【初心者向け】AutoCADの文字を中央に位置合わせする手順とズレない設定方法
1. はじめに:AutoCADで「文字が中央に揃わない」問題を解決しよう

AutoCAD(オートキャド)で図面を作成していると、寸法や注記、タイトルの文字を中央に揃えたいのに、なぜか左右どちらかに偏ってしまうことがあります。特にAutoCADを使い始めたばかりの初心者の方にとっては、想定どおりの位置にテキストが配置されない状態はストレスの原因となりがちです。
中央揃え(中央配置)は、図面の見やすさだけでなく、作業効率や図面品質の向上にも直結します。例えば寸法や注釈が整然と揃っている図面は、プロフェッショナルな印象を与え、社内外の評価も上がります。一方、文字がバラバラだと修正作業が増えてしまうため、作業時間の浪費につながります。
本記事では、AutoCADを実務で利用している技術者の目線から、どうすれば文字揃えが簡単にできるのかを解説します。単一行文字(TEXT)と複数行文字(MTEXT)の違いや、図形中心への配置方法など、初心者向けにもわかりやすいステップを示すので、日常業務で確実に生かすことができます。
記事を読み進めるうえで、専門的な設定用語であるJustify(文字揃えの基点)、文字スタイル設定、Annotative(注釈尺度)なども平易に解説していきます。読み終える頃には、AutoCADの位置ズレ対策や中央揃え設定の基本をマスターできるはずです。ぜひ最後までご覧いただき、AutoCAD図面品質向上に役立ててください。
2. 基礎知識:AutoCADで「文字位置」を左右する3つの要素
文字の中央揃えを行う前に、どういった設定や要素がテキストの位置を決定しているのか押さえておくと理解が深まります。ここでは、文字位置を左右する三つの重要項目を順に解説します。
2.1. 文字位置の基準(Justify)の種類
AutoCADテキストの位置基準はJustify(ジャスティファイ)と呼ばれ、左右と上下の組み合わせで定義されています。例えば、左端基準(Left)や中央基準(Center)、右端基準(Right)という水平方向の選択肢と、上・中・下といった垂直方向の選択肢を掛け合わせた複数パターンを使い分けます。
具体的には、MC(Middle Center)のように、上下方向の真ん中と左右方向の真ん中を指定して中央揃えをすることができます。また、単一行文字(TEXT)の場合はコマンド入力時にJ(Justify)を選んで設定し、複数行文字(MTEXT)の場合はエディタ画面で中央揃えのボタンをクリックします。これらの違いを知っておくと、後で出てくる位置ズレ対策がスムーズになります。
Justifyの初期設定が合わないまま文字を入力すると、後から再配置が必要となり作業効率が落ちます。実務では、一度きちんとJustifyを押さえておくと、図面レイアウトの手戻りを減らすことができます。
2.2. 文字スタイルによる影響
文字スタイルにはフォントや字間、さらには高さ設定まで含まれるため、これらの設定ミスが中央揃えのズレを引き起こすことがあります。AutoCAD文字スタイル設定の中で、高さに数値が入っている場合は要注意です。
基本的には文字スタイルの高さを0にしておき、実際の図面上で文字のサイズを指定するのがベストプラクティスです。文字スタイル管理(STYLEコマンド)で誤った高さが設定されていると、単一行文字(TEXT)と複数行文字(MTEXT)との間でサイズ感や配置感がずれる現象が起こりやすいです。
ですから、中央揃えの前に文字スタイルを点検し、不要な高さ指定やスケーリングの重複がないかチェックしておくことが、安定した文字位置合わせにつながります。
2.3. Annotative(注釈尺度)による位置の見え方の違い
Annotative(注釈尺度)とは、AutoCAD上で図面の尺度に応じて文字の大きさや表示を自動調整するための機能です。このAnnotativeをオンにしている文字や寸法は、表示倍率が変わるとレイアウト上で位置がずれたように見えることがあります。
「異なる尺度を持つ図面をまたいで同じテキストを使いたい」「紙の上で常に同じ大きさに見えるフォントを扱いたい」という場合には便利な機能ですが、中央揃えの視点からは設定を正しく理解する必要があります。複数の尺度が重複して登録されていると、意図しない位置に表示されるケースがあるのです。
そのため、Annotative機能を使用する図面では、注釈尺度が正しく整理されているか、あるいは本当に注釈文字を使いたいのかを再確認しておくとよいでしょう。
3. AutoCADで文字を中央に揃える方法:実務で一番使う3つのアプローチ
ここからは、具体的に文字を中央に配置する手順を紹介します。単一行文字(TEXT)、複数行文字(MTEXT)、そして図形の中心に文字を配置する場面別に、最も効率的なアプローチをまとめています。
3.1. 単一行文字(TEXT)を中央揃えする方法
AutoCADのTEXTコマンドは、シンプルに1行の文字を配置するときに用います。中央揃えを最初から設定する場合の操作手順は以下のとおりです。
1. TEXTと入力してEnter
2. Jを押してJustifyオプションを開く
3. Cを選んでCenter(中央)基準にする
4. 中心点をクリックし、文字高さ・回転角を設定
5. 文字を入力して確定すると、中央揃えになります
既に左揃えや他の基準で書いたTEXTを後で中央に変更する場合は、プロパティパレットまたは右クリックメニューから位置揃え(Justify)をCenterに変更できます。ただし、変更時に基点がずれるので、文字が画面上で移動することに注意が必要です。最終的にレイアウトを確認して微調整すると、図面内で美しく中央配置できます。
3.2. 複数行文字(MTEXT)を中央揃えする方法
複数行文字(MTEXT)は、改行や段落を使った長めの注記や説明文を配置するときに使用します。MTEXTでは、リボンやMTEXTエディタ内に中央揃えのアイコンが用意されているので、クリックするだけで簡単に中央配置へ切り替えられます。
注意したいのは、MTEXTの枠幅が広すぎると見た目上、文字がやや左寄りに見えてしまう場合があることです。必要以上に大きなバウンディングボックスを作らず、文字数に合わせて枠を適度な幅に調整してください。
ブロックの中に組み込まれたMTEXTの場合はブロックエディタで編集し、テキストを中央揃えに変えると同時にブロック基点も中央に置くと配置作業が一段とスムーズになります。
3.3. 図形(線・矩形)の中央に文字を配置する方法
図枠や線の中心に文字を揃えたい場合は、オブジェクトスナップの活用がポイントです。たとえば、直線の中央を取りたいならShift+右クリックで表示されるスナップメニューから2点間の中点(Mid between 2 points)を使い、線の両端を順に選ぶと正確な中央を自動取得してくれます。
矩形の中心に文字を配置するときは幾何中心(GEOMCENTER)が使えます。但し、AutoCADのバージョンによっては幾何中心がサポートされていない場合があるため、そのときは矩形の対角線を結び、Mid between 2 pointsを用いて手動で中心を求める方法もあります。
このように、オブジェクトスナップを適切に設定すれば、図形中心とJustifyのCenter設定を組み合わせて、ほぼ誤差なく中央揃えが可能になります。複数箇所の図形に次々と文字を入れるときにも役立ち、作業の高効率化に直結します。
4. 位置揃えがズレてしまう原因と対処法
テキストを中央揃えにする機能を理解できたとしても、何らかの理由でうまく表示されないケースがしばしばあります。ここでは、より踏み込んだ位置ズレの原因と対処法について確認していきましょう。
4.1. 文字スタイルの高さ設定ミス
文字スタイルの高さが0以外に設定されていると、想定外のサイズや位置で文字が生成されるリスクが高まります。特に他人が作成した図面や、社内で複数人が共有しているテンプレートを使うときは要注意です。
対処法としては、「STYLE」コマンドで該当文字スタイルを開き、高さ項目を0に修正しておくのが最善です。中央揃えを適切にするためにも、図面作成前にスタイル設定を確認し、後からズレないように対策しておきましょう。
また、文字スタイルを複数使っている場合は、全てが同じ高さ設定(0)になっているかどうかを見落とさずチェックすると、トラブルが減ります。
4.2. Justifyの基点と文字内容のズレ
単一行文字(TEXT)でも、入力後に文字量が増えたり文字列が変化したりすると、基点を中心に左右バランスが変わってしまうことがあります。特に左右中央揃えを使っている場合、意図せず位置が変わり「文字がずれた?」と感じることが起こりがちです。
その対策としては、文字内容を最終確定してから位置合わせを行うことが一番簡単です。あるいは多少文字量が変化しても中央付近に置かれるようにレイアウトを考慮するなど、実務上の工夫が必要です。
また、基点を再設定するために、プロパティパレットやグリップ編集を使って微調整すると、繰り返しの修正を効率よく進められます。
4.3. Annotativeによるズレ
注釈尺度(Annotative)をオンにしている文字の場合、レイアウトビューポートごとに文字が異なる位置に現れることがあります。これはAutoCADの仕様として同じオブジェクトでも尺度ごとに表示を最適化するための仕組みだからです。
ズレを解消したいときは、まず当該テキストがAnnotativeかどうかを確認して、不要な尺度を削除します。また、本当に異なる尺度で表示したい場合は、各尺度ごとに中央揃えが崩れないかをチェックし、それでも問題があれば再度アタッチし直すと解決します。
Annotative機能は便利ですが、社内で尺度管理が徹底されていないと混乱のもとになるため、使い方を事前に周知するとトラブルを減らせます。
5. 実務で使える便利テク:中央揃え作業を時短する方法

このセクションでは、時間を大幅に節約できる小ワザやコマンドをまとめました。効率化を図ることで、図面作業にかける時間を減らしながら、文字配置が美しい図面を目指します。
5.1. ALIGNコマンドで複数文字をまとめて揃える
ALIGN(アライン)コマンドは、オブジェクトを指定した2点、または3点の位置に合わせて変形や移動ができる機能です。普通は図形を回転・拡大縮小しながら整列させる用途がメインですが、テキストの整列にも使えます。
例えば複数のTEXTを一列に並べて中央に整列したい場合、参照となるポイントを設定することで一度にそろえることが可能です。個別に移動コマンドを使う手間が省けるので、表形式の注記を作る際などに試してみると効果的です。
ただし、ALIGNの使用時には移動だけでなく必要によりスケーリング(拡大)まで適用されることがあるため、オプション選択を間違えないよう注意してください。
5.2. ARRAY(配列複写)×文字で表を簡単に作る
一定の間隔で文字要素を複写したい場合はARRAY(アレイ)コマンドが便利です。行と列を設定するだけで、文字が規則正しく並ぶ表のようなものを簡単に生成できます。このとき、あらかじめ1つ目の文字を中央揃えにしておけば、コピーされた文字も同様の基準で配置されてくれます。
表そのものをわざわざ作り直さなくても、必要な行数・列数を指定して整然と並べたい場合に強い味方になるのがARRAYです。特に大量のマス目に同種の注記を配置するとき、手動作業を一気に削減できるメリットがあります。
ただし、文字内容の部分だけ別途編集が必要になるため、効率を重視するならブロックを組み合わせた方法や他のオートメーション手法も検討してみるとよいでしょう。
5.3. ブロックエディタで基点を中央にしておく
図面のテンプレートや繰り返し使用するパーツに関しては、ブロックを作っておくと再利用しやすくなります。特に、注意書きやタイトルなどの文字ブロックは、最初に基点(Insertion Point)を最高に便利な位置、つまり中央に設定しておくと後々の配置がスムーズです。
ブロックエディタで文字を中央揃えしつつ、挿入基点を文字の中心へ指定すれば、配置時にここを中心に置きたいという一点をクリックするだけで、正確に中央に揃います。会社全体の図面品質を上げるうえで、標準ブロックの整備は大切な項目といえるでしょう。
5.4. FILTER(選択フィルター)で文字だけ抽出して整列
大きな図面でオブジェクト数が多い場合、文字だけをまとめて選ぶのは一苦労です。そんなときに役立つのがFILTER(フィルター)機能です。OBJECT TYPEでTEXTやMTEXTなどの文字要素を条件として指定すれば、それだけ抽出して一括移動や整列を行うことができます。
図面を整理しながら中央揃えを施したいときにも便利で、余計なオブジェクトを選択しない分、操作ミスが格段に減ります。いつも使う場面があるわけではありませんが、覚えておけば「AutoCAD位置ズレ対策」の奥の手として重宝するはずです。
6. トラブルシューティング:よくある質問(FAQ)
ここでは、実際の現場でよくある問い合わせをQ&A形式でまとめました。同様の疑問を解決するヒントになればと思います。
6.1. 中央揃えにしているのに、左寄りに見える
複数行文字(MTEXT)の場合に特に多い事象です。原因としては、MTEXTのバウンディングボックスが実際の文字量よりも大幅に広くなっている可能性が高いです。
対策として、MTEXTエディタを開き、必要最小限の大きさに枠を縮めてください。また、改行数や文字スタイルが意図せず変わっていないか確認すると、見た目が整えて中央に見えやすくなります。
それでも収まらない場合は、文字スタイルの幅因子や縮尺を再チェックして、左右の余白を取りすぎていないかを見直しましょう。
6.2. 直線の中央に文字を置くと微妙にズレる
直線の中央を取得したつもりが、実際には端点を正しくスナップできていない可能性があります。あるいはMIDスナップがオフになっているケースも考えられます。
最初にオブジェクトスナップ(OSNAP)設定を必ず開き、Midpointを有効にしてください。さらに、ズレが気になる場合は先述のShift+右クリック→2点間の中点を使うと確実です。
6.3. 注釈尺度を変えると位置がズレる
Annotative文字を使っている場合、尺度を増減すると別の尺度用に記載されている文字群が重なるように見えることがあります。これはシステム上の仕様であり、注釈オブジェクトの場合は各尺度に紐づいて異なる配置を保持できるためです。
対処策としては、図面で確定使用する尺度のみ追加し、不要な尺度を削除するのが基本です。複数の尺度が必要ならば、面倒でも全ての尺度に対して念入りに中央合わせを行い、ズレない設定を整えましょう。
6.4. MTEXTが勝手に改行される
MTEXTに設定している幅が狭すぎると、自動的に折り返しが行われてしまい、一見すると中央揃えが適用されていないように見えます。
解決策としては、必要に応じて幅を広げる、あるいは自動改行の設定を解除する方法があります。エディタ上の段落設定や自動改行のチェックを再確認して、意図しない改行が発生しないように調整してください。
7. まとめ:文字の中央位置合わせをマスターして図面品質を向上させよう
ここまで、AutoCADにおける文字の中央揃え方法と、よく発生するズレの原因・対処法を詳しく解説してきました。単一行文字(TEXT)と複数行文字(MTEXT)の操作手順や、図形の中心への配置で役立つスナップ機能、さらに文字スタイル設定やAnnotative機能が及ぼす影響まで把握すれば、余計な修正に時間を割くことなくスムーズに図面を仕上げられるでしょう。
特に、Justifyの種類や文字スタイルの高さをきちんと理解しておくことは、初心者からベテランまで共通して重要です。慣れ親しんでくると、中央揃えのテクニックは図面作成の質を大きく左右するポイントなのだと実感できます。また、ALIGNコマンドやARRAYコマンド、FILTER機能などを組み合わせれば、大量の文字配置作業もスピーディに進めることが可能です。
文字を見やすく整理された図面は、社内の効率化やクライアントからの評価アップにもつながります。ぜひ今回紹介した方法を自分のAutoCAD作図に取り入れ、業務効率化と図面品質の向上を同時に実現してみてください。
これから先も、AutoCAD図面の整理やテキスト配列に関するコツはさまざまありますが、まずはこの「中央揃え」を確実にマスターしていただければ、他のテクニックも自然と応用が効きやすくなるはずです。明日からの作業にぜひ役立ててください。
建設・土木業界向け 5分でわかるCAD・BIM・CIMの ホワイトペーパー配布中!
CAD・BIM・CIMの
❶データ活用方法
❷主要ソフトウェア
❸カスタマイズ
❹プログラミング
についてまとめたホワイトペーパーを配布中
<参考文献>
・Autodesk AutoCAD(オートキャド) | 価格・製品について
https://www.autodesk.com/jp/products/autocad/overview
・文字を中央の位置合わせで入力すると位置が左にずれる(AutoCAD)







