、これまでの取り組みの延長線上にある「続き」と捉えることが大切です。本記事で整理した考え方を参考に、自社やチームの状況に合った無理のない対応策を検討し、段階的にBIM/CIMと向き合っていくことが、これからの建設現場に求められる現実的な選択肢といえます。

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<参考文献>

令和5年度BIM/CIM原則適用について

https://www.mlit.go.jp/tec/content/001510002.pdf

技術調査:BIM/CIM関連基準要領等(令和7年3月) – 国土交通省

https://www.mlit.go.jp/tec/tec_fr_000158.html

基準・要領等 | BIM/CIM ポータルサイト

https://www.nilim.go.jp/lab/qbg/bimcim/standard.html

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