Wi−Fiアシスト機能って何?オン・オフの切り替え方は??
iPhoneで毎月のデータ通信量(いわゆるギガ)を節約する方法として、以前からよく知られているのがWi-Fiの活用。
自宅や出先でWi-Fiを使って固定回線に接続すれば、その分データ通信の量を減らせる為、特に容量の少ないプランの方は積極的に使われているのではないかと思います。
一方で、「Wi-Fiを活用しているのに、なぜか毎月通信制限になってしまう……」という方もいらっしゃるのでは?
実はそれ、iPhoneの機能が原因かもしれません。
今回は、意外と知らない厄介な機能「Wi-Fiアシスト」について、詳しくご紹介したいと思います。
■この記事では次の3つの事がわかります
・Wi-Fiアシストの機能や仕組み
・Wi-Fiアシストのデメリット
・Wi-FiアシストをON/OFFする方法
Wi-Fiアシストの機能や仕組み
今回の主役「Wi-Fiアシスト」は、2014年のiOS9から搭載された比較的新しい機能です。
その名の通り、Wi-Fiを手助けするこの機能。具体的にはどういったものなのでしょうか?
不安定なWi-Fiという問題点
通常、iPhoneがWi-Fiに接続されている場合、携帯電話キャリアのモバイルデータ通信よりもWi-Fiが優先して使用されます。
モバイルデータ通信よりもWi-Fiの方が速度が早く、安定しており、バッテリー消費も少ないので、この仕様自体は納得できるものです。
しかし、Wi-Fiもまた電波を使っていますから、常に安定して通信できるという訳ではありません。
たくさんの電波が飛び交う街中や、より強い電波を発する機器(電子レンジなど)が近くにあるような場所では、どうしても通信が不安定になりがちです。
みなさんの中にも、お店や駅のWi-Fiに接続したものの、電波が弱くて通信が出来ないという経験をされた方は多いはず。
その原因の1つが、Wi-Fi接続の不安定さによるものなのです。
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不安定なWi-Fiを自動でモバイルデータ通信に切り替える
さて、こうした不安定なWi-Fiの電波をiPhoneが掴んだ際、ちょっと困ったことが起こります。
それが、使えないWi-Fiを掴み続けてしまう問題。
先に述べたとおり、iOSはモバイルデータ通信よりWi-Fiを優先して使うよう設計されている為、例えまともに通信できないものであったとしても、Wi-Fiをキャッチしている間はそれを使おうとしてしまうのです。
結果として、ユーザーは手動でWi-FiをOFFにするか、Wi-Fiの電波の圏外まで移動する必要がありました。
そんな状況を改善するために生まれたのが、Wi-Fiアシスト機能。
こちらをONにすると、接続しているWi-Fiの状況をiOS側でチェックし、接続状態が悪い時は自動的にモバイルデータ通信に切り替えてくれます。
ユーザーは能動的にWi-FiのON/OFFを切り替える必要がなくなったので、結果として常に快適なデータ通信を行えるようになったのです。
Wi-Fiアシストのデメリット
このように、ユーザーのストレスを軽減する為に生まれたWi-Fiアシスト機能ですが、便利になった一方、大きな弱点も抱える事になりました。
知らぬ間にモバイルデータ通信を使いすぎてします
それが、知らぬ間にモバイルデータ通信を使ってしまう問題。
Wi-Fiアシスト機能はOS側の判断で自動的に通信を切り替える為、ユーザーは常に通信状況に気を配っていないと、切り替えに気付くのが遅れてしまいます。
結果、Wi-Fiを積極的に活用しているにも関わらず、思ったようにモバイルデータ通信量が減らないという事態を招くことがあるのです。
プランによっては通信制限や高額な料金を招くことも
近年では、3大キャリアでの契約でも月間通信量が定められており、それを超過すると通信速度が抑制されてしまうことがあります。
MVNO(格安SIM)での契約もほぼ同様に月間通信量が定められており、プランによっては従量課金的な契約内容(データ通信をした分だけ料金が増える)になっている事も。その場合、意図せず料金がかさんでしまう事があります。
Wi-Fiアシスト機能を使用する際には、このような不意なモバイルデータ通信量の増大に注意してください。
Wi-FiアシストのON/OFFを切り替える
Wi-Fiアシストは、ユーザーによって合う合わないが大きく分かれる機能です。
使うにせよ使わないにせよ、一度設定状況をチェックするのがお勧め。
ここからは、この機能のON/OFFのやり方をご紹介しましょう。
設定方法
Wi-Fiアシスト機能のON/OFFを切り替えるには、次の手順にしたがって操作してください。
1.「設定」アプリをタップします。
2.「モバイル通信」をタップします。
3.画面を下の方までスクロールします。
4.「Wi-Fiアシスト」のスイッチを操作します。
4の「Wi-Fiアシスト」の項目には、Wi-Fiアシスト機能によって行われたモバイルデータ通信量を確認できます。
Wi-Fiアシスト機能を用いる場合は、キャリアとの契約内容や当月のデータ通信量を確認しておかないと、予期せぬ通信制限や追加請求が行われる可能性があるので注意してくださいね。
Wi-FiアシストなしでイマイチなWi-Fiを回避する方法
Wi-Fiアシスト機能を使わない場合、そのままでは通信状態の悪いWi-Fiを使い続ける事になります。
通信が上手く行かないのはユーザーにとってもストレスが溜まりますし、仕事のやり取りなどをしている場面では、生産性の低下という実害も生じるので、甘く見るのは禁物です。
ここでは、そうした問題をWi-Fiアシストなしで対処する方法を、いくつかご紹介しましょう。
通信状態の悪いWi-Fiの見分け方
まずは、実際に繋ぐ前に、通信状態の悪いWi-Fiをある程度見分ける方法をご紹介しましょう。
こちらは簡単で、アクセスポイントの一覧を表示して、電波強度を確認するというもの。
Wi-Fiのアンテナの数が2本以下の場合、接続する電波の強度が弱い為、通信状態もその分悪くなる可能性が高まります。
電波強度が十分でもWi-Fiの先にある通信回線(光回線など)がイマイチだと意味がないのですが、接続前にある程度選別できるという意味では、覚えておいて損はないテクニックです。
■アクセスポイント一覧の表示方法
1.「設定」アプリを開く
2.「Wi-Fi」をタップ
3.「ネットワークを選択」の項目に付近のWi-Fiが一覧で表示されるので、右横のアンテナマークの数をチェックする。
無闇矢鱈とWi-Fiに繋がない
iOSの初期設定状態では、Wi-Fiの電波を検知すると毎回「接続しますか?」と尋ねてきます。
しかし、この勧めに考えもなしに従ってしまうと、通信状態の悪いWi-Fiに繋がってしまうことも……。
そこで、iOSの設定からこの確認画面を出す機能をOFFにしておくのがオススメです。
■設定方法
1.「設定」アプリを開く
2.「Wi-Fi」をタップ
3.「接続を確認」のスイッチをOFF
まとめ
今回は、iOS 9から追加された「Wi-Fiアシスト」について解説しました。
Wi-Fiアシスト機能自体は、スムーズにデータ通信を実現してくれる大変便利な機能です。
しかし、ユーザーの気付かぬ間にモバイルデータ通信量が増えてしまい、通信速度や料金に跳ね返ってくるリスクもはらむんだ、少々厄介な機能でもあります。
Wi-Fiアシスト機能を使用する際は、現在契約中のプランや通信量を確認して、使いすぎないよう注意した方が良いでしょう。
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