Rebroの外部参照機能とは?設定方法や基本操作を解説
NYKシステムズが開発し提供しているCAD・BIMソフトのRebro(レブロ)は、さまざまな機能を備えている点が高く評価されている国産の製品です。
ただ、その機能の豊富さゆえにその全てを使いこなすことは難しく、基本機能から順番に学ぶことが初心者にとっては重要です。
この記事では、そんなRebroの基本機能の一つである外部参照機能について、その概要や設定方法などに触れながら紹介します。
目次:
- Rebroの強み
- Rebroの外部参照機能とは
- Rebroの外部参照の設定方法
- 外部参照の位置を変えるには
- 外部参照のレイヤーを変えるには
- 外部参照の更新を実施するには
- 外部参照を共有するには
- 外部参照に対応しているコマンド
Rebroの強み
Rebroは国内でも有数のシェアを誇るCAD・BIMソフトですが、高く評価されている理由としては、
- 国産の製品である
- 直感的な操作性に優れる
- 互換性に優れる
といった点が挙げられます。多くのBIM製品は海外のメーカーである一方、Rebroは国内企業であるNYKシステムズが提供しています。そのためすべてのサポートを日本語で引き受けることができるという強みを持っており、初めてのBIM導入という方でも安心です。
具体的な使用感については、やはりその直感的な操作性の高さが魅力です。簡単なマウス操作であらゆるコマンドを実行でき、最小限の目線の動きやマウスの動きだけで賄うことができるため、ユーザーの疲労や混乱を抑えられます。
また、Rebroは他のBIMソフトやCADソフトとの互換性にも優れています。BIM運用の最大の課題は、BIM対応の製品が関係者に行き渡っていない、あるいは使用ソフトに互換性がないことで、情報共有が阻害されることです。
一方でRebroの場合、多くのBIMソフトやCADソフトとの相互運用に対応しています。そのため、BIMの強みである情報共有の効率化や編集作業の生産性向上を後押ししてくれるでしょう。
Rebroの外部参照機能とは
Rebroが有する代表的な機能として知っておきたいのが、外部参照機能です。外部参照機能は言い換えるならリファレンス機能の一種で、別のファイルから図面を呼び出すことができる、便利なものです。
外部参照機能のメリット
通常、別の図面を呼び出すとなるとメインとなる図面とは別途、新たに図面を立ち上げるという方法が挙げられます。しかしリファレンスのために毎回図面を新たに立ち上げるのは面倒で、マシンへの負担も増えることから、あまり効率的な方法ではありません。
そこで活躍するのが、外部参照機能です。外部参照機能の強みは、通常のファイル展開とは異なり図面の要素読み込みが発生しないため、負担がごく軽量に抑えられます。
外部参照機能が役に立つのは、プロジェクトの規模が大きくなり、データ間のすり合わせの負担が増えてきた場合です。外部参照機能を使うことで図面立ち上げの負担を小さく抑え、確認の作業を余計な時間をかけることなく実施できるため、生産性向上に役立ちます。
外部参照機能に対応しているファイル形式
外部参照機能は、複数のファイル形式に対応しているのも便利なところです。対応ファイル形式としては、
- REB(Rebro図面)
- DWG
- DXF
- JWW
が挙げられます*1。いずれもCAD・BIM運用においては使用機会が多いため、他のCADソフトやBIMソフトと連携する場合でも、安心して外部参照機能を使用することができるでしょう。
Rebroの外部参照の設定方法
続いて、Rebroにて外部参照ツールを使用するための方法を解説します。
外部参照ツールを使用するには、まずRebroのホームタブから[外部参照の設定]をクリックします。するとプロパティが開き、[参照画面の追加]が選べるのでここをクリックし、参照にしたいファイルを選びましょう。
ファイルを選択したら[開く]を実行し、図面の色を設定します。配色は用意されたパレットから自由に選べるので、本来の図面と被らないように指定すると良いでしょう。
展開図面の詳細設定においては、要素の基準フロアやレイヤー表示・非表示設定などを細かく指定することができます。
外部参照図面の詳細設定は、図面に展開した後も自由に変更することが可能です。そのため、この時点で特段設定要件がない場合は特に指定する必要はありません。
以上の設定事項を確認後、[OK]を押すと図面上に外部参照図面が表示されます。
外部参照の位置を変えるには
外部参照図面の表示が通常作業の妨げとなる場合、表示箇所を変更することができます。外部参照図面の位置を変更するには、まずホームタブから[図面の位置変更]をクリックします。
すると位置変更を実施する図面を選択するリボンが表示されるので、ここから外部参照図面を選択しましょう。
図面を選択すると、図面に移動用の基準点が表示されるようになります。ここをドラッグして移動先を指定すれば、位置変更は完了です。
外部参照の更新を実施するには
外部参照に設定している図面は、参照元の図面を編集することにより、図面の内容を更新することができます。
まず参照元の図面を新たに展開して、編集箇所の修正を行います。編集が完了したら編集を実施した要素を選択し、右クリックのコンテキストメニューから「参照先図面を開く」を選びましょう。
すると外部参照図面が展開され、[検索]パネルの検索結果から上書き保存を行うことが可能です。
参照元図面に再度遷移し、右クリックして[参照先図面を更新する]を選びます。これで外部参照図面の更新は完了です。
外部参照を共有するには
外部参照を踏まえて図面設計を実施した場合、参照図面も合わせて他の関係者に共有しなければならないことがあるかもしれません。
外部参照を設定している図面をそのまま他のPCに共有するには、外部参照図面の参照元図面への取り込みが必要です。
ホームタブから[外部参照の設定]を選び、参照のファイルを指定します。選択が完了したら取り込みを実行して、取り込みが完了した後は[OK]をクリックすれば、共有の準備は整います。
参照元の図面ファイルを保存し、共有先に本来の図面と合わせて共有しましょう。
まとめ
この記事では、Rebroの外部参照機能について解説しました。RebroはCAD・BIM対応の便利な製品ですが、外部参照を有効活用することで、その強みをさらに引き出すことができます。
多様なファイル形式に対応している外部参照機能は、複雑な図面作成や複数人ですり合わせが必要な時に効果を発揮します。参照図面の展開方法や位置の変更方法などをあらかじめ理解した上で、積極的に活用してみましょう。
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*1 NYKシステムズ「外部参照」
https://www.nyk-systems.co.jp/site_main/wp-content/uploads/2021/04/gaibu_2021_1.pdf p.2