Rhino.Inside Revitの使い方|初心者向けに導入方法・Grasshopper連携を解説

1. はじめに

建築やデザインの現場では、RhinoやRevitをはじめとする複数のソフトウェアを組み合わせて設計を行うことが一般的です。

一方で、ツールを連携して利用する際は、ファイル形式やバージョンの違いによるトラブルが発生しやすく、設計変更の反映に時間がかかることもあります。

Rhino公式では、Rhino.Inside Revitを「RhinoやGrasshopperをRevit内で実行できる仕組み」と紹介しており、パラメトリック設計や設計ワークフローの効率化を支援する技術として提供されています(参照*1)。こうした課題を解決しながら、より高度なパラメトリック設計を実現する方法として注目されています。 

本記事では、初心者の方にもわかりやすく、Rhino.Inside Revitの導入方法やGrasshopperとの連携、実務での活用事例を紹介します。

2. Rhino.Inside Revitとは

引用:https://www.rhino3d.com/jp/features/rhino-inside-revit/

Rhino公式では、Rhino.Inside RevitをRhinoやGrasshopperをRevit内で実行できる技術として紹介しています(参照*1)。これにより、RhinoとRevitを連携した設計ワークフローを構築できることから、多くの設計者に活用されています。 

従来は、Rhinoファイルを書き出してRevitに読み込み、設計変更があるたびに書き出しと読み込みを繰り返す必要がありました。

しかし、Rhino.Inside Revitを利用すれば、Revit上でRhinoやGrasshopperを起動できるため、煩雑なファイル連携の手間を大幅に減らせます。

さらに、Revit上でパラメトリック設計を活用できるため、設計の可能性を広げられる点も魅力です。

2.1. Rhino.Inside Revitの概要

Rhino公式によると、Rhino.Inside RevitはRhinoやGrasshopperをRevitのプロセス内で実行できるアドインです(参照*1)。 

初心者の方は、多機能な3DモデリングツールであるRhinoと、BIMソフトウェアであるRevitをどのように連携するのか疑問に思うかもしれません。

実際には、Rhino.Inside Revitアドインを導入することで、Revit上でRhinoやGrasshopperを実行できるようになります。これにより、ファイルの書き出しや読み込みを繰り返す手間を減らしながら、Rhinoで作成した形状やGrasshopperによる設計内容をRevit内で活用しやすくなります。

ファイル連携の手間を減らしながら、複雑な形状の作成やGrasshopperを活用したパラメトリック設計を効率よく進められることが大きな特長です。

2.2. 従来のファイル連携との違い

従来のワークフローでは、Rhinoモデルを中間ファイルとして書き出し、Revitへ読み込むという手順が必要でした。

さらに、設計変更のたびにファイルを書き出して読み込み直し、細かな修正を繰り返す必要がありました。ファイル形式やバージョンの違いによる問題も発生しやすく、時間と手間がかかる方法でした。

一方、Rhino.Inside Revitを活用すると、Revitを起動したままRhinoを利用でき、RhinoやGrasshopperで作成・変更した内容をRevitへ反映しながら効率よく設計を進められます。

データ共有や設計変更もスムーズになり、複雑なファイル連携作業を減らしながら、プロジェクトをスピーディーに進められます。

項目従来のファイル連携Rhino.Inside Revit
データの受け渡し書き出し・読み込みが必要Revit内でRhino・Grasshopperを利用できる
設計変更への対応ファイルを更新して再読み込みRevitと連携しながら設計を進められる
作業効率手間がかかりやすいファイル連携の負担を軽減しやすい

2.3. GrasshopperをRevit内で利用するメリット

Rhino公式では、Grasshopperをビジュアルプログラミングによってパラメトリック設計を行えるツールとして紹介しています(参照*1)。 

Rhino.Inside Revitを利用すると、Revit内でGrasshopperを起動し、建物の形状やファサードを柔軟にコントロールする高度なパラメトリック設計を行えます。

例えば、複雑な繰り返し形状や自動配置の設定、数値変更による設計修正などを、Revitと連携しながら効率よく進められることが大きな強みです。

このようにGrasshopperを活用することで、Revit要素の生成や設計品質の向上につながり、新しいデザイン手法を取り入れやすくなります。

3. Rhino.Inside Revitの導入方法

Rhino公式のGetting Startedでは、Rhino.Inside Revitを利用する前に対応バージョンや必要環境を確認し、所定の手順でインストールすることが案内されています(参照*2)。 

初心者の方は、まずRhinoとRevitが対応バージョンであることを確認し、その後、Rhino.Inside Revitの公式ダウンロードサイトからアドインを入手します。

あわせて、Revitのシステム要件や環境設定も確認し、問題がないことを確認してからアドインを導入しましょう。

これらの手順を踏むことで、RhinoとRevitを連携したスムーズなデータ共有やパラメトリック設計を行えるようになります。

3.1. 必要な環境と対応バージョン

Rhino.Inside Revitを利用するには、まず使用しているRevitが対応バージョンであることを確認することが重要です。

Rhino公式のGetting Startedには対応するRevitやRhinoのバージョンが掲載されているため、事前に必ず確認しましょう(参照*2)。 

Rhinoについても対応バージョンを使用する必要があります。Grasshopperを利用する場合も、対応するRhinoのバージョンを使用することで、安定した動作が期待できます。

システム要件を満たしていない場合は、起動時のエラーやパフォーマンスの低下につながる可能性があるため、事前の確認が欠かせません。

3.2. インストール手順

Rhino公式のGetting Startedで案内されている流れは次のとおりです(参照*2)。 

  • 公式サイトからRhino.Inside Revitのインストールファイルをダウンロードする
  • Revitを終了した状態でセットアップを実行する
  • Revitを起動し、Rhino.Inside Revitのアドインタブが追加されていることを確認する
  • リボンメニューからRhinoまたはGrasshopperを起動する
  • RhinoやGrasshopperが正常に起動すれば導入完了

4. Rhino.Inside Revitの基本的な使い方

導入が完了したら、実際の操作方法を把握することが大切です。

Rhino.Inside Revitの起動方法や、Rhinoモデルを読み込んで編集する手順など、一連の流れを理解しておくと、初心者でもスムーズに作業を進められます。

パラメトリック設計を積極的に活用したい場合は、Grasshopperとの連携方法も押さえておきましょう。

以下では、基本的な操作を順を追って紹介します。

4.1. Rhino.Insideの起動と基本操作

Revitを起動すると、上部のリボンにRhino.Inside Revitのアドインタブが追加されます。

このタブをクリックするとRhinoを起動するボタンが表示されるので、そこからRhinoを起動します。初回は読み込みに多少時間がかかることがありますが、正常な動作なので問題ありません。

基本的な操作は、Revitを開いたままRhinoのコマンドを利用するイメージです。視点の切り替えやモデリングの流れは通常のRhinoとほぼ同じため、普段Rhinoを使っている方であれば違和感なく操作できます。

ただし、Revitモデルと連携する場面では、階層構造やファミリなどRevit特有の要素が関わるため、命名やレイヤーの管理を意識すると整理しやすくなります。

4.2. Rhinoモデルの読み込みと更新

既存のRhinoモデルをRevitプロジェクトで利用する場合は、Rhino.Inside Revitの基本的な手順に沿って操作します。

具体的には、アドインタブからRhinoを起動し、既存の3DMファイルを開いて作業を開始します。すると、Revit内でRhinoのモデルを活用できるようになります。

設計変更が発生した場合も、RhinoやGrasshopperで修正した内容をRevitへ反映しながら作業を進められます。従来のファイル連携方式に比べて手間を減らせるため、変更内容を効率よく確認できます。

特に複雑な形状を扱う建築デザインでは、ファイルを何度もやり取りする必要が少なくなり、設計作業の効率向上が期待できます。

4.3. Grasshopperの活用方法

Grasshopperとの連携は、Rhino.Inside Revitを活用するうえで重要なポイントです。

Rhino公式では、Grasshopperを利用することで数値に基づいた形状の生成や変更を行い、Revitとの連携にも活用できると紹介されています(参照*1)。 さらに、Grasshopperから壁(Wall)や床(Floor)などのRevit要素を生成できることも大きな利点です。

例えば、ファサードに複数の窓を自動配置したい場合は、パラメトリック設計のノードを組むことで、一括変更や繰り返し部材の自動配置を効率よく行えます。

設計変更にも柔軟に対応できるため、試行錯誤が多い場面や複雑な形状を扱う設計で力を発揮します。

Grasshopperでは、例えば次のような作業を効率化できます。

  • パラメトリックな形状の生成
  • 壁や床などRevit要素の生成
  • 窓やパネルの自動配置
  • 数値変更による設計変更への対応

4.4. Revit要素の生成と更新

Rhino公式では、GrasshopperからRevit要素を生成できることがRhino.Inside Revitの代表的な機能として紹介されています(参照*1)。 

通常のモデリングでは、Rhinoの形状をメッシュやサーフェスとして扱うことがありますが、Rhino.Inside RevitではGrasshopperなどを利用して、壁や床、構造材などのRevit要素を生成できます。

これにより、BIM上で情報を保持したまま設計を進められます。例えば、自由曲面を含む形状をもとにRevit要素を生成し、用途に応じて設計内容を調整できます。

また、Grasshopper側で数値を変更して再生成することで更新できるため、設計変更が多いプロジェクトでも時間とコストの削減が期待できます。

5. 実務での活用例

Rhino.Inside Revitの概要を理解したら、実際にどのような業務で活用できるのかを知ることで、より具体的なイメージを持てます。

従来のワークフローでは扱いにくかった自由曲面や複雑な曲面も、RhinoとGrasshopperを組み合わせることで柔軟に設計できます。

また、パラメトリックなファサード設計や繰り返しパターンの配置などを効率よく行えることも大きな特長です。

ここでは、代表的な活用例を紹介します。

活用例活用内容
自由曲面を含む建築デザイン複雑な曲面形状の設計・検討
パラメトリックなファサード設計外装デザインの自動生成・調整
繰り返し部材の自動配置格子やルーバーなどの一括配置

5.1. 自由曲面を含む建築デザイン

自由曲面や複雑な曲面を含むプロジェクトでは、一般的な設計ツールだけでは対応が難しい場面も少なくありません。

Rhino.Inside Revitを活用すると、Rhinoで作成したスプライン形状や自由曲面をRevitで活用し、検証や図面作成を進められます。

特に外装や屋根などの大きな曲面形状は、意匠性だけでなく施工性や構造の検討も重要です。このような場合でも、パラメトリック設計を活用することで、形状の調整をスムーズに繰り返せます。

その結果、多様なデザイン案を短時間で比較・検討でき、クライアントへの提案の幅も広がります。

5.2. パラメトリックなファサード設計

ファサードに多数の部材や窓を規則的、あるいはランダムに配置するデザインは見栄えがする一方、一つひとつ手作業で配置するには手間がかかります。

Grasshopperと連携することで、立面パターンや窓のサイズ、配置位置を自動で調整できます。数値を変更するだけでファサード全体の印象を更新できるため、短時間で複数のデザイン案を比較できます。

また、窓枠や外装パネルなどの繰り返し要素をルール化することで、指定した条件に沿って効率よく配置できます。

そのため、デザインの自由度を保ちながら、設計担当者の作業負荷を大幅に軽減できます。

5.3. 繰り返し部材の自動配置

天井格子やルーバー、床スラブのリブなど、同じ部材を繰り返し配置する場面は建築設計で多く見られます。

このような繰り返し構造を手作業で配置するのは手間がかかりますが、Rhino.Inside Revitを活用すれば、Grasshopperのスクリプトによって一括生成できます。例えば、格子の間隔や形状を数値パラメータで制御し、レイアウトをまとめて変更することも可能です。

これにより、デザイン案の検討期間を短縮しながら、より精度の高いモデルを作成できます。さらに、後から変更があった場合でも、スクリプトの数値を変更するだけで再配置できます。

設計変更が多く短納期のプロジェクトでも、作業効率の向上が期待できるでしょう。

6. よくあるトラブルと対処法

Rhino.Inside Revitは便利なツールですが、導入環境やバージョンの違いなどが原因でトラブルが発生することもあります。

特に、初回インストール時に起動しない、タブが表示されないといった問題は、初心者がつまずきやすいポイントです。

また、Grasshopperが起動せず、パラメトリック設計を進められないケースもあります。

ここでは、よくあるトラブルの原因と対処法を紹介します。

トラブル主な確認ポイント
Rhino.Inside Revitが起動しない対応バージョン・システム要件
タブが表示されないアドインのインストール状況
Grasshopperが起動しないRhinoの対応バージョン・設定

6.1. 起動しない場合のチェックポイント

起動しない原因として多いのは、Rhino.Inside Revitのシステム要件を満たしていないことや、対応していないRevitバージョンを使用していることです。

Rhino公式のGetting Startedでも、まず対応バージョンや必要環境を確認することが案内されています(参照*2)。RevitとRhinoがサポート対象のバージョンであり、互換性のある組み合わせか確認しましょう。 

また、Windowsの更新状況やグラフィックドライバとの相性が影響し、必要な更新プログラムが適用されていないことでエラーが発生する場合もあります。

エラーが表示された場合は、公式サイトのドキュメントやフォーラムで同様の事例を確認し、該当する修正パッチが公開されていないか確認してみましょう。

6.2. タブが表示されない問題の解決

インストールは完了しているにもかかわらず、Revit上部のリボンにRhino.Inside Revitのタブが表示されないことがあります。

この場合は、アドインが正しく有効になっていない、またはアドインフォルダに必要なファイルが正しく配置されていない可能性があります。Revitのプログラムフォルダやアドインフォルダを確認し、不足しているファイルがないか確認してください。

必要に応じてRhino.Inside Revitを再インストールすると、改善する場合もあります。

設定を確認した後は、Revitを再起動するとタブが表示されることがあるため、一度試してみましょう。

6.3. Grasshopperが起動しない時の対策

Grasshopperが起動しない場合は、まずRhinoのバージョンが対応しているか確認しましょう。

Rhino.Inside RevitはRevitとの連携が深いため、対応していないバージョンを使用していると、Grasshopperだけが起動しないことがあります。

また、実行権限やファイアウォールの設定が影響する場合もあります。企業環境などセキュリティが厳しい環境では、プラグインの動作が制限されることもあります。

最後に、Rhinoを単独で起動してGrasshopperが正常に動作するか確認し、問題がなければRevit側のアドイン設定をあらためて確認してみましょう。

7. まとめ

本記事では、Rhino.Inside Revitの概要や導入方法、Grasshopperとの連携を活用したパラメトリック設計、実務での活用例について解説しました。

RhinoとRevitを連携して利用することで、ファイル連携の手間を大幅に減らせるだけでなく、設計変更にも効率よく対応できるようになります。

また、Grasshopperを活用することで、Revit内でパラメトリックなファサード設計や自由曲面を取り入れた建築デザインを検討できる点も大きなメリットです。

導入時には環境設定や対応バージョンの確認が必要ですが、基本的な使い方を身につければ、設計業務の効率化や品質向上につなげられるでしょう。

Rhino.Inside Revitのポイント

  • RhinoとRevitを効率よく連携できる
  • Grasshopperを活用したパラメトリック設計に対応
  • 導入前は対応バージョンの確認が重要
  • 実務では自由曲面や繰り返し部材の設計に活用しやすい

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<参考文献>
(*1)Rhino - Rhino.Inside.Revit
https://www.rhino3d.com/jp/features/rhino-inside-revit/

(*2)Rhino.Inside®.Revit
https://www.rhino3d.com/inside/revit/beta/getting-started

(*3)GitHub - mcneel/rhino.inside-revit: This is the open-source repository for Rhino.Inside®.Revit · GitHub
https://github.com/mcneel/rhino.inside-revit

(*4)【集中講座】RhinoとRevitの連携: Rhino.Inside.Revitとは | AppliCraft
https://www.applicraft.com/tips/rhinoceros/rhinoinsiderevit/