IFCで樹木データを扱うには?初心者でもわかる樹木モデル交換の基本ガイド
1. はじめに:なぜ樹木データをIFCで扱う必要があるのか
外構設計やランドスケープを担当していると、樹木の配置やボリュームを3Dで把握したい場面が増えてきていませんか。
環境シミュレーションや景観検討はもちろん、
- 施工計画の段階で「クレーン車の動線を樹木が妨げないか」
- 既存樹を残しながら「新しい建物や道路計画とどう共存させるか」
といった検討でも、樹木を含めた3Dモデルがあると判断がしやすくなります。
BIM(建築情報モデリング)やCIM(土木分野での3Dモデル活用)が広がる中で、
建物や地形だけでなく、「樹木そのものをどうデータとして扱うか」というニーズも確実に高まっています。
一方で、樹木モデルをやりとりしようとすると、
- ソフトごとにデータ形式や樹木オブジェクトの扱いがバラバラ
- 形状は渡せても、樹高・樹種などの属性情報が抜け落ちてしまう
といった問題が起こりがちです。
そこで重要になるのが「IFCによる樹木データ交換」という考え方です。
IFC(Industry Foundation Classes)は、BIMソフト間でモデルや属性情報をやりとりするためのオープンなデータ交換フォーマットです。うまく活用すれば、異なるソフト同士でも外構や樹木の情報を引き継ぎやすくなります。
本記事では、このIFCを使って樹木データをやりとりするための
- 基礎的な考え方(どのIFCクラスで樹木を表すのか など)
- 実務で役立つ具体的な手順(エクスポート設定・確認方法・注意点)
を、できるだけ専門用語をかみくだきながら解説していきます。
「BIMランドスケープや外構設計で樹木もきちんと3D・属性付きで管理したい」
「IFCで樹木データを渡したときに、位置や属性が欠けたりおかしくなったりするのを減らしたい」
――そんな方に向けて、日々の業務でそのまま使える知識とコツをまとめたガイドです。
2. IFCとは何か?
IFCは、建築・土木・設備といった幅広い分野で利用されている、モデル情報を共通形式で交換するための国際標準フォーマットです。ソフトウェアメーカーが異なっても、同じIFC形式を介することでモデルや属性情報をやり取りできる点が特徴で、この“オープンな仕組み”が異なるBIMソフト同士の橋渡し役となります。樹木モデルの交換においても、こうした標準化されたフォーマットを使うことで、環境の違いによるデータの欠落や不整合を減らし、スムーズな連携が期待できます。
2.1. IFCの基本
IFCは buildingSMART という国際団体が策定・管理している規格で、BIMの基本概念を土台としつつ、建築モデルだけでなく外構・ランドスケープといった周辺情報まで含めて扱えるよう拡張されてきました。たとえば IfcBuildingElementProxy のようなクラスは、特定カテゴリに分類しづらい多様なオブジェクトを柔軟に表現できるよう設計されています。
さらにIFCが重視しているのは、3D形状だけでなく属性(プロパティ)を含めて統一的に扱う点です。これにより、樹高・樹種・配置位置といった樹木データの細かな属性情報まで、プロジェクト関係者全員が同じ基準で解釈しやすくなります。
また、IFCはバージョンアップを重ねるごとに外構要素への対応も強化されており、IFC4以降では樹木のようなオブジェクトを IfcGeographicElement(PredefinedType=VEGETATION など)として扱う方法が整理されています。プロパティセットを追加して樹木固有の情報を付与できるなど、将来的には維持管理や環境検討も見据えた、より一貫性のあるデータ活用が可能になると期待されています。
2.2. IFCで樹木を扱うメリット
樹木データをIFCで管理する最大のメリットは、「互換性の高さ」です。たとえば Revit・ArchiCAD・Vectorworks といった異なるBIMソフト間でも、IFCを使えば樹木モデルを交換しやすくなります。さらに、適切にIFCクラスやプロパティをマッピングしておけば、樹種・樹高といった重要な属性情報が失われにくく、より正確なデータ連携が実現できます。
また、IFCビューアの存在も大きな利点です。Solibri や BIM Vision などの無償ビューアを使えば、樹木が正しい位置に配置されているか、属性が引き継がれているかといったチェックを、ソフトを持っていない関係者でも簡単に行えます。これにより、設計段階・施工段階の両方で確認作業がしやすくなり、ミスの早期発見につながります。
さらに、樹木をIFCで扱うことで維持管理フェーズでのデータ活用もしやすくなります。大規模な公園整備や街区計画では、大量の樹木情報を統一形式で管理する必要がありますが、IFCを導入することで情報整理や共有がスムーズになり、樹木データのベストプラクティスを取り入れた運用が可能になります。
3. IFCにおける「樹木データ」の基本概念
IFCで樹木データを取り扱う際には、まず「どのクラスで表現するのか」という基礎概念を理解することが重要です。現在の実務では、樹木などの外構オブジェクトは IfcGeographicElement(PredefinedType=VEGETATION など) や IfcBuildingElementProxy といった汎用クラスで表現されることが多く、古いプロジェクトでは IfcProxy が使われているケースも見られます。使用されるクラスは、ソフトウェアの種類やバージョン、さらにIFCエクスポート設定によって異なるため、プロジェクトごとの仕様を把握しておく必要があります。
3.1. 樹木データのIFC表現
IFCのスキーマは本来、建築物や設備といった要素を中心に構成されていますが、外構・ランドスケープ要素を表現するための仕組みも兼ね備えています。樹木のモデルをIFCに変換する場合、IfcGeographicElement(VEGETATION) や IfcBuildingElementProxy を利用することで、樹木の3D形状と属性情報をまとめて扱えるようになります。
ただし、ランドスケープ領域におけるIFCの運用は依然として統一されているとは言えず、どのクラスを用いるかは、プロジェクトチームの合意やソフト側のIFC変換設定に左右されます。過去のデータや一部ワークフローでは IfcProxy が使用されていることもありますが、IFC4以降の仕様では IfcGeographicElement や IfcBuildingElementProxy を採用するほうが互換性と将来性の両面で望ましいとされています。
そして何より重要なのは、必要な属性情報を確実に保持することです。樹木の位置情報(座標・高さ)や樹種、生育状況などを Pset(プロパティセット)として登録しておけば、後の検索・集計・維持管理に活用しやすくなります。
3.2. IFCでの樹木データの扱い方
IFCで樹木を扱う際は、3D形状と属性情報を一体として管理するという考え方が基本になります。樹木をモデリングし、そのうえで樹高・幹径・植栽コストなど必要な属性を追加することで、異なるBIMソフト間でも同じ樹木データとして連携できるようになります。
一方で、LOD(詳細度) への配慮も欠かせません。枝葉を細部まで再現したモデルは見た目の精度が高くても、ファイルサイズが肥大化し、IFCデータ交換時に読み込みエラーやパフォーマンス低下を招くことがあります。樹木をIFCへ出力する場合は、用途に応じて形状を簡略化するなど、適切なLODを選ぶことが重要です。
また、プロジェクトによっては座標系や単位設定の違いが原因で、樹木の位置がずれたりモデルが巨大化・縮小したりするトラブルも発生します。地盤モデルとの整合を取るためにも、モデリング初期の段階で座標設定を統一しておくことが、スムーズなデータ連携の鍵となります。
4. 樹木データのIFCへの変換
樹木モデルをIFC形式へ変換するには、まず使用しているモデリングソフトウェアが持つ樹木データ処理の仕組みや、IFC出力時の設定内容を正しく理解しておくことが欠かせません。樹木の配置・サイズ・属性が正しく反映されるよう、どのような設定が最適かを把握しておくことが、IFC変換を成功させるための重要なポイントとなります。
4.1. モデリングソフトウェアでの樹木データ処理
最初のステップは、使用するソフトウェアで樹木の3Dモデルを作成し、必要な樹木データ属性を整理しておくことです。たとえば、樹高や枝葉の広がりを大まかに表現したメッシュモデルを使えば、外観イメージを確保しながらファイル容量の増加を抑えることができます。
また、外構設計で求められる情報はプロジェクトごとに異なります。景観を重視する場面では樹形をよりリアルに表現し、維持管理や建築計画が中心であれば、位置・高さなどの正確なデータを優先するのが一般的です。そのため、用途に合わせてモデルの粒度を調整し、不要な部位を省いておくことが、後のIFC管理をスムーズにするための大切な工夫となります。
さらに、ソフトによっては植栽ツールで樹木を配置すると、樹種や本数などの情報が自動的に付与される機能もあります。BIMランドスケープや環境シミュレーションを想定する場合は、あらかじめ適切なカテゴリを選んでモデリングしておくと、後のIFC出力がより整理された状態になります。
4.2. IFCエクスポートの設定方法
次のステップでは、IFCエクスポートの設定が重要になります。ソフトごとに画面構成や名称は異なりますが、基本となるのは「モデル内のどの要素を、どのIFCクラスとして書き出すか」を定義するマッピング機能です。たとえば Revit では、植栽カテゴリの要素を IfcBuildingElementProxy として出力するかどうかを、IFCエクスポート用の設定(エクスポートオプションや専用マッピングファイル)で調整できます。また、バージョンによってはファミリやプロジェクトにIFC用パラメータを追加し、任意のクラスに割り当てる方法もあり、運用ルールに合わせて整理しておく必要があります。
さらに、IFC側で樹木がどの空間階層(IfcSite/IfcBuilding/IfcBuildingStorey など)に属するかは、Revit内のレベル設定やプロジェクト位置情報をもとに自動的に構成されます。そのため、適切な階層構造を得るためには、モデルの位置情報を正確に設定しておくことが非常に重要です。
ArchiCAD や Vectorworks でも同様に、植栽カテゴリがIFC出力でどのクラスとして扱われるかを調整できます。異なるソフトで作業を引き継ぐ場合、この設定が不一致だと樹木が正しく表示されなかったり、数が合わなくなることがあります。そのため、IFC出力設定は必ず事前にテストし、エラーの有無を確認しておくことが推奨されます。
また、LOD(詳細度)の調整機能がある場合は積極的に活用しましょう。樹枝を細かくモデリングするケースは実務ではまれで、円柱や単純形状に置き換えるだけで十分なことも多いため、エクスポート前にモデルを軽量化しておくことは非常に効果的です。
4.3. エクスポート後のデータ確認と調整
IFCファイルを出力したあとは、必ずIFCビューアを使って確認することをおすすめします。Solibri や BIM Vision などのビューアを用いれば、樹木がどの階層に分類されているかをツリー構造で確認できます。「外構要素はSite配下のはずが、Project直下に配置されている」といった誤りもチェック可能です。
もし樹木が透明に表示されたり、まったく表示されなかったりする場合は、エクスポート時のマテリアル設定が欠落しているか、Proxyとして扱われた際に座標や向きが崩れている可能性があります。また、樹木データが過剰に巨大化・縮小するケースでは、単位設定に誤差があることが多いため、必ず単位の整合性を確認する必要があります。
確認後に問題が見つかった場合は、モデリングソフト側で設定を調整し、再度IFC出力を行うという作業を数回繰り返すことになります。多少手間はかかりますが、プロジェクト公開前の段階で問題点を洗い出しておくことで、樹木データに関する互換性への不安を大幅に軽減できます。
5. BIMソフト別の樹木データ処理

樹木データの扱い方は、どのBIMソフトを使用するかによって特性や設定項目が大きく変わります。ここでは代表的な Revit・ArchiCAD・Vectorworks の3つを例に、IFC形式で樹木データを作成・エクスポートする際に注意したいポイントをまとめて解説します。
5.1. Revitでの樹木データ処理
RevitはBIMソフトの中でも特に普及しているツールで、植栽カテゴリを設定した樹木もIFCにエクスポートできます。しかし、標準設定では樹木が IfcBuildingElementProxy といった汎用クラスとして出力されることが多く、どのIFCクラスになるかはエクスポート設定やマッピングファイルの内容に左右されます。もし樹木を確実に IfcSite 配下 に整理して配置したい場合は、ファミリのIFCクラス設定に加え、レベル情報やプロジェクト位置など、IFCの空間構造(IfcSite/IfcBuilding/IfcBuildingStorey など)に影響する要素も調整しておく必要があります。これらの情報に基づいて、IFC側でどの階層に樹木が配置されるかが自動的に決まる仕組みです。
一方で、Revitの樹木モデルが複雑すぎる場合、エクスポート後に形状が崩れたり、ビューアで樹木が表示されない問題が発生することがあります。これはLOD(詳細度)が過剰であったり、Proxy扱いの際に形状解釈がうまくいかないことが原因です。エクスポート前に樹木形状を適度に簡略化し、IFC出力設定を見直すことがトラブル防止につながります。
また、Revitはプロジェクト共有機能が強力なため、複数メンバーが植栽を配置する現場では、樹木種やサイズのルールをチーム全体で統一しておくと、IFC変換後のデータ整合性が高まり、後工程の作業もスムーズになります。
5.2. ArchiCADでの取り扱い
ArchiCADで植栽オブジェクトをモデルに配置し、そのままIFCエクスポートを行うと、デフォルト設定では樹木が IfcBuildingElementProxy などの汎用クラスとして出力されることが多いです。実際にどのクラスになるかは「IFC変換設定(トランスレータ)」に大きく依存しており、設定内容によって樹木が消えたり、3D形状が失われて2Dシンボルのみで出力されるトラブルも起こりえます。こうした場合は、エクスポート対象の要素フィルタに外構カテゴリが含まれているか、変換設定で対象外になっていないかを確認することが重要です。
ArchiCADには属性マッピング用のUIが用意されているため、樹高・幹径などの属性をあらかじめ設定しておくと、IFC出力後も樹木情報が欠落せず、他ソフトでの管理もしやすくなります。また、モルフ機能などを使ってリアルな樹形を作成する場合はポリゴン数が増えやすいため、ファイルが重くなった際は簡易形状への置き換えを行ってからエクスポートすると、読み込みエラーを抑制できます。
5.3. Vectorworksの特性と活用
Vectorworksはランドスケープ分野に強く、植栽ツールを用いることで樹木を体系的に管理しやすいという特長があります。IFCエクスポートでは、プロジェクトの設定やマッピング内容に応じて、樹木を IfcGeographicElement(VEGETATION など) として扱ったり、よりシンプルな IfcBuildingElementProxy に出力したりと、運用に合わせた選択が可能です。プロジェクトによっては軽量化を優先し、あえて汎用クラスに統一するケースもあります。
樹木モデルを交換する際には、属性情報が適切に設定されているか、またIFCエクスポート設定で植栽オブジェクトが対象に含まれているかを必ず確認する必要があります。効率化のために、プロジェクト標準の樹木ライブラリを作成しておくと、データの統一性が高まり、他ソフトへのIFC出力でも整合性が確保しやすくなります。
Vectorworksはデザイン性の高いモデリングが得意ですが、高精細な樹木モデルを多用するとデータが重くなる点は他ソフトと同様です。必要に応じてシンボルの簡略化やマテリアル設定を調整し、IFCエクスポート時のパラメータも適切に設定しておくことで、トラブルを防ぎながら効率的な樹木データ管理が実現できます。
6. IFCビューアでの樹木データ確認
IFCファイルのエクスポートが完了したら、その内容をIFCビューアで確認することが非常に重要です。ビューアは無料・有料を含め多数存在しますが、どれを使う場合でも確認すべきポイントは共通しています。ここでは代表的なビューアを前提に、樹木データを検証する際の要点を紹介します。
6.1. ビューアでのデータ検証ポイント
Solibri や BIM Vision などのIFCビューアを利用すると、IFCファイルが正しく構造化されているか、各オブジェクトに必要な属性情報が付与されているかを視覚的にチェックできます。まずプロジェクト階層を展開し、樹木が IfcSite の配下に正しく分類されているか、名称・樹種・樹高といった情報が期待どおりに表示されているかを確認しましょう。
加えて、3Dビューで形状が歪んでいないか、色やマテリアルが異常になっていないかといったビジュアル面の確認も重要です。特に Proxy として扱われている樹木は、ビューア側で簡易的な形状に置き換えられることがあり、箱状に見えるケースもあります。もしそのような違和感がある場合は、モデリング段階でLODが高すぎなかったか、設定に誤りがなかったかを振り返る必要があります。
さらに、大規模なデータでは表示が重くなることもあります。その際はビューアの部分表示機能やフィルタを活用し、エクスポート時の設定が適切だったかどうかを改めて検討するとよいでしょう。
6.2. トラブルシューティング
樹木がビューアでまったく表示されない場合、まずは エクスポート対象から除外されていないか を確認することが最初のステップです。景観要素がフィルタによって非表示扱いになっていることもあるため、対象設定を丁寧に見直す必要があります。また、モデルが極端に巨大化したり縮小したりしている場合は、プロジェクト単位やメートル・ミリメートルの単位設定が一致していないことが多いため、単位の整合性もチェックしましょう。
もしビューア側で樹木形状が破損していたり、表示が乱れたりする場合は、元データのLODが高すぎたり、Proxy扱いで形状解釈がうまくいっていない可能性があります。ポリゴン数が多すぎるとビューアが処理できないため、必要に応じてポリゴン削減ツールや簡略形状への置き換えを検討する必要があります。
さらに、IFCに出力したはずの樹木データ属性(樹種・樹高・IDなど)が表示されない場合は、IFCエクスポート時のプロパティセット設定が制限されていた可能性があります。設定画面で「属性を含める」オプションが正しく有効になっているか、対応するPsetが出力対象になっているかを改めて確認することが大切です。
7. 樹木データ交換のベストプラクティス
IFCを使って樹木データをやり取りする際は、あらかじめ押さえておくべきポイントがあります。これらを理解しておくことで、外部パートナーや他部門とのデータ交換で発生しがちなミスを大幅に減らせます。ここでは、実務で役立つベストプラクティスを整理して紹介します。
7.1. データ交換の効率化
多くの樹木モデルを扱うプロジェクトでは、まず LOD(詳細度)を必要最低限に抑える ことが効率化の第一歩です。枝葉の細部までリアルに再現しようとするとポリゴン数が極端に増え、IFCファイルが重くなって作業効率が低下します。ランドスケープ検討が目的なら、円柱や球体を組み合わせた簡易モデルでも十分役立つ場合が多いでしょう。
さらに、樹木データの 標準化(ID・プロパティ名の統一) に取り組むと、BIMソフトを跨いだデータ交換が格段にスムーズになります。プロジェクト開始時に命名ルールや属性の共通仕様を決めておくだけで、IFC入力・出力の手間が減り、後から検索や集計を行う際にも大きなメリットがあります。
また、最近ではクラウドベースのBIMプラットフォームを活用するケースも増えています。プロジェクト全体モデルの中から樹木だけを抽出して確認できる機能を備えるサービスもあり、樹木データを効率良く管理する上で非常に有効です。
7.2. エラー回避のためのチェックリスト
樹木データをIFCに正しくエクスポートするためには、次のポイントをチェックリストとして確認しておくと安心です。
- 出力設定の確認: 樹木カテゴリや属性がIFCクラスに正しく割り当てられているか
- 単位設定: メートル・ミリメートルの混在がなく、スケールが適正か
- LODの適切化: 過剰なポリゴンを含んでおらず、データが重くなりすぎていないか
- フィルタ設定: 外構要素が誤って出力除外されていないか
- 座標・原点: 地盤モデルや建物モデルと整合の取れた位置に配置されているか
これらを意識しながらIFC樹木データを出力すれば、ほとんどのトラブルは未然に防ぐことができます。さらに、各工程で小まめにテスト出力を行い、Step by Stepで問題箇所を切り分けていくことで、より確実なデータ交換が実現できます。
また、樹木データを環境シミュレーションや維持管理に活用する場合は、必要な属性が揃っているかどうかも入念に確認すべきです。樹齢や植栽時期などの情報は後から追加しづらいため、必要性がある場合は早い段階でPsetに登録しておくとよいでしょう。
8. まとめ:IFCで樹木データを扱うためのガイド
本記事では、BIMランドスケープや外構設計で求められる樹木モデル交換をより円滑に進めるために、IFC樹木データの基本から実務で使える具体的な手順までを詳しく解説しました。IFCを活用する最大のメリットは、異なるソフトウェア間でも情報を正しく共有できること、そして樹木データを標準化することで、将来的な維持管理や環境シミュレーションにも応用しやすくなる点です。
記事では、樹木を IfcGeographicElement(PredefinedType=VEGETATION など)や IfcBuildingElementProxy、さらには過去から利用されている IfcProxy といったクラスで表現する方法を取り上げ、あわせてLOD(詳細度)最適化の重要性や、各ソフトにおけるIFC出力設定のポイント、エクスポート後に行うべき検証方法についても解説しました。トラブルシューティングにおいては、単位設定の不一致によるスケールエラーや、フィルタ設定の誤りによるデータ欠落など、よくある失敗例とその対処法が理解できたはずです。
今後は樹木データの活用場面がさらに広がり、詳細な植栽計画、維持管理の効率化、さらには地域スケールのBIM/CIMモデルへの統合など、用途はますます多様化していくと考えられます。そのためにも、本記事で紹介したベストプラクティスやデータ交換の手順を押さえておくことが、プロジェクト品質の向上に直結します。
読者の皆様も、ぜひ今回学んだ内容を基盤として、樹木データの互換性向上や効率的なワークフローの構築に挑戦してみてください。小さな工夫の積み重ねが、プロジェクト全体の成果につながっていきます。
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<参考文献>
Industry Foundation Classes (IFC) – buildingSMART Technical
https://technical.buildingsmart.org/standards/ifc/
Revit IFC リソース/マニュアル
IFCの操作
https://help.graphisoft.com/AC/27/JPN/_AC27_Help/121_IFC/121_IFC-1.htm
IFC形式との相互使用
https://product-help.vectorworks.net/2022/jpn/VW2022_Guide/IFC/IFC_format_interoperability.htm





